goo blog サービス終了のお知らせ 

自然回帰マーチャンダイジング

-地域-自然-デザイン-商品-生活-を繋ぐ遊び場・仕事場から

源流は遅い春 

2007-05-09 08:31:52 | Weblog
 
 遠山川に行ってきた。本来は本流域でアマゴを狙うべきところを、あまりにも釣り人が多いのと、あまりにも暖かい日和のため、つい支流奥へとイワナ狙いに転じてしまった。

 結果、まだ早い!とイワナに言われた。カワゲラのハッチはさかんだったし、渓に射す光は眩かった。しかし、芽吹きはまばらで、水はとびきり冷たかった。源流域の春は遅い。

 大井川源流と山一つ隔てた遠山川で、大井川に想いを馳せる。5月下旬にならないと山桜が咲かないあの場所へ、また行きたい。あと50日ほどのカウントダウンが必要だけれど。(写真は二軒小屋下流部)

メイフライの季節

2007-05-01 19:57:31 | Weblog

 5月はその名の通り、フライフィッシングの季節。3月も4月も、充分にドライフライで釣りになるが、この季節はやはり気持ち良さが違う。

 さらに気持ちが良いのは、ベストもウェーダーも着ず、ウェーディングシューズだけで服のまま川にジャブジャブ入っていく盛夏のイワナ釣りだが、それにはまだ時間がある。やはり5月は、なんといっても眩い光と新しい緑の中、真昼間にアマゴと出会える気持ち良さだ。

自然とともにある建築

2007-04-26 20:12:24 | Weblog

 このコンクリート打ち放しの建築は、掛川の市街地を僅かに離れた、小笠山のすそ野にある。北には小さな棚田が、南には初夏に蓮の花が咲きほこる水辺がある。

 この施主との出会いは、建築家の小澤義一さんからの一本の電話であった。たった今、設計を依頼してきた施主と酒席を一緒に、というもの。一も二もなくすぐにその場へ向かい、話し込んだ。

 建築計画には、その建築が商業建築であればあるほど、表現計画の重要度が増す。施主がその重要性を認識していたため、われわれに声が掛かったのである。

 初顔合わせから1年半後、この建築は完成した。画像は3年前の完成直後のものだ。アトリエie(アイエ)というこの美容室兼自邸は、この地にあって、ひと際個性を放っている。ただし、コンクリートの持つ無機質感が、自然の中にあって目立つのではなく、溶け込んでいる。小澤さんが言う「つい通り過ぎてしまう」建築、「経年変化を楽しむ」建築とは、こういうことなのだ。

 棚田に稲の苗が並び、池に蓮の花が咲く季節が、まもなくやってくる。

木の家のつくり方

2007-04-24 21:59:57 | Weblog
 
 御前崎市の中山啓司さんの家が完成した。中山さんからは、1年半ほど前に自邸の建築計画について相談があった。地域の建築家を起用し、建築家の信頼に足る地域の施工者を選び、できる限り地域の素材を使う、というわれわれの基本提案に対し、中山さんの決断は早かった。
 
 結果、設計監理は高橋雅志氏/高橋設計事務所、施工は株式会社鈴木建設、使用する天竜材はTenryu-AM/有限会社アマノ、というキャスティングで建築計画をすすめてきた。

 高さを抑え、軒を長く出したこのシルエットは、高橋氏ならではの意匠設計。大工の技術も心意気も素晴らしかった。中山さんのライフスタイルデザインを具現化するというテーマに対し、ここまでコンパクトかつシンプルシックに仕立てたこと、フライフィッシングを嗜む中山さんが通う天竜川水系の杉材を使ったこと、それぞれに大きな意味がある。これからの木の家のつくり方を示唆する、代表的な建築になるだろう。

続・絶妙なカーブ

2007-04-23 11:48:16 | Weblog

 その先をどうしても見てみたくなるところは、自然に加えた人の手が、意図なく効果的なチラリズムを演出している。

 御前崎尾高海岸へ降りる道。御前崎を取材中、この光景を見た瞬間に車を急停車させてこのシーンを撮影した。その先の海が見たくなる場所が、御前崎にはいくつもある。ここは御前崎灯台の西側だが、北東に伸びる台地にも、駿河湾に向かって降りていく路地など、瀬戸内のような風景に出くわすことができる。

絶妙なカーブ

2007-04-22 06:55:19 | Weblog

 その先を曲がると何が待っているのか。その先にはどんな世界が拡がっているのか。ローカルで快適な道探し、美しい風景を探していると、こういう想いにかられる場面によく出会う。
 
 掛川駅には、貴重なローカル鉄道「天竜浜名湖線」が発着している。この鉄道沿いは、素敵な空間の宝庫でもある。線路沿いに3kmも続く一直線の道があるかと思えば、このように小さな山の手前で大きく線路が蛇行する。田圃の直線と丘が作り出す曲線は、ここにしかない風景財産だ。

 この絶妙なカーブを描くその先には里川にかかる鉄橋が、この手前にはゆるやかな里山が待ち構えている。

ロードバイクビギナーズへ

2007-04-20 08:12:50 | Weblog

 一昨日の晩、息を切らせた長身の女性が事務所に飛び込んできた。しかも、スペシャライズドのシラスに乗って。用件は、「カレッジのサイクリングプログラムに入れてもらえませんか?」というもの。もちろん大歓迎だ。

 ちょうどその日、八重洲出版の宮内忍さん(サイクルスポーツ前編集長)が編集したムック“大人のサイクリングビギナーズ”が送られてきたばかり。カレッジのサイクリングプログラムでテキストとして使うため、受講者に配布するよう準備したものだ。

 ちょうどいいタイミングだと言って彼女にムックを渡すと、ロードバイクが欲しいけれど、まだ乗ったことがないと言う。ロードバイク予備軍だ。ここ数年、年初に「自転車ブームのピークは今年か!?」と予測しては、いつも裏切られてきた。それくらい、まだまだとどまるところを知らないこのブーム。

 ロードバイクに乗ることで拡がる世界、深まる価値は、アタマで考えてもまったくわからない。まず、乗ってみることだ。とにかく、走ってみることだ。いとも、簡単なことだ。

柚葉という集落

2007-04-18 08:13:26 | Weblog

 柚葉と書いて「ゆずっぱ」。大尾山の西北の斜面に貼りつく、響きが美しい集落。ここに暮らす人々は僅かであるが、まだまだ健在だ。集落を離れた方も、通いながら農の営みを続け、里山の美しさを保っている。

 茶の新芽が出始めたころ、午後の太陽が傾くとき、眼の前に拡がるこの風景に、毎年出会いに行く。

ネイチャーフォトグラフィー

2007-04-17 08:08:08 | Weblog

 早朝の御前崎港。太陽が出ると、すかさずその下を船がくぐっていく。掛川ライフスタイルデザインカレッジ・ネイチャーフォトグラフィーの講師でカメラマンの小川博彦さんと仕事中、彼がふっと居なくなったと思ったら、このシーンを撮影していた。

 アングルがどうのこうの、ああ撮れこう撮れ、コンクールに出す出さない、といった雑音のない世界で、自然が醸し出す妙や、自分自身と自然との関わりを作為なく切り取れるかどうか、がこのプログラムのポイントなのだろう。多くの小川さんの写真を見てきたが、写真そのものがそう語っている。

F.Fカレッジ始動

2007-04-10 20:59:53 | Weblog
 
 4/8から、掛川ライフスタイルデザインカレッジのフライフィッシングプログラムがスタートした。受講していただく方は昨年から増え、12名に。中にはなんとF.F歴16年のベテランもいる。

 フライフィッシングは、渓魚との出会いを求め、川を彷徨う遊びである。その成り立ちは、キャストしたフライを、渓魚がくわえるかどうかではあるが、仲間とのF.F談義、門を叩いてくれた人が釣れるかどうか、もまた楽しさを増幅させる。

 川野信之さんは、始動前日の講演で、「フライフィッシングに出会い、一人の狂人が生まれた」と語ってくれたが、さて、このプログラムで何人が狂気するだろうか。

春アマゴ

2007-04-02 08:41:19 | Weblog
 
 小口修平さんと出かけた気田川支流熊切川では、小型のカゲロウとカワゲラがさかんにハッチしていた。石の周りにはガガンボが処狭しと貼り付いていた。
 
 先行者の気配もないのだが、ここぞというポイントでは無反応。川に入って30分後、岸寄りの浅瀬に#14のディアヘアカディスを遠投すると、一発で飛び出してきたのがこのアマゴ。

 アマゴ特有の朱点ひとつとっても水系による違いがある。太田川水系のアマゴのは赤に近いが、気田川水系は限りなく橙に近い。とはいえ、養殖と放流の繰り返しで、その川の固有種とは言いがたいのだけれど。

釣り師の粋

2007-03-31 18:23:55 | Weblog

 つり人社社長・会長をつとめ、現相談役の小口修平さんをガイドし、毎年この時期にアマゴ釣りへ出かける。今年は気田川と寒狭川へ釣行した。

 大正13年生まれの小口さん。ガイドした気田川支流熊切川の瀬のど真ん中で、和式毛鉤を振り込むその姿は、しゃきっと背筋が伸びている。

菜の花が美しい狩野川

2007-03-17 14:36:34 | Weblog
 
 狩野川へ釣りに行ってきた、そして走ってきた。わさび田の水はぬるんでいた。昼前、狩野川本流ではオオクママダラカゲロウがハッチをはじめた。8寸サイズのアマゴがフライフィッシャーを無視してライズしていた。

 自転車で走った中伊豆の路地は快適だった。路地を抜けると菜の花が待っていた。菜の花の香りが漂う中を走りぬけた。

早春の川へ

2007-03-08 20:07:46 | Weblog

 渓流が解禁した。3/4初夏のような陽気の中、子供の頃アマゴと泳ぎ、大人になってフライフィッシングを覚えた大切な遊び場へ出かけた。夕方5時というのに、この暖かさはまるで4月下旬のようだ。対岸のフキノトウが花をひらき、サイズは小さいが、カゲロウがさかんにハッチしている。

 この流れで、何回アマゴがロッドを絞ってくれただろう。今年は、アマゴの顔を見ることが出来るだろうか。ここ数年、遊び場は鵜と鷺に占領され、この流れでアマゴを見ることは少なくなった。追い討ちをかけるように、上流のダムは完成にむかっている。

 遊び場に、アマゴは健在だった。とはいえ、#14のソフトハックルフライをくわえてくれたのは、小さな小さなアマゴだった。これは、微かな希望の光か、もしくは最終シグナルか・・・。