国民体育大会の文化版といえる国民文化祭が、いよいよ10/24(土)~11/8(日)の16日間、静岡県全域で展開される。掛川市における事業の1ジャンルで、大東地区 土方(ひじかた)での「アートフェスティバル」は、地域の歴史・地形・風景の価値を見直し、地域の空間を使った『モコモコ・グランドアート』を開催する。
土方の地形そのものが、自然の造形(アート)だ。ここには、隆起したであろう「山」とも「丘」とも違う、「こんもり小山=モコモコ」が象徴的地形をつくっている。これは、いわば自然の造形=アートであり、住民はその上・中で生活(暮らし、営み、商い、農・工生産)をおくっている。歴史をひもとけば、この小山が城であり、水源であり、人の営みに大きな影響をもたらしている。
人間には、高いところと低いところに行きたいDNAがある。また、日本人にとって里山は懐かしさを憶え、すっと馴染む風景だ。あっという間に登ることができるのがモコモコ。しかし、たった数メートル登ってみただけで、吹く「風」と見渡す「景」の違いは、登ってみた人にしかわからない。
モコモコの上に、造形物(アート)を創作・設置する。期間限定(約2週間)で、モコモコの頂上やその近くに、地域の営みや、自然、歴史をテーマとした造形物や、その場所を使ったパフォーマンスなどの創作を想定している。創作には東京学芸大学の鉄矢悦郎准教授(デザイン教育)の指導のもと、鉄矢研究室の大学生、地元住民に協力をいただく。
写真は、モコモコのひとつ『iモコ』だ。てっぺんに2本の栗の木。2人は東京学芸大学の学生。こうしたロマンチックなモコモコから、一面が茶畑のモコモコ、富士山と太平洋が眺められるモコモコなど、厳選した12のモコモコを巡るショート・トリップを提供しようと、いまマップの編集が佳境に入っている。