2000年に伊豆の観光再生を目指し、静岡県と伊豆の市町村が開催した「伊豆新世紀創造祭」から、すでに8年が経過した。狩野川を観光商品化しようという構想から、サイクリストを伊豆の観光客として顕在化しようと計画したのが、“コリドー狩野川”事業である。
この事業は、サイクリングルートの設計、サインの整備、マップの編集・発行、を機軸に、マップを使ったサイクリングラリー、シンボリックなロングライドイベントを行った。狩野川100kmサイクリングのルーツである。
狙いは外れなかった。2000年から、サイクリストたちは狩野川に集い始めた。週末は、河川敷や川沿いのみちを、自転車を積んだクルマがうろうろするようになった。カラフルなウェアを身に着けたサイクリストたちが、さかんに堤防上を疾走するようになった。計画の当初、行政マンたちは我々の提案に首を傾げていた。彼らは、サイクリストが観光客になることに想像力が働かなかった。
今年は雨のサイクリングになった。申込者はなんと600名。かなりの雨量だったため、当日の実走者は減ったが、「じゃまた来年!」「来年は晴れることを期待してます!」今年もたくさんのサイクリストに声をかけられ続けた。(写真/小川博彦)