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自然回帰マーチャンダイジング

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フライフィッシャーの昆虫学

2011-06-02 11:56:56 | フライフィッシング
 ドクターカワノこと川野信之さんが、イギリスのアルフレッド・ロナルズの「フライフィッシャーズ・エントモロジー(フライフィッシャーの昆虫学)」という1836年に出版された本を翻訳、上梓、出版した。原書は、なんと今から175年前(和暦では天保7年)坂本龍馬が生まれてすぐのころ、水棲昆虫とそのイミテーション・フライを対比させた世界で初めての本であり、まだカラー印刷がなかった時代のため、挿絵にはすべて手で色がつけられていた。

 この本を出版するに至ったきっかけは、われわれが運営していたライフスタイルデザインカレッジフライフィッシングプログラムでの講義に、先生がこの本を持参・紹介したことだった。この本を片手に、タイイングに関するレクチャーからスタート。本を回し読みはじめると受講生は口々に“先生!これはちゃんと読んでみたいけど読めない”と言い出した。この辺りのいきさつをご本人のブログから引用すると・・・。

「一仕事しようかな・・・」
・・・皆、口々に読みたいが英語ではとても読めない。僕に英訳して本にしてくれ、そうすれば読めるから、と言う。115ページくらいの小さな本だから翻訳はそれほど大変じゃないだろう。だが、古い英語で書かれているので正確に訳すには古英語の専門家の助けが必要になるだろう。また翻訳してもどの出版社が出してくれるというのか、こんな古い本を。また、本が出たとして本当に売れるのだろうか、など問題が多すぎる。だがね、バカげたことをするのが僕の特技なので、やってみようかな、なんて思い始めている。


 このいきさつがあってから2年後、カレッジ教本のようにこの本は出来上がってきた。読み始めてみると、初っぱなの図版の色と線の再現にまず驚き、初版への著者の序言のくだりで感心してしまった。さらに、これは既に先生ご自身がどう感じておられるかはわからないが、
   
 川野 信之
    
の文字が、必然性を帯びて本の帯に書かれていることに、あらためて驚かされてしまった。
    
 野の川にありて、之を信ずる。
    
 「論語」の一以貫之(いつもって、これをつらぬく)は、終始一貫信念を貫くという意味だろう。川野先生のすすまれてきたみち=フライフィッシング・ウェイを、まさに示しているではないか。フライフィッシング用語辞典を最初に手に取った時とはまた違った感銘だった。

●フライフィッシャーの昆虫学
●当社事務所に在庫あり 購入ご希望の方は連絡または書き込みください


フライフィッシングの入口へ

2010-11-16 16:02:56 | フライフィッシング
 自然回帰型スポーツの愉しみのなかでも、特に生きものたちとの駆け引きや、繋がりが生まれるのがフライフィッシングの特徴だろう。それは、決してハンティングではなく、あくまで“魚に遊んでもらう”というジャンルだ。

フライフィッシングは、今まさにアマゴやイワナが産卵期を迎えて禁漁となり、来春3月の解禁を待たなければならない。NPOでは、その前に「エントリープログラム」と題した講座を、川野信之さんを講師に迎えて開催することにした。

 『キャスティングレッスン&管理釣り場で実釣体験』
 はじめての方にキャスティングとフライによる実釣を体験し、
 フライフィッシングライフのスタートに立つための講座です。

 講師:川野信之(フライフィッシング用語辞典 著者、相模原市在住)
 会場:すそのフィッシングパーク
 日程:11月27日(土)
 予定:掛川市役所8:00集合・発-移動-現地着・開始10:00-
    講座-昼食-終了・現地発15:00-市役所17:00着・解散
 定員:12名 最小催行人員8名
 会費:6,000円(NPO会員) 8,000円(一般)
    管理釣り場利用費(4時間:3,100円)、釣り場までの交通費
    は含まれておりません。
    ロッド・リール・ライン・フライが必要な方は有料(2,000円)
    でご用意します。


 実釣体験なので、とにかく“どなたでもフライでトラウトを釣る”という体験ができる。ご希望の方は、以下サイト
 http://slowlifekakegawa.seesaa.net/article/168072902.html
または、satoh@conception.co.jp まで。

輝く水面

2010-02-26 00:41:56 | フライフィッシング

 3月の声が聞こえはじめた。ネコヤナギが思い切り膨らんだ。もうすぐ川が開く。ここは、原野谷川上流部。泉地区集落下の渓。

 水面を割って羽化するカゲロウをアマゴが捕食する。フライフィッシャーがラインを伸ばす。

 水が光りだした。川が待っている。
 
 水面が輝きだした。川が呼んでいる。

塩の道の縁

2009-08-05 23:37:44 | フライフィッシング

 遠州地方に住むフライフィッシャーたちのメインゲレンデは、太平洋側の塩の道沿いにある。遠州から信州へと向かう秋葉街道と重なって塩尻へと伸びる道沿いに、天竜川とそこへ流れ込む数多くの支流群があるのだ。

 対して、日本海側の塩の道は新潟県糸魚川市から信州へと伸びている。太平洋側とちょうど対になる日本海側からの塩の道沿いにある白馬村、小谷村を訪ねてイワナに会いに行ってきた。

 初めての白馬村での釣り。以前はスキーでしか訪ねたことしかなかったこの地の沢筋で、初めて飛び出してきたイワナは掛け損ねた。水は高く、釣り辛い。イブニングは大物のニオイがプンプンする姫川本流を狙ってみたが、期待に反して竿は大きく曲がらなかった。

 太平洋側の塩の道は、相良から塩尻まで、3泊4日のサイクルツーリズム実験を行った。塩の道の縁。今度はフィッシングツーリズムで、もっとこの古の道をひもといて行こうか。そう思わせるに相応しい宿と主人と川との出会いがあった。

海フライ!

2009-07-24 22:35:18 | フライフィッシング

 浜名湖で海のフライフィッシングを試そうと、ノースフェイスの8番ロッドで懸命にキャスティングし、フライをこれでもか、というくらい引っ張ってみた。

 最近、地元以外のフライマンから「浜名湖のそんな近くに住んでて、浜名湖でフライやらなきゃもったいなじゃないですか」と、なんべんも言われた。

 恥ずかしながら、フライの初浜名湖は見事に撃沈。リベンジして、ライフスタイルデザインカレッジのF.Fプログラムで、浜名湖での実践をトライしてみたい。この夏、キビレをなんとかフライで攻略できないかと悶々としている。

美しいループを!

2009-07-09 22:10:19 | フライフィッシング

 ライフスタイルデザインカレッジのフライフィッシングプログラム。画像は、2008年初夏の基礎レッスンの様子だ。8名の受講生たちに、講師・コーチ陣がキャスティングをレクチャーしている。

 フライフィッシングの基本は、ラインを伸ばし、フライ(毛鉤)を飛ばすことである。もちろん、それだけで魚が釣れるわけではないが、ロッドを振り、ラインを伸ばす“キャスティング”が大切な技術であり、このロッドでつくるラインの軌跡がしなやかで、美しければ上級者である。

 伸びようとするラインがつくりだすカタチがループであり、ライン先端まで意図を伝え、プレゼンテーションする。この行為を安定的かつ持続的に行うのは、一見修行のようだが、フライフィッシングの世界には、ちゃんとキャスティングコンテストまでもが存在している。所作の美しいフライフィッシャーは、羨望の的になる。

 7月11日、2009年度フライフィッシングプログラムがスタートする。やはり、初回はこのキャスティングから始まる。今年のメンバーは8名。美しいループと軌跡をつくり出すために、講師もコーチも、準備万端である。

釣り小僧が大人になると

2008-09-25 22:23:49 | フライフィッシング

 小さなころから、水辺が気になって仕方なかった。沢、川、谷があれば、いつもそこを覗き込んでいた。

 生まれた集落の下には、アマゴの居る沢があった。アマゴのことはアメノウオ、略してアメ、と呼んだ。片道5kmの山道を駆け下り、小学校に着くと、その裏には鮎やアメと一緒に泳いだ川があった。

 鮎解禁日となる6/25は、毎年小学校は休みになった。小学校の校庭が、鮎釣り師の駐車場となった。学校は休みだが、みんな学校に来て、担任の先生とともに鮎釣りに興じた。

 思えば、釣りばかりしていた。今も、釣りばかりしている。

ビーバー・スプリングスのブラウン

2008-09-20 20:23:58 | フライフィッシング
 
 「現代人という両棲人類(アンフェビアン)にとって、都市と自然はどちらか一方を捨てて、一方を採るというようなものではなく、両方を充分に生きることが全的生活実現への道である」(浜野安宏コンセプトインデックスより)

 浜野さんが、積極的試行錯誤のはて、1994年にモンタナのイエローストーン・リバーの川岸にあるスプリングクリークとともに購入したのが“ビーバー・スプリングス”だ。ここには、9/9の記事で紹介している「アースシップ」が建てられていて、まさに自然保護のためとしか言いようのない土地である。

 本でしか見たことのなかったビーバー・スプリングス。いつか行ってみたいという想いを抱きながら10数年の歳月が流れた。その水際に立つ。ビッグサイズフライを結ぶ。数投め、大きな飛沫とともにブラウンが現れ、その想いを理解してくれたかのように歓待してくれた。

和式毛鉤釣師、アメリカを行く

2008-09-17 15:56:32 | フライフィッシング

 西洋式毛鉤釣り=フライフィッシングは、イギリスで生まれ、アメリカで発展し、日本のフライフィッシングはそれをさらにセンシティブに進化させている。それに対して和式毛鉤釣り=テンカラと呼ばれ、日本の山岳渓流に住むイワナやアマゴを、職漁師が効率的に釣るためのシステムがベースとなっている。

 この両者ともに、オモリを使わずにライン(糸)の重みを使って毛鉤(フライ)を飛ばし、主に鱒族のサカナを釣るというのが大きな共通点だが、大きな違いもある。それは、リールがあるかないか、だ。

 リールがあれば、ラインの長さは自由自在。それに対してリールがないと、ラインは一定の長さに決まっている。ある意味、アメリカではハンデのある釣り方で、今回の旅をご一緒したのが、“テンカラの鬼”と呼ばれる榊原正巳さん。榊原さんとは10数年来、釣りを通しておつきあいがある先輩・友人である。今回のワイオミング~モンタナへの旅へ声をかけたところ、すぐに同行希望の回答があった。

 さて、その榊原さん。ご覧のように広大な湖の流れ込みで、いとも簡単にフッキングし、いつものように冷静に、ネイティブのカットスロート・トラウトを取り込んだ。

イワナの夏

2008-07-01 22:02:20 | フライフィッシング

 7月、梅雨が明け夏の太陽が照りつけると、イワナの釣りの最盛期になる。アマゴと違い、イワナは本当に面白い鱒族のサカナだ。暑くてまぶしい源流の真っ昼間でも、彼らはちゃんと遊んでくれる。

 シビアなアマゴ釣りとは違う、のほほんとした釣りができるのがいい。アマゴ釣りの比べて魚格や釣趣が落ちると評価する釣り師がいるが、シビアでセレクティブなイワナもいるし、同じ日本の淡水にいる希少な鱒族に対して失礼というものだろう。

 太田切川のC&R区間は、ひところに比べてサカナの数が減った感があるものの、広い河原にいく筋もの流れがあり、大勢でワイワイとイワナ釣りができる貴重な釣り場だ。汗をかいたらすぐに地ビールを飲みにいけるのがまたいい。まさに、のほほんとした釣りができる。

フライフィッシングの1年

2008-05-19 17:55:17 | フライフィッシング

 ライフスタイルデザインカレッジのF.Fプログラムへの受講を希望する方を迎えて、フライフィッシングの体験会を実施した。参加者数は少なかったものの、カレッジ3年目を迎えて、講師・スタッフは充実した陣容である。

 キャスティングレッスンで、最初は目の前にラインがヘナヘナと落ちるばかりの参加者でも、数十分のレクチャーで見違えるようにラインが伸び、ループが出来るようになる。この「ラインが伸びる」ことだけで、さまになってしまう。

 今年のプログラムは、フィニッシュをフライフィッシングの最盛期の4月、5月においた。そして年間を通じたプログラムとなり、まさに“フライフィッシングの1年”を体感していただく。まだ参加枠に多少余裕があるので、ぜひ仲間入りを!