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自然回帰マーチャンダイジング

-地域-自然-デザイン-商品-生活-を繋ぐ遊び場・仕事場から

掛川ライフスタイルデザインカレッジ

2007-03-02 21:29:29 | Weblog

 昨年4月、このカレッジを開講した。NPOのメンバーと考え抜き、動き回り、手を尽くして実現した。これは、浜野さんがNPO設立1周年記念で来掛時に示したキーワード“天才の誘致”をヒントにしている。
 
 一人の天才を恒常的に誘致する前に、生活提案カレッジの講師として、多くの天才を短期間誘致してみようと考えた。通年型カレッジでは1年に12人の天才=講師を招聘することができる。構想中ではあるが、カレッジの発展形は“カレッジヴィレッジ”だ。ホールがあり、飲食・滞在施設があるヴィレッジに、天才が1週間づつ、入れ替わり立ち代り滞在し、そこへ学びに行く方式だ。すると、50人近くの天才が、通年で掛川に居ることになる。これこそ、新方式での天才の誘致ではないか。

 さて、浜野安宏さんのトークは、「新・質素革命」の「シンプルシックライフの提案」を機軸としながら展開した。ライフスタイルデザインカレッジが提唱する「生活を変える」ための示唆に富んだ話だった。ディスカッションでは、環境主義の理想行動と現実行動との整合性が話題になったが、あくまで生活を変えられるのは個の意思であり、自分一人から出発するしかない。環境オタクの議論は必要ない。共感したひとりひとりが、価値観の振り幅を拡げて生きていくことでしかない。

 浜野フレーズに揺さぶられた二人の若者が、翌日の寒狭川のフライフィッシングに付いてきた。もっとついてくればいいし、もっと語りかければいい。一人からの出発なんて簡単なことだ。迷わず、このライフスタイルデザインカレッジに入ればいいだけのことだ。


MY FAVORITE THINGS~フライフィッシング2

2007-02-22 20:03:26 | Weblog

 浜野さんが、24日に掛川にやってくる。その日は下の記事にあるように、トーク&ディスカッション、夜は懇親会だ。浜野さんを迎えての宴は、milele の2Fというのが定番だったが、今度は座敷でズラリと並んで酒を酌み交すという趣向だ。翌25日には浜野さんを案内して、カメラマンでフライフィッシャーの小川さんと愛知県の寒狭川へ向かう。寒狭川の解禁は早く、例年2月第1週の日曜。静岡県のほぼ全河川が3月1日解禁というのに、寒さが厳しい岐阜、長野、愛知の一部河川は2月の解禁なのだ。

 さて、25日に向かう寒狭川へ下見に行ってきた。アマゴのライズはなかなか見られないが、フライフィッシャーは大勢いた。下流の堰堤手前で散発のライズがある。寒狭川の主・新川さんがライズを見つめて立っていた。「どんな具合ですか?」と聞くと、「んー、#28のドライをライズの上流に落としたらラインを引いてスッと沈め、ライズのすぐ手前でポコンと浮く瞬間にくわえるかどうか、の勝負だな。ずっと浮かせてもダメ、ずっと沈ませてもダメ。でも今日は2ケタかけたぜ。」ときた。

 ほぼ毎年繰り返すシビアな釣況。自分にとってはシーズン前の風物詩ではあるものの、いつまでたっても寒狭フェチにはなれそうにない。

MY FAVORITE THINGS~TEAM HAMANO

2007-02-17 19:56:35 | Weblog

 2年前から、浜野安宏さんとの交流が実現している。1年前には、掛川ライフスタイルデザインカレッジを立ち上げることができた。「ネイチャー・ヴィジョン・コンセプト」「ニューローカリズム」「質素革命」「知識を知恵に」「感覚学校」 こうした概念・キーワードから、このライフスタイルデザインカレッジは生まれている。 
 浜野さんが、また掛川にやってくる。このチャンスを逃すのは、このblogを読んでいただいているあなたには、きっと大きな損失だ。

浜野安宏氏 トーク&ディスカッション
『ニュー・ライフスタイルの創造+ まちづくりに重要提言あり!』

■日時/平成19年2月24日(土)受付14:30~ 開演15:00~ 終了18:00
■会場/掛川市美感ホール 多目的ホール(JR掛川駅南口徒歩2分)
■講師/浜野安宏(はまの やすひろ) ライフスタイルプロデューサー
http://www.teamhamano.com/
■内容/
第1部トーク「シンプルシックライフの提案」
第2部ディスカッション「遊びが生活を変える」

[主催・詳細お問い合わせ]
NPOスローライフ掛川
project@slowlife.info
tel.0537-22-0654 fax.0537-22-0786

MY FAVORITE THINGS~ソフトハックルフライ

2006-06-20 20:24:49 | Weblog

 フライフィッシングの友人(失礼しました大先輩!)に「フライフィッシング用語辞典」を出版した川野信之さんがいる。この辞典に恐れ多くも自分のソフトハックルフライ「ヘン&ハゲタカ」を掲載していただいた。この開発秘話を紹介する。

 10年ほど前、蕎麦打ち上手のテンカラ師Wさんが、初心者に毛鉤巻きを伝授する場面に遭遇した。TIEMCO102YがWさんのお気に入りらしく#15、#17とテンカラ毛鉤にしては小さめのサイズのフックに、1本のちょっとごつい感じのコンドルクイルらしきものを、ハックルプライヤーも使わず器用にボディに巻いていた。ボディはそのクイルのみ。ハックルはジンジャーのコックハックルをビシッと巻いて完成、といたってシンプル。Wさんは「この胴がいいだろ」と言った。初心者は「これは何という鳥の羽根ですか?」と聞くが、Wさんは「へっへっへっ」と笑ってごまかしてしまった。
 軽いレベルラインを自在に操るテンカラおじさんたちの強烈なキャスティングテクニックと、毛鉤に対する執着心のなさに、カルチャーショックを覚えていた時期のことだ。無駄な動きがなく手際よいタイイング、クイルボディが醸し出す和風のテイストに感動していると、Wさんが私にクイルを差し出しながら「知り合いが内緒でハゲタカを飼っててさ、オレはたびたび抜けた羽根をもらえるから、これあんたにやるよ」と言うではないか。なんとそれはハゲタカクイル(?)だったのだ。ん?ハゲタカを日本でフツーに飼えるのか?と一瞬ガマの油売りのような印象を抱いたのだったが、ハゲタカクイルによる和式毛鉤の絶妙なアブドメンデザインは素晴らしかった。
 このクイルを、ソフトハックルもしくはイマージャーパターンに応用してみたのがこの「ヘン&ハゲタカ」だ。それからはこのフライを見て「このボディ何?」と釣り人に聞かれるたび、私も「へっへっへっ」とだけ答えるようにした。多くのテンカラ師から毛鉤を拝借し、それを結んで釣りをし始めた私はシルエット・パターン・サイズという呪縛から解き放たれ、あやふや毛鉤たちは多くの釣果をもたらしてくれた。フライに対する執着心があるようなないような、あやふやフライフィッシャーになってしまった私が、和のテイストと洋のリアルさを兼ね備えたオリジナルパターンとして渾身の力をこめて(ウソ)完成させたのがこのフライなのだ。

○ライズのないフリーストーンの釣り上がりに。大きな流れのダウンクロスでの誘い釣りに。
○ハゲタカクイルの絶妙なアブドメンパターンをきれいに仕上げること。ハックルが寝てしまわないよう、ソラックスのバランスとヘッドの巻き込みで調節すること。
○水面上から水面下のあらゆるステージに対応できるフライであること。
(エラソーにすみません。)
○フック:TMC100SP-BL#10~#14、スレッド:タン、ボディ:ハゲタカクイル、
ソラックス:タシロニンフダブ(ベイティス系のカラー)、ハックル:ヘン

御前崎の仕事

2006-06-09 20:08:40 | Weblog

 フライフィッシングの知人で茶商の中山啓司さんからチャンスをいただき、「御前崎茶」のPRツールを制作する仕事に携らせていただいた。これが単なる印刷物のデザインに終わらず、結果的には御前崎茶のブランド化を目指した深度のある面白い仕事となっている。

 実は、御前崎という地は遠州灘と駿河湾に囲まれ、地形的には「半島」なのだ。豊富な日照量と海洋性気候により静岡県で一番早いお茶の摘み取りが可能で、フルーティーで爽やかな味が特徴だ。この、どちらかといえば深蒸茶向きでない御前崎茶の魅力を、「太陽と大海原の恵み」というメッセージに込めてみた。菊川茶、掛川茶などとは明らかに違うこの商品イメージを、海に生きるひと(海の女=プロウインドサーファー、海の男=漁師)に託してみた。「海に恋するオンナのお茶」「海に生きるオトコのお茶」というキャッチフレーズとともに。

 ウインドサーファーの西田さんは福岡から御前崎の海と風に魅了されて移住してきた美しい女性。なんと風のないオフシーズンは、なんと茶農家の仕事をしている。漁師の大澤さんは御前崎一の遊漁船の船長。海に出るときには必ず熱い御前崎茶を積んで海に出る。海とお茶の繋がりが、御前崎ならではのシチュエーションの中にあったのだ。

 「茶」と「海」という、今までにない組み合わせによる茶産地のブランド化へ。奇をてらうのでなく、必然性のあるミスマッチの提案に対し、御前崎茶業振興協議会の皆さんは、この表現計画を気に入ってすぐに決済をいただいた。このスピード感も大事なのだ。

MY FAVORITE THINGS~THE BOOM

2006-04-30 18:52:54 | Weblog
 
 宮沢和史の作品が好きだ。彼はフライフィッシングを嗜むミュージシャンである。矢野顕子との共作で「釣りに行こう」という曲がある。これがまた(好き嫌いは別として)井上陽水の「少年時代」とはかなり異なった世界を表現している。
 彼と釣りに同行したフライフィッシング専門誌の編集長に話を聞いて、余計にそう思った。彼は“川歩きがもの凄く上手かった”そうだ。人生や愛や原風景を川に求めるのと違って、いつまでたっても川は遊び場だ、と表現してくれるミュージシャンは貴重だ。
 

MY FAVORITE THINGS~自転車

2006-04-09 19:01:22 | Weblog
 
 小学校の通学に、自転車使用はルール違反だった。でも、山の中に住んでいた自分は、みんなに知られぬよう途中まで自転車に乗った。自転車に乗ると、場所による温度の違いや空気の匂いの違い非常によくわかる。歩いてわからないことはないが、歩くスピードはその空気の変わり目というか際(きわ)が意外とわかりづらい。オートバイやクルマではもちろん早すぎる。自転車というのは五感が生きる乗り物なのだ。これもまた30年後にときどき自宅から片道15kmの仕事場までを自転車通勤するようになって、つくづく実感している。あ、そういえば矢野顕子は「自転車でおいで」という曲を唄っていたなぁ。

MY FAVORITE THINGS~フライフィッシング

2006-03-19 18:44:19 | Weblog
 
 小学校の授業は、アユやアマゴが泳ぐ近くの川だった。5年生の夏、課外授業で連れられて行ったプール(フツーは逆だろ?)は、塩素臭プンプン、底一面ハワイアンブルー、生きもの不在の水タンクだった。動植物いっぱいの川に較べ、なんともつまらないしろものに、子どもながらうんざりした。
 30年後の今、子どものときに一緒に泳いだアマゴたちに、フライ(毛鉤)で遊んでもらっている。フライフィッシングは森と川の生態系という小宇宙を実感する遊びだ。今でもときどき水泳の授業場所で毛鉤を振る。夏の暑い日には水中メガネをかけて潜る。アマゴもアユも数は減ったが、30年前と同じように一緒に遊んでくれる。しかし、自分の背丈が伸びたということ以上に、実際の川の流れは細く、浅い。この現実を目の当たりにすると、この小宇宙の営みの歪みが実感できて、酷く悲しくなってしまう。そして、数年後にはこの川の上流にダムが完成する。