珈琲の木は雨が好き

炭火焙煎珈琲のお店で起こるお客さんとのエピソード

通い慣れた道

2011年06月12日 00時08分13秒 | Weblog
車のナビから流れる音楽が心地良く
耳に流れんで緊張感を和らげて行く
疲れきった体にはアクセルのペダルさえわずらわしく
ハンドルを持つ手が重い気さえしてくる
流れる風景やネオンをサイドウインドウの反射で
ぼんやりと横目でやり過ごす
繁華街を通り抜けると人影も少なく
すでにシャッターの下りてしまった
店や民家がつづく
信号で止まると後続車も対向車も無く
自分のヘッドライトだけがアスファルトを照らす
左の側、横断歩道を渡りきった所にある電柱の陰に
長い髪とセーラー服と学生カバンが少しだけ
見え隠れして動いている
歩行者の信号は青なのに渡る気配はないようだ
気を付けて発進しないと跳び出たらあぶないな~っと
信号が変わるまでの間 見るともなく視界に入るが顔は見えない
もう少し前に止まっていたら顔まで見えそうだが・・
妙に長く感じた信号が変わって
アクセルを踏み込んで車が動いたので視線を向けると
その場所には誰の人影も無くなっていた
自転車も通れるような広い歩道で一瞬で移動出来る訳もなく
シャッターの閉まった建物ばかりでどこかに入れる
場所も無い交差点
ただ電柱とガードレールの間には
牛乳瓶に枯れた枝の様なものが刺さって置いてた
奇妙な気分のままアクセルを踏み込んだ
サイドミラーから見える電柱にはやはり人影は見えない
気のせいだったのかな?でもあまりにもリアルに見えていたのにな~
っと思った瞬間、重苦しい雰囲気を感じて
後部座席に置いたデイパックが動いたような・・
でもルームミラーは見ないまま走り続けて
街並みがコンビニや24時間営業の店やネオンで
明るく感じる交差点の信号で止まるところまで来て緊張が解けた頃
やっと後部座席を確認する
バックだけが何事もなかったように転がっている
走りながら窓を開けて大きく深呼吸をすると
すっかり眠気も無くなっていた。


後部座席の足元に横たわってうごめいている
セーラー服には気が付かないまま。

*最後の2行はフィクションです(^_^;)

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