DREAM

幽白蔵馬受とかアイマスとか他ゲームとかたまに猫な妄想ブログです

突発SS  決戦は土曜日

2016-12-18 06:59:57 | オールキャラ 黄泉×蔵前提
飛影は自分を下から見上げる子供に困惑していた。
とくに懐かれているわけでもなく。寧ろ犬猿の仲とも
言っていい間柄だ。普段もあまり会話する仲でもない。
その相手ー黄泉の息子修羅は至極真剣な表情で飛影に問う。
「サンタさんにプレゼント貰った事ある?」,
さんた?
誰だそれは。新手の妖怪の種族か?と一瞬思ったが
そう言えば数年前のこの時期に蔵馬に聞いたことがあった。
『良い子にしていたらクリスマスイブの夜にサンタクロースが
プレゼントをくれるんですよ。」と。
良い子である自覚などまるで無かった飛影だが人間共は
下らん事を妄想しやがると鼻で笑って見ると蔵馬は本棚から
少し古びた絵本を差し出して来た。 
読んでみたら?と言われ仕方なしに読んだ。
いちいち文句ばかり宣う爺の話だ。
『なんだこれは。』そう聞き返すと
『優しいだけのサンタクロースより不平不満のあるサンタクロースのが
人間味があるでしょう?』と微笑まれた。
因みにその年のクリスマスイブは大風邪引いて(移るから帰ってくるな
と躯に言われたので)蔵馬の家で療養していたな、と思い出す。 
仕事から帰って来た蔵馬が付きっきりで看病してくれて
飛影の為だけに粥をつくり飛影の為だけに薬湯を淹れ
飛影の為だけに色々してくれると言うスペシャルな日だった。
今はもう望むべくも無い。
二度と戻らない黄金の日々。 
感傷的になるなんてオレもヤキが回ったな。と自嘲の笑いが漏れる。
「何笑ってんだよ気持ち悪い。」,
気持ち悪さなら貴様のオヤジのが上だと大人げなく修羅を睨む。
「だからさあ。
パパと蔵馬がサンタさんにプレゼントお願いしなさいって
ゆうんだけどさ。なんでサンタさんってボクの欲しいもの
わかるんだと思う?パパにも妖駄にも言ってないよ。 
躯にもお前にも浦飯にもクワバラにもユキナにもボタンにも
螢子姉ちゃんにも。何でかな?
サンタさんて天才?魔法使い?」
それは多分。
蔵馬が修羅が意識してないうちに欲しいものの情報を 
手に入れてるんだろう。 
実際飛影も欲しいと口に出していない物を『報酬だよ』と
貰った事がある。だから多分それだ。
「さんたは万能の存在らしい。」 
一応(癪だが)口裏を合わせといてやる.。
「手紙を書いてツリーの下に置いたか?」 
「やった。」  
「いぶの晩にさんた用の菓子を用意しておけ。」  
「うん、ケーキがいいかな?」
「片手で摘めるものが良い。」
  
何やってんだあいつら。
自室の窓から外を見れば何故か飛影と修羅が真剣な表情で 
話こんでいる。
盗聴虫を放ち会話を傍受する。 
❲サンタさんてなんでもくれるんだよね?❳ 
❲良い子が欲しいものならな。❳
❲じゃあ大丈夫かな。❳
❲・・・と言うか貴様は良い子なのか?❳
❲良い子だよ!蔵馬のお手伝いちゃんとしてるもん!❳
❲帰るなと大泣きして困らせてなかったか?❳
❲うぐっ!❳
❲ああ、あと黄泉が大切にしていた『南野秀一成長の記録』を
持ち出してなくしただろう。❳
❲げっ!なんで知ってんだよ!❳ 
❲フッ・・・邪眼の力を舐めるなよ。❳

アホじゃんコイツ。 
と呆れながら躯は先日届いた一年待ちのお取り寄せの箱をあける。
ふわふわのシフォンケーキだ。プレーン、ストロベリー、抹茶、 
紅茶、チョコレートと結構な量だったが残り少ない。
またキツネに頼むかと考える。
手掴みでケーキを口に運ぶ。
柔らかな感触控えめな甘さが良い。
あとは美味い紅茶でもあれば完璧だが悲しいことにない。
と言うよりキツネが淹れた紅茶を飲んだら他の紅茶が飲めなくなったのだ。
茶葉は贈らせてあるが水が違うのか淹れ方が違うのか。
仕方なしに厨房に連絡して牛乳を温めて持って越させる。
この牛乳もお取り寄せだ。
味が濃くて美味い。
❲だからさ。❳
❲なんだ。❳ 
❲サンタさんてどこまでプレゼントしてくれると思う?❳
❲さんたの許容範囲だろう。❳
ーなんか飛影今日は随分面倒身が良いな。
持ってこさせた牛乳を一口含む。
人間は狡い。こんな美味いものを隠してやがるなんてと
躯は一人うんうんと頷きチョコレートのシフォンケーキに
手を伸ばした。
❲赤ちゃんてくれるかな?❳
ブフォ!っとむせる。牛乳が鼻に入った。痛い。
❲なん・・・何だと?❳
❲ボクおとうと欲しいんだ。
一緒に遊んだり喧嘩したりしたい!
サンタさんおとうとくれるかな?❳
飛影は無言だ。  
躯だって無言だ。
いきなり何を言うんだこのお子様は。
❲クリスマスイブは今週の土曜日じゃん。
だからそれまで良い子してればおとうとくれるよね?❳
ね。ね。と言質を取ろうとする鬼子を
どうしたらいいのが飛影はその場に立ち尽くした。

ついでに躯は。
自分が吹き出したシフォンケーキと牛乳を
自らの手で片付けながら笑いを堪える。
ー弟欲しいと聞いたバカな父親はどんな行動にでるのか。
あらかた片付けたーと躯は思っているがたいして
片付いていないー部屋のソファに寄りかかって
傍らの通信機に手を伸ばした。




〜弟・・・か。
わたくしは妹が欲しくてですね?
病院に行くたびがっかりしたもんです。
修羅の喋り方が蔵馬さんやパパに対するのと
少し違うのは飛影をライバル認定しとるから
ですよ。認めないけど(お互いに)擬似年の差兄弟的な。
あ、飛影に蔵馬が読ませたのは
『さむがりやのサンタ』です。今の時期なら本屋にあります。
本当に文句ばかり言ってますよ(≧▽≦)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿