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突発SS 夏休みにてございます2 父、畑中

2016-08-07 11:03:28 | オールキャラ 黄泉×蔵前提
「あれ、志保利さんは?」
「・・・・休みだからって起きんのおそくね?」
ジト目で睨んでくる息子に慌てて
畑中は弁解をした。
「いやだって秀一君が休みなものだから、残業で。」
「秀兄がいないから残業てどんだけ頼りまくってんだよ。
秀兄優秀なんだから引き抜かれたらどーすんのさ。」
・・・・それは、困る。
親会社の会長も秀一くんの知識と決断力実務能力を
大変買ってくれていて、飲みの席などで冗談半分に
転職を進めたりもする。
『あの子はこんな島国で収まる器じゃないぞ。畑中さん。』
取引先の海外の社長もそう言っていた。
君の国でラテン語とシェイクスピアと世界史にあれだけ詳しい
者は滅多にいないよ、と関心していた。
因みに畑中自身はラテン語は解らないし、シェイクスピアはロミジュリくらいしか
解らないし世界史は学生時代の知識だけだ。
「あ、母さんだけど出掛けてるよ。」
「一人で?」
「修羅お泊まりに来るんだって。」


「・・・・・え。」
「修羅だよ。
魔界の黄泉さんとこの子供。あの角一杯ある人。
黄泉さん仕事死ぬほど忙しいみたいで
秀兄も手伝いに行ってて修羅一人で淋しいって
母さんにメールが来てさ。
オレも夏休みだしヒマしてるし遊んでやろーかと
思って。二週間くらい泊まるって。」
「・・・・父さん聞いてないぞ。」
「あ、そーなの?
いいじゃん修羅あいつ可愛いし。」
確かに修羅くんは可愛い。
二、三度あったことがあるが、屈託なく笑う可愛い子供だ。
しかし。
父親の黄泉さんが。
なんと言うか。
志保利さんや秀一は和やかに接しているが
自分には何だかあまり関心がないと言うか。
それに。
秀一くんと黄泉さんは所謂そういう関係なのか。
確かに初めて志保利さんに秀一くんの写真を見せて
貰った時は『娘さん?』と聞き返した。
実際会った時もなよなよしているわけでないのに
綺麗なマニッシュな美少女にしか見えなかったが。
だからと言ってそのそういう性癖だと納得出来るわけでなく。
美人だから彼氏がいるとかそういう事でもなく。
「何考えてんの父さん?」
「いや、あのな。」
「うん。」
「秀一くんと修羅くんは何だか似てるなあと思って。」
本当に言いたかったのは『秀一くんと黄泉さんは付き合ってるのか?』
だったが流石に言いにくく以前からの疑問がぽろりと溢れた。
「似ててあたり前じゃん。
修羅秀兄の子供だし。」
「は?!」
「あ、秀兄が産んだとか代理出産とかじゃなくて。
ニュースでやってたの見てない?
魔界の不妊治療の一環で遺伝子培養と人工子宮が
何だってヤツ。あれで黄泉さんと秀兄の
遺伝子掛け合わせて産まれたのが修羅だって。」
「・・・・・・父さんそんなの知らないぞ・・・」
「言いふらすことでもないんじゃね?
今の父さんみたいな反応するヤツもいるし。」
「だって修羅くん5歳だろ?
五年前って秀一くんまだ高校生じゃないか?!
そんな、同い年くらいの高校生が相手なら
ともかく黄泉さん大人だろう?!
犯罪じゃないか?!秀一くん未成年だったんだし!
可哀想に‼」
いきなり激昂した父親を白けた目で秀一は見た。
「何怒ってんの。」
「だって義理とは言え娘を傷物にされた上
子供まで!怒らないわけないだろう!」
「秀兄男だし。」
「・・・・・・あ。」
「修羅のことだってさ、自分の遺伝子だけじゃ
不安だったんじゃないの?息子も目が見えなかったらとか。」
「・・・そう、かな。」
「てかさ。
オレは嬉しいけどな。」
「嬉しい?」
「秀兄ってさ、オレ達みんなに優しいじゃん。
怒んないしさ。」
なるほど言われてみれば。
秀一くんは怒らない、会社で同期の問題社員が
謂れのない理由で彼を責めていた事があった。
端で聞いていた自分が腹を立てる様な言い掛かりだったが
秀一くんは怒らず正論で相手を黙らせた。
そのせいで定時に仕事が終わらず残業になったのに。
「でもさ、黄泉さんには怒るんだよ。
すっげ下らないことでさ。
あと、ちょっと甘えてる。」
「甘えてる?秀一くんが?」
「そ、我が儘言ったりしてるよ。
そゆの見るとさ秀兄も普通なんだなって安心する。」
「安心。」
「母さんが言ってたけどさ。
秀兄って凄いちっちゃい頃以外全然甘えて来なかったんだって。
なんでも自分でやっちゃうって。」
あまり手がかからない子なんです、と採用面接の時
話していたのを思いだした。
思い返せば子持ちの社員にありがちな『子供の具合が悪いから
今日お休みさせて下さい』と言う連絡は殆どなかった。
「具合悪くても自分で病院行ってお粥作って薬飲んで
部屋で丸まって寝てるんだって。」
それは知っている。
一度だけ何処かで怪我でもしたのか真っ赤に染まった
シャツを棄てていたのを見たことがある。
長袖から覗く包帯に血が滲んでいたから問い正したら
部活で火傷したと言っていた。
包帯を取り替えている所を見たがあれはかなり酷い火傷で
普通なら親と一緒に救急に駆け込む怪我だった。
「そーゆー秀兄をさ。
黄泉さんが解っててちょっと熱があるのに気付いたり
してくれんの。
何かいいじゃん?そーゆーの。」
「・・・・まあ、な。」
「男同志とか女同志とか関係なくさ。
ちゃんと甘えられる相手がいるってすげー奇跡じゃん。
羨ましいって思うよ。」
「秀一。」
「何?」
「修羅くんは何時に来るんだって?」
「4時くらいには着くって。」
「それじゃ、買い物付き合ってくれるか?」
「何買うの?」
「スイカと花火。」
「いいけど、何急に。」
「だってあれだろ。
修羅くん秀一くんの子供なら一応私の孫・・・だろ。」
「急にじいちゃんモード?!」 
「いやそんなつもりじゃ!」
「ま、いんじゃない?修羅喜ぶよ。」
車のキイを手に玄関に向かう父親に秀一は声をかけた。
「そう言えばさ。」
「ん?」
「十日に母さんの田舎いくじゃん?」
「ああ。」
「そっちは秀兄と黄泉さんも参加だってさ。」
「・・・・・は?」
「あれ、やんの?さっきみたいに。」
にやにやと笑いながら息子は玄関のドアを開ける。
「よくも息子を傷物に!ってヤツ。」
ゲラゲラと笑いながら秀一は駐車場に歩く。
傷物に。
さっきのあれは勢いで出たものだが。
秀一くんは・・・・黄泉さんと。

そこまではまだちょっと考えたくない畑中父でありました。


~\(^-^)/
蔵馬さんも黄泉様も修羅っぺも出てこねえ!
しかも秀一弟と畑中父のみ!
なんてニッチな?!
弟秀一は現代っ子なんでこんな考えです。
畑中父はまだ頭固い
けど強硬手段取れるほどのあれもないと。
ラテン語とシェイクスピアと世界史は国際的に
活躍したい人の教養でしてよ。
シェイクスピアは有名所以外も引用されるらしいので
頑張って覚えてくださいね❗







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