DREAM

幽白蔵馬受とかアイマスとか他ゲームとかたまに猫な妄想ブログです

魔界闘場〜再会〜サンプル

2018-11-11 11:49:02 | イベント
冬仕度


寒くなる前にやらなきゃいけない事は沢山ある。
まず、畑から野菜の収穫、南瓜や芋や蕪を住処の下に作った室(むろ)にしまって。次に捕まえた野ブタや鳥を解体して塩漬けにしたり燻製にしたり干し肉にしたり大仕事だった。最後に野イチゴや果物の収穫と保存。無花果や蜜柑を干したり金柑や林檎を蜂蜜で煮たり。甘いものは貴重だからこれが結構大切。
そう、大切。

「よみ!また食べてる!!」
憤慨して声をあげた蔵馬を見て口に放り込もうとしていたさんざしの実を地面に落とした。
この酸っぱい実は蔵馬が好んでないから沢山食べたっていいじゃんと口を曲げて黄泉は実を拾いあげる。
と、つかつかと近寄って来た蔵馬はその手を力いっぱい叩いた。
「いてえな!」
「やることやってから食べろよ!お前昨日もその前も遊んでばっかだろ!」
蔵馬の言葉にムッとして黄泉は睨み返した。
遊ぶなんてちょっとだけしかしてない。
秋の終わりが近づいて冬に備えてちゃんしとかないと苦しくなるのは黄泉だって分かってる
食べ物がなくて湯にほんの少しだけクズ野菜が浮いた汁なんてもう二度と腹に入れたくない
だからこうして蔵馬を手伝ってやってるのに。
野菜や麦や米は冬でも蔵馬は作れるけど速成で作ったものはやっぱり味が劣る。
ちゃんと時間かけて弱ってる作物には妖力を分けて大事に世話してやったほうが美味いものが作れるとわかってからは蔵馬は以前の様に一瞬で食い物を作る事はしなくなった。
黄泉としては大して味の違いが解らないからそこまでしなくても良いと思ってるけど。
それに、蔵馬が本当は誰にだけ美味いものを食わせたいのか黄泉は知ってる。
往復二週間かかる遠い町に荷運びの仕事に行った二人の大事な兄貴分、黒鵺。
その人が美味しいと言うのが嬉しくて蔵馬は美味い物を色々頑張って作る、黄泉がその美味いモノを口に出来るのは二人と暮らしてるから序でに貰えるからなだけだ。
ー最近それが黄泉は面白くない。


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