DREAM

幽白蔵馬受とかアイマスとか他ゲームとかたまに猫な妄想ブログです

突発SS

2016-06-05 18:10:34 | オールキャラ 黄泉×蔵前提
その老婆はかなりな高齢だった。
杖を持ちベンチに座りながら目の前に
広がる花畑を愛おしそうに眺め回すと
楽しそうな子供に視線を向ける。
小さな男の子だ。
傍らに立ち何事か話しているのは
母親だろう。
「いいわねぇ。」
独り言だろうとベンチに腰掛けた男は老婆の
声に答えないでいる。
「楽しそうよねぇ、お兄さん?」
老婆がこちらを向いてそう言って初めて
自分が話しかけられていると黄泉は気付いた。
「ママの事が大好きなのよね。あの位の男の子って。」
そうか。と呟く。
人間とは、不思議だと思う。
異形を恐れる様で異形を好む。
現にこうして話しかけられることも良くある。
遠くの方から手を振りながら少女が駆けてきた。
「あらあら可愛い子ね。
あのお母さんに似てるわね、姉妹かしら?」
『姉妹』の『姉』が聞いたら激怒しそうだ。
くすりと黄泉は笑った。
老婆も小さく笑う。
「いい時代になったわね。
妖怪さんも人間も霊界人さんも同じように
暮らせるなんて。」
妙に感慨深い声音に老婆の方を向く。
「私の若い頃はね。
髪の色肌の色目の色が違うだけで嫌な思いを
したものよ。何でもない事なのに。」
そうか、とまた呟く。
「これからどうなるのかしらね。」
「・・・・・悪い様にはならないだろう。」
老婆は驚いた様に黄泉を見上げた。
「・・そうね。」
ゆっくり噛み締める様に老婆は囁く。
「私エリザベスと言うの。」


ああ。そうか、と黄泉は納得した。
「オレは黄泉と言う。」
「よみさん。」
「パパー!」
子供ー修羅が黄泉を呼んだ。
「まあ、お兄さん。」
老婆は本当に驚いたわ。と笑った。
お兄さん三人も子供居るようには見えなかったわ。
と、老婆ーエリザベスは綺麗な銀髪を揺らして笑った。




~真面目な話しとみせかけて(笑)
まあ、そんなの無くなれば良いなと思います。
因みにエリザベスは親戚の名前です。
キラキラじゃないよ。日系アメリカ人す。


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