DREAM

幽白蔵馬受とかアイマスとか他ゲームとかたまに猫な妄想ブログです

昔あったかもしれない黄泉+蔵馬+黒鵺 四

2017-05-07 11:13:59 | 妄想盗賊三人組
背後から飛び出して来たそれを
黄泉は振り返ることなく蹴り飛ばした。
ぎっ!と悲鳴があがり先に進んでいた盗賊団の
中堅が何事かと戻って来る。
「なんだ?今の。」
げ、なんか間違った?また怒鳴られるのかとげんなりしながら
黄泉は何かを蹴飛ばしたと説明した。
訝しげなその男は黄泉の後方に視線を向け驚いた。
「・・・これオマエがやったのか?!」
「へ?」
男が指差す場所には口から血を流し絶命している小型の獣。
ウリ坊っぽいなあと黄泉は思う。
「・・・神経毒持ちの凶暴なバケモンだ。」
「・・・?」
タダのウリ坊だろ?あ、今日アンタらの飯猪鍋かいいな畜生。
たまには肉食いてぇな。くーの果物うまいけどさあ等と考える黄泉の
背中を男はばしん!と叩いた。
「いって!」
「オマエやるなあ!ガキの癖に!まぐれでも凄えぞ!」
男の大きな手でぐしゃぐしゃと髪を撫でられる。
初めて褒められたのと合わさり何とも言えない
感覚に黄泉は驚く。


「黒鵺。」
今日の仕事は大成功と言っても良い。
こちらの被害は最小。二、三人が軽い怪我をしたくらいだ。
あちらの被害は甚大。生きている者は殆どなく溜め込んだ宝も
あらかた盗んで来た。5日程宴会をしても痛む懐はないくらいの
儲け。
下っ端の自分には縁がないが一人待っている可愛い小狐の元へ
戻ろうと羽根を広げた彼を呼び止めたのは所属する盗賊団の副長。
「なんですか?」
「・・・おら。」
いきなり投げつけられた革袋を顔の横でキャッチする。
じゃら、と音が鳴った。
(・・・金?なんで?)
疑問が顔に出ていたのか副長はにやりと笑う。
「今日のお前の取り分だ。」
「・・・え、」
「今日の陽動は良かったぜ。
飛ぶしか出来ねぇ穀潰しかと思ってたが意外な拾いもんだった。」
背中を向けて手をひらひらと振りながら副長は騒ぐ
団員達の集まりに戻った。
一人残された黒鵺は怪訝そうに革袋を見つめた。


(ぬー・・・遅い。)
つまらなそうに口を尖らせ銀髪の妖孤はごろんと住処の
床に転がった。
ふかふかの落ち葉が気持ち良い。
十日程前から保護者、と言うか兄貴分と言うかなんかそんな存在である
黒鵺が会いに来ない。
『黒鵺さんは仕事だぜ。』
と聞いてもないのに頭に角がある黄泉が教えて来た。
黄泉はあんまり強くないし頭も良くないから妖孤ー蔵馬は
一緒にいても楽しくない。
すぐ怒るし打つし黒鵺が買ってくれた本で文字の勉強をしていると
邪魔してくるからだ。
とは言えその黄泉も三日前から会いに来ない。
ごろりと寝返りをうつ。
ー二人ともどうしたんだろう。
黒鵺や黄泉は良く怪我をしてる。
何処かで危ない目にでも合っているのか。
この木からは二人がいない時は降りるなと言われている。
だけど。
二人が危ない目にあってるなら。
「たすけないと。」
うん、と頷いて蔵馬は立ち上がー
「おーい!くー!」
聞こえて来たバカっぽい声は黄泉。
バサバサと蔵馬のすぐ後ろから羽根音が聞こえた。
「蔵馬。何も無かったか?」
蔵馬の身長に合わせたうろの中に身を縮めて黒鵺は入って来た。
「・・・ぬー・・・」
大きな目をいっぱいに開いた蔵馬はゆっくりと黒鵺に
近づくと腕に触れた。
「・・・どうした蔵馬?」
蔵馬から触ってくるなんて珍しいと黒鵺は首を傾げた。
「ぬー、怪我は?」
「怪我?無いな。今回はなんだか楽だったから。」
「・・・あぶないなかった?」
「ヤバいことは無かったな。」
「・・・そうか。」
蔵馬は嬉しそうに微笑んだ。
(可愛いなあ、こいつ)
微笑む蔵馬を見て釣られた黒鵺も微笑む。
「なー!くー!黒鵺さん!
二人で何やってんだよー!おーい!
肉貰ったから食おーぜー!」
黄泉の大声に蔵馬は顔を歪める。
「よみは。」
「ん?」
「いっつもおれとぬーの邪魔する」
「悪気はないんだ。許してやれよ。それにさ。」
「なに?」
「黄泉がいなくなったらお前も寂しいだろ?」
耳をぴん!と立てた蔵馬は。
「さみしいない!」
と怒鳴ると黒鵺に背を向ける。
背を向ける前に見えた蔵馬の顔は朱に染まっていたのを
黒鵺は見逃さなかった。



〜お久しぶりの三!人!組!
ちょっとずつ認められて来たぬー&黄泉。
箱入り娘(?)なくー。
どうなるのかしら、この三人。


きら☆こんさん。コメント有難う御座います。
本当に黄泉様アレでもイケそうですよね。
一応人形だからかしら?亀(なんでだ)とかなら
どうするんだろう?

昔あったかもしれない黄泉+蔵馬+黒鵺 三

2017-03-09 13:11:40 | 妄想盗賊三人組
黒鵺と黄泉が妖孤の子供を拾ってから一月。

「やってらんねーよ。」
冗談じゃないと黄泉は不貞腐れた。
「まあ、そう言うなよ。
今回はオレも無理な命令だとはおもうけどな。」
はあ、と溜息を吐きながら黒鵺。
組織の下っ端である二人にはたまに
頭やその下の幹部連中から暇つぶしにと
無理難題が言い渡されることがままある。
どこからどう見ても子供な黄泉に女を抱いて来いやら
飛べるとは言え生身の身体では重傷は免れない高度飛行を
黒鵺に強制したりだ。
出来れば舌打ち。出来なければ殴られる。
死ぬほどではないがやはり意味のない暴力に晒されるのは
嬉しくない。
「好きでこんなとこにいるわけじゃねーのに。」
ボソッと呟いた黄泉に黒鵺は視線を向ける。
ある日突然頭が連れて来た鬼の子供。
面倒を見ろと投げつけられてからの付き合いだ。
「黒鵺さん・・・ここ出ねぇ?」
「・・・うーん・・・・」
本音を言えば黒鵺だって虐げられるだけの場所には居たくない。
けれど。
力のない子供が彷徨いて安全な場所なんかない。
下手すりゃ売られる。
子供の使いみちなんて男だろうが女だろうが大して変わりない。
待っているのは確実に『死』だろう。
ーそれに。
今はあの小さな妖孤がいる。
二人が居なくなればあの可愛いらしい子狐はどうなるだろう。
そう思うと組織を抜けるなんて出来ない。
「ぬー、よみなにしてる?」
「あっ!くー!
何勝手に出て来てんだ馬鹿!」
「よみのが馬鹿。」
「うっせーよ!
あーもーどうすりゃいんだよオレ達!」
土の上に転がりじたじたと暴れる黄泉を不思議そうに見ていた蔵馬は
黒鵺に問いかける。
「よみ。どうした?」
「あーちょっと無理な命令されてな。
腐ってるんだ。」
蔵馬は眉を顰めて黄泉を見下ろし言う。
「腐ると臭いあっち行け。」
「腐ってねーよ!」
兄弟喧嘩の様な二人の言い合いは微笑ましいが
(今日一日で三十升の米なんて無理過ぎる。)
はあとまた息を吐く。
秋ならともかく今の時期人間界に行っても黒鵺達程度が
侵入出来る場所に三十升の米なんてないだろう。
よしんばあったとしても一度に三十升を二人で持って帰るなんて
出来ない。何度か往復していれば確実に人間にバレる。
「なー!くー。」
「なんだ。」
「おまえが米出せたらなー。」
あーあと嘆く黄泉を見ながら蔵馬は
「出せる。」
と事も無げに言った。
「は?」
「は?じゃない。
種籾があればへいき。よみは米がくいたいのか?」
「え。や食いたいってか・・・・マジ?」
黄泉は黒鵺に視線を送る。
冗談で言っただけなのにと目で訴える。
「蔵馬、本当に?」
「種があれば。
前にやったことあるたくさん。」
それは。
「オレ達と会う前か?」
「うん。
首輪嫌だった。」
首輪・・・と黒鵺と黄泉が同時に呟く。
「前より少し力増えた。
種あれば米いっぱい出せる。いるか?」
ごくりと唾を飲み込む。
もしかして自分達はとんでもないモノを拾ってしまったのじゃないか
黒鵺は一瞬だけそう考えた。
「マジか!だったらオレ種盗って来る!」
黒鵺の言葉を待たず黄泉は種籾を盗みに駆け出した。
歪みの先にある人間の村。
種籾ひとつかみ位ならば黄泉にも容易く盗めるはずだ。
「・・・ぬー?」
首を傾げて蔵馬は黒鵺の顔を見つめる。
「蔵馬・・・おまえオレ達に会う前どこに居た?」
「壁。」
「壁?」
「壁の中。
たまに外に出されて米とか麦出す。」
「それだけ?」
「『イヤシイヨツアシ』だから、」
「は?」
「おれに触ると『ケガレル』言ってた。
ぬーとよみはケガレルか?」
腹の底から何とも言えない怒りが込み上げる。
まだほんの子供の蔵馬。
首輪を着けて壁の中へ閉じ込め自由を奪い
賎しいと貶めた癖に蔵馬の力を良い様に扱い
私腹を肥やした奴が何処かにいる。
もし今の自分があの闘神の力のほんの片鱗でも持っていたら
そいつら根絶やしにしてやるのに。
握り締めた拳にギリギリとツメが食い込む。
「ぬー。どうした?」
「あ、いやおまえそこからどうやって逃げて来た?」
にまりと笑って蔵馬は言った。
「毒のある米作った。」
「・・・あ、そう・・・」
「偉そうな奴助けてくれって泣いてた。
すごい面白い。」
楽しそうに話す蔵馬を黒鵺は見つめる。
ー幸せに生きてたなんて思っていなかったけど。
ゆっくり黒鵺の腕が伸びる。
「ぬー?」
「うん。」
小さな細い身体を抱きしめる。
「ぬーなに?」
もぞもぞと居心地悪げに蔵馬が動いた。
「今回だけだから。」
「なに?」
「おまえの力借りるの。」
「・・・?米出すのかんたん。」
「そうじゃなくてさ。」
解らないと呟く蔵馬の頭を撫でる。
「オレ達とおまえは対等だから。」
「対等?」
「同じってこと。」
暫く考えて蔵馬はぽそっと囁いた。
「良く・・・解らない。」
「解かんなくていいよ。今は。」
腕の中の温かい小さな生き物。
これはこいつはきっとだれかがオレにくれた宝物だ。
絶対に守りきってやる。
黒鵺はそう心に誓う。
「ぬー。」
「ん?」
「おれとぬーは同じ。
よみは?」
「黄泉も同じだよ。」
不服なのか蔵馬は口を尖らせ言った。
「よみ馬鹿なのに。」



〜ちょっと重い。🤐
でも輝くよみの頭の軽さ!
ぬーさんの父性愛はどこから湧いてくるのでしょう?
まだ恋愛とかじゃなく三人とも擬似兄弟ですな。
いつもの勝手設定ごめんなさいm(_ _;)m

昔あったかもしれない黄泉+蔵馬+黒鵺 二

2017-02-18 12:25:56 | 妄想盗賊三人組
きゅうと腹が鳴る。
黄泉と黒鵺は困ったように顔を見合わせた。
二人が拾われた(本当は攫われたんじゃないかと思っているが)
組織は末端である二人が腹いっぱいになる程の食事を与えて
くれた事はない。
それに黒鵺は何でも食えるが黄泉は人間を主食にする種族らしいが
運悪くこの組織には人間を食う者はない。
ならば兎に角、肉を身体は求めるが二人にまわってくる食料は
硬くて不味いパンや野草の汁くらいだ。
ついでに最近二人は小さな妖孤を拾った。
大層綺麗でまだ妖化してから日が浅いらしく
訥々と話す様が可愛いらしい。
娯楽も何もない生活の中で見ているだけでなんとなく和む存在。
ーとは言え。
飯を食わせないわけには行かない。
二人は目を合わせると溜息と共に頷いた。

「おーい!くらまー、くーちゃん!」
黒鵺が掛けた声に反応して木の上から蔵馬は顔をだした。
「・・・ぬー・・・・なに?よみも。」
「飯持って来たぜ!」
怪訝そうな顔をすると蔵馬は二人の前に降り立った。
ーチビの癖に不様じゃないのがちょっと黄泉的には気に食わない。
「…飯?」
ほらと二人が見せて来たパンと汁を見て眉を顰める。
「いらない。」
「はあ!?」
折角の3日ぶりの食事。
本当は全部一人で食いたい(食った所で根本的な飢えは癒やされないが)
のを我慢して持ってきてやったのに?
黄泉は殴ってやろうかと拳を固める。
「確かに美味いもんじゃないけど食わないと死ぬぜ?」
困ったように笑いながら黒鵺は話しかけた。
不思議そうな顔をして蔵馬は問い返す。
「おれ食べるのちがう。」
一瞬黄泉と黒鵺の頭に?マークが浮かぶ。
「・・・これ食えないってことか?」
黒鵺の問いにこくりと頷く。
ーじゃあしょうがない、とは思うが。
「これ。」
髪の中に手を入れ何かの種を地面に落とす。
何事か呟くとその種はしゅるしゅると土に根付き芽を出し
茎を伸ばしあっと言う間に蔵馬の背丈程に育った。
枝にはたわわに何かの実?が揺れる。
「おれ食べるのこれ。」
見たことのない果物。
蔵馬が手を伸ばすと自然に実が落ちる。
「ん。」
左右に持った実を黒鵺と黄泉に押し付ける。
ーこんなモン食ったって大して腹の足しにならねえよと思いながら
黄泉はそれを一口齧った。
口の中に広がる甘味は味わったことのない物だった。
爽やかな酸味と溢れる果汁。
肉じゃないのに。
そう思いつつ瞬く間に丸々一つ平らげた。
「もう一ついるか?」
「いる!」
勢い込む黄泉を眇めながら黒鵺もその実を一口齧る。
美味い。
自分が黄泉位の年だったら貪って居ただろう実をゆっくり味わい嚥下した。
この実は美味い。誰に食わせてもそう言うだろう。
しかも蔵馬が一瞬で育てた。
元手は種くらいだ。
となれば。
(ますますお頭達に見つかるわけには行かないな。)
只でさえ希少な古代種ー妖狐。
しかも銀色。
ついでに綺麗だ。
果物とは言え食料を育てられるのだから戦をしている奴らから見れば
とても“便利なモノ"だ。
絶対に見つからないようにしないと。
決心も新たに野草の汁を飲む。
ー美味い物を食ったからか余計にその汁は不味かった。




〜三人組話でしたー。
蔵馬さんの植物を操る能力って危険だと思うんですよ。
だって蔵馬さんいれば食料賄えちゃうし。(肉の餌も育てられるから)
首輪手枷足枷着けられて“豊穣の神子"とかやらされたり
してそうですよね。死にそうにならない位の精気だけ与えられて
“モノ"扱いしか受けてないんだったら“極悪非道"の盗賊でも仕方ないかなっ
て思いますがどうですか。ネギま!の黄昏の姫御子っぽいですがね(笑)


きら☆こんさん。コメント有難う御座います〜。
初めてのチョコは失敗する物だと認識しておりますので躯チョコはああ言う仕様に
なりました(笑)買いチョコに逃げなかったのは多分躯の意地です。
逆に蔵馬さんが買いチョコにしたのは多分二人に対する皆との感情の差ですね。
カップケーキだけ(しかもinタッパー(笑))だと何となく嫌で
お金使うの嫌だけど・・・みたいな。
流石に何時もの部屋着でチョコ買いに行くとなんかアレなんで雪菜のシュシュで
『女の子』に変装したつもりですが普通にコンビニの店員さんには
普通に女の子認定されてると思いますが。だって蔵馬さん可愛いから!

昔あったかもしれない黄泉+蔵馬+黒鵺

2017-01-25 20:09:36 | 妄想盗賊三人組
何だこれ。
自分から1メートルほど離れた岩の上にある
灰色の塊を見つめながら黄泉は思った。
ー黄泉は額にある2本角から調べるまでもなく鬼の種族である。
(鬼と言っても一種族では無く多岐に渡るが)
特に珍しいわけでもなくこの組織(何の組織かは
黄泉は知らない)では下働きや簡単な戦闘などに
いい様に扱われている。まあ要は奴隷だ。

「お!
黄泉早速みつけたか〜。めざといなー。」
後ろから声をかけて来たのは黒髪に黒い翼を
持つ黄泉より五歳ほど年嵩の黒鵺。
空を飛べることと顔の良さ話術の上手さで
黄泉よりは組織内での扱いは良い。
「黒鵺さん、あれナニ?」
灰色の塊はモゾモゾと動く。
ーきったねぇ。
『売る』にしても汚すぎる。
苦笑しながら黒鵺は手にした布を灰色の塊に被せ
わしゃわしゃと髪を拭く。
「こいつな、倒れてたんだよ。
まだガキだしほっとけなくてよ。」
黒鵺さん甘い。と口を開こうとした黄泉は言葉を失った。
灰色、だと思っていた塊は銀に。
布で拭かれる度に更に銀の輝きは増してゆく。
銀髪の間から琥珀色の瞳が見えた。
通った鼻筋、ふっくらとした唇。
肩より少しだけ長い髪がさらさらと揺れる。

超絶可愛い。
「これじゃほっとけないだろ?」
無言で首を縦に振る。
こんな可愛いの道に置い解けない。
「・・・ぬー。あれだれ?」
喋り方も舌っ足らずだ。
「黄泉だ。オレの友達。」
ちらりと黄泉を見て
「・・・弱っちそう。」
「誰が弱っちいだ!誰が!」
自分でも弱いとの自覚はあるがこんな子供に
言われたくない。
大声に驚いたのか銀色のそいつはピャッと髪から
耳を。ブワッと膨らました尻尾を服(と言うかボロ布)から
現した。
「・・・え。」
話にだけ聞いたことがある。
銀色の髪、尻尾。琥珀色の瞳。
一族に連なるものは末端と言えども溜息が出る程の美形。
高い妖力。糧にするのは男の精(ってなんだ?)。
「うん。
こいつ妖孤みたいでさ。」
困ったように黒鵺が笑う。
オッサンらが言ってた。
『妖孤一匹で国が買える』
「やばやばやばやば」
「やばいよなあやっぱ。」
二人の顔を見ながら小さな妖孤は不思議そうに
座っている。
「ぬー。」
「何だ?蔵馬?」
「ここにいる。駄目か?」
ぺたりと耳が寝る。
「駄目じゃないぞ!」
勢いこんで怒鳴ったのは黒鵺でなく黄泉だった。
「・・・おまえだれ?」
「黄泉だ!
ここにいろよ。オレと黒鵺さんが守るから。」
じっと妖孤ー蔵馬が、黒鵺と黄泉を見る。
黒鵺は安心出来そうな笑顔だ。
黄泉は鼻息が荒い。
自分の手を蔵馬は見る。
小さい。
二人の手は蔵馬よりは大きい。
「・・・いてもいいか?」
「当たり前だろ?」
「ずっといろよ!」
人形のようだった表情が緩やかに変わる。
ふわりと花が咲いたように笑った。



前提1 やったった・・・・
前提2 だってやりたかったんだ!
前提3 この時点ではぬー12歳、黄泉7歳、蔵馬4歳くらい?
前提4 因みにまだ二人共蔵馬が男だって知りません(笑)