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幽白蔵馬受とかアイマスとか他ゲームとかたまに猫な妄想ブログです

昔あったかもしれない黄泉+蔵馬+黒鵺 三

2017-03-09 13:11:40 | 妄想盗賊三人組
黒鵺と黄泉が妖孤の子供を拾ってから一月。

「やってらんねーよ。」
冗談じゃないと黄泉は不貞腐れた。
「まあ、そう言うなよ。
今回はオレも無理な命令だとはおもうけどな。」
はあ、と溜息を吐きながら黒鵺。
組織の下っ端である二人にはたまに
頭やその下の幹部連中から暇つぶしにと
無理難題が言い渡されることがままある。
どこからどう見ても子供な黄泉に女を抱いて来いやら
飛べるとは言え生身の身体では重傷は免れない高度飛行を
黒鵺に強制したりだ。
出来れば舌打ち。出来なければ殴られる。
死ぬほどではないがやはり意味のない暴力に晒されるのは
嬉しくない。
「好きでこんなとこにいるわけじゃねーのに。」
ボソッと呟いた黄泉に黒鵺は視線を向ける。
ある日突然頭が連れて来た鬼の子供。
面倒を見ろと投げつけられてからの付き合いだ。
「黒鵺さん・・・ここ出ねぇ?」
「・・・うーん・・・・」
本音を言えば黒鵺だって虐げられるだけの場所には居たくない。
けれど。
力のない子供が彷徨いて安全な場所なんかない。
下手すりゃ売られる。
子供の使いみちなんて男だろうが女だろうが大して変わりない。
待っているのは確実に『死』だろう。
ーそれに。
今はあの小さな妖孤がいる。
二人が居なくなればあの可愛いらしい子狐はどうなるだろう。
そう思うと組織を抜けるなんて出来ない。
「ぬー、よみなにしてる?」
「あっ!くー!
何勝手に出て来てんだ馬鹿!」
「よみのが馬鹿。」
「うっせーよ!
あーもーどうすりゃいんだよオレ達!」
土の上に転がりじたじたと暴れる黄泉を不思議そうに見ていた蔵馬は
黒鵺に問いかける。
「よみ。どうした?」
「あーちょっと無理な命令されてな。
腐ってるんだ。」
蔵馬は眉を顰めて黄泉を見下ろし言う。
「腐ると臭いあっち行け。」
「腐ってねーよ!」
兄弟喧嘩の様な二人の言い合いは微笑ましいが
(今日一日で三十升の米なんて無理過ぎる。)
はあとまた息を吐く。
秋ならともかく今の時期人間界に行っても黒鵺達程度が
侵入出来る場所に三十升の米なんてないだろう。
よしんばあったとしても一度に三十升を二人で持って帰るなんて
出来ない。何度か往復していれば確実に人間にバレる。
「なー!くー。」
「なんだ。」
「おまえが米出せたらなー。」
あーあと嘆く黄泉を見ながら蔵馬は
「出せる。」
と事も無げに言った。
「は?」
「は?じゃない。
種籾があればへいき。よみは米がくいたいのか?」
「え。や食いたいってか・・・・マジ?」
黄泉は黒鵺に視線を送る。
冗談で言っただけなのにと目で訴える。
「蔵馬、本当に?」
「種があれば。
前にやったことあるたくさん。」
それは。
「オレ達と会う前か?」
「うん。
首輪嫌だった。」
首輪・・・と黒鵺と黄泉が同時に呟く。
「前より少し力増えた。
種あれば米いっぱい出せる。いるか?」
ごくりと唾を飲み込む。
もしかして自分達はとんでもないモノを拾ってしまったのじゃないか
黒鵺は一瞬だけそう考えた。
「マジか!だったらオレ種盗って来る!」
黒鵺の言葉を待たず黄泉は種籾を盗みに駆け出した。
歪みの先にある人間の村。
種籾ひとつかみ位ならば黄泉にも容易く盗めるはずだ。
「・・・ぬー?」
首を傾げて蔵馬は黒鵺の顔を見つめる。
「蔵馬・・・おまえオレ達に会う前どこに居た?」
「壁。」
「壁?」
「壁の中。
たまに外に出されて米とか麦出す。」
「それだけ?」
「『イヤシイヨツアシ』だから、」
「は?」
「おれに触ると『ケガレル』言ってた。
ぬーとよみはケガレルか?」
腹の底から何とも言えない怒りが込み上げる。
まだほんの子供の蔵馬。
首輪を着けて壁の中へ閉じ込め自由を奪い
賎しいと貶めた癖に蔵馬の力を良い様に扱い
私腹を肥やした奴が何処かにいる。
もし今の自分があの闘神の力のほんの片鱗でも持っていたら
そいつら根絶やしにしてやるのに。
握り締めた拳にギリギリとツメが食い込む。
「ぬー。どうした?」
「あ、いやおまえそこからどうやって逃げて来た?」
にまりと笑って蔵馬は言った。
「毒のある米作った。」
「・・・あ、そう・・・」
「偉そうな奴助けてくれって泣いてた。
すごい面白い。」
楽しそうに話す蔵馬を黒鵺は見つめる。
ー幸せに生きてたなんて思っていなかったけど。
ゆっくり黒鵺の腕が伸びる。
「ぬー?」
「うん。」
小さな細い身体を抱きしめる。
「ぬーなに?」
もぞもぞと居心地悪げに蔵馬が動いた。
「今回だけだから。」
「なに?」
「おまえの力借りるの。」
「・・・?米出すのかんたん。」
「そうじゃなくてさ。」
解らないと呟く蔵馬の頭を撫でる。
「オレ達とおまえは対等だから。」
「対等?」
「同じってこと。」
暫く考えて蔵馬はぽそっと囁いた。
「良く・・・解らない。」
「解かんなくていいよ。今は。」
腕の中の温かい小さな生き物。
これはこいつはきっとだれかがオレにくれた宝物だ。
絶対に守りきってやる。
黒鵺はそう心に誓う。
「ぬー。」
「ん?」
「おれとぬーは同じ。
よみは?」
「黄泉も同じだよ。」
不服なのか蔵馬は口を尖らせ言った。
「よみ馬鹿なのに。」



〜ちょっと重い。🤐
でも輝くよみの頭の軽さ!
ぬーさんの父性愛はどこから湧いてくるのでしょう?
まだ恋愛とかじゃなく三人とも擬似兄弟ですな。
いつもの勝手設定ごめんなさいm(_ _;)m


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1 コメント

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Unknown (きら☆です。)
2017-03-10 20:13:10
なんて素敵な三人組話(^▽^)みんな大好きです♥黄泉、お馬鹿でいとおしぎます(⌒∇⌒)読ませて頂けて今週も仕事を頑張ったご褒美もらえたみたいな気持ち(n*´ω`*n)りくらくさん、有難うございます♥私に娯楽を与えて下さって幸せです♪そして、ラーメンの続きもメチャ気になってます!!

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