2017年のブルーリボン賞、ローレル賞

鉄道友の会は、2017年のブルーリボン賞に九州旅客鉄道のBEC819系『DENCHA』を選定したことを発表した。
ローレル賞には、東日本旅客鉄道の山手線用『E235系』、えちごトキめき鉄道の『ET122系1000番代』（雪月花）、静岡鉄道の『A3000形』の３車種が選定された。

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2016年に営業運転を開始した13車種が対象となった今回、JR九州の『DENCHA』が史上初の交流蓄電池車両として得票数を延ばし、ブルーリボン賞に輝いた。ブルーリボン賞は特急形車両が比較的選定されやすいのだが、今回対象になった特急車両は現美新幹線と青の交響曲のみ、いずれも既存車両を改造したものなので、大した票を集めなかった。

1989年ローレルの783系から始まり、1992年ローレルのキハ200系、1993年ブルーリボンの787系、1996年のブルーリボン883系、2001年のブルーリボン885系、2005年のローレル800系と、一時期は短周期で賞をもらってきたJR九州だったが、ここ10年以上は賞から遠のいていた。BEC819系は、車体こそ817系を踏襲しているものの、世界初の交流電車の蓄電池走行という技術が評価されたようだ。817系のV114編成による試運転も４年前から行なっていたし。技術だけでなく、水戸岡デザインというのもプラスになったかもしれない。
蓄電池電車としては、一昨年に烏山線のEV-E301がローレルを受賞したのに次いでの受賞となる。去年は仙石東北ラインのHB-E210系が受賞したし、そういう車両の受賞が続く。まさか、来年は男鹿線のEV-E801がノミネートするのでは。BEC819系を耐寒耐雪対応しただけの。2008年にJR東日本E721、仙台空港アクセスSAT721がダブル受賞したことを考えると、EV-E801とBEC819のダブル受賞もなくはなかったのだな。同じ年にデビューしてれば。

E235系がブルーリボン賞に選定されると思っていたけど、前面デザインが人によって好き嫌いあることから、BEC819に票数が及ばなかったようだ。新しい技術に挑戦したものの、量産車を含めて、初期故障も多かったし。選定されなかった大阪環状線の323系よりはいいけど。
えちごトキめき鉄道の『ET122系1000番代』は、今回選定された中で唯一のオールロングの通勤車ではない。１号車の一部はいい意味でロングシートになっているけど。えちごトキめき鉄道のリリースによると車内で食事を提供するリゾート列車として初受賞となる。また、ＪＲ・国鉄から転換された第３セクターとしても、1985年ローレルの樽見鉄道のハイモ180形、2007年ブルーリボンの富山ライトレールに次いで３例目の受賞となる。今までも、第３セクター転換時に、秋田内陸縦貫鉄道のAN2000形、三陸鉄道の三陸鉄道36-R形などの特別気動車が造られたけどいずれも選定外、ここ最近は既存の車両を改造したろくもん、新製でも一般車両と車体が変わらないおれんじ食堂や赤松が続いたからな。足回りが一般車両と同じでも、観光列車用に新製したのは意外と珍しいかもしれない。

『A3000形』は、東急5000系の中間車に次ぐ民鉄のsustinaで先頭車は初めて、先頭デザインは同じくsustinaシリーズの都営浅草線5500や京王新5000に引き継がれることになる。個人的には、技術面より、車体色を静岡の名物にちなんで塗り分けたのが印象に残る。でも福島交通とか見ると、大手民鉄以外でこのような新車を導入するのは難しいのではないかと。

来年はどうなるのだろう。該当するのは、四季島、瑞風、『やまぐち』号新型客車、東武リバティ、西武40000、京王新5000、東武70000、メトロ13000、そして次のブログに出てくる相鉄20000とここ最近では多め。クルーズトレインの先駆け『ななつ星』が賞を取得できなかった理由が、しまかぜ、Ｅ６の対抗馬が悪いのでなく、利用できる人間が少ないことということだとしたら四季島、瑞風の可能性はだいぶ減る。西武40000と京王新5000は似たようなものだが、西武40000の運転席後ろのフリースペースを考えると、京王新5000はなさそう。そうなると、奥山清行がデザイン監修もした東武リバティが何らか賞をもらいそうだ。あとメトロ13000も、2011年ローレルの千代田線16000、2013年ブルーリボンの銀座線1000に続いて賞を取るのではないかと。