しーさるの鉄日記

JR東日本の試験用新幹線車両とJR東海の新型新幹線車両


JR東日本は、次世代新幹線の実現に向けて、試験用新幹線車両E956形『ALFA-X』を新造することを発表した。

『ALFA-X』では、安全性・安定性、快適性、環境性能、メンテナンス性を重視する。安全性・安定性では、大地震の発生時に脱線しにくくするため、地震対策ダンパやクラッシャブルストッパを取り付ける。また、車体を着雪しにくい構造にしたり、車両各機器をモニタリングして自律的に判断させる。
快適性では動揺防止制御装置を搭載して、乗り心地を向上させる。また、吸音性・遮音性の高い車内構造とし、車内の静寂性を維持する。
環境性能ではパンタグラフ等を低騒音化、先頭車両の形状を検証し、トンネル突入時の圧力波を抑制する。メンテナンス性では、各機器をモニタリングするデータを基地や指令、現地社員に伝え、CBMの実現を目指す。試験車両は2019年春に落成する。

また、JR東海は、平成32年度に東海道新幹線に営業投入するN700Sのデザインについて発表した。
前照灯は新幹線車両として初めてLEDを採用、先頭形状を活かして照射範囲を広げる。車体色は既存車と同じ白地に青帯、先頭部の青帯でSupremeのSを表現する。
客室においては、空調吹出口を側面パネルと一体化、吹出口を広げることで室内温度を均一化させる。室内照度についても、LED間接照明を光学的に最適な形状とすることで均一化させる。また、停車駅に近づいた際、荷棚の照明を上げ、荷物への注意を喚起させる。車内テロップについては、フルカラー液晶を採用し、画面サイズを50%拡大する。
グリーン車のリクライニングシートについては、回転中心をくるぶしに変えて、長時間座っていても疲れにくい構造にする。また、フットレストと足元スペースを拡大する。普通車のリクライニングシートについても背もたれと座面を連動して傾けるものを採用する。

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1992年から1998年まで活躍したSTAR21、2005年から2009年まで活躍したFASTECH360に次ぐ3世代目の試験用新幹線車両、今回は安全性、高速性だけでなく、新たな価値も要求される。『ALFA-X』の先頭車はこれまでの試験車同様、2種類の先頭車両を用意することに。どちらとも、E5より洗練された先頭車だ。盛岡を過ぎると、トンネルばかりになるから、先頭車を工夫してトンネルドンを抑えなければならない。そう考えると、盛岡以北での最高速度引き上げには意欲的なのだな。

FASTECH360では猫耳のような空力ブレーキで制動距離で短縮させようとしたが、ALFA-Xでは制動距離を短くするものは付けられなかった。代わりに地震対策ダンパとクラッシャブルストッパで地震発生時の安全性を確保する。360キロ走行でもユレダスである程度まで減速できるということなのだろうか。

ALFA-Xの落成は2019年、過去の試験車が試験したの5年前後だったことから、2024年前後まで試験すると思われる。この試験結果をもとに、2030年までにE8系、H8系を新造、2031年春の北海道新幹線札幌延伸に合わせるというスケジュールになるのだろう。それまでに青函トンネルを高速で通過できる列車が増えればいいのだけど。少なくとも、盛岡~新青森の速度引き上げは現行のE5系でも可能ではないかと。

東海道新幹線のN700Sについては、ブレーキシステムや駆動システムといったハード面が1年前に発表されていたが、今回は、前照灯にフルカラーLEDを採用すること、空調の吹き出し口を広げること、リクライニングシートの快適性を向上させることといったソフト面が発表された。トンネルドンを抑えるための先頭形状を、ライトで照らす範囲を広げるために使うとはね。
史上初となるサービスとしては、駅に着く前に荷棚の照度を上げて忘れ物を予防させるというもの。まぁ、荷物に荷棚を置いたこと自体を忘れたら、意味はないけどね。荷棚を照らすのもいいけど、席の下を少し照らしてくれれば、席の下に落ちたものを取りやすいと、月曜日新幹線に乗っていて時に思った。背もたれと座面が連動するリクライニングシートはリニアでも使うのだろうか。リニアが開業する頃には、さらに快適なリクライニングシートが開発されそうだ。

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