JR東海2022年ダイヤ改正（中央線編）

JR東海の2022年３月ダイヤ改正、中央線の改正概要は以下の通り。

●名古屋～中津川間の快速・普通列車を８両で統一、そのうち一部列車に新型車両315系を投入する。平日朝ラッシュ時間帯に編成両数が10両から８両に減る分は、増発してフォローする。

●ホームライナーの運転区間を『名古屋～瑞浪間』に統一、高蔵寺、大曽根、鶴舞に全てのホームライナーを停車させる。

他地方に比べて、改正頻度の低い名古屋地区、今回は315系が投入される中央線を中心に改正を行うことになった。

315系は改正の１週間前の3月5日にデビュー、改正時点で８両編成７本が運用開始となっており、中央線列車の1/3くらいに相当する87本を置き換えた。残りは211系４両×２や211系３両×２＋313系２両での運用となったが、211系３両×２＋313系２両は2023年３月までに撤退した。2023年２月時点では315系12本が運用中、2023年度内には22運用全てを315系で統一させる。211系は廃車になったが、313系２両は一部が大垣へ転属となっている。

改正前は、名古屋着7時29分～8時46分まで14本全て10両での運転となっていた。14本のうち、全てロングの211系10両での運転は３本だけ、それ以外は転換クロスの313系を２～４両連結しており、特に名古屋8時19分の多治見発は8500番台３両、8時24分の南木曽発は６両が連結されていた。その結果、ロングシート105両に対し転換クロスシートは33両と1/4近くを占めていた。今回改正では、7時32分から8時46分まで17本８両が全てロングに、両数は140両から136両に微妙に減らしているが、全てロングなので立ち席面積は増えたことになる。315系は名古屋着8時04分から8時16分までの４本集中投入、それ以外の315系は7時40分着だけで、あと12本は211系の運用になっている。ちなみに次の2023年改正では、315系９本、211系８本と315系が過半数を占めるようになったが、４本連続はなくなった。

短編成化に伴う増発は、土岐市発6時56分、高蔵寺発7時40分、多治見発7時45分の３本で、名古屋には7時50分、8時16分、8時34分に到着する。土岐市発6時56分、名古屋着7時50分の設定で、7時台後半が29、39、49、54だったのが、32、40、45、50、55と、５分間隔の時間帯が拡大10分間隔がなくなる。

高蔵寺発7時40分は、この時間帯において唯一の高蔵寺始発、スジは改正前の多治見発7時23分を踏襲する。その多治見発7時23分は、7時20分に繰り上げ、高蔵寺での快速退避をやめて、多治見から名古屋方面への有効本数を増やす。名古屋着8時14分だったのは8時08分に繰り上げ、改正前は7時49分から8時29分まで５分間隔だったのが、8時04分から20分まで４分間隔となる。なお、次の多治見発7時32分は瑞浪発7時18分に延長、15分のタイムラグを解消する。多治見発7時45分は後続の土岐市始発を数分繰り下げての設定、この列車の設定で名古屋着8時34分から41分までのタイムラグは解消して、8時26分から8時46分まで４分間隔となる。

ピーク時間帯に増発した一方、早朝時間帯は１本減便することになった。高蔵寺発6時35分の快速岐阜行は東海道線区間を含めて廃止する。また、中津川発5時55分の快速は、普通に格下げした上で5時48分発に繰り上げる。高蔵寺発6時台は27 35始快 37始 47快 49だったのが、26 32始 41 49となり、6時台の快速は消滅、7時21分が朝一番の快速となる。49分の普通は快速待避がなくなるので、多治見発6時30分を6時36分に繰下げ、改正前の快速の37分発に近づける。この多治見発6時36分（改正前は6時30分）は、名古屋から東海道線に乗り入れる岐阜行だったが、315系への置き換えもあってか、先述の快速岐阜行とともに東海道線への乗り入れは取り止めとなる。

土休日朝上りは、多治見発7時台から9時台前半まで約20分サイクルに中津川方面からの快速、多治見始発普通、高蔵寺始発普通が１本ずつ走るわかりやすいダイヤだったが、今回の改正ではそれが崩れることになる。その影響で、高蔵寺発９時台において、快３、普４、始３の計10本となっていたのを快２、普２、始５の計９本と減便する。また、朝一番の快速も中津川発6時15分だったのが6時31分に繰下げとなる。

一方、下り方向は、6時23分の多治見行と7時02分の高蔵寺行を新設して約10分間隔の時間帯を拡大している。また、6時32分多治見行、51分高蔵寺行は、33分土岐市行、52分多治見行に延長変更させる。7時台は27分の中津川行、35分の高蔵寺行の順序を入れ替えて、27分の高蔵寺行、35分の快速中津川行に、快速格上げで多治見から先は８分短縮となる。8時台は08分の神領行を新設して04分～20分まで４分ヘッド化、それ以外にも行先変更して、30分の快速中津川行は20分の普通中津川行に格下げする。

平日夕方時間帯は、本数を変えずに８両編成に統一する。リリースの18時台を見ると、６両×５、８両×２、10両×２の66両になっていたが、改正後は８両編成×９の72両に増えた。転換クロスシートはロングシート化されたものの66両のうち９両だけなので、座席数は少し増えたことになる。19時台も６両×６、８両×２、10両×１の62両（内、転換クロス22両）から72両に増やしている。

夜間は21時27分の快速中津川行と34分の普通多治見行を入れ替え、26分の普通多治見行と、37分の快速中津川行とする。このことで、快速が21時07分から23時07分まで、30分の等間隔化される。37分が普通から快速になったため、47分の瑞浪行を44分の高蔵寺行に、57分の高蔵寺行を52分の土岐市行に、繰上げ変更して、22時01分発の高蔵寺行を新設する。このことで快速通過駅へのタイムラグは19分から15分に、21時台に多治見方面へ行く列車も14多 27快 47瑞 07快と20分間隔だったのを、13瑞 26多 37快 52土 07快 と11～15分間隔とする。後述の21時58分発のホームライナーが廃止になったからそのフォローなのだろう。

22時台は01分発の新設以外は時刻の変更はないが、快 多 高 快 土 高だった行先を、快 瑞 多 快 高 土に変更して、多治見方面への運転間隔が10分となる時間帯を増やす。23時台は43分発まで変更はない。23時57分発の多治見行は、24時05分の快速瑞浪行を普通高蔵寺行に短縮格下げしたのに伴い、瑞浪行に延長変更、24時20分の普通高蔵寺行は廃止する。このことで、高蔵寺までの最終は15分繰上げ、土岐市、瑞浪への最終は８分繰上げとなる。中央線の高蔵寺行最終が繰上げになることで、栄から中央線への最終は24時16分の東山線星が丘行最終からの乗り継ぎだったのが24時02分の東山線藤が丘行最終、または栄町発24時00分の瀬戸線喜多山行最終からの乗り継ぎとなる。同時刻の名城線最終に乗っても、金山で接続がないことを考えると、これでも遅い方だと思うけど。東京からの最終ひかりの名古屋着は23時49分となっているから、東京方面からの最終繰上げはない。

夕方における名古屋からの快速での所要時間は、高蔵寺まで28分、多治見まで37分、瑞浪まで50分、中津川まで78分となっている。中京圏の東海道線なら名古屋から西岐阜、大垣、関ケ原、米原、首都圏の東海道線なら、東京から横浜、戸塚、辻堂、鴨宮に匹敵する所要時間だ。ホームライナー瑞浪の設定から考えるに、瑞浪から先は通勤客が減ると思われる。

ホームライナーは、朝上り３本、夜下り５本運転していたのを、朝上り、夜上りともに２本ずつに減便する。また、朝の多治見発は瑞浪発に延長変更、夜の中津川行も多治見行に短縮変更し、中津川だけでなく恵那もライナーが来なくなる。高蔵寺停車は朝上りだけ、鶴舞停車は夕下りだけ、大曽根停車は夕下りと朝上り１本だけとなっていたが、今回の改正では、鶴舞、大曽根、高蔵寺も全列車停車となる。このことで改正前はできなかった、高蔵寺～鶴舞間での利用が可能となる。

改正前は名古屋着7時42分、8時38分、9時29分となっていたが、改正後は7時27分、8時59分となり、混雑ピーク時間帯を避けることになった。改正後の8時59分着は多治見から名古屋まで40分と、改正前の8時38分着より６分速いが、改正前の9時29分着よりは９分遅い。廃止になった瑞浪発8時45分、多治見発8時58分、名古屋着9時29分に近い時間帯には多治見発8時51分、名古屋着9時18分の特急『しなの』が自由席でも760円とライナー料金の330円より高くなる。ただ、この時間帯の多治見から名古屋方面は8時39分の普通か9時03分の快速だけだから、急ぐ場合は課金するしかない。

夕方時間帯のホームライナーは、名古屋発17時58分～21時58分の毎時１本ずつ運転されていたが、名古屋発17時57分発と20時38分発の２本だけの運転に、19時近く、20時近く、22時近くの設定はなくなる。ただし、課金すれば、18時40分と19時40分に特急『しなの』があり、それを含めれば20時38分まで１時間毎となる。朝上りに比べれば、ダイヤ的には余裕があるのだけど、需要がないのだろうか。名鉄を見れば、特別料金を払う列車は需要がありそうな感じはするのだけど。20時台のライナーが中津川行だったのを瑞浪行に変更したため、20時47分の快速瑞浪行を48分の中津川行に、52分の普通土岐市行を53分の多治見行に変更している。