私は大学の講義でNPO法人ナショナルトラスト・チコロナイの存在を知りました。
大学で林学を学んでいる私は予てより「自然環境に着目したアイヌ文化保全」に関心があり、
チコロナイの活動に大いに感銘を受けました。
こうした経緯で、私はこの度植樹ボランティアとして初めて活動に参加させていただきました。
一人では心細いと思ったため高校時代の友人を誘ったのですが、その心配は杞憂に終わりました。
チコロナイの皆さんは新参者である私たちを歓迎してくださり、
そのお陰で私たちはすぐに場の雰囲気に溶け込むことができました。
当日は生憎の雨天でしたが、そうした中でもチコロナイの皆さんが
やる気に満ち溢れていたのが印象的でした。
活動は苗畑で育てた苗木の山への移植作業から始まりました。
林学を専攻している私ですが、稚樹の掘り取りや植え付けといった
作業を実際に行うのは今回が初めてでした。
慣れない手つきで悪戦苦闘している私たちに
チコロナイの皆さんは一つ一つの作業を丁寧かつ熱心に教えてくださりました。
段々手際よく作業をこなすことができるようになってゆき、
皆さんの談笑に加わりながら私たちはとても楽しく作業をすることができました。
また、この日は昼食と夕食をご馳走になりました。
一仕事を終えてお腹を空かせた私たちにとって、
大きなテーブルを囲んだ食事はまさに至福のひと時でした。
特にイナキビのおにぎりとシカ肉のお汁もの(ユクオハウ)は格別に美味で、
恥ずかしながらお代わりをいただいてしまいました。
自然と共生し、そこから得られる恵みを巧みに利用して生活していた
アイヌの伝統文化の保全を図るうえでは、その文化を営む場である
自然環境を形成することが何よりも重要であると私は考えています。
そのため、チコロナイの取り組みはアイヌ文化の伝承や理解の促進に
つながることが大いに期待されると思います。
オヒョウなど園芸種ではない樹種の育成は容易なことではないでしょうが、
将来的にはこうした活動が北海道各地で展開されることを願っています。
また、今回のチコロナイの活動は2日間にわたって行われるものでしたが、
私たちは都合により1日目のみしか参加することができませんでした。
来年こそは全日程を楽しみたいと思っています。
最後になりますが、この度お世話になりましたチコロナイの皆さんにはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。