ジョムソンで小型のチャーター機がオーバーランしたとのニュースをテレビで知った。
もう15年以上前、友人らと4人でポカラからジョムソンに飛んだ時の事を思い出しました。
定期路線便は1日1往復のみ。早朝のフライトでした。
風が強いので、その時間しか飛べないと聞きました。
それも、天候によって頻繁に欠航になる…。
客席10席くらいで、座席指定などなくて、好きな席に座るの。
行きは遅れる事なく、アンナプルナに興奮して写真撮りまくり。
何日か周辺の村々を歩いて、また定期便でポカラに戻る予定でした。
…が、しかし…。
予約しておいた飛行機は悪天候で欠航。
すると、1日1便しかないので、その日乗る予定だった全員があぶれる。
明日の便だって予約がいっぱいなら、私たちはどうする?
明日のジョムソン→ポカラに乗れても、同日乗り継ぎでポカラ→カトマンズと戻れるかどうかの保証もない。
明後日、カトマンズから東京に戻る航空券は変更不可の格安航空券だから、ここは何としても明日中にカトマンズに戻りたい…。
そこで、欠航した日、ジョムソンにあるネパール航空の事務所へ。
事務所と言っても、おじさんが一人だけでテレックスとかアナログなタイプライターで搭乗者リスト作ってるようなとこ。そこで、他愛ない世間話をしつつ、「どんなに私たちが明日の便に乗る必要があるか」をアピールすること数時間。
ここは、とにかく熱意あるのみ。
でも、おじさんはOKとは言ってくれなかったので、諦めてホテルに戻ったのです。
ところが翌日の早朝まだ暗い時間、そのおじさんがホテル(←ってか小屋)にやってきて、
「ここに4人のジャパニーはいないか~」って入り口で怒鳴ってるの。
乗れそうだからって呼びに来てくれたのでした。
あわてて、寝袋たたんで、荷物をぐちゃぐちゃに詰め込んで空港まで走る。
走る…。
空気薄いのに走ったですよ。
何とかポカラまでのフライト確保。
しかし、ポカラからカトマンズがまた大変。
ジョムソンに比べるといくらか近代的な事務所でカウンターのおじさんにまたまた猛烈アピール。
座席ゲットに必要だったのは、根気と笑顔とスタッフの名前の連呼。
今でも忘れないその名前・カルキさん。
「ね~、カルキさん、ダメかなぁ~」
「ね~、カルキさん、私たちは来週は日本で仕事しなくっちゃだからどうしても今日中にカトマンズに行きたいの」
「ね~、カルキさん…」
カルキさんはいや~な顔して席をたつ。
「ね~、カルキさん、私たちのをそのままにしてどっか行かないで~」
と言ったら、
「トイレくらい行かせてくれよ」
ってな具合。
結局、私たちは一度もカウンターを離れる事なく、カルキさんにニコニコ微笑ながら迫ること数時間、ついに同日の最終便をゲットしたのでした。
海外、特に途上国ではいろいろな事が起こりますが、
このフライト予約の攻防戦は、いまでも忘れられない旅の思い出となりました。
今回の事故でお怪我をされた皆様、お気の毒です。
早く回復されますことを心よりお祈りしています。
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