ナタとナタ豆

　九州で田舎生活を実践している友がいる。ブログを見ていると、何度かナタマメの物語が現れるのだ。写真を見ると大きなサヤエンドウ…ではないか？だが、こんなに大きなサヤエンドウは…今治近辺ではあまり見かけない。…最近、田舎生活実践者様がお墓参りで今治に帰ってきた時「ナタマメが届かない」と遠慮しながら、遠回しに…いつの間にか催促して、いつの間にか酔っぱらっていた。私の頭の中に画かれたマメは、あの、イギリス童話の紙芝居で見た「ジャックと豆の木」の豆なのである。

　*****ジャックは母親に、牛を売ってくるように言われて、市場に売りに行く。しかし、途中で出合った男の持っている魔法の豆と牛を交換する。家に帰ると母親に怒られ、豆を庭に捨てられてしまう。次の朝、その豆は巨木になり天まで届いていた。ジャックは豆の木をよじ登り雲の上の巨人の城にたどり着く……巨人の妻に見つかり「巨人は人間を食べてしまうから早く逃げなさい」と言われている時、巨人が帰って来る。巨人の妻はジャックを素早く隠す。巨人が寝た後、ジャックは金の卵を産む鶏を奪って家に戻る。うまくいったので、また、ジャックは豆の木を上り金と銀の入った袋を奪って帰った！…うまくいったので二度三度…しかし、とうとう巨人に見つかり、急いで地上に戻ったジャックは豆の木を斧で切り、追って来ていた巨人は落ちて死んでしまう。裕福になったジャックと母親は幸せに暮らす*****

　２日～３日して“今日、畑で採れたなた豆を送りました”とメールが届いた。煮て食べるか、焼いて食べるかだろうと思っていたが“テンプラが美味しいと思います”と書かれている。以前は漢方薬として知られており、最近では健康食品、健康茶として知られるようになったナタマメ。“歯槽膿漏や蓄膿に効果があるようです。結果として、糖尿病の緩和にも効果があると、私の飲み仲間は信じておりますので、ご試食ください。”とアドバイスしてくれている。そうなのか…魔法の豆…何となくソワソワ！

　そして、ナタマメが届いた。小包を開けてみると、確かに、ナタマメ！！しかし、豆がない。ナタだけだ。豆が鞘の中に宿る前に取るのかな…？それにしても、これだけ鞘が大きくなってから豆ができるとは不思議である。それとも、豆は食べないのかな…？ああ、豆はお茶にするのだろう…！種をとる豆だけ最後まで置いておくのだ。これでは、毎日会話ができていないと頃合いのいいナタマメは食べられないのだ。健康も辛抱するところからはじまるのだ。早速、豆を洗って、横断方向より少し斜めにカット。それが、自分の口の大きさだ。

　なかなか…酒のつまみには…ベリーグッド。ガシ…と噛んでみると噛めないものが２枚。鞘の中に鞘がある。ナタマメの切り方が悪かったのだろうか？それとも、アクセントを楽しむ豆なのだろうか…？ジャックと豆の木…が…ナタとナタマメになってしまった。想像は栄養を呼び、栄養は健康につながり、ナタマメは体調、免疫力になびくのか……！！ごちそうさま！！　
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