きらり!(^^)!

子どもたちの限りない可能性を求めて!

受験生のリスクを減らしてほしい!

2020-06-20 20:03:08 | 教育
コロナ禍と受験 努力に報いる手だてを

2020年6月20日 08時44分・東京新聞社説 より

 コロナ禍での紆余曲折(うよきょくせつ)を経て来春の大学入試のスケジュールが決まった。学習の遅れに配慮し共通テストは当初予定の二週間後にも受験できる。受験生の努力に報いる手だてを臨機応変に講じたい。

 受験日程を巡って今年は揺れた。政府が一時期、九月入学に前のめりになったことは記憶に新しい。それが一段落した六月初めに実施された全国の国公私立高校へのアンケートでは、大学入学共通テストや個別試験を予定通りに実施すべきとする回答は七割に上った。変更することがむしろ不安を招くとの判断だ。

 しかしその後、全国高等学校長協会は日程を一カ月程度、遅らせることを求める要望書をまとめた。協会には私立も加盟しているが、その意向が反映されていないとして、文部科学省は要望書を受け取らなかった。

 意見が割れた背景には、休校期間の地域差に加え、オンライン授業の体制整備が進む私立と、公立との格差も潜む。義務教育の小中学校も含め、公立の環境整備を進めていくことは急務だが、まずは高校三年生の不安を払拭(ふっしょく)していく必要がある。

 十九日に示された方針で共通テストは当初予定の第一日程に加え、二週間後に、第二日程が設定された。現役生は学習の遅れを理由に第二日程を選択することも可能にした。

 受験生にとっては悩ましい選択となるだろう。これまでのセンター試験に代わり今回初めて実施される共通テストの傾向を、第二日程の受験者は第一日程の出題を見て知ることができる。非常時とはいえ、公平性の担保は必須だ。

 文科省は大学の個別試験でも複数の受験機会などを求めていくという。感染拡大の状況次第で、あらためて入試日程を検討する必要に迫られる場合もありうる。

 今後も、浪人生も含め、受験生が理不尽だと感じることのない方策と丁寧な説明を先手先手で講じていくべきだ。

 ただでさえ本年度の受験生は、共通テストの英語民間試験や記述式問題の導入断念など、国の方針に翻弄されてきた。これ以上、大人への不信を招くようなことがあってはならない。

 コロナ禍でのアルバイトの減収などで大学生の困窮も浮き彫りとなっている。経済的な理由で進学を諦めることがないよう、修学支援制度や受験料免除制度の周知とともに、奨学金制度など支援策の拡充も検討していくべきだ。