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困り感に正しい理解を~吃音~

2018-11-19 10:37:43 | 教育
<吃音>男子中学生がいじめ訴え 学校は支援体制を

11/19(月) 9:02配信 ・毎日新聞
 吃音(きつおん)を理由にいじめを受けたとして、福井県敦賀市の市立中学校に通う男子生徒が悩んでいる。十分に考えを伝えられず笑われるなどし、通学も滞りがちという。人口の1%は吃音の問題を抱えるとされるが、教育現場でその支援体制が整っているとは言い難い。中学校の校長は「配慮が足りず、反省している」としている。【高橋一隆】
 ◇嘲笑に涙、孤立
 同じ一音を繰り返したり、言葉に詰まってしまうのが吃音で、問題を抱える人の多くは「うまく話せなかったらどうしよう」という予期不安を覚える。症状を隠そうとするあまり、コミュニケーションを避ける人もいる。原因は解明できておらず、対応する医療機関も少ない現状がある。
 いじめを受けたという生徒は、幼少期から吃音だった。今年春に自己紹介したとき名前を思うように言えず、周囲から笑いの声が上がったという。部活動でも孤立していたといい、「学校には行きたいけど、自然に涙がこぼれてくる」と話しているという。この状況を踏まえて市教委に相談した保護者は、家庭訪問に今月来た担任教諭に「吃音への理解を求めたい」と迫った。
 実際に、社会における吃音への理解は乏しい。毎日新聞が当事者団体などの協力を得て2016年に実施した全国アンケートでは、回答した80人のうち50人が「吃音が原因で、学校や職場でいじめや差別など不利益な扱いを受けた経験がある」とした。「吃音への社会的理解や支援は足りていると思うか」との問いには、55人が「不十分」と答えている。
 「学校は閉じられた空間でもある。吃音の生徒は我慢もしただろうし、自己主張することへの難しさを感じてきたことだろう」。NPO法人「全国言友会連絡協議会」(東京都豊島区)事務局長の斎藤圭祐さん(37)は言う。

 ◇学校支援強化を
 吃音を「あがり症」程度に考える人は少なくなく、社会的な偏見は潜在する。学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などは子どもの特性に応じた教育環境の整備が進んでいるが、吃音の生徒を取り巻く状況について、斎藤さんは「市教委や校長らが本腰を入れて意識を変えなければ、改善は望めないだろう」と警鐘を鳴らす。
 いじめに遭ったという生徒の保護者は「人の特性をあげつらうような偏狭な社会にしてはならない。そうしたことを学校では教えてほしい」と訴える。保護者の相談を受けた市教委学校教育課は「あってはならないことで、解決に向けて、担任以外の教員も加えたチームでの対応を検討している」としている。