DVD借りてきて、やっと観れました。『ゆれる』。
映画を観ている最中に、笑うことも、泣くこともなく、観終わったあとも、じわ~んとくるものもない。そういう映画に出会ったことがない・・私、多分。えっと、どう表現したらいいのでしょう。
彼が帰ってしまったあと、からっぽのたばこの袋に鼻を近づけていた彼女。・・そういう「におい」とか、切りっぱなしのトマトの断面の「液体」とか、彼が彼女の心に残していったものは、お互い決して等しくない。
洗濯物をたたみながら、帰ってきた弟(オダギリジョー)と話すお兄さん(香川照之)の背中と・・なんか全く気持ちのこもっていない「いただきます」な態度の彼(オダギリジョー)の裸の背中と・・ 全くの対岸にいるふたつの背中。
等しくないから、バランスが悪いから、端っこと端っこにいて、だから「ゆれて」いる。
記憶だってそう。確かなものなんてない。思い込みだけのもの。忘れてしまっているもの。誰かにとっては大切な記憶でも、他の誰かにとっては大したものじゃなくて、だから「ゆれて」いる。
あのあと、二人の兄弟のゆれていた7年間は、これから取り戻せるのでしょうか。
あのバスが発車した後、兄の姿はそのままあるのでしょうか?「お兄ちゃん」と呼ぶ弟に、手を振り返すのでしょうか?
・・私が、あの兄なら、(帰ることはないと思います。)
映画を観ている最中に、笑うことも、泣くこともなく、観終わったあとも、じわ~んとくるものもない。そういう映画に出会ったことがない・・私、多分。えっと、どう表現したらいいのでしょう。
彼が帰ってしまったあと、からっぽのたばこの袋に鼻を近づけていた彼女。・・そういう「におい」とか、切りっぱなしのトマトの断面の「液体」とか、彼が彼女の心に残していったものは、お互い決して等しくない。
洗濯物をたたみながら、帰ってきた弟(オダギリジョー)と話すお兄さん(香川照之)の背中と・・なんか全く気持ちのこもっていない「いただきます」な態度の彼(オダギリジョー)の裸の背中と・・ 全くの対岸にいるふたつの背中。
等しくないから、バランスが悪いから、端っこと端っこにいて、だから「ゆれて」いる。
記憶だってそう。確かなものなんてない。思い込みだけのもの。忘れてしまっているもの。誰かにとっては大切な記憶でも、他の誰かにとっては大したものじゃなくて、だから「ゆれて」いる。
あのあと、二人の兄弟のゆれていた7年間は、これから取り戻せるのでしょうか。
あのバスが発車した後、兄の姿はそのままあるのでしょうか?「お兄ちゃん」と呼ぶ弟に、手を振り返すのでしょうか?
・・私が、あの兄なら、(帰ることはないと思います。)