さぁ、着替えて帰ろうとしていたら、誰かが(多分キャプテン平○)
「みんな校長室に来いって」
「え~えっ?」
「バレたとや?」
どうやら、口裏を合せた通りにはいかなかったようです。まぁ、仕方ないでしょう。
ボート小屋から大高まで自転車を走らせます。
校長室に呼ばれたわけですから、タダではすまないはず。
ペダルを踏む足は重かったに違いありません。
校長室にはボート部の顧問の先生(すみません。私は授業を受けたことが無く、お名前が分りません)が待っておられました。
「横に並べ!」
横一列に整列。
整列が終わるやいなや、先生はキャプテン平○の頭めがけ握り拳を1つ喰らわしました。
痛そうな音。
「報告(しろ)!」
「はい、~(省略)~」
残念ながら、先生のありがたいお言葉はまったく思い出せません。
『馬耳東風』 そんなもんでしょう。へへへ。
それよりハラハラしていたことが有ったんですよ。それは何かというと、
先生からきつい指導を受けている最中、私の横の羽○野は事もあろうか鼻くそをほじっているんですよ。しかも、皆は直立不動だというのに、彼の足は「休め」の姿勢。元々こんな事で悄気る様なヤツでは無いんですが、先生の更なる怒りを買うのではないかとヒヤヒヤしておりました。
どれくらい指導を受けていたのでしょうか。そして、先生はどういう言葉で締めくくられたのでしょうか?
とりあえず帰ってよしとなりました。中○と明日(日曜日)、中○のオヤジさんの船で大草までボートを取りに行く約束、そして、ボートを洗うからと集まる約束をして別れました。
帰宅したのは午後10時過ぎだったと思います。
我が家族は父の転勤で北海道の千歳でしたので、私は叔父の家にお世話になっていました。
叔父達に遅かった理由を説明すると、叔父、伯母は「そりゃ、お母さんが知ったら眠りきらっさんバイ。黙っとこ(黙っておこう)」と言いました。
「黙っとこ」というのは、私の母の性格をよく知る姉弟だからこその判断です。
母は心配性で、息子が謹慎になるかも知れん様な事をしでかしたと知ったら、夜も寝れず、居ても立っても居られず、千歳から飛んで帰ってくるに違いないと考えたからです。
さすがに疲れ果てましたね。
翌朝天候は快晴。海は見事なほどのべた凪。
中○のオヤジさんの船に乗船したのは中○と私の2人(だったと思う)
大草まで行ってボートをつなぎ、ボート小屋まで引いてもらいました。
そこには顧問の先生とボート部員の皆さんが待っていました。潮に浸かったボートを洗う為に先生の指示で集まっていたんだと思います。
タダでさえ申し訳ない気がしているのに、何と更に悪いことに、ボートは波によって岸辺の石に何度となく打ち突けられて破損していたのです。
確か招集が掛けてあったはずなのに仲間全員は集まっていません。何と無責任な!
そして集まった者も(何人か集まったのかどうか思い出せません)「用が有る」とかで段々帰ってしまいました。結局、最後までボート部員さん達と一緒に修繕をしたのは、赤○と私の2人だけでした。それはもう、「針のむしろ」とまではいかないにしても、辛い時間でしたよ。
2学期が始りました。
HRの時間となり、担任の岡本先生が教室へ入ってこられました。
教壇の両端に手を添えて、騒動を起こした面々を見回し、ガクッと深く頭を下げられました。
さあ、私達の処分は?
つづく。
次回完結です。
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