海流のなかの島々

狭く浅くな趣味のあれこれを
波の彼方から語ります

朗読「宮沢賢治が伝えること」@世田谷パブリックシアター 14時、19時

2012-06-02 00:02:00 | 山本耕史くん

マグナムさんにどんどん金を吸い取られる今日この頃。夏のボーナスはどばっと減らされるっちゅーに大丈夫か、わが家の家計は

 

で、宮沢賢治です。はっきりいって作品は殆ど読んだことなし。なんで観ようと思ったのかさえ思い出せない「わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語」という映画でさらっと賢治の一生はなぞったはずなのにあまり記憶がありまへん。賢治役は緒形直人でした。

私にとって宮沢賢治といえばコレ。アニメ版「銀河鉄道の夜」です。

ますむらひろしのキャラクターデザインで、ジョバンニとカムパネルラがねこですよ、ねこ。もーたまらんくらい可愛くて、でもこの穢れないどんぐりまなこ故の悲しさがじわわわわ~んです。まん丸い猫手でくるんとお匙を持ってスープを飲むシーンは悶絶もの。

今夏、「グスコーブドリの伝記」が同じ杉井ギサブロー監督+ますむらひろしキャラデザで上映されます。声優は小栗くん。これも観たい!

 

とまあ話がそれましたが昼夜行ってきました。昼の部は正直言って頭に入ってこず。耕史くんは文章を本当に短く切って慎重に慎重に読んでいるように感じられたので、上手に読めるだろーか、つっかえまくって他のおふたりに迷惑をかけんだろーか、などという無駄な心配が頭をぐるぐる。そして前の席の方の頭が邪魔で耕史くんがよく見えん!という若干の焦り。プラス脳の退化による理解力のなさ。などモロモロが重なり合って自爆。

しかしさすがに夜の部ではじっくり鑑賞できました。やっぱり年寄りは2度観ないとダメだわ。とはいえ「春と修羅」とか一部の作品はさっぱり???。ケチってプログラムを買ってないので、なぜこれらの作品が選ばれたのかその真意は読み取れてないんですが、今回の震災に対して捧げられた朗読劇ゆえ、そういう意味を持った構成になってるんでしょうね。

 

「注文の多い料理店」はこんな話だとは知らなんだ。てっきり大繁盛してる料理店の話だとばかり…。今回唯一笑える話。そして朗読者にとっても唯一遊びを入れられる作品?頭にじゃばじゃば香水を振りかける場面では、耕史くんが「酢くさい!」と大声で言うもんだから客席からは笑いが。多分「スクサイ」では聴き取りにくいから丁寧にデカイ声で言ったんじゃないかと思うんだけど、うん、どんだけ酢くさいのかよ~く分かりましたよ(笑) 木村佳乃ちゃんも笑っちゃってたけど、さすがに自分の朗読までには立て直してました。偉いなぁ。

途中、違うキャラを演じるのに耕史くんはゴブリンみたいな発声になり、これもかなりウケてました(特にソワレ)。台詞の語尾ではチラっと会話の相手になる段田さんに視線を送り、かすかに芝居っぽさも醸しだしてました。段田さんも時には耕史くんのほうを見てたかな。

 

一番印象に残ったのは「よだかの星」。よだかの佳乃ちゃんがすっごくよかった!インテリっぽくて今までそれほど魅力を感じたことのない女優さんで、今回も「できれば別の人がよかったなぁ」なんて思ってたけど失礼しました!!星に向かって「やけて死んでもかまいません」と何度も繰り返すところは泣けました!!!「注文の多い~」でも「葉っぱがかさかさ~」といった擬音語がすごく上手で、母親に読み聞かせをしてもらってるみたいに心地よかった。

「そしてよだかの星は燃えつづけました。いつまでもいつまでも燃えつづけました。今でもまだ燃えています」という耕史くんの一文で終わっていくのですが、この3つのよく似た文章を、全く違うテイストで読んでいたのが上手いなぁとしみじみ。

 

このあと3首の短歌をそれぞれが1首ずつ朗読。どういう背景で詠まれたものかは知らないけれども、津波被災者の心に寄り添うようなものを感じました。

 

「永訣の朝」。前述の「宮沢賢治物語」では、あめゆじゅとてちてけんじゃと死んでゆく妹トシは水野真紀ちゃんが演じていたなぁと思いつつ鑑賞。「どうかこれ(雪)が天上のアイスクリームとなって」と天を仰いで朗読した佳乃ちゃん。ここでもまた泣けてきた。

 

「星めぐりの歌」で舞台は暗転。降りてきたスクリーンに映し出される星の数はどんどん増えて、始めは夜空の星座を仰ぎ見る感じだったのが、だんだん宇宙空間を旅しているかのような錯覚に陥る。妹トシは、そして亡くなった人々の魂は、こうやって星になって輝いているということでしょうか。あ、「よだかの星」のラストともつながるね。

歌を聴きながら耕史くんが歌ったらどんな感じかなぁと妄想。アッキーとか井上くんとか歌える人のファンはみんなここで妄想したんじゃなかろうか。

 

その後、星についての短歌3首。2首目と3首目が対になってるのだが、対になってることで3首目の悲しさが際立つ。 

 

最後は虹を詠った短い詩。確か耕史くんが読んで、段田さんが読んで、最後は3人でもう1度。しかしマチネソワレともにちっともユニゾンになってなかったけど、これでいいのだろうか(笑)

 

段田さんの深くて響く声。佳乃ちゃんの元気いっぱいの声。そして耕史くんの不思議ボイス。三者三様でなかなか良い取り合わせでした。超ベテラン同士の組み合わせも聴いてみたかったなぁ。 ターコや萬斎さんや大竹しのぶさんや白石加代子ちゃんとか、どんなだったのかしらん。

 

今回の萌え

・あの肩幅と胸板の厚さはやっぱりステキ。20代のころのキラキラした王子様っぽさはもう無いかもしれないけど、一人前の男の魅力がどんどん出てきて嬉しい限り。

・ソワレの「注文の多い~」だったか「よだか~」だったか、段田さんの声色に思わず笑ってしまった耕史くん。もちろん声を出したりはしなかったけど、手の甲で口元を押さえて目一杯タレ目になってたのがかわゆらしかった。



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