Canon EOS 40D + TAMRON B003
あぁ、しまった、と反省することがよくある。そのひとつが「問いつめる癖」。白黒ハッキリさせたい性分が、いいかげん大人と言える年齢になってもまだ、人に言いにくいことを説明させたがる。
嘘はつきたくない、かといって、本当のところを言えば傷つける、そんな時、人は「沈黙」せざるをえない。あるいは曖昧に笑うか。相手を傷つけずに、自分を守る、それが「沈黙」という手段。
気まずい空気を感じると、「あ、また、やっちゃったな・・・」反省はするのだ。懲りない私でも。申し訳ないと思う。済んだはずの話を蒸し返されたら、誰だって不機嫌になるに違いない。言いたくないこと、聞かれたくないことを 誰しももっているのだから。
そんな沈黙が続く時間、海辺に居たらよかったと、単純に思う。海で見る夕陽の美しさは、すべてを赦してくれそうな気がする。
Canon EOS 40D + TAMRON B003
子供の頃から、しっかり者であることが、私の存在価値だった。本当は、泣き虫の弱虫なのに、強くて賢い人でいなければならなかった。一人で何でもできる。どこへでも行ける。誰とでも話せる。内心は不安でも、ものすごく恐ろしくても、顔には一切出さず。
人前で泣くなんて、恥ずかしいこと。やってはならないこと。だから、泣くときはいつも一人だった。心許せる人に、泣いてもいいよと抱きしめてもらえたときの嬉しさは、言葉では言い表せない。私にも、泣ける場所ができた、弱いところを見せてもかまわない人が・・・。ずっとほしかった場所をようやく得られた、それは何にも代えがたい喜びだった。
もしも、願いがひとつだけ叶うのなら、あの瞬間に戻りたい。

Canon EOS 40D + TAMRON B003 or TAMRON A09
人前で泣くなんて、恥ずかしいこと。やってはならないこと。だから、泣くときはいつも一人だった。心許せる人に、泣いてもいいよと抱きしめてもらえたときの嬉しさは、言葉では言い表せない。私にも、泣ける場所ができた、弱いところを見せてもかまわない人が・・・。ずっとほしかった場所をようやく得られた、それは何にも代えがたい喜びだった。
もしも、願いがひとつだけ叶うのなら、あの瞬間に戻りたい。

Canon EOS 40D + TAMRON B003 or TAMRON A09
先日、テレビを見ていたときのことです。世界文化賞の絵画部門で、日本人写真家・杉本博司さんが受賞なさったというニュース。私はこの方のお名前すら存じ上げないという不勉強な輩ですが、杉本氏の代表的な作品が画面に映し出された瞬間、背筋がゾクゾクゾクっとしましたよ。
横位置の、モノクロ写真。写っているのは海なのか湖なのか、ド真ん中に水平線!?普通は撮らない、いや、撮れない構図。これ以上ないほどのsimple。なのに、その画からは圧倒的なオーラが感じられる、そういう写真でした。
もう、トラウマになりそうなくらいの、凄さだったんです。あんな写真を見せられたら、何も撮れなくなりそうな。説明できない、言葉になんかなるわけない、独特な世界、でした。あきらかに、唯一無二の美の瞬間をとらえた画、この人にしかきっと撮れない、そういう画だったのです。
なんでも、つきつめてしまえば、simpleにいきつくんじゃないかと私は思っています。究極に美しい女性は、高価なドレスや宝石をまとった姿ではなく、裸体であるように。すべてそぎ落として、これ以上削れないくらいにsimpleにして、結果が究極の美になる、それが芸術かもしれないって、そう考えました。
世界は「美」で満たされている、カメラを持って、最初の頃に感じました。今でもその気持ちは忘れていません。気づかないだけで、身の回りに美しいものはあふれています。それに気づくかどうか、カメラを向けられるかどうか、なんでしょう。気づいて、カメラを向け、シャッターを切った者だけに、見ることを許される世界があります。追いかけ続ける価値のある、素晴らしい世界です。
一瞬で、魅了される写真。目の奥に焼きついて離れなくなる写真。心を鷲掴みにされるような画。いつかは私にも、撮れるようになるだろうか?と思いながら、今日はsimpleにとこだわって撮った画を選びました。見てくださる皆様の心に触れる何かがあればいいなぁと願って。

Canon EOS 40D + TAMRON A09
横位置の、モノクロ写真。写っているのは海なのか湖なのか、ド真ん中に水平線!?普通は撮らない、いや、撮れない構図。これ以上ないほどのsimple。なのに、その画からは圧倒的なオーラが感じられる、そういう写真でした。
もう、トラウマになりそうなくらいの、凄さだったんです。あんな写真を見せられたら、何も撮れなくなりそうな。説明できない、言葉になんかなるわけない、独特な世界、でした。あきらかに、唯一無二の美の瞬間をとらえた画、この人にしかきっと撮れない、そういう画だったのです。
なんでも、つきつめてしまえば、simpleにいきつくんじゃないかと私は思っています。究極に美しい女性は、高価なドレスや宝石をまとった姿ではなく、裸体であるように。すべてそぎ落として、これ以上削れないくらいにsimpleにして、結果が究極の美になる、それが芸術かもしれないって、そう考えました。
世界は「美」で満たされている、カメラを持って、最初の頃に感じました。今でもその気持ちは忘れていません。気づかないだけで、身の回りに美しいものはあふれています。それに気づくかどうか、カメラを向けられるかどうか、なんでしょう。気づいて、カメラを向け、シャッターを切った者だけに、見ることを許される世界があります。追いかけ続ける価値のある、素晴らしい世界です。
一瞬で、魅了される写真。目の奥に焼きついて離れなくなる写真。心を鷲掴みにされるような画。いつかは私にも、撮れるようになるだろうか?と思いながら、今日はsimpleにとこだわって撮った画を選びました。見てくださる皆様の心に触れる何かがあればいいなぁと願って。

Canon EOS 40D + TAMRON A09
見慣れた風景も、夕暮れ時には表情を一変させる。思わず足を止めてしまう雲。水面に映り込む色が、また美しい。光と影が作り出すひとときの幻想。誰もが同じものを見ているけれど、切りとり、留めて、しまいこむことができるのは、この瞬間に、その場にカメラを持って居あわせた私だけ。

すぐに消えてしまう瞬間、ああ、きれいだな・・・そう感じて、シャッターを切って、大切にしまいこむのは、見てほしいから。自分だけで楽しむのではなく、こんなにもきれいだったと、伝えたいから。夕暮れ時の彩雲を見上げる暇もなく、忙しく働いていた人たちに。疲れて帰ってきた人たちに。
Canon EOS 40D + TAMRON B003

すぐに消えてしまう瞬間、ああ、きれいだな・・・そう感じて、シャッターを切って、大切にしまいこむのは、見てほしいから。自分だけで楽しむのではなく、こんなにもきれいだったと、伝えたいから。夕暮れ時の彩雲を見上げる暇もなく、忙しく働いていた人たちに。疲れて帰ってきた人たちに。
Canon EOS 40D + TAMRON B003