新学期が始まって少し経った頃、中学1年生(日本では小学6年生)のネルカが学校で課題図書のリストをもらって帰ってきました。ざっと目を通すとスロバキア人作家の本と私も知っている欧米作家の本が半々くらいであります。
良質な本をたくさん読んで欲しいけれど、夫も学校に勤める義母でさえも本に関してはあまり助言を求められず、担任の先生もこれと言って推薦図書をあげてくれるわけでもななかったので課題図書のリストはスロバキアの学校で私が熱望していたもののひとつでした。読書自体は好きだけれど、「課題」というだけですでに読む気が半減しているネルカ、「やっと課題図書が出た!」と一気にテンションの上がる私、読んだ本をコレクションしたいがために(私も同じ傾向あり)、これまで図書館で借りることを渋っていたけれど、課題図書は別に買わなくても良いというので近所の図書館へ行ってきました。
まず一冊目に選んだのは「イソップ寓話」。イソップ寓話なんて幼稚園ぐらいで読み聞かされたイメージがあり、なぜ6年生にもなってとも思いましたが、是非知っておいて欲しい話ですよね。スロバキアって共産主義で西側の文化が禁止されていたからでしょうか、それとも家庭や個人的な好みなのでしょうか、夫の家族でもこれまでの小学校でも日本の子供なら絶対に読んだことのある話に触れることがほぼないんですよね。スロバキア人はイソップを知らないと勝手に思い込んでいました。本屋さんでも見かけなかった(気づかなかっただけなのかもしれない)リストの西側諸国の児童古典文学書が果たして地元の小さな図書館にあるのか半信半疑で行ってみたら、なんだ、あるじゃないですか。きっと大人の個人的な好みでこういう本が子供に届いていないだけなんですね。「1話か2話、読めばいいんだって」という娘に「全部読みなさい」と読ませました。
続いて2冊目、せっかくだから私の知っている本を子供にも読んで欲しい、マーク トウェインのトムソーヤーの冒険、王子と乞食・・・、迷うところですが、挿絵が見てみたいという理由で「不思議の国のアリス」に決めました。もちろんこの本も図書館にありました。図書館というよりは、私の通った小学校の図書室を思わせる小さな小さな図書館ですが、「不思議の国のアリス」もちゃんとありました。

随分年季の入った本なので、気を付けてページをめくらないと破れてしまいそうです。
美術にあまり詳しくないのですが、スロバキアにドゥシャン カーライというとても有名なイラストレーター・版画家・絵本作家がいます。彼のもとではこれまで多くの日本人も学んでいて、絵本作家の降矢ななさんもその一人です。その彼が不思議の国のアリスの挿絵を描いているのだというのはどこでどう耳にしたのか、聞いたことがありました。こういう機会でもなければ本を手にすることはありませんからね。この本に決めました。
さて、図書館から借りて来て、さっそく娘よりも先にページをめくる私。


ウサギ穴に落ちるアリス
やっぱりアリスは青いワンピースを着ているんですね!でも髪の毛は黒い。ちなみにアリスはスロバキア語ではアリツァです。

ドゥシャン カーライの世界の「不思議の国のアリス」、どうですか。
私は子どもの本の挿絵だけれど、絵は「子供向け」に意識されたものというより、本気、大人の絵という印象を受けました。アリスの話自体が、それまでの「子供のために教訓を含めた本」を脱し純粋に楽しませるために書かれた本で、そしてルイスキャロルは読者の子供を自分と対等の人間として扱い、難しい単語や概念を躊躇することなく使ったこれまでとは違った画期的な本だったんだとか。そんな本にこの「子供向けの挿絵」という意識を感じさせない絵はピッタリなんだろうなぁというのが私の感想です。
良質な本をたくさん読んで欲しいけれど、夫も学校に勤める義母でさえも本に関してはあまり助言を求められず、担任の先生もこれと言って推薦図書をあげてくれるわけでもななかったので課題図書のリストはスロバキアの学校で私が熱望していたもののひとつでした。読書自体は好きだけれど、「課題」というだけですでに読む気が半減しているネルカ、「やっと課題図書が出た!」と一気にテンションの上がる私、読んだ本をコレクションしたいがために(私も同じ傾向あり)、これまで図書館で借りることを渋っていたけれど、課題図書は別に買わなくても良いというので近所の図書館へ行ってきました。
まず一冊目に選んだのは「イソップ寓話」。イソップ寓話なんて幼稚園ぐらいで読み聞かされたイメージがあり、なぜ6年生にもなってとも思いましたが、是非知っておいて欲しい話ですよね。スロバキアって共産主義で西側の文化が禁止されていたからでしょうか、それとも家庭や個人的な好みなのでしょうか、夫の家族でもこれまでの小学校でも日本の子供なら絶対に読んだことのある話に触れることがほぼないんですよね。スロバキア人はイソップを知らないと勝手に思い込んでいました。本屋さんでも見かけなかった(気づかなかっただけなのかもしれない)リストの西側諸国の児童古典文学書が果たして地元の小さな図書館にあるのか半信半疑で行ってみたら、なんだ、あるじゃないですか。きっと大人の個人的な好みでこういう本が子供に届いていないだけなんですね。「1話か2話、読めばいいんだって」という娘に「全部読みなさい」と読ませました。
続いて2冊目、せっかくだから私の知っている本を子供にも読んで欲しい、マーク トウェインのトムソーヤーの冒険、王子と乞食・・・、迷うところですが、挿絵が見てみたいという理由で「不思議の国のアリス」に決めました。もちろんこの本も図書館にありました。図書館というよりは、私の通った小学校の図書室を思わせる小さな小さな図書館ですが、「不思議の国のアリス」もちゃんとありました。

随分年季の入った本なので、気を付けてページをめくらないと破れてしまいそうです。
美術にあまり詳しくないのですが、スロバキアにドゥシャン カーライというとても有名なイラストレーター・版画家・絵本作家がいます。彼のもとではこれまで多くの日本人も学んでいて、絵本作家の降矢ななさんもその一人です。その彼が不思議の国のアリスの挿絵を描いているのだというのはどこでどう耳にしたのか、聞いたことがありました。こういう機会でもなければ本を手にすることはありませんからね。この本に決めました。
さて、図書館から借りて来て、さっそく娘よりも先にページをめくる私。


ウサギ穴に落ちるアリス
やっぱりアリスは青いワンピースを着ているんですね!でも髪の毛は黒い。ちなみにアリスはスロバキア語ではアリツァです。

ドゥシャン カーライの世界の「不思議の国のアリス」、どうですか。
私は子どもの本の挿絵だけれど、絵は「子供向け」に意識されたものというより、本気、大人の絵という印象を受けました。アリスの話自体が、それまでの「子供のために教訓を含めた本」を脱し純粋に楽しませるために書かれた本で、そしてルイスキャロルは読者の子供を自分と対等の人間として扱い、難しい単語や概念を躊躇することなく使ったこれまでとは違った画期的な本だったんだとか。そんな本にこの「子供向けの挿絵」という意識を感じさせない絵はピッタリなんだろうなぁというのが私の感想です。
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