真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

「人殺しの顔を見たくはないのか」

2008-03-03 | 読書-2008
「お前ら人殺しのツラを見たくはないのか」と言って『FOCUS』を創刊したという伝説の編集者の7回忌に編まれた追悼文集、と言ってよいのかな。南面堂はそのセリフを見かけたことはあったが、斎藤十一については知らなかった。「タイトルは命」と徹底的に拘ったという話も含めて、とても興味深い生涯。
http://chihosho.seesaa.net/article/33822169.html

http://blog.livedoor.jp/ourplanet_iwamoto/archives/50926475.html
故人の近くで働いていた人々や、近所の住人らに寄稿を依頼したもののようだ。
ユニークなのは、サカキバラ事件の犯人(少年)の顔写真を掲載して雑誌の回収騒ぎになった際、既に引退していた斎藤の自宅までコメントを取りに行ったライバル誌の記者の回想も収録されているところ。
初日は会ってもらえなかったが、応対した夫人に食い下がり「軒先で手紙を書かせて欲しい。それをご主人に渡して欲しい」と頼んで、翌日見事インタビューに応じてもらったばかりか、その後も年に何度か訪問する関係になったという。奥から聞こえてきたレコードの音楽について、応対した夫人にコメントしたことが奏功したようだ。クラシックマニアの斎藤の最後の音楽友達になったということらしい。
「誰某(作曲家)のナニナニ(曲名)ですね!」と鋭く指摘したのが、新潮社の元編集者である奥さんの気に入られたのだと思う。

音楽に暗い南面堂ではこういう芸当は到底できない。先日、ある場面で音楽が流れていて、南面堂は「ああ、音楽がかかっているな」としか思わなかったのだが、同席したモノシリ氏が「お、誰某ですな」と一言述べた。この違いは大きい。選曲に拘ったホストが「キミ、よく分かっているね!流石だよ」と大層喜んだということがありましたとさ。

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