真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

故山口彊(つとむ)さんをジョークにしたと抗議を受けた英TV番組の件 <追記あり>ホントは追リンク

2011-01-22 | 世間
英国在留邦人や在英日本大使館から抗議を受けたBBCの番組というのも見てみたのだが、当方の英語力不足のため、わっははという笑い声がなぜ起こるのか、ついてゆくことができなかった。
ぐすん。

原爆被災直後に広島から長崎まで汽車で移動できたなんて凄いじゃないか!英国の鉄道なんて・・・と自国の鉄道のふがいなさをおちょくっているくだりはなんとかわかった(ような気がした)が、進行役氏の説明がなんとか拾えたのに比べて、茶々を入れていた各氏の短いコメントが笑い声でかき消される場面はお手上げ。

抗議文の雛型まで示して抗議を呼び掛けられていた方のブログで知った。
その後、日本の大手マスコミも取り上げる所となった。
キャンペーンがうまく展開した模様。

そもそも、ジョークのネタにふさわしいかどうかは、見識の問題だろう。
そういう人たちがそういう人たち向けにやっている番組なんでしょ、とは思うものの、抗議に尽力された皆さんのご努力には敬意。

山口さんに関しては、1年前にその著書を読んで、その見事な晩年に感銘を受けて書いた(リンクをいくつか貼った)ものがあるので、再掲するものなり:

過去エントリから:
広島で原爆被爆、長崎に帰郷したらまたも被爆した「二重被爆者」、山口さんが晩年に世界に訴えた思い
~珍しく内容紹介など。

(ポイントとなるタイムズ紙記者のブログがリンク切れになっているので、コピーを貼るものなり)
The Luckiest or Unluckiest Man in the World? Tsutomu Yamaguchi, double A-bomb victim

The Luckiest or Unluckiest Man in the World? Tsutomu Yamaguchi, double A-bomb victim
Richard Lloyd Parry
The Times, Wed 25 March 2009
More about this article
~ブログは消滅で、本紙記事は残存ね。

続 二重被爆~山口彊(つとむ)さんの見事な晩年 <リンク集>
~リンク切れの嵐だな。

The Luckiest or Unluckiest Man in the World ?
という発想自体は、Richard Lloyd Parry氏がブログに記した表現を番組制作者が参考にしたのではないかと想像する。
か、英国人なら普通に思いつくということなのかな?

二度も被爆して不運の極み、だが生き残ったので幸運ともいえる、という発想が不謹慎だとは思わない。
ギャハハと笑うところかどうかは、見解の相違。

笑うところじゃないだろが、とは思う。
「フッ・・」というくらいが上品なところではないかと思っていたのだが、ギャハハはどうもねえ・・。
ま、そういう番組なんでしょ。

93歳まで長生きされたことがラッキーだったかどうかは、議論の分かれるところと思う。
子息に先立たれ、その子息の乳児期の市内残留放射能被曝が悔やまれる(子息の癌の原因に違いないと感じておられた)というのは、辛い晩年だったことと思う。

「お前はもうしばらく生きて、原爆を市民の頭上で使用することの問題を世界にアピールしなさい」と神が命じたのに応じた晩年だったと理解している。
自分は(神から命じられた)やるべき使命は果たした・・・というのが、山口さんが死の床でジェームズ・キャメロンに語った"I have done my duty"の背景だと思う。

形はどうあれ、山口さんの立派な晩年が脚光を浴びることは意義があることだと思う。

From Wikipedia, the free encyclopedia
The Last Train From Hiroshima: The Survivors Look Back
~英文しかない(2011/01/22に確認した時点)のは如何なものか。
誰か和文の項目を立てるもんはいねえがぁ。

Tsutomu Yamaguchi
今回の件も早速反映されてるね。

なお、和文の記述は舌足らずというか、うーん…。
だったらお前が書けといわれるかもしれないが、きりがないのでウィキペディア(の投稿)にまでは進出しないもん。

抗議に対応して発出された番組プロデューサーからのレターを、「謝罪文」と報じた大手マスコミがあるが、うーん、微妙だな。
出した方は、「お手間を取らせたことに謝意を表しつつ制作側の事情を説明した釈明文」を出したのだと思う。
受け取った方は、謝罪文(らしきもの)を取った(ので、今回は矛を収める)、
という絶妙なところか。

謝罪はしていないんだが、もしそのように受け止めてもらえるならよろしいんじゃないでせうか、といった線だと思う。
参考になる!

谷本女史いわく:
"どう考えても運が悪いと思うが。番組は被爆者笑っていたわけじゃなくて、運命の数奇さにビックリしてたね。どちからというとこの被爆者の方尊敬という感じ"
「すげー(そんな人がいたのか・・)」という表情だったよね。

********追記(というか、追リンク)**********

水川青話 by加藤 祐子さん
BBC「QI」の出演者たちは実際に何を言っているのか? これが「被爆を嘲笑」?

よくわかりました。
それと、大手マスコミの記事やニュースのコメントだけでモノを判断してはいけないと、この件を機会に多くの人々が再認識するようになればよいな、と思ったことでした。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「HAYABUSA BACK TO THE EART... | トップ | 『日米秘密情報機関―「影の軍... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

世間」カテゴリの最新記事