真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

ニポンでジャーナリストを名乗れる数少ない人

2008-06-04 | 読書-2008
「民主主義」を疑え!徳岡孝夫2008年
http://www.shinchosha.co.jp/book/380403/

南面堂は雑誌「フォーサイト」が来ると巻末から1ページ遡って徳岡氏のコラム「クオ・ヴァディス」から読む。
毎月第3土曜発行の同誌は、一時発送方法を変えたとかで、土曜までに届かずに週を越えてしまうことが何度かあったのだが、その後郵政との契約を変えた由で、週内に届くようになって読者も一安心、というのはまた別の話。

本書の内容は、フォーサイト連載のクオ・ヴァディスから選んだものなので、一度は読んでいるものばかりだ。
(が、こんなのあったっけ?と自らの記憶のいい加減さを再認識したのだが、それもまた別の話)

当局の発表や、それを鵜呑みといっては鵜に失礼ではないかと思えるような御用メディア。その報道の忠実な受け手であることから脱却しようなどと考えたこともない善男善女にとっては、単にひねくれた老人の繰言に見えてしまうのだろうか。

南面堂は昔々、某所で某経済シンブンの読み方について特定の層の方々にレクチャーするよう命じられたことがあるのを思い出す。

あまり読んだことがない/いい加減にしか読んでこなかった、という皆さんが、新しい仕事に直面してお客さんと経済の話もできないようでは商売にならないので、(しっかり読めるように)再入門のお手伝いをせよ、という趣旨ですわな。

そこで、一応ポイントはそれらしくこなしつつ、同時に口を酸っぱくしてお話したのは、「皆さん自分の業界についての記事を読んだら‘ニュアンスがちょっと違うんだけどな’などと思われるでしょう。‘こんな書き方をしたら誤解するヒトがいるじゃないか’と思ったりするでしょう。そこから分かるように、鵜呑みにしないことが最も大切です。新聞記事は自分で考えるためのヒントとして使ってください。バイブルにしてしまっては危険です」ということだった。

そうしたら、ナナナント(タイトルからしてきっこさん調なもんで、許せ)、休憩時間に主催者から苦情を言われてしまいましたね。
教科書として全面的に正しいという前提で、それをどう学ぶかという話をしてもらわないと困る、そういう趣旨で依頼しているのだから、ということでした。

こちらも若かったもので、「あんた、それ本気なの?」という意味のことを大先輩に失礼に当たらないように気をつけつつ述べた(つもりだ!)が、ずいぶんと無礼だと思われたに違いない。

だーからあんたは駄目なんだよ、と顔に出てしまったのだろな、たぶん。今思えば。
「教科書イコール正しい」という御目出度い考え方自体にも大いに異議があったし、話が全然かみあわなかった。

休憩後のレクチャーでは改めて自分自身で考えることの大切さや、自分で吟味した上で正しいと判断したら信じればよいのであって、マスコミ報道を頭から鵜呑みになどするとろくなことがない、と思いっきり強調してしまった。

昔話です。徳岡翁の昔話に誘われてつい余計なことを・・・。

ところで、著者についてwikiやら何やらに皆がコピペしている以下の記載は間違いだな。
「フルブライト奨学生としてアメリカのシラキュース大学に留学し、帰国後毎日新聞社に入社」というくだり。

毎日新聞記者として7年だかの経験を経た上での米国留学のようだから、順番が逆ね。学歴がまずまとめて書いてあり、職歴がその後に、というよくある書き方を見て、時系列だと誤解したのかな。
wikiの記述も鵜呑みにしてはいかんよ。

氏の留学先で、写真学の講義の初日、「硫黄島の星条旗」の次に取り上げられたのが上海南停車場で泣く赤ん坊の写真だそうです。↓これも有名なやつね。
http://sky.geocities.jp/pac_remix/honron/child.html

で、“写真は「事実」を創れる。国論を動かし国家に戦争させることさえできる”というのが初回講義のメッセージだった由。

写真で上手に嘘をつく方法、確かにありますよね。
ウソというより、「見た人が勝手に誤解するように用意周到に導く」かな。

統計で上手に嘘をつく、のもあるあるある!

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