村田良平氏最後の証言の番組(10/3)を見る
この↑番組をみて、村田氏の著書を読まざるを得ないと思ったものの、浩瀚な回想録にはちょっと手が出ないため、逝去直前に完成し、歿後発行されたという本書を借り出す。
現在、我々日本人は、「何処へ行くべきかわかっていないし、そんなこと考えたこともない」リーダーに率いられるという不幸な状態にある、と言わざるを得ない。
何処へ行くのか、この国は―元駐米大使、若人への遺言
村田 良平【著】
(京都)ミネルヴァ書房
(2010/04/30 出版)
あとがき 平成22年2月
著者逝去 同年3月18日
本書発行日 同4月30日
ホントに遺言だわ。
サブタイトルねえ、どうなんでしょうねえ。
著者が務めた役職のうちで、世間に最も有名なといえば駐米大使ということになるのかもしれないので、やむないのだろうが、なんだか・・。
第1章 あの戦争
第2章 米国による日本占領の真相
第3章 日本の安全保障と米国
第4章 日米経済と米国
第5章 最近の日本の近隣外交の混乱
第6章 日本の対外政策及び内政について思うこと
引用紹介しようかと思う個所無数。
でもやめとこ。
結局、そのうち回想録上下巻を読む羽目になるだろうし。
要は、上下2巻の回想録の下巻最終章の再構成?
村田良平回想録(下巻)
祖国の再生を次世代に託して
第一四章 日本人よ、恥を知り、矜持を持て
一 戦争の継続としての占領
二 占領政策の変更にかかわらず残った爪跡
三 過去の日本の戦争についての評価
四 東京裁判について
五 憲法について
六 靖国神社問題について
七 自虐史観について
八 日本の「孤立」について
九 最近の日本の醜状
一〇 結びの言葉
一寸の虫に五寸釘
著者の持つ広い視座に敬意を持って読むべき本だと思います
著者が回想録できっかけを作った、核持ち込み問題に関して、あくまでもとぼける著者の大後輩の現役次官。
事務次官会見記録(平成21年6月29日(月曜日)17時12分~於:本省会見室
我々としては、全くそのようなものは存在していないということです。それに尽きるということです
外務事務次官(外務次官)
32ね。
日本の核武装論について、著者のTVインタビューを反映するwiki.
番組を紹介したブログの例
"Nuclear sharing is a concept in NATO's policy of nuclear deterrence, which involves member countries without nuclear weapons of their own in the planning for the use of nuclear weapons by NATO, and in particular provides for the armed forces of these countries to be involved in delivering these weapons in the event of their use."
核シェアリング、不勉強にして知りませんでした。
戦略核ミサイル潜水艦の日米共同運用という著者のアイデアは、ほとんど不可能と考えられるが、頭の体操的に検討材料を提供するという著者の姿勢は、冷戦時代から一貫しているといえるかな。
核シェアリングに否定的見解を投稿する陸自OB。
Why nuclear sharing is unsuitable in Asia
By Mitsuo Takai
それと、終戦時に日本が中国に置いてきた資産について、金額に言及。
なるほど、確かに。
"日中国交正常化以降の対中ODA、3兆円以上。
終戦時国民党の蒋介石政府支配の中華民国に接収された中国本土、満州、台湾に残した在外資産の総額は、時価に換算すれば20兆円にのぼる。
うち台湾分3兆円を除く17兆円。(軍事用品を除く)"
太平洋戦争史/真相はこうだ について。
WGIP:war guilt information program
この件といい、憲法といい、上手く行き過ぎて驚いているというのが実際のところではないかな、「騎士」のほうは。
占領が済んでからも何十年にもわたって、占領時代に試みた初期の教育に洗脳された状態が続いた。
憲法も、改正の議論をすることすら怪しからんという勢力がなお存在するという状態だしね。
当店の関連過去エントリ:
終戦直後のラジオ番組「真相はかうだ」⇒「真相箱」の真相はかうだ?
上記でリンクしたブログでも紹介されていたが、印象的なくだり:
"「平和主義」というものがあると信じる人が外務省にすらいること。
私は、平和とは一つの状態であり、それ自体に特別の価値はなく、一般論としてはその反対の戦争よりのぞましいと思うだけである。
日本国憲法が定めていると称されれる平和主義は、私に言わせれば、一つは大国米国の保護下の現実からの逃避である。"
「平和は、唱えれば実現できる」とでもいうかのような、お目出度い平和教育のタマモノと言わざるを得ない。
南無阿弥陀仏を唱えれば…となんら変わらない。
「同盟とは騎士と馬の関係だ」も印象的。
ビスマルクは、同盟とは騎士と馬の関係だと表現しているそうです
これって、外務省の伝承か?
最近、「対等な同盟関係」という言葉を振りまいた人物がいるが、相手は苦笑or失笑ものだったに違いない。
「ええ、ええ、勿論ですとも。対等に決まっているじゃありませんか。何を心配なさっているのです・・・」(と言いながら振り返って、「マイッタナ、コノET」)てなもんじゃろ。
外交官には、
・自分の地位・収入と引き換えに信念や気骨は放棄したと割り切るヒト多数、
・引退してから、「じつは・・・」と真実を告げ、言い残そうとするヒト少数、
・現役中に我慢できなくなって自爆?してしまうヒト極めて少数、
がいるわけか?
醜態をさらす著者の後輩たち
極めて少数の例
当店の関連過去エントリ:
90年代の証言 『外交激変―元外務省事務次官・柳井俊二』
やはり、回想録上下巻を読まねばなるまい。
核武装をしないまでも、核武装論を巻き起こすだけで、中国やロシアや北朝鮮に対する外交カードになりうると思う。(山形・主婦・41)
この↑番組をみて、村田氏の著書を読まざるを得ないと思ったものの、浩瀚な回想録にはちょっと手が出ないため、逝去直前に完成し、歿後発行されたという本書を借り出す。
現在、我々日本人は、「何処へ行くべきかわかっていないし、そんなこと考えたこともない」リーダーに率いられるという不幸な状態にある、と言わざるを得ない。
何処へ行くのか、この国は―元駐米大使、若人への遺言
村田 良平【著】
(京都)ミネルヴァ書房
(2010/04/30 出版)
あとがき 平成22年2月
著者逝去 同年3月18日
本書発行日 同4月30日
ホントに遺言だわ。
サブタイトルねえ、どうなんでしょうねえ。
著者が務めた役職のうちで、世間に最も有名なといえば駐米大使ということになるのかもしれないので、やむないのだろうが、なんだか・・。
第1章 あの戦争
第2章 米国による日本占領の真相
第3章 日本の安全保障と米国
第4章 日米経済と米国
第5章 最近の日本の近隣外交の混乱
第6章 日本の対外政策及び内政について思うこと
引用紹介しようかと思う個所無数。
でもやめとこ。
結局、そのうち回想録上下巻を読む羽目になるだろうし。
要は、上下2巻の回想録の下巻最終章の再構成?
村田良平回想録(下巻)
祖国の再生を次世代に託して
第一四章 日本人よ、恥を知り、矜持を持て
一 戦争の継続としての占領
二 占領政策の変更にかかわらず残った爪跡
三 過去の日本の戦争についての評価
四 東京裁判について
五 憲法について
六 靖国神社問題について
七 自虐史観について
八 日本の「孤立」について
九 最近の日本の醜状
一〇 結びの言葉
一寸の虫に五寸釘
著者の持つ広い視座に敬意を持って読むべき本だと思います
著者が回想録できっかけを作った、核持ち込み問題に関して、あくまでもとぼける著者の大後輩の現役次官。
事務次官会見記録(平成21年6月29日(月曜日)17時12分~於:本省会見室
我々としては、全くそのようなものは存在していないということです。それに尽きるということです
外務事務次官(外務次官)
32ね。
日本の核武装論について、著者のTVインタビューを反映するwiki.
番組を紹介したブログの例
"Nuclear sharing is a concept in NATO's policy of nuclear deterrence, which involves member countries without nuclear weapons of their own in the planning for the use of nuclear weapons by NATO, and in particular provides for the armed forces of these countries to be involved in delivering these weapons in the event of their use."
核シェアリング、不勉強にして知りませんでした。
戦略核ミサイル潜水艦の日米共同運用という著者のアイデアは、ほとんど不可能と考えられるが、頭の体操的に検討材料を提供するという著者の姿勢は、冷戦時代から一貫しているといえるかな。
核シェアリングに否定的見解を投稿する陸自OB。
Why nuclear sharing is unsuitable in Asia
By Mitsuo Takai
それと、終戦時に日本が中国に置いてきた資産について、金額に言及。
なるほど、確かに。
"日中国交正常化以降の対中ODA、3兆円以上。
終戦時国民党の蒋介石政府支配の中華民国に接収された中国本土、満州、台湾に残した在外資産の総額は、時価に換算すれば20兆円にのぼる。
うち台湾分3兆円を除く17兆円。(軍事用品を除く)"
太平洋戦争史/真相はこうだ について。
WGIP:war guilt information program
この件といい、憲法といい、上手く行き過ぎて驚いているというのが実際のところではないかな、「騎士」のほうは。
占領が済んでからも何十年にもわたって、占領時代に試みた初期の教育に洗脳された状態が続いた。
憲法も、改正の議論をすることすら怪しからんという勢力がなお存在するという状態だしね。
当店の関連過去エントリ:
終戦直後のラジオ番組「真相はかうだ」⇒「真相箱」の真相はかうだ?
上記でリンクしたブログでも紹介されていたが、印象的なくだり:
"「平和主義」というものがあると信じる人が外務省にすらいること。
私は、平和とは一つの状態であり、それ自体に特別の価値はなく、一般論としてはその反対の戦争よりのぞましいと思うだけである。
日本国憲法が定めていると称されれる平和主義は、私に言わせれば、一つは大国米国の保護下の現実からの逃避である。"
「平和は、唱えれば実現できる」とでもいうかのような、お目出度い平和教育のタマモノと言わざるを得ない。
南無阿弥陀仏を唱えれば…となんら変わらない。
「同盟とは騎士と馬の関係だ」も印象的。
ビスマルクは、同盟とは騎士と馬の関係だと表現しているそうです
これって、外務省の伝承か?
最近、「対等な同盟関係」という言葉を振りまいた人物がいるが、相手は苦笑or失笑ものだったに違いない。
「ええ、ええ、勿論ですとも。対等に決まっているじゃありませんか。何を心配なさっているのです・・・」(と言いながら振り返って、「マイッタナ、コノET」)てなもんじゃろ。
外交官には、
・自分の地位・収入と引き換えに信念や気骨は放棄したと割り切るヒト多数、
・引退してから、「じつは・・・」と真実を告げ、言い残そうとするヒト少数、
・現役中に我慢できなくなって自爆?してしまうヒト極めて少数、
がいるわけか?
醜態をさらす著者の後輩たち
極めて少数の例
当店の関連過去エントリ:
90年代の証言 『外交激変―元外務省事務次官・柳井俊二』
やはり、回想録上下巻を読まねばなるまい。
核武装をしないまでも、核武装論を巻き起こすだけで、中国やロシアや北朝鮮に対する外交カードになりうると思う。(山形・主婦・41)