晴れときどき化学、ところにより雑想

もしかしたら何かの役に立つかもしれない化学のお話(と、よしなしごと)

原子量

2012年01月20日 23時14分11秒 | 化学のお話
原子の質量はとても小さいので、一般に使われているg(グラム)などの単位で表すよりも、基準となる原子の質量と比べた相対的な質量で表すほうが、なにかと便利になります。

そこで現在は、質量数12の炭素原子を基準として、原子量を決めています。

※以前は、水素原子を1とする基準や、酸素原子を16とする基準などもあって混乱していましたが、現在は質量数12の炭素原子の原子量を12とする基準で統一されています。


なお、元素の原子量(周期表に書かれているもの)は、同位体の存在を加味した値となっています。

例えば、炭素には質量数12、13、14の3種類の同位体があるので、その存在比と個々の同位体の原子量を加重平均した値である12.01が(元素としての)炭素の原子量になります。

ちなみに計算方法は以下のようになります。

 ・質量数12の炭素:存在比98.9%
 ・質量数13の炭素:存在比1.1%
 ・質量数14の炭素:ごく微量なので無視できる

上記を踏まえて、12×0.989+13×0.011=12.01 となります。