晴れときどき化学、ところにより雑想

もしかしたら何かの役に立つかもしれない化学のお話(と、よしなしごと)

オゾン

2012年02月21日 22時37分15秒 | 化合物のお話
オゾン(O3)は酸素の同素体で、酸素原子3個が曲がった形で結合している物質です。

成層圏にあるオゾン(オゾン層)は、エネルギーが高く有害な短波長側の紫外線を吸収してくれます。


その仕組みですが、

まず酸素分子(O2)に極短波長の紫外線が当たることで遊離の酸素原子が生成し、それが酸素分子と結びつくことでオゾンができます。

そしてオゾンは、上に書いた短波長側の紫外線を吸収することで分解して酸素分子に戻る、

という循環です。


環境問題のひとつとして挙げられるオゾン層の破壊は、フロンなどに代表されるクロロフルオロカーボン(CFC)によって引き起こされますが、

その問題点は、有害な紫外線から生物を守ってくれている「防護壁」が壊されてしまうということにあります。

※CFCはかなり安定な化合物で、オゾン層のあるところまで壊れずに到達することができることから、結果的に悪さをすることになるというわけです。


また、オゾンは強力な酸化剤でもあることから、水の殺菌や排水施設での臭気処理などに利用されていますが、

強力な酸化剤という性質上、オゾンそれ自体は生物にとって有毒な化合物になります。


※あまり近付き過ぎずに、遠くから見守ってあげる方がよい化合物と言えるかもしれません。




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