「情けない」

お客様の一周忌、御当家の粗供養を配達させていただく。

ここのお宅は私より一歳年下の息子さんを昨年亡くされたおうちです。

私「早いものですね。もうお亡くなりになって１年経とうとしていますもんね…」

母上「そうよね～。あっと言う間…
あの子が死んだんだって感じるとき…
なんか、『情けない』わ～って感じです。」

私「情けないなんて…「悲しい」でしょう？」

母上「うん。でも情けないわ～」

そのときは深い意味も感じなかったが、
言葉の意味を噛みしめる…
単純に言葉を受け、
情けない＝格好が悪い、みじめな…と受け止めたが、

そうか！あの母上は息子さんを亡くし、
天に対し「情けが無い」と言うことを仰って居たのだろうか…
そう思うと、「悲しい…でしょう！」と言った自分の浅さを恥じ入りました。

「親よりも先立つ。」この世で一番の親不孝と申します。
それだけ親御さんの悲しみは、悲しみを通り越しているのでしょう。

改めて息子さんのご冥福と、お母さんの心の傷が癒されることを祈っております。