コマンダンシア(司令本部)が近づくと監視所、調理場、それに、チェが6ヶ月間いたという小屋が点在している。
この小屋からマテ茶を片手に顔を出しているチェの写真を見たことがある!
感無量・・・
初期の戦闘で亡くなった同志が埋葬されたお墓もある。
お墓を囲った木の外に薬瓶のような茶色い瓶が置かれている。観光客の残したゴミのようだが、そうではなくて、「これは当時のままです」とのこと。
同志たちがときどき、この瓶に花を活けたのだろうか。
それにしても、柵の外に当時のものがそのまま置かれているのが気がかり。
英雄的ゲリラのものを持ち去るような不心得者はいないとキューバ人たちは信じ切っているのだろうが、世界は、彼らが信じるほど、美しいものだけで出来ているわけではないのだよ・・・。
うっそうとした森の奥の奥。まさに崖っぷちに、シエラ・マエストラの司令本部(コマンダンシア)は建っていた。
感無量・・・
突然ラウルさんが、「ああ!皆さんに謝らなきゃいけない。実は、ここの鍵を忘れて来てしまった」とオーバーアクション気味に言ったが、目が微妙に笑っている。冗談でもウソがつけないお人柄みたい。
柵の外に置かれた瓶と同様、心許ない話だが、コマンダンシアに鍵はかかっていない。壁板を持ち上げて、つっかえ棒をする仕掛けになっている。
小さな木造の小屋だが、中は書斎と寝室の2間に分かれている。
書斎の机と椅子には、ビニールシートがかけられているが、触れたり座ったりできるし、奥のベッドも当時のまま。
書斎に置かれた冷蔵庫は、ふもとの農家からの寄贈品だそうで、ここに運んでくる間、空から撃たれた弾痕が残っている。
ベッドも某とかいう農民の寄贈で、その農民は12人の子沢山だったそうだ。
ラウルさんが、真面目くさって話し出す。「このベッドは2つの意味で重要なものである。1つは、これにフィデルが寝ていたということ。もう1つは、某がこのベッドで12人の子どもを作ったということだ」。ここでまたニヤリとするラウルさんであった。
コマンダンシアには忍者屋敷のように、いろいろな仕掛けがある。
崖っぷちに建っており、階下にバチスタ軍に踏み込まれたときに逃げるための小さな隠しドアがある。また、崖下から架けられている梯子は登ろうとすると倒れる仕掛けになっている。
コマンダンシアのすぐ近くに、セリア・サンチェスがフィデルの心を和ませるために植えたという花が残っている。
フィデルが、セリアに宛てた手紙に、「あなたはわれわれすべてにとって欠かせない存在になっている」という言葉がある。
フィデルと、秘書のセリア・サンチェス。
彼らの間に、男女の愛情があったのかどうか、それはわからないけれど、願わくば、コマンダンシアに添えられた花のようなひとときがフィデルにもあったと信じたい。
蛇足ですが、私のPNCeliaはセリア・サンチェスから頂きました
セリア・サンチェスとセリア・クルーズから頂いて
私の本名は一般的な「○○子」で末尾が「O(オー)」で終わるので、スペイン語的に可愛くないから嫌いです。
ついでに「面白い」という形容詞に似ているので、子ども(K君の姪)に爆笑されました