Casa de Celia

iHasta la victoria siempre!

キューバ内政の苦悩

2006-01-14 | Cuba(きゅーば)

2005年キューバ旅行記の続きです。

 経済が好調だと、弊害も危惧される。
 中国もベトナムも、経済成長と平行して貧富の差が広がってしまって、あまり良い状態とは思えない。私は、比較的貧富の差がないキューバ社会が好きで、この状態を守っていってもらいたいと思うのだが、経済成長を遂げつつ平等を守る、これは口で言うほど簡単なことではない。

※ 写真はトリニダの「配給所」。ここで配給手帳に記された食品を格安で受け取ることができる。
 ちなみに、一月の最低限の食費は20ペソだという。ペソの価値は1ドル=約24ペソ。つまり100円で「死なない程度に喰える」と思っていい。


 「その筋の人」が、絶好調な経済の話と併せて強調したのは、「不正との闘いを強めなければならない」ということだ。
 不正な手段による「富」の偏りや蓄積を防ぐためには、どうしても「規制」を設けざるを得ない。「闘いを強める」ということは、そうした規制を増やす、或いは厳しくするということになるだろう。
 ぶっちゃけ言ってしまうと、キューバは自由な国ではない。ふつーに観光する分には不自由さはまったく感じないが、キューバやキューバ人とヨリ深くつき合おうとすると、外国人であるがゆえの、ある種の不自由さとどうしても向き合わなければならなくなる。
 例えば、許可証を持たないキューバ人の家に外国人が泊まったり、許可証を持たないキューバ人が運転する車に外国人が乗ったりするのは、実は「御法度」である。
 どうしてもそうしたいなら、お互いの関係を明示する許可証が必要だという。つまり、外国人にサービスを提供して代金を受け取っているのではないことを証明するために。
 外貨と国内通貨のバランスは上記の「配給所」事情でもわかる通り、複雑である。例えば、今どきの日本の子どもなら見向きもしない100円玉1枚で、キューバ人は一月暮らせちゃうのだ。外人相手にちょっとしたサービスを提供して外貨を稼げばあっという間に「お大尽」になってしまうわけだが、こんなことが大手を振ってまかり通るようでは真面目に働く者がバカを見る。
 実際、外国人相手の下宿屋や個人タクシー(ココタクシー)を開業する場合、合法的にやるには、国に許可料を支払って「ライセンス」をとる必要がある。この「ライセンス料」は、かなり高めに設定してある。こうした施策は、外国人が落とす「外貨」による不法な収入を得るのを防ぐとともに、国が外貨を最大限に集めて平等に分け与える、つまり再配分するためだ。平等を守るための苦肉の策と言えるだろう。
  
 自由と平等について、両方、手にすることは出来ないものか。どういう社会が、その2つにより近づくのか、キューバでもいろいろ考えてみるのだが、私には未だ答えが出せないでいる。


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