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確実に有効なトコジラミ対策

2023-12-22 05:54:12 | 医療
 世界中で、トコジラミ、ベッドバグ(Bedbug)、南京虫と呼ばれる衛生害虫が流行しているようです。注意して下さい。万一、持ち帰って自宅で繁殖してしまったら、えらいことになります。

 私は幸いにも、見たことも、被害を受けたことも、ありませんが、一通りの準備はしました。あのコロナの時の、大混乱を覚えているからです。マスクが一箱5000円になってしまったり、ひどい大騒ぎでした。この虫が、もし来年の夏、流行すれば、きっとまた大騒ぎになるでしょうし、関連物資や薬剤は欠品したり高騰するでしょう。

 強力掃除機、粘着ローラー、スチームクリーナー、蚊帳などを買いました。万一用です。

 そして、研究所から海外サイトから八方手を尽くして調べた結果、3種類の農薬がこの虫に対して有効なことを知りました。

 その名前は

・サフロチンMC

 これは日本でも、駆除業者が使っているようです。日本で駆除業者が使う殺虫剤の中で、唯一有効な薬です。ただし、かなり新しい殺虫剤で、とてもお高いです。

・ハチハチ乳剤 / ハチハチフロアブル

 トルフェンピラドを主成分としており、日本環境衛生センターの最新の論文(2021年)でも、耐性トコジラミに対して顕著な効果を示しています。人体に対しては、無害です。

・プリンス粉剤

 フェニルピラゾール系農薬であるフィプロニルを主成分としており、今、選択可能な殺虫剤の中で、おそらく、もっとも耐性トコジラミに有効な農薬です。論文上で耐性トコジラミに顕著な効果を見せているのは、言うまでもありません。しかも、この薬は、一度蒔けば、数年間は有効です。ただし、僅かに人体に害があります。韓国では、今年、耐性トコジラミ用に環境部が緊急承認したようです。

 参考にした論文は 數間亨「有機リン剤抵抗性トコジラミ類に対する新規殺虫成分の探索」日本環境衛生センター、2021年です。(Tohru KAZUMA1"Search for effective agents from agricultural pesticides against organophosphate-resistant bed bugs"2021)

 報道や経験者の話を聞く限りですと、この害虫は非常に厄介で、特にピレスロイド系殺虫剤に強い耐性を持っており、バルサンやアースジェットなどは全く効かないばかりか、逆効果になります。

 最低限の準備だけはしておきましょう。来年の夏には、日本でも大流行する可能性があります。

 また、寄生虫駆除の薬として有名なイベルメクチンも、ある程度の有効性を持っています。人の血を吸ったトコジラミは、半数から8割が死に、産卵率も産卵数も激減し、幼虫は成長ができなくなります。


(追記)有効な農薬・殺虫剤の見つけ方

 既存の薬剤に耐性を持つ、こうした面倒な害虫に有効な農薬の見つけ方は限られますが、いくつかあります。それは、

1、駆除業者のウェブサイトを参考にする

 そんなにはお勧めしませんが、少しは参考になります。彼らが絶賛するサフロチンMCなどは本当に有効なのでしょう。

 ただ、私は全面的には、このような調べ方を信頼していません。

 トコジラミにしてもシラミにしても、かつて日本でほぼ絶滅された吸血性の衛生害虫が、2000年以後、再び流行り始めた背景には、害虫駆除の基本的なドクトリンが間違っていたことがあると思うのです。すなわち、DDTやBHCを規制したことです。これらの薬品はその放漫な使い方に問題があったのであって、毒性はピレスロイド以外の殺虫剤よりは低いですし、そのまま使い続けていれば、こうした衛生害虫は本当に撲滅できていたかもしれません。

 かつて、2012年頃、沖縄県に耐性シラミが大流行しているというニュースを見たときも、私はDDTを解禁してくれるよう沖縄出身の各議員にメールをしたことがありました。一体、サリンなどと化学式の似た有機リン系の殺虫剤とDDTと、どちらが危険で、どちらが有効で、どちらがより使いやすいかなど、少し考えればわかることです。そんなわけで私は害虫駆除の常識に根本的に不信感を持っていますので、業者の紹介する「お勧めの方法」だけを鵜呑みにする気にもなれないのです。


2、近縁種に有効な薬を調べる

 まったく別件ですが、トコジラミとは別に、2023年にはカメムシが日本で流行しました。トコジラミも実はカメムシの一種なのですが、それとはまったく別にです。私の家にも大型のカメムシ(キマダラカメムシ)が何度か入ってきて、ゴキブリと間違えて、殺虫剤を沢山かけてしまったのですが、少しも効果がなかったのです。そもそも、カメムシには、アースジェットやキンチョールの類が効きにくいようです。

 トコジラミに体の構造の似た近縁種(ハナカメムシやマキバカメムシ)に有効な薬なら、トコジラミにも有効な可能性があるでしょう。

 そこで調べて見つけたのが、ハチハチ乳剤でした。この殺虫剤はトコジラミの近縁種のハナカメムシを簡単に殺してしまう殺虫剤です。ただし、こうした調べ方にも問題点があります。他のカメムシには有効でも、トコジラミにだけは、無効な可能性があるのです。すなわち、トコジラミが常にその薬剤のストレスに晒されていて、耐性を既に獲得してしまっているケースです。

 よって、最後に紹介する調べ方が大切になります。ちなみにハチハチ乳剤はこの方法でも効果の確認できる薬でした。


3、耐性種に対する各種農薬の試験結果を見る

 徹底的に調べれば、そうしたサイトや論文はいくつかありますので、調べることができます。実際、そうした論文のひとつから、表を一枚、引用しましたが、この方法で見つけた薬が、ハチハチとプリンス粉剤でした。これは、近年見つかっている最新の耐性トコジラミに対しても、顕著な効果を発揮しているようです。



 これら3つを併用すれば、他にも、実は有効だが、まだ使われていない薬を見つけることができる可能性があります。






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