噂の韓国式エステ“アカスリ”。最近、少し疲れ気味。リラックスしようと二人で、韓国式エステ“アカスリ”に行きました。どうせフェィシャルマッサージも有るだろうから、素顔でいいやぁ…受付で申し込みをすると、韓国人の女性がたどたどしい日本語で「オ,カ,サ,ン,アトスル?」 えっ?ええっ?よく解らないけれど…いやぁ~な予感…気のせいに違いない…20分後、垢スリルームに入ると、水着姿で先程の彼女が笑顔で迎えてくれます。
ベッドに横たわり、気分は“水浴のビーナス”ああ…気持ちいい…幸せ~。
「ム,ス,コ,サ,ン,セ,タカクテ,ハンサムネ」えっ?ええっ?イマナニカイッタ?あまりの気持ち良さに夢を見ていた…きっと…「オ,カ,サ,ン,チッ,サイ,ノニ,ム,ス,コ,サ,ン,オオキイネ」嗚呼…もはやこれまで!これ以上自分を欺くことは不可能。
受付の所で漂った、あのいやぁ~な予感。ちらっとよぎった不安。韓国の人だから言葉がよく解らないのだろうと封じ込めたのに…勘違いのままにして置いて欲しかった…「息子ではなく主人です」「エエッ!エ~ッ!」…イタイ!痛い!垢すりの手に、急に力が入ります。目は冴え、意識もハッキリ戻り、もうリラックスどころでは有りません。
しかし『大人の女』はコレしきの事では怒りません。《気を確かに、気を確かに》と心に念じつつ、残り30分。「気持ちよかったわ、有り難うございました。次は息子ではなく主人を宜しくお願い致しますね」と言い残して、垢スリルームを出ます。
待つこと40分。ニヤニヤしながら出て参りました。その途端!
気高く保っていた『大人の女』は影も形も無くなりました。
「可笑しいね~」「なにがぁ?」「ボクが若く見え過ぎるんだよね」
「馬鹿じゃないの?」「えっ?」「世間に笑われるよ。自分の奥さんが、いつまでも若くて、綺麗でいれるようにしてあげる事が男たるものでしょ。奥さんは、主人を何処に出しても恥かしくない様にする事が、女としての務めでしょ。私はその務めをちゃんと果たしているからこそ、貴方は何処に行っても、誉められるのでしょ。苦労をさせて『ムスコサンデスカ?』なんて言われている事自体、男としてこれ程、恥かしく、不名誉なことはないのよ」「うん、うん」「それに、いくら年上だと言っても、貴方と一緒になる前(before) は確実に私の方が若く見えていた筈。誰に聞いてもそう言うよ。貴方は私と一緒になって(after)年々、若返って行っているでしょ。しかも、お洒落にもなれたしね。それってどうゆうこと?」 「そうだよねぇ」「何でもかんでも、頼り過ぎじゃぁないの!いい加減にしてよね!!」わかった様な、わからない様な屁理屈が続きます…指で“の”の字は描かないまでも、頬を膨らませ、口を尖らせてうな垂れる姿。おまえは子供かぁ!何処からか声が聴こえて来ます…「ム,ス,コ,サ,ン~」
トドメを刺さなければ、腹の虫が納まりません。「妻は夫の作品!夫は妻の作品!子供は良いも悪いも、二人の傑作!解かったぁ!」「うん、わかった」気の動顚が激しく、忘れていた肌の痛み。ふと見れば、所どころ擦りむけて赤くなっております。イタイ!痛~い!…この傷、癒えるまでは耳元でささやくのでしようか?あの声が…「オ,カ,サ,ン~」
昔、勝海舟が妻(たみ)に言いました。「俺たちも、歳を取ったなぁ~」と。妻が言います。「いいではありませんか。その代わりに、子供達があのように立派に育ちました」この民さん、二歳年上の姉さん女房…なかなかそこまで到達出来ません ワタクシ達。
before to after no twotake douomoimasuka?