姐さんブログ

時計、ジュエリーに囲まれての毎日はとっても幸せ!

2009.ボンジョルノ!…リストランテ『イ.ルンガ』へ

2009年09月14日 | 日記・エッセイ・コラム

大きなスケールで書き上げて行く「しんちゃんブログ」を読みながら、「姐さんブログ」がポチの散歩の様に見えて来た。
癪に触るから、せめて切れていたパスポートだけでも作ろう~っと
手続きを済ませて…うふふふ…なんだか心が弾む。

満たされ気分でランチでも…
シェフとの約束を守るべくリストランテ『イ.ルンガ』へ。これまた、歩いて行けるポチの散歩距離。単衣の紺色大島にベージュの名古屋帯、月にススキの飛び柄。着物の似合うリストランテなのである。
長屋門を潜り、飛び石伝いに玄関へと向う。黄色みを帯びた秋の日差しが、色付き始めた一葉を黄金色に染める。レセプションパーティの時に戴いた「子豚の味が忘れられな~ぃ病」に罹ってしまった私には、こんがりと焼けたイベリコちゃんの皮のように見えてくる。

玄関を開けると、黒光りのするフロアーが気分を高揚させる。
足元は、細部まで神経を行き届かせられるかどうか、人柄が出るのである。上質の味が想像できる。
両側に庭を見ながら、ゆっくりと食事を楽しめるように配置された6つのテーブル。個人的には、この庭はイタダケナイのではあるが…

Photo 店の格を推し得ることすらできてしまうカトラリーは、卓上の芸術品と称されるクリストフル。そこにあるだけで食卓を輝かせる。
肉料理のナイフはラギオール。運ばれてくる器はリチャード.ジノリ。ベッキオホワイトとボンジョルノホワイト。テーブルウェアーに隙がない。
最高級に導かれて始まる食卓は本物の味が保証される。
美しいカトラリーを手に取ったときの快感は、観劇のプロローグにも似ている。観客は料理に思いを馳せながら、これからはじまる物語に心を躍らせる。
見事にセッティングされた食卓に、見た目も美しく盛り付けられた美味な料理、このバランスがあってこそリストランテなのである。
Photo_2

間違いなかった。

伝統をふまえた高い技術に、研ぎ澄まされた感性で創り出される堀江シェフの料理は、パンチの効いた、しかも、奥行きのある、滋味あふれるものばかり。最後のお茶菓子まで絶品。手抜きが一切無い。体にしみ込んだ料理である。真似て出来るものではない。
家庭料理の延長線上にあるようなイタリアン(家で簡単に創れる)、日本人用にあっさりと味付けした料理のイタリア料理店が多い中、堀江シェフが食の世界で絶賛を浴びるのは、極々当然のことである。

食事の終わる頃を見計らって、スタッフの一人が近寄ってきた。
「一度、お目に掛かっておりませんか?」
「はい、レセプションパーティに出席させていただきました」
「あっ!やはりあの時の方でしたか」
「主人がスイスから戻りましたので、お邪魔しました」
シェフの所へ告げに行ったのであろう、堀江シェフが挨拶に来て下さる。美味な料理にお礼を言い、暫し、シェフと話しをする。しっかり覚えていて頂けたのも嬉しい。リップサービスもなかなかカナ?

支払いを済ます。
お釣が帰ってきた…幕が下りる寸前、役者がころんじゃったぁ~…な、感じ。ショック!新札では無いのである。
関東はいざ知らず。関西以降の人間にとって、釣銭はその店の格を量るものでもある。育ちまでが見え隠れするのがお札なのである。
一流と名がつく店は、手の切れるような新札でなくてはならない。
残念!残念!非常に残念!いつか気付いてくれると願って…

ゆっくりと2時間余りを過ごし…今度は夜に…しかし、あの肉料理は…時間が経つにつれ、忘れられない味として脳裏に焼きつく。
「忘れられな~ぃ病」は重病化して行くばかりである。

  ランチ2800円~   是非、興味のある方は足を運んでください。


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