前回でプラグの話は終わりにしようと思ったのだが、まだ付け加えることがいくつかあった。「いつまでプラグの話を続ける気だ!」と言われてしまいそうだが、もう少し辛抱していただきたい。
まずはプラグの寿命についてだが、プラグの寿命は電極の消耗具合、つまり減り具合を見る。あいにく電極が消耗したプラグの写真を持ち合わせていないので画像で説明することができないのだが、プラグというのは自ら発した火花によって中心電極、外側電極ともに消耗して減っていくのである。例えばニッケル合金の中心電極であれば、消耗していくにしたがってしだいに角がとれて丸くなっていく。イリジウム合金の中心電極の場合は極細の電極が消耗していくにしたがってしだいに短くなっていく。外側電極の消耗具合はどのタイプのプラグでも共通していて、中心電極に最も近いところからしだいに細くなっていくのである。
プラグが寿命を迎えると、当然ミスファイア(失火)が発生するようになる。例えば走行していてエンジンが『息つく』ような症状が出た場合、それはたいていプラグの寿命か、あるいはプラグコードが劣化している場合のどちらかだと考えてほぼ間違いない。ちなみに、機械式の燃料ポンプを使っているキャブレター仕様の旧車などはこの燃料ポンプの不具合でも似たような症状が出る場合がある。これに対して現在のインジェクション仕様のクルマはみな電動式の燃料ポンプになっているから、このような症状は出ない。『電動』というのは良くも悪くもはっきりしていて、動くか動かないか、つまり電動式の燃料ポンプの場合はエンジンが始動するかしないか、しかないのである。機械式の燃料ポンプのように『少しだけ動く』、などというかわいい性格は全く持ち合わせていない。
さらに余談を付け加えると、点火系の異常によってあるシリンダーだけ全く爆発していない、というトラブルが発生する場合もまれにある。こういった時には3気筒や4気筒エンジンであればすぐに異常に気が付くと思うのだが、6気筒以上の多気筒エンジンでは1気筒が爆発していないくらいでは気が付かない場合があるのだ。このようなトラブル時にはメーター内部にある『排気温度警告ランプ』が必ず点灯する。これは爆発していない1気筒から未燃焼の生ガスが排出されて触媒へと入り、触媒の中でガスが燃焼して温度が上昇するために警告ランプが点灯するのである。もちろんこれが原因のすべてではないが、とりあえず排気温度警告ランプが点灯したら、「どこかのシリンダーが死んだかも」と思ったほうがいい。排気温度警告ランプが点灯したら、すべてのプラグを外して見てみる。こうすることによって、どのシリンダーに異常が起きたのかが判断できると思う。
プラグの電極隙間、いわゆる『ギャップ』についても簡単に説明しておきたい。ギャップの適正値は各プラグによってそれぞれあり、NGKのプラグであれば0.7mmから1.5mmのものまで様々ある。例えば圧縮比のアップなどを施しているチューニングエンジンはこのギャップを適正値よりも0.2mmほど狭く調整したりするのだが、ノーマルエンジンの場合はギャップをいじらずに適正値のまま使用すること。特にイリジウムプラグの場合は中心電極が極細のため、シックネスゲージを突っ込んでギャップ調整をしようとすると極細電極が破損する恐れがある。また、プラグ交換をする際には外側電極をエンジンなどにぶつけないように注意しなければならない。外側電極を何かにぶつけてギャップが狂ってしまえば、プラグ、そしてエンジンは本来の性能を発揮できなくなる。
最後にもうひとつ余談だが、バイクに使用した場合、プラグは寿命が極端に短い。これもNGKのホームページに掲載されていることなのだが、一般的なプラグの寿命はクルマに使用する場合でだいたい2万キロ。ところがこれをバイクに使用した場合はおよそ5千キロほど、となっている。これはバイクのほうがエンジン回転数の変動が常に激しいために電極が早く消耗してしまう、という理由があるためだ。これを理解していないバイク乗りの方をけっこうよく見かけることがある。
まずはプラグの寿命についてだが、プラグの寿命は電極の消耗具合、つまり減り具合を見る。あいにく電極が消耗したプラグの写真を持ち合わせていないので画像で説明することができないのだが、プラグというのは自ら発した火花によって中心電極、外側電極ともに消耗して減っていくのである。例えばニッケル合金の中心電極であれば、消耗していくにしたがってしだいに角がとれて丸くなっていく。イリジウム合金の中心電極の場合は極細の電極が消耗していくにしたがってしだいに短くなっていく。外側電極の消耗具合はどのタイプのプラグでも共通していて、中心電極に最も近いところからしだいに細くなっていくのである。
プラグが寿命を迎えると、当然ミスファイア(失火)が発生するようになる。例えば走行していてエンジンが『息つく』ような症状が出た場合、それはたいていプラグの寿命か、あるいはプラグコードが劣化している場合のどちらかだと考えてほぼ間違いない。ちなみに、機械式の燃料ポンプを使っているキャブレター仕様の旧車などはこの燃料ポンプの不具合でも似たような症状が出る場合がある。これに対して現在のインジェクション仕様のクルマはみな電動式の燃料ポンプになっているから、このような症状は出ない。『電動』というのは良くも悪くもはっきりしていて、動くか動かないか、つまり電動式の燃料ポンプの場合はエンジンが始動するかしないか、しかないのである。機械式の燃料ポンプのように『少しだけ動く』、などというかわいい性格は全く持ち合わせていない。
さらに余談を付け加えると、点火系の異常によってあるシリンダーだけ全く爆発していない、というトラブルが発生する場合もまれにある。こういった時には3気筒や4気筒エンジンであればすぐに異常に気が付くと思うのだが、6気筒以上の多気筒エンジンでは1気筒が爆発していないくらいでは気が付かない場合があるのだ。このようなトラブル時にはメーター内部にある『排気温度警告ランプ』が必ず点灯する。これは爆発していない1気筒から未燃焼の生ガスが排出されて触媒へと入り、触媒の中でガスが燃焼して温度が上昇するために警告ランプが点灯するのである。もちろんこれが原因のすべてではないが、とりあえず排気温度警告ランプが点灯したら、「どこかのシリンダーが死んだかも」と思ったほうがいい。排気温度警告ランプが点灯したら、すべてのプラグを外して見てみる。こうすることによって、どのシリンダーに異常が起きたのかが判断できると思う。
プラグの電極隙間、いわゆる『ギャップ』についても簡単に説明しておきたい。ギャップの適正値は各プラグによってそれぞれあり、NGKのプラグであれば0.7mmから1.5mmのものまで様々ある。例えば圧縮比のアップなどを施しているチューニングエンジンはこのギャップを適正値よりも0.2mmほど狭く調整したりするのだが、ノーマルエンジンの場合はギャップをいじらずに適正値のまま使用すること。特にイリジウムプラグの場合は中心電極が極細のため、シックネスゲージを突っ込んでギャップ調整をしようとすると極細電極が破損する恐れがある。また、プラグ交換をする際には外側電極をエンジンなどにぶつけないように注意しなければならない。外側電極を何かにぶつけてギャップが狂ってしまえば、プラグ、そしてエンジンは本来の性能を発揮できなくなる。
最後にもうひとつ余談だが、バイクに使用した場合、プラグは寿命が極端に短い。これもNGKのホームページに掲載されていることなのだが、一般的なプラグの寿命はクルマに使用する場合でだいたい2万キロ。ところがこれをバイクに使用した場合はおよそ5千キロほど、となっている。これはバイクのほうがエンジン回転数の変動が常に激しいために電極が早く消耗してしまう、という理由があるためだ。これを理解していないバイク乗りの方をけっこうよく見かけることがある。