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自動車学

クルマを楽しみ、考え、問題を提起する

スパークプラグの基礎知識 その3

2013-11-11 03:13:49 | クルマをいじる
 前回でプラグの話は終わりにしようと思ったのだが、まだ付け加えることがいくつかあった。「いつまでプラグの話を続ける気だ!」と言われてしまいそうだが、もう少し辛抱していただきたい。

 
 まずはプラグの寿命についてだが、プラグの寿命は電極の消耗具合、つまり減り具合を見る。あいにく電極が消耗したプラグの写真を持ち合わせていないので画像で説明することができないのだが、プラグというのは自ら発した火花によって中心電極、外側電極ともに消耗して減っていくのである。例えばニッケル合金の中心電極であれば、消耗していくにしたがってしだいに角がとれて丸くなっていく。イリジウム合金の中心電極の場合は極細の電極が消耗していくにしたがってしだいに短くなっていく。外側電極の消耗具合はどのタイプのプラグでも共通していて、中心電極に最も近いところからしだいに細くなっていくのである。
 プラグが寿命を迎えると、当然ミスファイア(失火)が発生するようになる。例えば走行していてエンジンが『息つく』ような症状が出た場合、それはたいていプラグの寿命か、あるいはプラグコードが劣化している場合のどちらかだと考えてほぼ間違いない。ちなみに、機械式の燃料ポンプを使っているキャブレター仕様の旧車などはこの燃料ポンプの不具合でも似たような症状が出る場合がある。これに対して現在のインジェクション仕様のクルマはみな電動式の燃料ポンプになっているから、このような症状は出ない。『電動』というのは良くも悪くもはっきりしていて、動くか動かないか、つまり電動式の燃料ポンプの場合はエンジンが始動するかしないか、しかないのである。機械式の燃料ポンプのように『少しだけ動く』、などというかわいい性格は全く持ち合わせていない。

 さらに余談を付け加えると、点火系の異常によってあるシリンダーだけ全く爆発していない、というトラブルが発生する場合もまれにある。こういった時には3気筒や4気筒エンジンであればすぐに異常に気が付くと思うのだが、6気筒以上の多気筒エンジンでは1気筒が爆発していないくらいでは気が付かない場合があるのだ。このようなトラブル時にはメーター内部にある『排気温度警告ランプ』が必ず点灯する。これは爆発していない1気筒から未燃焼の生ガスが排出されて触媒へと入り、触媒の中でガスが燃焼して温度が上昇するために警告ランプが点灯するのである。もちろんこれが原因のすべてではないが、とりあえず排気温度警告ランプが点灯したら、「どこかのシリンダーが死んだかも」と思ったほうがいい。排気温度警告ランプが点灯したら、すべてのプラグを外して見てみる。こうすることによって、どのシリンダーに異常が起きたのかが判断できると思う。

 プラグの電極隙間、いわゆる『ギャップ』についても簡単に説明しておきたい。ギャップの適正値は各プラグによってそれぞれあり、NGKのプラグであれば0.7mmから1.5mmのものまで様々ある。例えば圧縮比のアップなどを施しているチューニングエンジンはこのギャップを適正値よりも0.2mmほど狭く調整したりするのだが、ノーマルエンジンの場合はギャップをいじらずに適正値のまま使用すること。特にイリジウムプラグの場合は中心電極が極細のため、シックネスゲージを突っ込んでギャップ調整をしようとすると極細電極が破損する恐れがある。また、プラグ交換をする際には外側電極をエンジンなどにぶつけないように注意しなければならない。外側電極を何かにぶつけてギャップが狂ってしまえば、プラグ、そしてエンジンは本来の性能を発揮できなくなる。

 最後にもうひとつ余談だが、バイクに使用した場合、プラグは寿命が極端に短い。これもNGKのホームページに掲載されていることなのだが、一般的なプラグの寿命はクルマに使用する場合でだいたい2万キロ。ところがこれをバイクに使用した場合はおよそ5千キロほど、となっている。これはバイクのほうがエンジン回転数の変動が常に激しいために電極が早く消耗してしまう、という理由があるためだ。これを理解していないバイク乗りの方をけっこうよく見かけることがある。


スパークプラグの基礎知識 その2

2013-10-01 03:16:51 | クルマをいじる
 スパークプラグというのは実にありがたい部品でもある、と思う。なにしろプラグを外して電極部分を見れば、燃焼室内の様子がおよそ見当が付くからだ。エンジンをバラさなくても判断ができるのである。
 その判断の目安となるのが電極部分の焼け具合だ。まずは下の写真をご覧いただきたい。前回でも使用したビューエルのプラグの写真である。

 プラグの焼け具合というのは中心電極のまわりにある白い碍子(がいし)の色を見る。ごくたまに、プラグの焼け具合はねじ山部分も含めたプラグ全体を見るものだと勘違いしている方がいるが、これは間違いだ。写真左のようなプラグに対して、「プラグが真っ黒でかぶり気味!」と言っていたりするのだが、ねじ山部分の黒色の正体はただのカーボンである。こいつは焼け具合とは全く関係無い。どんなエンジン、プラグでも使用しているとねじ山部分はカーボンが付着して必ず黒くなる。焼け具合というのはあくまでも碍子の色を見るのだが、この碍子が茶色であればベストな焼け具合だ。『こんがりキツネ色』と表現されることもあるが、まさにそんな感じである(写真では茶色が薄く映っているが、実際にはもう少し色が濃い)。
 碍子の色が黒ければプラグは冷え過ぎである。冷間時にエンジンが始動しにくくなるなどの不具合が生じてくるのだが、単純にプラグ熱価の選択ミスであればエンジン自体にはそれほど悪影響は無い。ただ問題は碍子の色が白色の時である。新品の時のような白色をしていれば焼け過ぎであり要注意。さらに碍子がテカテカ光っていたり、表面にプツプツと付着しているものがあったりしたら、その時はもう一巻の終わり、かもしれない。燃焼室内が高温になり過ぎて、ピストン上部が溶けている恐れすらあるのだ。自然吸気のノーマルエンジンではなかなかこうはならないが、圧縮比のアップやターボのブースト圧を上げている、といったチューニングを施してあるエンジンは注意が必要である。特にブースト圧を上げているエンジンは、プラグの熱価を間違えるとあっけないほど簡単にピストンが溶けてしまう。

 ここまでプラグの冷え過ぎや焼け過ぎについて書いた。つまりプラグにはそれぞれ適正温度というものがあるということだ。これがいわゆるプラグの熱価、というやつである。プラグの熱価については各プラグメーカーのホームページに詳しく記載されているのでここではあえて省略するが、簡単に言えばプラグが冷え過ぎの場合は焼け型のプラグに交換する。そして焼け過ぎの場合には冷え型のプラグに交換する、ということになる。NGKのプラグで言えば、例えば6番のプラグを使用していて碍子が黒くなっている場合は5番に熱価を下げる。そして6番のプラグを使用していて碍子が白くなっている場合は7番に熱価を上げる、という意味である。なお、プラグメーカーによっては熱価を示す数字が逆記載になっている場合があるので注意が必要だ。

 そして、ここから先はもう少し僕なりの話を進めて行こうと思う。ここで終わりにしてしまったら、最初からプラグメーカーのホームページを見たほうが話が早い、ということになってしまう。
 もしあなたが現在乗っているクルマやバイクのプラグを新しく交換しようと思ったら、新品のプラグを購入する前にまずは今まで使用していたプラグを外して焼け具合を一度見て欲しい。碍子の焼け具合がこんがりキツネ色であれば単純に今までと同じ熱価の新品プラグに交換すればそれで済む話なのだが、これが黒かったり白かったりしていたならば、なぜそうなっているかを考えてみる必要がある。
 ここからはあくまでもノーマルエンジン、そしてメーカー指定熱価のプラグを使用していた場合の話だ。もしメーカー指定熱価のプラグを使用していたにもかかわらず碍子が黒かった場合、原因として考えられるのはまずプラグの消耗、プラグコードの劣化、エアクリーナーの著しい汚れ、それからオイル上がりやオイル下がり、そしてごく稀に各種センサー類の異常によって混合気が濃い、あるいは点火時期の遅れなども考えられる。
 碍子が白い場合は燃焼室内のカーボン堆積による圧縮比の自然上昇、インジェクターやキャブレターの不具合(混合気が薄い)、そしてやはり各種センサー類の異常によって混合気が薄い、あるいは点火時期の進み、さらにはガソリン添加剤も関係してくる。ガソリン添加剤を入れると爆発エネルギーが高まるために、プラグは焼け気味になるのだ。
 余談になるが、このガソリン添加剤を使用する場合は必ず説明をよく読み用量を守る事。人間に対する薬と同じである。「多けりゃ効くだろ!」と安易に用量を多くするとエンジンがノッキングしてしまうものがあるのだ。恥ずかしながら、僕は若い頃にこれをやって見事にノッキングが多発し、慌ててガソリンスタンドに飛び込んで給油した経験がある。
 なお新品のプラグを装着したら、しばらく走行した後にプラグを外して焼け具合を確認しておく事。念のため、である。

 最後に、イリジウムプラグはすべて長寿命だ、という認識があるが、これは間違いだ。NGKのホームページでも説明されているのだが、中心電極がイリジウム、そして外側電極に白金チップが埋め込まれているイリジウムプラグが十万キロの長寿命を誇るプラグなのである。つまり中心電極がイリジウム、外側電極には白金チップ無し、というイリジウムプラグは一般的なプラグの寿命と変わらない。実は僕も以前誤解をしていて、ロードスターに使用していたIRIWAYというプラグが二万キロ持たずにダメになった。おかしいな、と思いながらNGKのホームページを見て初めて知ったのである。
 プラグの箱に書いておいてくれればいいのに・・・。

 

スパークプラグの基礎知識 その1

2013-08-31 02:49:20 | クルマをいじる
この前、僕はプラグの交換方法について書いたが、肝心のプラグそのものについては書かなかった。さすがにプラグの話が三連荘(さんれんちゃん)、四連荘と続いたのでは書くほうも飽きるし、読んでいる方もつまらないだろうと考えたからである。間に二回、関係ない話をしたところで、ここでまた少しプラグの話をしていこうと思う。

 下の写真はビューエルのプラグで、左が今まで使用していたハーレー純正プラグ。そして右がNGKの新品のイリジウムプラグである。最近プラグ交換をしたときに、ついでに撮ったものだ。純正プラグのほうは中心電極が従来のニッケル合金でできているために太い。これに対してイリジウムプラグのほうは中心電極が極細になっているのがおわかりいただけると思う。(画像をクリックしていただくと拡大できます)

 プラグに求められる性能は高着火性と高耐久性である。まずは着火性についてだが、この着火性を高めるためには中心電極を細くすることが必要だ。中心電極が細ければ強くて安定した火花が飛ぶのである。その理由を文章で説明すると、
 『電極が細ければ電界エネルギーが高まり、さらに消炎作用が小さくなるので飛火性や着火性が向上する』
となるのだが、これではいまいちピンとこないと思う。
 そこで、これを静電気に置き換えてみるとわかりやすい。冬場にクルマを触ったときに起きる、あの『バチッ』っとくる不快な静電気だ。下の写真のように指先をボディに近づけると強い静電気が起きるが、手のひら全体を近づけるとそれほど強い静電気は起きない。

 つまり手のひらよりも指先のほうが『電極』が細いために強い静電気が起こるのである。この現象はプラグの中心電極を細くすると飛火性や着火性が向上するという理屈と全く同じだと解釈してもらっていい。
 ところが、電極は細くすると早く消耗してしまうという問題が生じてくる。つまりプラグに求められる高着火性と高耐久性というのは、もともと相反するものなのだ。だからこそプラグの電極は色々と試行錯誤を繰り返しながらニッケル合金からプラチナ合金、そして現在ではイリジウム合金、とその材質は高融点、高強度なものに進化してきた。現在のあの極細電極のプラグは、プラグメーカーのたゆまぬ努力があったからこそ実現できたのである。

 もしあなたのクルマやバイクのエンジンがニッケル合金やプラチナ合金のプラグを使用していたならば、この際イリジウム合金のプラグにグレードアップしてみてはいかがだろうか。たとえわずかな差であっても、違いはきっと体感できると思う。僕のビューエルなどは今まで追い越し加速をする際に一瞬プラグがかぶることがあったのだが、イリジウムプラグに交換後はプラグのかぶりが全く無くなった。おかげで暴力的な加速を思う存分味わうことができている。


 次回へ続く


正しいプラグ交換のやり方 その2

2013-06-10 02:53:31 | クルマをいじる
 前回、プラグ交換の説明をする際に使用したクルマは僕のユーノス・ロードスターである。ユーノス・ロードスターは直列四気筒エンジンだから、プラグ交換が非常にやりやすい。なにしろボンネットを開ければそこにプラグコードがあるのだ。邪魔するものは何も無い。しかしこれがV6やV8エンジンなどはサージタンクやインテークマニホールド(インマニ)などが邪魔をしてプラグ交換が容易にできないものがある。こういったエンジンのプラグ交換は注意が必要だ。
 前回に紹介したユニバーサルジョイントやエクステンションバーなどの工具を駆使してうまくプラグにアクセスできればいいのだが、それでもなかなかうまくいかないエンジンもあったりする。こういった場合は潔くサージタンクやインマニを取り外してから作業することが望ましい。無理矢理プラグにアクセスして交換しようとすれば、それこそプラグホールのねじ山を壊してしまう可能性がある。壊したら、大出費は覚悟しなければならないだろう。そして、もしサージタンクやインマニを自分で取り外すことが怖い、あるいは自信が無いと感じたら、その時は自分でプラグ交換をすることを諦めたほうが賢明だ。潔く撤退することは恥ずべきことではなく、賢い選択だと思う。
 サージタンクやインマニを取り外す場合は、面倒でも必ず新品のガスケットをあらかじめ用意すること。ガスケットの再使用は二次エアの吸入、つまり本来は密閉されているはずのところから空気を吸入してしまう、といったトラブルが発生する可能性があるからだ。また、新品のガスケットを装着した場合でも念のために二次エア吸入の有無を確認したほうがいい。方法は簡単で、ガスケットを組んだ所に泡状のキャブレタークリーナーを吹き付けるだけだ。もし二次エア吸入を起こしていれば泡状のクリーナーが内部へと吸い込まれていくからすぐにわかる。(パーツクリーナーや5-56などを使用する人がいるが、液体を使用してのアイドリング変化では判断しにくい。さらにエンジンが暖まっている状態であれば吹き付けても気化する割合が高いため、さらに判断しにくくなる)

 ダイレクトイグニッションのプラグ交換にも注意が必要である。ダイレクトイグニッションとはプラグの真上にイグニッションコイルが取り付けられているもので、プラグコードは存在しない。下の写真はレガシィEZ30エンジンのヘッドカバーの一部である。分かりにくくて申し訳ないが、ヘッドカバーに付いている黒くて四角い小さな箱のようなものがイグニッションコイルで、これがヘッドカバーにプラグの本数分取り付けられている。つまり四気筒なら四個、六気筒ならば六個、というわけだ。イグニッションコイルとプラグキャップはセットになっていて、コイルを取り外せばプラグキャップも一緒についてくる。

 イグニッションコイルへの配線の接続にはカプラーが用いられているのだが、注意が必要なのはこのカプラーなのである。プラスチック製のために熱で劣化(硬化)し、取り外す時にカプラーの爪が折れやすいものがあるのだ。幸いこのEZ30エンジンのカプラーは難なく取り外すことができたのだが、実はクルマの仕事をしていた時にトヨタ1G-GZEエンジンのカプラーの爪を不覚にも折ってしまった経験がある。その時は幸い代替のカプラーが手元にあったために事なきを得たのだが、いずれにしても特に古いクルマのカプラーの取り外しには注意してもらいたい。あくまでも慎重に、そしてやさしく扱うようにしてほしい。

 ちなみにスバルの水平対向エンジンは、車両をジャッキアップしてプラグ交換をすると腰の負担が軽減する。経験者であればおわかりいただけると思うが、スバルの水平対向エンジンのプラグ交換はしんどい中腰体勢を長時間強いられるのである。僕などは普段から腰痛が出やすいため、プラグ交換後はひどい腰痛に二日間ほど悩まされてしまった。頭にきたからスバルのサービスマンに後日八つ当たりをしたところ、「ジャッキアップしてやればだいぶ楽ですよ。僕達はみなそうしてます」と笑顔で教えてくれた。おっさんに理不尽な八つ当たりをされても笑顔を絶やさない、実に立派なサービスマンだった。
 

正しいプラグ交換のやり方 その1

2013-05-22 04:27:38 | クルマをいじる
 先日、ネット上のあるブログを閲覧した際に、『新品のプラグはねじ山にシリコングリースを塗ってからエンジンヘッドに装着する』と書かれた記事を発見した。プラグを装着する際にヘッド側のねじ山をナメてしまわないように、との事だったのだが、はっきり言ってこれは間違いである。確かにシリコングリースを塗ればプラグはスムーズに入っていくだろう。ねじ山をナメる心配も無い。だが、問題はそのプラグを外す時だ。シリコングリースが塗られたプラグを外す時、塗られていたシリコングリースは間違いなく燃焼室内に落ちていってしまう。もちろんすべてが落ちるわけではなく、量的には微量だろうとは思う。しかし、たとえ微量であっても燃焼室内部に異物が落下することに変わりはない。そしてさらに、シリコングリースが燃焼室内で混合気とともに燃えた後にはいったいどんな生成物が誕生するのか。こいつは僕にも分からないが、エンジンにとって都合のいい生成物ではないことだけは確かだ。
 このブログだけに書かれていた記事だったらまだ良かったのだが、驚いたことに同様の記事が書かれていたブログは他にもいくつかあった。余計なお世話かもしれないが、もしかしたら誤った情報が思わぬ所で蔓延しているのかもしれないと心配になったため、今回はプラグ交換について書いていきたいと思う。

 下の画像は僕がプラグ交換をする際によく使う工具である。ちょっと分かりにくくて申し訳ないが、左からプラグレンチ(写真は16mmのもの)、ユニバーサルジョイント、75mmと150mmのエクステンションバー、コンパクトラチェットハンドル、フレックスラチェットハンドル。一番右のフレックスラチェットハンドルはコーケン製で、あとはすべてKTC製である。これだけあれば、ほとんどのクルマのプラグ交換ができる。ちなみにスバルの水平対向エンジン(EZ30)はこのプラグレンチに75mmのエクステンションバー、そしてコンパクトラチェットハンドル、という組み合わせが一番しっくりくる。


上の二つの画像はプラグレンチのもので、マグネットでプラグを保持するタイプのもの。この他にクリップ式、ゴム式、そしてプラグを保持できないプラグレンチ(値段が一番安い)があるが、ゴム式と保持できないプラグレンチの使用は避けたい。その理由はゴム式のプラグレンチは使っていくうちにゴムがすぐバカになってプラグを保持できなくなるからだ。そして保持できない、もしくは保持できなくなってしまったプラグレンチではプラグホールが深いエンジンのプラグ交換はできない。また、マグネット式のプラグレンチは電子部品に誤作動を与える恐れがある、という説がある。このため、選ぶならクリップ式がいいと思う。もっとも僕自身はそのような経験は無いのだが・・・

プラグコードは必ずプラグキャップを持って取り外す。右の画像のようにコードを引っ張ってプラグキャップを外そうとすると、コード内部が断線してしまう恐れがある。

ラチェットハンドルを使うのは最初と最後だけ。つまりプラグを外す時は最初だけラチェットハンドルを使用して、あとは右の画像のように手でゆるめていく。反対にプラグを取り付ける時はまず右の画像のように手で締めこんでいき、最後にラチェットハンドルを使用して締め付ける。手で行えば作業がスピーディに進むし、ねじ山をナメてしまう心配は無い。もしどうしても心配だというのであれば、ねじ山にシリコングリースなどではなくスプレーの浸透潤滑剤(5-56など)をごく少量吹き付ける。これでプラグはスムーズにねじ山へと入っていく。(プラグの電極部には吹き付けないこと)

 次回へ続く