先日、ネット上のあるブログを閲覧した際に、『新品のプラグはねじ山にシリコングリースを塗ってからエンジンヘッドに装着する』と書かれた記事を発見した。プラグを装着する際にヘッド側のねじ山をナメてしまわないように、との事だったのだが、はっきり言ってこれは間違いである。確かにシリコングリースを塗ればプラグはスムーズに入っていくだろう。ねじ山をナメる心配も無い。だが、問題はそのプラグを外す時だ。シリコングリースが塗られたプラグを外す時、塗られていたシリコングリースは間違いなく燃焼室内に落ちていってしまう。もちろんすべてが落ちるわけではなく、量的には微量だろうとは思う。しかし、たとえ微量であっても燃焼室内部に異物が落下することに変わりはない。そしてさらに、シリコングリースが燃焼室内で混合気とともに燃えた後にはいったいどんな生成物が誕生するのか。こいつは僕にも分からないが、エンジンにとって都合のいい生成物ではないことだけは確かだ。
このブログだけに書かれていた記事だったらまだ良かったのだが、驚いたことに同様の記事が書かれていたブログは他にもいくつかあった。余計なお世話かもしれないが、もしかしたら誤った情報が思わぬ所で蔓延しているのかもしれないと心配になったため、今回はプラグ交換について書いていきたいと思う。
下の画像は僕がプラグ交換をする際によく使う工具である。ちょっと分かりにくくて申し訳ないが、左からプラグレンチ(写真は16mmのもの)、ユニバーサルジョイント、75mmと150mmのエクステンションバー、コンパクトラチェットハンドル、フレックスラチェットハンドル。一番右のフレックスラチェットハンドルはコーケン製で、あとはすべてKTC製である。これだけあれば、ほとんどのクルマのプラグ交換ができる。ちなみにスバルの水平対向エンジン(EZ30)はこのプラグレンチに75mmのエクステンションバー、そしてコンパクトラチェットハンドル、という組み合わせが一番しっくりくる。



上の二つの画像はプラグレンチのもので、マグネットでプラグを保持するタイプのもの。この他にクリップ式、ゴム式、そしてプラグを保持できないプラグレンチ(値段が一番安い)があるが、ゴム式と保持できないプラグレンチの使用は避けたい。その理由はゴム式のプラグレンチは使っていくうちにゴムがすぐバカになってプラグを保持できなくなるからだ。そして保持できない、もしくは保持できなくなってしまったプラグレンチではプラグホールが深いエンジンのプラグ交換はできない。また、マグネット式のプラグレンチは電子部品に誤作動を与える恐れがある、という説がある。このため、選ぶならクリップ式がいいと思う。もっとも僕自身はそのような経験は無いのだが・・・


プラグコードは必ずプラグキャップを持って取り外す。右の画像のようにコードを引っ張ってプラグキャップを外そうとすると、コード内部が断線してしまう恐れがある。


ラチェットハンドルを使うのは最初と最後だけ。つまりプラグを外す時は最初だけラチェットハンドルを使用して、あとは右の画像のように手でゆるめていく。反対にプラグを取り付ける時はまず右の画像のように手で締めこんでいき、最後にラチェットハンドルを使用して締め付ける。手で行えば作業がスピーディに進むし、ねじ山をナメてしまう心配は無い。もしどうしても心配だというのであれば、ねじ山にシリコングリースなどではなくスプレーの浸透潤滑剤(5-56など)をごく少量吹き付ける。これでプラグはスムーズにねじ山へと入っていく。(プラグの電極部には吹き付けないこと)
次回へ続く
このブログだけに書かれていた記事だったらまだ良かったのだが、驚いたことに同様の記事が書かれていたブログは他にもいくつかあった。余計なお世話かもしれないが、もしかしたら誤った情報が思わぬ所で蔓延しているのかもしれないと心配になったため、今回はプラグ交換について書いていきたいと思う。
下の画像は僕がプラグ交換をする際によく使う工具である。ちょっと分かりにくくて申し訳ないが、左からプラグレンチ(写真は16mmのもの)、ユニバーサルジョイント、75mmと150mmのエクステンションバー、コンパクトラチェットハンドル、フレックスラチェットハンドル。一番右のフレックスラチェットハンドルはコーケン製で、あとはすべてKTC製である。これだけあれば、ほとんどのクルマのプラグ交換ができる。ちなみにスバルの水平対向エンジン(EZ30)はこのプラグレンチに75mmのエクステンションバー、そしてコンパクトラチェットハンドル、という組み合わせが一番しっくりくる。



上の二つの画像はプラグレンチのもので、マグネットでプラグを保持するタイプのもの。この他にクリップ式、ゴム式、そしてプラグを保持できないプラグレンチ(値段が一番安い)があるが、ゴム式と保持できないプラグレンチの使用は避けたい。その理由はゴム式のプラグレンチは使っていくうちにゴムがすぐバカになってプラグを保持できなくなるからだ。そして保持できない、もしくは保持できなくなってしまったプラグレンチではプラグホールが深いエンジンのプラグ交換はできない。また、マグネット式のプラグレンチは電子部品に誤作動を与える恐れがある、という説がある。このため、選ぶならクリップ式がいいと思う。もっとも僕自身はそのような経験は無いのだが・・・


プラグコードは必ずプラグキャップを持って取り外す。右の画像のようにコードを引っ張ってプラグキャップを外そうとすると、コード内部が断線してしまう恐れがある。


ラチェットハンドルを使うのは最初と最後だけ。つまりプラグを外す時は最初だけラチェットハンドルを使用して、あとは右の画像のように手でゆるめていく。反対にプラグを取り付ける時はまず右の画像のように手で締めこんでいき、最後にラチェットハンドルを使用して締め付ける。手で行えば作業がスピーディに進むし、ねじ山をナメてしまう心配は無い。もしどうしても心配だというのであれば、ねじ山にシリコングリースなどではなくスプレーの浸透潤滑剤(5-56など)をごく少量吹き付ける。これでプラグはスムーズにねじ山へと入っていく。(プラグの電極部には吹き付けないこと)
次回へ続く