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自動車学

クルマを楽しみ、考え、問題を提起する

五年目

2016-02-01 00:53:04 | その他

 この自動車学も今年で五年目を迎えることができました。今年もよろしくお願いいたします。

 昨年の前半は仕事量が落ち込み、不安な日々を過ごしました。しかし後半からは極端なV字回復を果たし、おかげさまで現在に至るまでまさに貧乏暇なし、という状態が続いています。今は忙しくてなかなかブログが更新できない、という状態なのですが、昨年前半はブログを更新する暇がたくさんあるにもかかわらず、なかなか記事を書く気力が湧いてこないという時期でもありました。どうやら僕は、仕事が暇になると様々な事に対して極端に気力を無くしてしまう人間のようです。

 昨年『迷走するホンダ』の記事を書き終え、新たな記事を書いている最中に「短大時代の同級生が死んだ」という連絡が入りました。死因は膵臓がん。奥さんと子供二人を残して、あまりにも早すぎる死でした。酒もたばこもやらなかった彼がなぜこんなにも早く死んでしまったのか。あれほど日々を真面目に生きていた彼がなぜ死ななければならなかったのか。ただただ残念で、悔しくて、あれこれと考えているうちにいつの間にか年が明け、今日に至っている、といった感じです。

 僕はクルマやバイクに囲まれている生活に幸せを感じます。乗っている時はもちろん、いじっている時、さらには洗車をしている時でさえも幸せを感じます。しかし人間が生活していくうえで最も幸せなことは、健康で、充実した仕事をする、ということなのだと痛切に感じました。健康と仕事があってこそのクルマやバイクです。考えてみれば当たり前のことなのですが、僕は無意識のうちに自分は健康と仕事が保障されている、というような誤った感覚を持っていたことに気付きました。いつの間にか、人生というものをなめてかかっていたようです。


 どうかみなさんが末永く健康でいられますように。充実した仕事ができますように。
 そう願わずにはいられません。


 2016年2月

 

四年目

2015-01-08 01:55:45 | その他

 おかげさまでこの『自動車学』も四年目を迎えることができました。今年もよろしくお願いいたします。

 自動車学をやっていて常に意識していることは、自分の立ち位置、です。僕の頭の中のイメージは大勢の自動車メーカーの方々と一般ユーザーの方々が向かい合っていて、僕は一般ユーザーの方々の側に立ち一歩前に出て発言している、と想像しているのです。それはみなさんの代表として一歩前に出ているのではなく、自動車メーカーの人達に意見を言うため、つまり言いたいことがあるために一歩前に出ている、といった感覚を持っています。そして意見を言うと向こう側から反論が返ってくる。その反論を聞いてみなさんのほうに振り返り、
 「ああいうふうに言っているけど、実際はこうですよ!」
 と説明する。そんなイメージでこの自動車学をやっています。改めて記事を読み返していただければわかると思いますが、今まで書いてきた記事のほとんどは自動車メーカーに対しての意見、あるいは文句になっています。

 大雑把に言えばマスコミや警察、そして政治家の方々なども僕の頭の中では『向こう側』、つまり自動車メーカー側にいます。あえて分類すると向こう側は『権力を持っている人達』、そしてこちら側は『権力を持たない人達』といったところでしょうか。自動車評論家の人達も向こう側に属していて、自動車メーカーの方々が喜びそうな事をこちら側に向けて懸命にしゃべっている、といった印象を持っています。自動車評論家がすべてそうであるとは言いませんが、向こう側で気楽に『自動車評論家』をやっている人が最近多いような気がします。生意気なことを言うようですが。

 自分の立ち位置。この意識だけはしっかりと持ち続けて今後もこの自動車学をやっていきたい、と思っています。


 余談ですが、記事の下にある広告は僕の意思ではなく自動で表示されているものです。できれば消したいのですが、このgooブログのシステムは「広告を消したければ金を払え!」というふうになっています。僕としてはお金を払うことに納得ができないので、このまま『広告あり』の状態でやっていくしかありません。広告が気になるかもしれませんが、何卒ご了承ください。

 それにしても世知辛い世の中です・・・。


 2015年1月8日

再スタート

2014-07-02 19:08:13 | その他
 ブログの『引っ越し』などという慣れない作業も無事に終わり、7月1日からこちらのgooブログにて再スタートいたしました。
 これからもよろしくお願いいたします。

 また、今までの『自動車学』が閉鎖されたため、この新・自動車学も改めて『自動車学』というタイトルにしたいと思います。
 

 

 

三年目

2014-01-02 03:09:47 | その他
 おかげさまで、この『自動車学』も三年目を迎えることができました。今年もよろしくお願いいたします。

 アべノミクス効果か、それとも消費税増税前の駆け込み需要なのかはわかりませんが、ともかく昨年一年間はとても忙しい一年だったように思います。そのせいもあって、この『自動車学』の更新ペースもいつの間にか一か月に一回のペースとなってしまいました。「更新のペースが遅いんだよ!」と思われている方もいると思いますが、この点についてはただただ謝るしかないです。ごめんなさい。
 もっといろいろなクルマを試乗して、「試乗記を書きたいなぁ」とも思っているのですが、なかなか試乗する時間もきっかけもありません。簡単に試乗したことがあるクルマはそれなりにあるのですが、残念ながら試乗記を書けるほどではない、という場合がほとんどです。この自動車学の中の『BRZ試乗記』と『レガシィDIT試乗記』をガッツリと書けた理由は、簡単にクルマを借りることができ、しかも内容の濃い試乗ができたからこそ可能となりました。お付き合いしているスバルディーラーの担当営業マンの方がとてもいい人で、僕が「あのクルマを試乗したいんですけど」と言うと、鍵だけを渡してくれて「好きに乗ってきていいですよ!」と言ってくれるのです。おまけにその担当営業マンの方は僕がこんな『自動車学』なんていうものをやっていることを知りません。このため、自分の思うように走らせることができて、しかも遠慮なく好き勝手なことが書ける。「担当営業マンの方がいい人でよかったぁ」、とつくづく思います。
 
 乗りたいと思ったクルマをササッと借り、好きなだけ試乗して、しがらみの無い自由な立場で好き勝手なことを書く。これが可能になれば最高なのですが、なかなかそううまくはいきません。レンタカーを借りるという手もありますが、これだと車種が限られてしまうし、当然お金もかかります。
 お金がかかるのもなぁ・・・。


 2014年1月2日


ビューエルを買って思ったこと

2013-04-27 04:17:39 | その他
 先日、僕はビューエルというメーカーのライト二ングXB12Sというバイクを中古で買った。ハーレーの1200ccエンジンを載せたネイキッドバイクである。

 今年でもう四十一才。今のうちにでかいバイクに乗っておかないと、もう乗れなくなるかもしれない、という気分になった。例の塾講師さん的に言えば、
 「いつ買うか?今でしょ!!」
という感じである。候補に挙げたのはBMWのR1200GSやF800GS、G650クロスモト、トライアンフのタイガー、スピードトリプル、ストリートトリプル、ドゥカティのモンスターやハイパーモタードなどであった。国産バイクは最初から全く興味が無い。
 予算は80万円くらい。この予算だと中古車でもR1200GS、F800GS、タイガー、ハイパーモタードなどは自動的に候補から外れていく。悔しいが仕方がない。G650クロスモトは短足の僕では悲しくなるほどに足が地面に付かないから、これまた候補から外れる。トライアンフの3気筒エンジンは非常に気になったのだが、結局ドゥカのモンスターにしようと決めていた。
 ただ、なんとなくモンスターでは迷いが払拭できずにいた。何かが足りないような気がする。何だろう。すっきりしないままでいた時、ふとビューエルのことを思い出した。すかさずネットで検索。そしてライト二ングXBを見た瞬間、モンスターはおろかBMWやトライアンフも完全に僕の脳の中から消去されてしまった。
 
 ビューエルはハーレーのエンジニアだったエリック・ビューエルという人が設立したメーカーである。例のリーマン・ショック以降にハーレーが経営から手を引いたために現在はもう存在しない(EBRという名前でハーレーとは無関係のメーカーとして新たに誕生した)のだが、簡単に言えばハーレーエンジンのスポーツバイクを作るメーカーだっだ。クルマで言えば、フランスのアルピーヌとよく似ている。アルピーヌは当時ルノーのレーシングドライバーだったジャン・レデレが設立したメーカーで、ルノーエンジンを使ったスポーツカーを作るメーカーだった。ジャン・レデレは自ら生み出した名車A110について、
 「このクルマのコーナーリング性能は、運転するドライバーの度胸に比例する」
という名文句を残している。まさに『コーナーリングオタク』とも言うべきクルマだったのだが、このコーナーリングオタクっぷりについてもビューエルはとてもよく似ていると思う。A110と比較するのは失礼かもしれないが、ビューエルのXBシリーズも負けず劣らずのコーナーリングオタクマシンである。
 125ccバイク並の短い全長、400cc四気筒バイク並の軽い車体、極端に立ったフロントフォークのキャスター角、前後フルアジャスタブルサスペンション(クルマ的に言えば車高調)、リム側に付いているフロントディスク、短いマフラーなど、すべてはコーナーリング性能の向上のためだ。フレームなどは高剛性を追及したために極端に太くなり、その結果太いフレームの中をガソリンタンクにしてしまう、という荒業ぶりである。(通常のガソリンタンクの位置にはエアクリーナーが収まっている)
 見事なまでの『変態バイク』だ。今思えば、自分としてはドゥカのモンスターはこの変態臭がちょっと足りなかったのだろう。だから何かが足りないと感じたのだと思う。変態バイクが好きな変態男がコテコテの変態バイクを走らせると、とんでもないことになる。それはもう『快楽』以外、何も存在しない。コーナーリングで快楽を感じるのはもちろんだが、強大なエンジントルクによる怒涛のような加速でも快楽を感じ、低速で走っている時や止まっている時などはハーレーエンジンの振動がこれまた快楽を感じる。不思議なことにハーレーエンジンの振動は全身に高性能バイブレーターを当てられているような感じで、変態男にとっては何とも言えない心地良さを感じるのである。

 現在、バイクに乗っている世代の多くは三、四十代、もしくはそれ以上の年代の人達ばかりである。バイクに乗っている若い人などほとんど見かけないし、見るとすれば暴走族のおにいちゃんくらいなものだ。この若い人がクルマやバイクに興味を示さない現象は広く世の中に認知されているのだが、団塊の世代から僕らの世代まで含めたオッサン連中のバイク乗りが多いことに関しては『お金に余裕があるからバイクに乗って遊んでいるんだろう』といったような単純な認識しかされていないような気がする。しかし、このような単純な認識は間違っている、と僕は思う。そこには現在の日本の自動車産業が抱える問題点があるような気がしてならない。その問題点、つまり世の中のオッサン連中がバイクに夢中になる理由とは、この日本に面白いクルマがほとんど存在しないからなのではないだろうか。
 今の四十代から上の世代はみなクルマやバイクが大好きな人達ばかりである。若い頃からクルマやバイクに憧れを感じ、親しみ、運転することを楽しんできた。それは多少出来が悪くとも、運転することが楽しいと感じるクルマやバイクが身近にたくさんあったからこそなのだと思う。しかし現在はどうだろうか。バイクは別として、今日本に運転することが楽しい、と感じる身近なクルマがどれだけあるだろうか。思いつくのはマツダ・ロードスターとBRZ/86。つまり、これだけだ。GTRは確かにすごいが、その価格は決して身近な存在ではない。
 そのBRZ/86も上級グレードは300万円近くだから、身近に感じるにはギリギリの価格である。これに対して、例えばスズキのGSX1300R隼は新車でも150万円ほどで買える。隼は最高速が300km/hというモンスターバイク。その日常離れしたド級の性能には大きな魅力がある。そんな隼150万円、プラス同じく150万円の軽自動車を買うのと、BRZ/86を300万円で買うのとではどちらが幸福だろうか。どちらが充実した日々を送れるだろうか。バイクの大型免許を持っているのであれば、間違いなく前者だろう。僕だって迷うことなく隼と軽自動車のほうを選ぶ。
 世の中のオッサン連中がバイクに夢中になる理由とはこういうことだ。もちろんお金に余裕があるオッサンライダーもいるだろう。しかし、すべてのオッサンがお金に余裕があるからバイクに乗っている、というわけではないのだ。そしてさらに、どれもこれも燃費と室内の広さばかりで運転の楽しさ、もっと言うなら『所有欲』というものを満たしてくれる身近なクルマがこの日本にはほとんど存在しない、という悲しい現実があるからこそバイクに乗るのである。当然、その結果としてクルマにはどんどん興味が薄れていく。実はオッサン世代にもクルマ離れが確実に進行しているのである。

 このことは、近い将来の日本国内の自動車市場を非常に危ういものにしているのではないだろうか。日本の各自動車メーカーは、このバイクに乗っているオッサン達の心境、そしてそこからくるクルマ離れについて、はたしてどれほど理解しているのだろう。
 かくいう僕も、ビューエルという変態バイクを買ってはじめてオッサンライダー達の心境に気付いた。そして変態バイクだからこそ、日本のクルマがつまらないクルマばかりであることを改めて思い知ることになったのである。



 
  
 
 これでどノーマル!