前回、プラグ交換の説明をする際に使用したクルマは僕のユーノス・ロードスターである。ユーノス・ロードスターは直列四気筒エンジンだから、プラグ交換が非常にやりやすい。なにしろボンネットを開ければそこにプラグコードがあるのだ。邪魔するものは何も無い。しかしこれがV6やV8エンジンなどはサージタンクやインテークマニホールド(インマニ)などが邪魔をしてプラグ交換が容易にできないものがある。こういったエンジンのプラグ交換は注意が必要だ。
前回に紹介したユニバーサルジョイントやエクステンションバーなどの工具を駆使してうまくプラグにアクセスできればいいのだが、それでもなかなかうまくいかないエンジンもあったりする。こういった場合は潔くサージタンクやインマニを取り外してから作業することが望ましい。無理矢理プラグにアクセスして交換しようとすれば、それこそプラグホールのねじ山を壊してしまう可能性がある。壊したら、大出費は覚悟しなければならないだろう。そして、もしサージタンクやインマニを自分で取り外すことが怖い、あるいは自信が無いと感じたら、その時は自分でプラグ交換をすることを諦めたほうが賢明だ。潔く撤退することは恥ずべきことではなく、賢い選択だと思う。
サージタンクやインマニを取り外す場合は、面倒でも必ず新品のガスケットをあらかじめ用意すること。ガスケットの再使用は二次エアの吸入、つまり本来は密閉されているはずのところから空気を吸入してしまう、といったトラブルが発生する可能性があるからだ。また、新品のガスケットを装着した場合でも念のために二次エア吸入の有無を確認したほうがいい。方法は簡単で、ガスケットを組んだ所に泡状のキャブレタークリーナーを吹き付けるだけだ。もし二次エア吸入を起こしていれば泡状のクリーナーが内部へと吸い込まれていくからすぐにわかる。(パーツクリーナーや5-56などを使用する人がいるが、液体を使用してのアイドリング変化では判断しにくい。さらにエンジンが暖まっている状態であれば吹き付けても気化する割合が高いため、さらに判断しにくくなる)
ダイレクトイグニッションのプラグ交換にも注意が必要である。ダイレクトイグニッションとはプラグの真上にイグニッションコイルが取り付けられているもので、プラグコードは存在しない。下の写真はレガシィEZ30エンジンのヘッドカバーの一部である。分かりにくくて申し訳ないが、ヘッドカバーに付いている黒くて四角い小さな箱のようなものがイグニッションコイルで、これがヘッドカバーにプラグの本数分取り付けられている。つまり四気筒なら四個、六気筒ならば六個、というわけだ。イグニッションコイルとプラグキャップはセットになっていて、コイルを取り外せばプラグキャップも一緒についてくる。

イグニッションコイルへの配線の接続にはカプラーが用いられているのだが、注意が必要なのはこのカプラーなのである。プラスチック製のために熱で劣化(硬化)し、取り外す時にカプラーの爪が折れやすいものがあるのだ。幸いこのEZ30エンジンのカプラーは難なく取り外すことができたのだが、実はクルマの仕事をしていた時にトヨタ1G-GZEエンジンのカプラーの爪を不覚にも折ってしまった経験がある。その時は幸い代替のカプラーが手元にあったために事なきを得たのだが、いずれにしても特に古いクルマのカプラーの取り外しには注意してもらいたい。あくまでも慎重に、そしてやさしく扱うようにしてほしい。
ちなみにスバルの水平対向エンジンは、車両をジャッキアップしてプラグ交換をすると腰の負担が軽減する。経験者であればおわかりいただけると思うが、スバルの水平対向エンジンのプラグ交換はしんどい中腰体勢を長時間強いられるのである。僕などは普段から腰痛が出やすいため、プラグ交換後はひどい腰痛に二日間ほど悩まされてしまった。頭にきたからスバルのサービスマンに後日八つ当たりをしたところ、「ジャッキアップしてやればだいぶ楽ですよ。僕達はみなそうしてます」と笑顔で教えてくれた。おっさんに理不尽な八つ当たりをされても笑顔を絶やさない、実に立派なサービスマンだった。
前回に紹介したユニバーサルジョイントやエクステンションバーなどの工具を駆使してうまくプラグにアクセスできればいいのだが、それでもなかなかうまくいかないエンジンもあったりする。こういった場合は潔くサージタンクやインマニを取り外してから作業することが望ましい。無理矢理プラグにアクセスして交換しようとすれば、それこそプラグホールのねじ山を壊してしまう可能性がある。壊したら、大出費は覚悟しなければならないだろう。そして、もしサージタンクやインマニを自分で取り外すことが怖い、あるいは自信が無いと感じたら、その時は自分でプラグ交換をすることを諦めたほうが賢明だ。潔く撤退することは恥ずべきことではなく、賢い選択だと思う。
サージタンクやインマニを取り外す場合は、面倒でも必ず新品のガスケットをあらかじめ用意すること。ガスケットの再使用は二次エアの吸入、つまり本来は密閉されているはずのところから空気を吸入してしまう、といったトラブルが発生する可能性があるからだ。また、新品のガスケットを装着した場合でも念のために二次エア吸入の有無を確認したほうがいい。方法は簡単で、ガスケットを組んだ所に泡状のキャブレタークリーナーを吹き付けるだけだ。もし二次エア吸入を起こしていれば泡状のクリーナーが内部へと吸い込まれていくからすぐにわかる。(パーツクリーナーや5-56などを使用する人がいるが、液体を使用してのアイドリング変化では判断しにくい。さらにエンジンが暖まっている状態であれば吹き付けても気化する割合が高いため、さらに判断しにくくなる)
ダイレクトイグニッションのプラグ交換にも注意が必要である。ダイレクトイグニッションとはプラグの真上にイグニッションコイルが取り付けられているもので、プラグコードは存在しない。下の写真はレガシィEZ30エンジンのヘッドカバーの一部である。分かりにくくて申し訳ないが、ヘッドカバーに付いている黒くて四角い小さな箱のようなものがイグニッションコイルで、これがヘッドカバーにプラグの本数分取り付けられている。つまり四気筒なら四個、六気筒ならば六個、というわけだ。イグニッションコイルとプラグキャップはセットになっていて、コイルを取り外せばプラグキャップも一緒についてくる。

イグニッションコイルへの配線の接続にはカプラーが用いられているのだが、注意が必要なのはこのカプラーなのである。プラスチック製のために熱で劣化(硬化)し、取り外す時にカプラーの爪が折れやすいものがあるのだ。幸いこのEZ30エンジンのカプラーは難なく取り外すことができたのだが、実はクルマの仕事をしていた時にトヨタ1G-GZEエンジンのカプラーの爪を不覚にも折ってしまった経験がある。その時は幸い代替のカプラーが手元にあったために事なきを得たのだが、いずれにしても特に古いクルマのカプラーの取り外しには注意してもらいたい。あくまでも慎重に、そしてやさしく扱うようにしてほしい。
ちなみにスバルの水平対向エンジンは、車両をジャッキアップしてプラグ交換をすると腰の負担が軽減する。経験者であればおわかりいただけると思うが、スバルの水平対向エンジンのプラグ交換はしんどい中腰体勢を長時間強いられるのである。僕などは普段から腰痛が出やすいため、プラグ交換後はひどい腰痛に二日間ほど悩まされてしまった。頭にきたからスバルのサービスマンに後日八つ当たりをしたところ、「ジャッキアップしてやればだいぶ楽ですよ。僕達はみなそうしてます」と笑顔で教えてくれた。おっさんに理不尽な八つ当たりをされても笑顔を絶やさない、実に立派なサービスマンだった。