~南知多キャリア・ビレッジ通信~

愛知県知多半島の南端、南知多町。若者の就労支援と南知多の活性化をコラボしていきます。合宿型若者自立プログラムやってます!

支えているつもり

2007-10-29 15:12:28 | 若者自立塾
今日、塾を寮として滞在しながら仕事に行っていた27歳の男性が
退寮しました。
職場近くのアパートへと引越しです。
手打ちそばの職人として働き始めて2ヶ月、給料も見習い給から
基本給に移行することも決まり、住宅手当がさらに35,000円
いただけるそうで、喜んでいました。
卒塾や卒寮の際に、どうしても私は寂しい気持ちがこみ上げてきます。
今回もそうでした。いわゆる「情」が移るというものです。
これは、カウンセリングでは本来良くないとされています。
しかし、3ヶ月あるいはそれ以上の期間、寝食をともにした相手に
それを禁じることはなかなか難しいことです。
支えている立場の私が、彼らと離れることが寂しいと感じることは
依存なのでしょう。しかし、この気持ちに気づいたことは
自分にとってプラスだと思っています。

自分の子どもに自立を望みつつ、そばにいないと不安でいろいろと
子どもにアプローチをする親の気持ちはこれによく似ていると
実感しました。自立を阻害する子離れできない親の気持ち、
よく「共依存」という言い方をします。
もしこのブログをお読みの、わが子の自立に悩んでいる親御さんで
思い当たる節がおありでしたら、一度、自分が変わることが
子どもの自立に近づくのではという視点で、振り返ってみては
いかがでしょうか。


OB会だよ!

2007-10-26 23:47:42 | 若者自立塾
明日、10月27日はキャリア・ビレッジ卒塾生のOB会です。
結構、仕事の都合で欠席という連絡も多く、嬉しくもあり、
会えなくて残念でもあり、複雑な心境です。

今日までに連絡入れてくれなかったけど急遽参加!というOBは、
自分の食い扶持と飲み物を持参してきてください!
準備した分だけでは足りなくなってしまうので、宜しくお願いします。

ちなみに、食事会メインは「手巻き寿司」に決定!
今日、師崎まで行って、天然のハマチまるっと1匹に
シャコにサザエにタコを仕入れてきましたよ!!!
他の具はスーパーで購入しますが、漁港が近いというのは
おいしい魚が値打ちに手に入って、非常に嬉しいですね。

他には、鶏唐揚げやエビチリあたりを用意しますよー!
9期生総動員で準備して待っていますので、お楽しみに!






不完全な自分が完全な他人を求める

2007-10-07 18:09:44 | 若者自立塾
人間関係が上手くいかないという理由で仕事を辞めてしまう若者がいます。
それが、自分自身のスキル不足であることを認識しつつ、
どうしても仕事に集中できない環境にまで陥ってしまうような関係
になることもあります。
塾生の中には、やはり、この対人関係能力の不足に大きな悩みを
抱えている人も多く、接し方に関し、いろいろ考えさせられます。

例えば、不遜な態度や身勝手な態度をとる人を極度に嫌い、
私を不快にさせる存在は許せないという傾向に走る人。
そんな人は世の中からいなくなればいいんだと、非常に攻撃的な
発言も見られます。
そうかといって、その相手に対して、なんとか働きかけをしようとも
しません。
怖いのか、自分が悪いわけではないのにそこで対決したくないのか、
人によるところもありますが、非常にストレスをためつつも
その解消には、相手がいなくなることを望むか、自分が身を引くかしか
頭に浮かばないようです。
そういう人の傾向として、自ら友人を作ることも苦手です。

元々存在する集団に自分があとから所属することを望む時、
当然、自分には合わないと感じる集団も存在するでしょうし、
いくら上司、先輩といえど、人間的に非のある人もいることでしょう。
部下に接する時に気分によって言い方が異なる人や、
上司、先輩であるという立場を維持するために、非を非と認めない人など、
現実の職場には、当たり前のように存在するものです。
あとから入っていく者は、不安を抱えているでしょうし、
その集団の文化が理解でき、それに基づく行動が出来るようになるには
時間がかかることもあります。
しかし、対人関係能力が高い人は、すぐに職場に適応します。
「嫌な上司、先輩、同僚」という存在にも上手に対応しています。
ということは、適応、対応が上手く出来ないという問題は、
他者に一方的に問題があるものではなく、多くの場合、自分自身にも
その原因や課題があると言えます。

不完全な自分が、他者に対し完全を求め、自分が気持ちよく過ごせる
環境を整えてくれることを望み、それが叶わない場合、逃げる。

さて、そのような人に対して、
「君も大変だね、分かるよ、なんだあの上司の態度、
 仕事は出来るかも知れないが、人間としては最低だな。」と
言ってくれる人の存在を望みますか。
そうですね、そう言ってもらえると、癒されますね。
救われますね。その瞬間は。

ですが、根本的には、問題は解決していかないでしょう。

実際、この問題で卒塾生から(正確にはご両親から)相談を受け、
会ってきました。私は彼に伝えたことは、
「勝手なんじゃない。自分の不完全さを棚に上げて、
 他人には完全を求めている。確かに、その上司の態度は、
 話を聞く限りでは、褒められたものではないが、君が
 仕事の中でストレスを感じるように、上司も同じく仕事
 でストレスを感じることもある。むしろ、上司である以上、
 君以上に負うべき責任が大きいわけだから、もしかしたら
 君だったら耐えられずに放棄してしまうかも知れない。
 そんな状況の中、同じ職業人として『同じなんだな』と
 思えば、少々のことは流せるのではないか。
 君がそこで不自然な対処をすれば、余計イライラすることも
 あるかも知れない。お互い不完全な中、立場の違いが
 存在し、そこを理解し対応することが出来るようになれば、
 君自身が職業人としても成長し、いずれ君自身が上司に
 なる時が来るだろう。その時、今回自分が受けたストレスを
 部下には向けないようにと心がけられれば、さらに成長する。
 今ここで、目の前のことから逃げることは、今後に何か
 つながることとは思えない。そのことは理解してほしい。
 それでも、今の自分自身のレベルではそこまで対応できる
 心の余裕がないというのであれば、好きにすればいい。
 しかし、自分が対応できなかったという事実を受け入れなければ
 この先も同じ。自分で不幸を選択する流れに流されていると
 いう認識が必要だ。」
間を取り、反応を待ちました。小さな頷きが確認できたため、
彼の家をあとにしました。

目の前の困難は、必要だから用意されたものであると思います。
彼がその事に気づき、今、上手く出来なくてもいい、
立ち向かう気持ちになってくれることを願っています。

翻って、これを書いている私にもその強さはあるのかと言われますと、
100%の自信はありません。しかし、いくつかの職場を経験した中で、
やはり昔とは違う対応が少しは出来るようになってきたと感じております。
自分自身が「これで良し」と思った瞬間に、自分の成長も止まると、
よく理事長に言われます。人間、死ぬまで勉強ですね。