~南知多キャリア・ビレッジ通信~

愛知県知多半島の南端、南知多町。若者の就労支援と南知多の活性化をコラボしていきます。合宿型若者自立プログラムやってます!

誰とするか

2007-05-26 23:06:06 | 若者自立塾
昨日のことです。
3期生OBのS君が、久しぶりに塾に訪ねてきてくれました。
彼は、塾に来る前は名古屋の飲食店の店長を務め、
最盛期にはお店の前に300mの行列が出来る繁盛店にまで
させたほどの実力のある男です。
入塾の経緯等はここでは省略しますが、兄貴肌で、
人とのつながりをとても重んじる、さっぱりした性格の好青年。
そんな彼の力を借り、7期生K君の就労を決めることが出来ました。

K君は、まだ20歳。自分の夢を持っているのですが、
その内容はなかなか普通では叶いにくいもので、
かといって、まだ若いのであまり現実直視型の
就労支援は、「夢なんて叶うものじゃない、あきらめろ」と
言っているに等しいと思い、「夢への挑戦の資金は
自分で何とかするくらいの気概がなければ到底果たせるものではない」
というスタンスで接してきました。
ただ、第一印象は「声の小さい、元気のない、少しひねくれた若者」という
マイナス要素が目につき、過去アルバイト面接でも突破できずに
2年近く未就労の状態が続いていました。
何でもいいからやれそうな仕事だったら四の五の言わずにやるという
覚悟が持てない面もあり、このまま卒塾した場合に、
入塾前の状況に戻ってしまうのでは、という懸念も含め、
塾主導で就労に結びつける流れをとることにしたのです。
S君は、現在大手コンビニの物流の現場で、アルバイトリーダーとして
活躍しています。彼にK君をお願いすることで、リバウンド防止の
効果も期待できると思い、2人を引き合わせたのです。

ひとしきりS君から話を聞いて、結論としては、卒塾後すぐに
S君の職場でアルバイトすることを提案したところ、決まりました。
S君に会ったからこその結果であると思います。
S君ありがとう!

このつながりを見て感じたこと。
例え、つまらないと感じる仕事でも、その職場の雰囲気で、
がんばってやってみようとなる、言い換えれば、
「何をするか、で迷ったら、誰とやるか」ということでしょう。

徐々に就労先が決まり始めた7期生。
さて、次は誰かなー。













13年の無業状態に終止符

2007-05-21 23:36:00 | 若者自立塾
7期生の早い時期での入塾者2名が本日、卒塾を迎えました。
2人ともこの塾での経験が次へとつながるものでした。

塾で33歳の誕生日を迎えたA君は、高校卒業後、製版会社で2年2ヶ月、
正社員として勤務していたのですが、連日の深夜残業の末、
体調を崩し退職。その後面接に数ヶ所赴いたものの、元来、
おとなしい性格のため、なかなか面接を突破できず、
自信を失い活動を停止させてしまっていたのですが、
2月のある日、塾の説明会にご両親とともにやってきたのです。
そこで、意を決し、入塾となりました。

農場での労働体験に出かけ、初日の感想が「すがすがしい気分です。」
という言葉だったのを今でも鮮明に覚えています。

こつこつとがんばるタイプの彼は、この労働体験により、
働く自信を徐々に取り戻し、ついに、「自宅を離れ、一人暮らしを
しながら働きたい。」という欲を持つまでに至りました。

しかしながら、彼の経歴と穏やか過ぎる性格は、正社員採用という流れに
こだわってしまうと、その欲を達成するには大きな壁でした。

そんな中、足しげく塾に顔を出して下さる派遣会社の方に、
仕事の紹介を受け、夜勤のある仕事ですが、考えた末に
その仕事でがんばることにしたのです。

本日、最終的な就労開始日や、勤務先近くのアパートの決定など、
全てが整い、来週の月曜日からいよいよ働くことが決定しました。
悶々と過ごした13年間に、終止符が打たれた瞬間でした。

13年という期間、どんな思いで毎日を過ごしてきたのか、
それは、経験者でなければ分からない、静かな格闘だったのでは、、、。

彼の中には今、今までの状態から抜け出せるという安堵感と、
新たなる挑戦への不安とが入り混じった状態があります。

これで安心、という風には私も考えておりません。
彼への最後の言葉は、「抱え込むなよ。悩んだらいつでも
顔見せにおいで。」としました。
塾での3ヶ月が、彼の精神的支えとなることを祈っています。