子宮頸がん治療のはなし+副鼻腔がんも少々

2004年の年末に手術しました。
不具合はありますが元気でやっていますよ!
不安な人は気軽にコメントをどうぞ!

なぜ子宮頚がんになるのか ⑤ヒトパピローマウイルスが見つかるがんの話

2013年01月21日 21時53分25秒 | 健康・病気

いかんっ、ちょっと間が開いてしまった。

 

では、ラストです。

 

主治医にいろいろと最新情報をヒアリングしていた時に、ヒトパピローマウイルスが発見されるがんは、子宮頚がんだけではないことを知りました。

 

口腔内のがんや、のどのあたりにできるがん、鼻、男性の陰茎部や肛門、直腸にできるがん細胞の中に、ヒトパピローマウイルスが発見されることがあります。

 
 

どれぐらいの割合で発見されるのかは、研究者の発表によってばらつきがありますが、

 
 
 
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こちらの58~63ページにまとめてあります。

 

簡単に要約すると、肛門がん、陰茎がん、中咽頭がんはヒトパピローマウイルスが関与している可能性が高いということが分かってきています。

 

 

なので、子宮頚がんの予防ワクチンという名前はどうなんでしょうね。

 

海外ではヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンという名前だそうです。

 

日本だけ、わざわざ子宮頚がんと限定した名前になっているのは、非常におかしい話です。意図が分からない。

 

今は16型、18型のみの抗体を入れる二価ワクチン(良性のイボを防ぐ四価もあるが)が主流で、女の子のみの摂取ですが、今後、9価や15価ワクチンが開発されていけば、男女ともに摂取するワクチンになるのでしょう。

 
 

ただし、婦人科のがんは子宮頚がんだけではありません。

 

はっきり言って、子宮頚がんはほんの一部です。

また、子宮頚がんの検診が有効ながんであることは証明されていますが、検診をしていても尚、発見されにくいタイプのものもあります。

婦人科は、内科と違って、ちょっと調子が悪くても気軽に行きにくい病院ではあります。

 

でも、何か不調を感じた時にはすぐに相談することが一番大事だと思います。生理不順や不正出血や鮮血は、何歳であろうと迷わず相談しに行ってください。

もちろんがんの早期発見ということもありますけど、病気はがんだけじゃありません。

 

また、子宮頚がんは検診で早期発見が可能ながんです。

卵巣がんや子宮体がんは、子宮頚がんの検査ではもちろんわかりません。

でも、不調があったらすぐに病院に行くことで、少しでも早く発見できる可能性が高い。

 
 
 

 *****************************

がんにならないことは難しいと思います。

 

人生の中のどこかの時点でがんになる可能性は50%と言われています。

がんになる50%の人には家族がいる可能性が高く、ほとんどの人ががんと関わることになります。

10年、20年前の治療の常識は、現在の非常識です。
昔の事は忘れちゃってください。

既に私が治療していた8年前の治療方法とは、使う薬が変わってきていたり、治療の幅が広がっています。

抗がん剤の副作用の吐き気を抑えるいい薬もできました。

治療内容は日々進化しています。

 

一番新しく、より確実であるがん治療のコトは、無料でも公開されています。

例えば

http://minds.jcqhc.or.jp/n/top.php
医療情報サービスMinds
こちらには、いろんな病気の診療ガイドラインがあります。
ガイドラインとは、現段階で一番リスクが少なく効果が高いとされる治療方法のことです。

つまり、専門医であれば知ってて当然(のはず)。

この方法を患者が知ることで、医師との話し合いもしやすくなると思います。

ただし、すべての病気のガイドラインがあるわけじゃありません。
治療方法が確立されていないものに関しては、ガイドラインがないんです。

そういう病気に関しては、病院間、医師間で治療方法が大きく変わることがあるかもしれません。 

 

もうひとつ。

 
 
 

http://www.tri-kobe.org/nccn/index.html
NCCNガイドライン

こちらは、アメリカのがんセンターが集まって作ったガイドラインの日本語版です。

もちろん、まだ翻訳されていないものもあります。

 
 
 

ガイドラインがあるものに関しては、病院間で大きく治療の差が出ないはずです。

しかしガイドラインがある病気なのに、ガイドラインにない治療をする病院も多々あります。

ガイドラインにない治療というのは、リスクがあるということを知った上で検討すべきです。
「体の負担がない」「新しい」という心地のいい言葉に惑わされないでほしい。

全く効かない/副作用が大きい/健康保険が効かない等々のリスクが、少なからずあることを分かった上で、治療というより挑戦するならいいカモ。

 

別にガイドライン教の信者ではないですがw

 
 

 

あ、免疫療法とか温熱療法とか・・・・フコなんとかとか、アレは治療ではありませんので、気をつけてくださいね。

 

がんビジネスです。


 
 

以上、真面目な話特集でした。


なぜ子宮頚がんになるのか ④検診の話

2013年01月15日 22時44分02秒 | 健康・病気
 

この病気のことをちゃんと勉強すると、一番効率よく、確実に見つけることができるのは検診だということが分かります。

私は検診に一度も行ったことがなかったからね。

だからすごく発見が遅れちゃったし。

 

もちろん、現在ワクチンを打った子供も、彼氏ができたら何歳であっても検診行くべきです。

 

さて、その検診ですが、通常、市の検診とかクリニックでの検診をするときは、大きな綿棒のようなもので細胞をこすりとって検査します。

 
 
 
 

2012052815560001

 

↑これね。

先生に見せてもらったのねん。

 
 

ただし、綿棒タイプの検査キッドには問題点があって、腺がんのように粘膜の奥の方にできるタイプのがん細胞は採取しにくいという事があります。

(患者のメリットは、検査時に違和感を感じにくい)

 
 
  
 

大学病院をはじめとしたがん拠点病院は、綿棒タイプのものも使いますが、下記のようなブラシタイプを使った細胞検査をしている(はず)です。

 
 
 

2012052815560000

↑これ。

実物はもっと小さいですけどね。

歯ブラシなんかよりもっと柔らかいブラシです。

 
 

この検査のメリットは、もしがん細胞があれば正しい方法で採取すれば、100%見つかる、と先生は言ってました。

(患者のデメリットは綿棒タイプよりは検査時に違和感を感じること)

 
 

 
  

何が言いたいかというとね。

通常の場合は綿棒タイプの検診でもいいと思います。

 

でも、「何か変だという症状があって、検査に行ったのに何も出なかった」とか、「異形成細胞が見つかった」とか、「100%安心したい」という場合は、「ブラシタイプのキッドを使ってほしい」と伝えた方がいいと思います。

 

(どちらのタイプの検査でも、検査料金は一緒です)


 
 

病院によっては用意していないところもあるらしいので、事前に聞いてもいいかもです。


 

最近は、自分で採取するキッドもあるそうですが、これは問題外らしい。

 

絶対にうまく採取できないので、同じお金を払うなら、ちゃんとした検査をすることをお勧めしますとのこと。 

 

↑これも先生が言ってました。

 
 
 

ウィルス感染してからがんになるまで、何年も何年もかかります。

通常5年~10年ぐらいはかかってがんへと成長するらしいです。

そして、子宮頚がんだけが婦人科のがんではありません。

子宮体がん、卵巣がん、子宮肉腫(←筋腫と区別が付きにくいがんです)、等々・・・

 

どれも防ぐことはできない病気です。

がんになる人とならない人の差はありません。

超健康オタクの人で自分と家族の健康に気を使っていた人もがんになりました。

性格が明るい人も、暗い人も、食べ物に好き嫌いが多い人も、少ない人も誰でもなりうる病気だと思います。


 

何かおかしいと思ったら、早めに婦人科を受診することがとても大事だと思います。


 

(次回はヒトパピローマウイルスが見つかるがんの話)

 

なぜ子宮頚がんになるのか ③対策はあるの?

2013年01月13日 15時27分00秒 | 健康・病気

では、煙草にさらされることがなければ、子宮頚がんとは無縁なのか? というとそうではありません。

煙草と子宮頚がんは因果関係がある(確率が高くなる)ということが確実だということが分かった、ということだけです。

吸っててもならない人はならない。

では、ウイルスに感染しなければいいのか?という答えが出てくるんだけれども。

 
 

まぁそうなんですがね。
しかしコレは不可能と言っていいと思います。

なぜなら、ウイルスというのはとてもとても小さい。

小さいって言っていいのかなというぐらい小さい。

「菌」はね、ウイルスと比べると何十倍も大きなものなんだそうです。

だから「除菌」「殺菌」「滅菌」という言葉があるように、殺す手立てがあるのです。(抗生物質)

しかし、ウイルスは体から排出されるのを待つしかないことが多い。

インフルエンザとかノロと一緒です。

一生のうちで、一度も風邪をひかない人がいないのと同様に考えてほしいと思います。

 

しかもね。
「粘膜」に住みたいウイルスだからね。

なにも子宮頸部だけに感染するわけじゃないのよ。

 

この話はまた後日詳しく。


 
 

実際に子宮頸部の細胞診でのHPV陽性を示すのは、20代で40%弱と一番多く、全体では20~30%の割合で発見されるようです。


 
 

●現在のワクチン

 

がん細胞から一番発見される確率が高いのが16型・18型のタイプで、現在の2価ワクチンはこの二つの型のみの抗体を摂取するものなので、ワクチンを接種してもがんにならないわけではありません。(ハイリスクと言われる型は15種類ぐらいあるしね)

ワクチンによって、研究者によって多少ばらついてますが、少なく見積もっても60%ぐらいはがん化するのを防げると考えていいんだと思います。

 

ワクチンを打てば子宮頚がんにならないと思っている人がまだいますが、これは大間違い。

 

医師の中には、主婦とか子持ちのお母さんや、あろうことか子宮頚がん患者にもワクチンを勧める人がいますが(←儲かるから)、はっきり言ってお金の無駄だと私は思います。

ワクチン代5万円あれば、市町村の無料枠をうまく使って検診したら、20年分ぐらい検診できるもんね。

 

次回、検診の話・・・に続く・・

 

なぜ子宮頚がんになるのか ②がんなるのも難しい

2013年01月12日 11時45分30秒 | 健康・病気

さて。前出のとおり、通常の新陳代謝が行われていれば、自然に体に抗体もでき、健康が保たれるわけですが、ではなぜがんになってしまうのか。

 

150種類ある中の、16型・18型・31型・33型・35型・52型・58型の7つのタイプは、一度がんになりかけると、がんへ進行しやすいことが分かっています。(国内の大規模調査より)

 

とはいえ、感染したら100%がんへ移行するわけではなく、感染した人の1000人に1~2人ががんになるという割合!(WHOデータより)

 
 

個人的な感想ですが、そんなに低い確率なの??と思いましたわよ。

 

じゃあ、わたしって・・・1000人に1人の選ばれた人間ってこと?

 

 

つまりつまり、1000人の美女の中から、いい男に私が選ばれたみたいな感じ??(妄想)

 
 
 

話がそれました…コホン

 

では、ウイルスに感染しても1000人に入るか1人に入るかというその条件ってなに?というところが気になります。

 

以前より、ウイルス以外のリスクについて研究がされているようで、以下の条件と子宮頚がんのリスクの研究がありますが…。

・喫煙
・多産
・長期ピル内服(5年以上)
・性交開始年齢
・性交のパートナーの数
・クラミジア感染
・ヘルペス感染
・遺伝子の型

等々

  

これらの報告の多くが「こんな人がいました」という報告(ケーススタディ)や、統計処理に問題があるため、研究者の自己満足になっているものが多いらしい。

したがって、上記の項目の1つを除き、今の時点では関連性はないと言っていいと思います。

 
 

1つをのぞき…。

そうなんです。

、この中で唯一、いろんな研究者の報告を並べてもバラツキが少なく、統計的にも断定してもいいだろうというものがありました。

 

それは「喫煙」です。

「喫煙」よ、「喫煙」!


 

無知で無神経なヤツがよく言うような、「パートナーの数と子宮頚がんの関係」は証明されたことがないといっていいんです。

 
 

さて。

様々な研究をひも解くと、子宮頚がんの中で7割方をしめる「扁平上皮がん」と喫煙は関連があると言っていいようですが、では、なぜ喫煙ががんとの関連が強いのか。

喫煙は、ヒトパピローマウィルス(HPV)を排出しようとするのを、妨げているらしいということが分かってきています。

さらには、幼少期に副流煙にさらされた若い女性は、前がん状態になってしまったあとも、消えにくいというデータもあるとのこと。

 
 
 

あ゛ー・・・・

ワシ、めっちゃ吸ってたわー。

親父もめっちゃ吸ってたわー。



  

しかし、腺がんについては、喫煙との関連は見られなかったようです。

主治医いわく、腺がんは女性ホルモンが関係しているんじゃないかという見方が強いようです。

(つづく・・・)


なぜ子宮頚がんになるのか ①ヒトパピローマウィルスを知る

2013年01月10日 19時00分17秒 | 健康・病気

過去の記事をずらーっと見ましたら、なんと!飲んだ話しか書いてないじゃないか。

 

確か確か、ここは子宮頚がんのブログだったわよね?

 

そんなことを突然思い出しましたので、たまにはちゃんとしたことを書こうと思いまして、この話題をピックアップしました。

 

なぜこの話題を書きたかったかというと、中途半端にヒトパピローマウィルス(HPV)スについての知識が広まった結果、とんでもない思い違いをしている人が多いことと、心ない言葉を言われて傷ついている人が多いというデメリットが。。。

マスコミの医療の話の取り上げ方は無責任すぎます。

ちゃんと知れば、誰も(自分もね)責めなくていいことがよくわかるんですよ。

 

以下は私が考えたことではなく、

 
 
 
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この雑誌に報告されていることと、主治医への取材をもとにして、まとめていこうと思います。

ご興味のある方は読んでみてもいいかもです。

(↑この雑誌は「かかってこいっ!」という気分で読んでね。専門言葉がいっぱいです)



 

*************************

 

● ヒトパピローマウィルス(HPV)って、ナニモノ?

ヒトパピローマウィルス(HPV)が子宮頚がんの原因になっている、ということは事実です。

ではまず、ヒトパピローマウィルス(HPV)はどこにいるのか。

 

粘膜に住んでおります。
My主治医いわく、口の中からのどのあたりや、肛門周辺とか、陰部あたり、、鼻の中とか。男性は尿道の奥とか。
そういうところによくいるウィルスです。

現在150種類以上もの種類が確認されているそうです。

 
 
 

ここまでいくと、常在菌みたいなもんですね。

 
  
 

150種類のうち、大半は何も悪さをしないのかいいことをしているのか、そこらへんは分かりません。

ただ、150種類のうち、たった10種類ぐらいのヒトパピローマウィルス(HPV)に感染すると、イボ(良性)を作ったり、がん化しやすいリスクのあるものであることが分かってきています。

 
 
 

● 「感染」とは、どういう状態?

粘膜に「いる」のは、感染とは違います。
感染とは、ウィルスが細胞の中に入り込んだ状態をさします。

では、どうしたら細胞の中に入っちゃうのかというと、細胞が傷ついた時に入りこんじゃうらしい。

細胞が傷つくとはどういうことかというと、怪我をしたり、炎症を起こしたりすると細胞が傷つくんです。

 

性交渉で感染すると言われているのは、粘膜が傷つきやすいからであり、コンドームをつければいいというものでもない。性交渉の前にお風呂にいればいいとか、そういう問題でもないです。

また、性交渉で何か病原体が持ち込まれるとか、病気をうつすということではありません。

 

また、一度も性交渉をもったことがない子供が子宮頚がんを発症したケースも報告されており、すべて解明されたわけではありません。

 
 

ただ、ここで大きなポイントは、感染しても人間の体には「新陳代謝」という機能があるということなのです。

古い細胞はどんどん弾けてなくなって、新しい細胞がどんどん作られます。

ちなみに、胃の内壁は1日で新しい細胞に入れ換わるし、毎朝トイレで拝む「お便ちゃん」の90%ぐらいは食道から大腸の死んだ細胞らしいです。

 

というぐらい、頑張って新陳代謝してるんです。

 

すごいね!体って!と思ったよ~。

 
 

で、問題の子宮頸部にウィルス感染した細胞がどうなるか。

 

感染した細胞の感染が広がる力より新陳代謝の方が断然早いので、細胞がウィルスで形が変形してきても、ほとんどの人は2年ぐらい経つと感染した細胞はなくなってしまうというのです。

 

しかも、一度感染すると、抗体ができちゃう!

そうすると、抗体がある間は同じウィルスが入ってきても、体が対処法を知っているから、もっとうまく対処できる。

 
 

通常はこんなことが体の中で起こっているわけです。

 
 
 
 

(つづく)