Horse Racing Information in NZ

ニュージーランド競馬に関する話題

ジョッキーマネジメント

2009-11-29 | NZ競馬
 将来やってみたいことの一つに、ジョッキーのマネジメントがある。

 例えば、こちらのジョッキーは多国籍である上に性別も問わないとあって、いろんなジョッキーがいます。おまけに、当局がワーキングビザを発給する上で

 不足している職業リスト

にこのジョッキーも入っているので、この国では技術さえ持っていればジョッキーになることができます。日本からは、名古屋の山本茜騎手が来ていましたよね。でも、言葉の壁が克服できなくて、だいぶ苦労したみたいです。

 日本でクスぶっているジョッキーは大勢いるとは思うのですが、オセアニアというか、コース形態のよく似たこの国にどんどん修行に来たらいいんです。賞金の5%がジョッキーの手取りで、騎乗手当が7000円くらい支払われます。日本の地方のジョッキー同様、どんどん乗らなきゃ生活は厳しいかも知れませんけどね。

 乗り方は深い砂とは全然違って、前に突っ込むアメリカや、後ろに体重を乗せてトモにムチを入れる欧州とも違う。さかんに屈伸する南関でもないし、そこはやっぱり馬場に適したオセアニア風。それほどばらけた展開にもならないし、馬なりで行かせて、あとは直線でどういうコースに持っていくかの勝負になるといったところです。

 言葉に不自由するかも知れませんので、日本のジョッキーでもしこちらで修行したいという人がいたら、ぜひ通訳も兼ねたマネジメントというのをやってみたい。でも、そうなったらお前はどうやって食っていくんだって話になりますが、こちらはあくまでもボランティア的なものになってしまうのかも知れません。

 逆に、NZのジョッキーが日本に行く時もそう。短期免許で行くジョッキーはヨーロッパの大物しかおりませんが、こちらがシーズンオフの期間中に、ぜひ日本で乗ってもらいたい。いずれにせよ、10年先にはもっとオープンな時代が来ているはずですよね。

 人と物が活発に動けば情報と金は自然に付いてくるので、当局側の政策としても、盛んな人材交流をぜひとも優先させて欲しいところなんです。NZはその点、アジア人に対する差別というか、障壁が本当に少ない国なので、日本ともっと交流を活発化させて然るべきであると思います。

 こちらにおける香港人はかなり地位のある存在です。なぜなら、NZの馬社会にとって、香港人が最大の顧客だからです。それに、アジア人に対する差別意識が全くないというのも、香港人が一目おかれている理由の一つにもなるでしょう。

 
 といっても、私個人としては、何にしたって、こちらの厩舎関係者と関係を築いて行かなくちゃなりません。言葉に不自由しているようでは、話になりませんが。

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悲しいジャパンカップ

2009-11-28 | NZ競馬
 日本はウオッカとコンデュイットの一騎打ち。G1級が何頭かいるとはいえ、あとはG2級ばかりで他のメンバーはかなり手薄。・・・5歳牝馬が2年間トップに君臨する日本競馬って、一体・・・。

 どうしてこんなに層が薄くなってしまったのだろう?パンチ力のあるスーパーヒーローが牽引する光景が本当に見られなくなって久しいような気がする。日本競馬のレベルは決して低くはないけど、高いともいえないのだけど。

 日本競馬は、今後どういう方向を目指すのだろう?市場の縮小は絶対的だから、馬券売り上げの拡大を標榜に掲げ続けるのは、もう不可能だと思う。

 大衆競馬というのは、大衆が馬券を買うのは日本競馬で、NZの場合は大衆が馬を持ってみんなで楽しむという大衆競馬の形になっている。そういうものを少し取り入れてみなくてはダメだと思う。

 賞金水準をぐっと落としてもいいから、多くの人が競走馬を持てるレジャーにした方が好ましいはず。そうやって生き残る方向を模索するべきだとは思う。

 そうなった場合、馬の調達先に関しては、日本の馬産地からでは経費がかかりすぎるから、やはりオセアニアが望ましいのではないだろうか。日本では200万円では元は取れないけど、オセアニアならとれる。あとは、輸入経費が高すぎるという点。

 日本競馬社会の動向次第では、豪州やNZの日本との関わり方も大きく変わってくるということですね。したがって、NZから日本競馬に関わっていこうという人間としては、このへん動向は目が離せない。今後10年でもの凄く変わるだろうから。自分としては、その波に乗り遅れないようにしなければならない。

 オセアニアではオーストラリアとNZの競馬社会は密接な関係にあるけど、アジアにおいては日本と香港がある程度密接な関係を持っていいはずだとも思う。

 香港の馬主が日本でも馬主になって、香港調教馬を日本に持ち込めるようになったら、展開は全然変わってくる。香港馬はほとんどオセアニア産馬だから、古馬になったオセアニア産馬が、賞金だとかその他で有利な方で走るということになる。

 NZにおいても、香港のバイヤーは大得意様。香港調教馬はドバイでもよく勝っているから、平均レベルは日本よりも高いかも知れませんね。
 

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エラズリー競馬場

2009-11-28 | NZ競馬
 エラズリー競馬場は一応NZ最大の競馬場。収容人員は1万人くらいだとは思いますが、観客を集めることよりも、馬主とその関係者を重視したような作りで、半分以上がメンバースタンドやレストランになっていたりします。階級社会色濃いイギリス競馬の名残ですね。競馬自体は、誰でも馬が持てるという、日本以上に大衆的なものでありますけど。

 競馬場へ来ると、馬券買うより馬を買え、という感じですね。



 1コーナー向こうから撮影したスタンド全景。スタンドが2つあり、ゴール前はメンバーズスタンド。向こうが基本的に一般向け。こちらの競馬場は多分ほぼイギリスにならったものであり、馬券を買う人は基本的に軽視されたような作りになっています。

 考え方の違いというか、馬券の売り上げどうこうというより、どうせ賞金が安いのだから、馬主は馬を持って楽しむ、厩舎は預託料で食っていく、みたいなものなのでしょうか。厩務員の給料が安いはずです。




 上がメンバー席で、下が大衆席。競馬場=社交場という考え方が、本来の競馬場のあり方なのでしょうね、きっと。



 社交場の女性は、こんな感じの派手な髪飾りを付けている人がたくさんいます。



 こちらは装案所。日本がどうなっているかはよく分かりませんが、広々とした屋内でまとめてやっているみたいですね。しかし、こちらの馬はほんとおとなしいです。すぐにちょん切っちゃうからでしょうか。競馬場内が静かだからでしょうか。とにかく、日本の馬とは全く様相が異なります。





 パドック。大木が生えていたり、噴水があったりします。日本のような楕円や円形のパドックは未だ見たことがありません。



 誘導馬がお客さんと戯れています。こちらの誘導馬は働き者で、ずっと同じ人馬が一日中乗っています。誘導だけではなく、入れ込みのきつい馬の横についたり、色々大変みたい。



 オークランドレーシングクラブは、きちんと隊列を組ませてパドックを回らせるようです。入れ込みがきつかったり、一部はその辺をクルクル回っているだけだったりします。



 全裸の乙女が壺を抱えて天を仰いでいます。



 高校生くらいの少女。子供からばあさんまで、色んな人が厩務員やってますなぁ。こちらは持ち乗り制ではないみたい。



 調教師らしき人がなにやら自信満々にインタビューに応答してます。



 こちら生涯獲得賞金1億4千万円近いサーストリック。前走タウランガステークスG3勝ちで本日一番人気。この厩務員さん、タウランガでもお会いしましたね。



 このように、日本ではまず見ることのない縦の鼻革?を着用している馬も結構います。



 ジョッキーが観客の前を横切って、パドックへとやってきます。東南アジア人もいましたが、NZでは日本人、香港人・・・と国際色豊かです。日本と違って、ジョッキーも人手不足で、出稼ぎに来ている人もいるみたい。



 鞍上は女性ジョッキー。結構いい追いっぷりです。NZはムチの使用が厳しいし、後のことを考えてかあまり激しく追ったりしないので、女性ジョッキーでもトップに立てるのでしょうか。



 この馬は、ブリーダー、オーナー、トレーナーが全部一緒という、オセアニアによくいる100%自己馬。



 え~、こんなにカワイイのにジョッキーですか。



 エラズリーのゲートは、上に看板があるので、他の競馬場とは違いますね・・・といっても、これが標準タイプなんですけど。



 直線の叩き合い。ムチはラスト100メートルで3発くらい入れるくらい。欧州式の腕を高く振り上げる入れ方でもないし、日本みたいな激しい追いムチの連打でもない。おとなしいNZ式ですね。



 レースが終わって、誘導馬に導かれて、皆で隊列を組んで帰ってきます。



 サーストリックは3着。8歳馬ですが、重賞馬となると、さすがにナイスバディですね。バリバリのオープン馬は日本でも馬体が立派ですが、食わせているものが違うから馬体に迫力があるのか、それとも、元々こうだからなのかはよく分かりません。



 こちらが重賞勝ち馬。厩務員はおばちゃんです。



 え~、こんなセクシーなカッコをした人まで厩務員だったなんて。なんか、女性ばっかり撮影しているように思われますが、ジョッキーも厩務員も半分女性なんだから仕方ありません。



 優勝馬の関係者は、特設ステージで表彰というか、インタビューを受けます。優勝賞金たった300万円でこの騒ぎですから、この人たちには本当に賞金なんて関係ないのだとは思います。



 勝ったのはまた女性ジョッキー。男はなにをやってるんだ!ともあれ、差別もないし、男女平等だし、珍しい国だとは思います。


 ちなみに、エラズリーの勝ちタイムは、1400で1.21秒台、1600で1.34秒台。平坦で、直線が約450メートル。地面は比較的柔らかく、芝は短め。ジョッキーのムチは短くて平べったく、回数制限ありで激しくも追わない。展開は日本のようにばらけたりせず、ハイでもスローでもほぼ一団。で、このタイムだから、内容の割には随分と早い時計が出ているような気もするがどうだろうか。

 日本のようにギリギリまで絞って、ジョッキーが歯を食いしばってムチを死ぬほど入れたら、日本に匹敵するタイムは出るとは思う。コースも時計が出やすい感じだし。

 ちなみに、NZの一流馬は賞金のいい豪州へ移籍、もしくは遠征する傾向にあるそうです。豪州の馬もNZへよくやってきてますけどね。ホーリックスのみならず、多分強いやつは強いから、もっとコース形態のよく似た日本にも遠征してほしいですね。島国の農業国ゆえに、検疫の問題が一番大きいのかも知れませんが。





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JRAの海外戦略

2009-11-25 | NZ競馬
 かつて、JRAの方が世界に向けてこのような発言をした。

 「外国調教馬の出走と馬券売上高の間に相関関係はありませんが、JRAは次の理由により最高級の外国調教馬を呼び寄せることに関心を持っています。第一に外国調教馬と競い合う日本馬の能力を評価することです。第二に一般大衆を競馬というスポーツに引き寄せることです。そして、第三に日本の競馬を外国の競馬統括機関に宣伝することです」。

 まず、外国調教馬と競い合う馬の能力を評価するという点について。

 日本は馬場が世界のどこの競馬場とも異なるので、自分の土俵で勝っても評価の対象とはなりにくいというのが、大方の見方なのではないかと思います。ただし、ジャパンカップダートがジャパンカップAWになったら話は別で、ブリーダーズカップの後に遠征してくる馬も出てくるかもしれませんね。

 AWは重め芝血統の馬が有利とされているので、日本に比べて多少重めの芝競馬しかないオセアニアからでも参戦しやすくなるのではと思います。

 第2の、一般大衆を引き寄せるという点について。

 この点に関しては、日本における競馬がもっともっとスポーツ化しなければ厳しいのではと思います。日本の競馬は一部資金力のある人しか馬がもてませんからね。普通の人はクラブ法人でやるしかない。あと、サッカーのように、海外のハイレベルな競馬中継がもっと地上波で流れてもいいとは思いますし。そうなれば海外がぐっと身近になるのでしょうが、いかんせん、視聴率の問題があるのでしょうか。一番近くの香港や、各国のG1が、少なくともグリーンチャンネルで放映されるべきであるとは思います。ただ、5年以内にブロードバンドはさらに進展するでしょうから、テレビ中継に頼る必要もなくなってきますね。

 第3の、日本競馬の宣伝について。

 これに関しては、日本調教馬を海外のレースで勝たせることに重きを置いたほうが好ましいのではないかと思います。JCの模様を海外のホースマンというか、統括機関が果たしてどれだけ見ているのでしょうか。海を飛び越える国際レースが当たり前になってきている以上、日本の馬もどんどん外に出て行かなきゃならないはず。日本調教馬が外国でもっと勝たなければ、日本の馬を海外のバイヤーに売ろうなんて野は難しいのではないでしょうか。

 だから、最大手の社台Gには、ぜひとも頑張ってほしいと思います。日本のレースは地方予選であって、勝ちあがったものはどんどんチャレンジしていくべきです。そう考えると、日本のG1に高額賞金を出すのは逆効果で、このG1を勝って海外挑戦する場合は、資金のすべてを拠出するくらいの改革が必要なのではないでしょうか。

あと、競馬を世界のスポーツとしてとらえる場合、やはり海外の馬券を日本で普通に買えるようにするべきであるとは思うんです。確かに、ギャンブルであるし、日本の資金が海外へ流出していくので、この馬券販売は聖域なのかもしれませんが、一般ファンにもっとスポーツとしてみてもらいたいなら、このへんは絶対手をつけなければならないところです。

 でも、なんだかんだいっても、結局馬券販売を最重要課題としている以上は、外国調教馬が入ってくるメリットなんてそんなにないんでないかなとは思います。スポーツとして特化させたほうが、競馬は面白くなるんじゃないでしょうか。結局のところ、外国は馬券販売を最重要視していないから、有力馬がどんどん海外チャレンジするのかも知れません。


 ちなみに、馬鹿にされているNZ産馬ですが、競馬一流国のオーストラリアでよく勝っている以上、レベルは決して低くないですよ。メルボルンカップだってかなり勝っているわけだし、オーストラリアのバイヤーは、NZ市場にとってお得意様ですしね。豪州は馬を完全自給できるわけだし、NZ馬が弱かったら誰も買いには来ませんよね。


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テラパ競馬場

2009-11-22 | NZ競馬
 本日はケンブリッジジョッキークラブ主催によるテラパ競馬場開催。ケンブリッジは私の滞在している町で、NZ馬産の中心地になります。ハミルトンはそこから20キロほど北にあるNZ第4の都市(といっても、人口13万人ですけど・・・)ですね。グループレース(日本でいうJPN1~3にあたる重賞レースのこと)もない、日本でいえば福島の土曜日開催みたいな日でした。



 ゴール板。コンディションはバッドですから、日本でいえば重。このテラパは地面が柔らかそうで時計もかかりそうなのに、今日は特に力のいりそうな馬場といったところ。メイドン(未勝利)のマイル戦で1.35秒台というところですね。時計だけで考えれば、メイドンというレベルの割には早いのかも知れません。ちなみに、タウランガが右回りの小回りなら、こちらは左回りの大回りコースでした。




 芝はそんなに長くはありません。コースの脇から根が見えたりしています。下に砂利を敷いたりして、コース作りの努力が垣間見られる絵図ですね。



 オーストラリアに支場を持つクールモアの広告。そのうち、ダーレーと並んでクールモアも日本に参入するんでしょうか。2010年代は、社台、ダーレー、その他外国勢、下河辺他大牧場、名門オーナーブリーダー等々で占められ、日本はそういう
馬産界になっていくことでしょう。



 ジャンプコースに備え付けの障害。なんか本格的ですね。日本の中山のようなトリッキーさはないみたいです。だいぶ昔に中山グランドジャンプを制したNZのセントスティーブンスも、こういうところを跳んでいたんですね。



 この競馬場のパドックは、コースの反対側にあるタイプですね。道なりにぐるっと周回している馬もいれば、その辺をクルクル回っているだけの馬もいます。しかし、厩務員の半分は女性というのが驚きです。



 ジョッキーは観客の目の前を通って、パドックへと向かいます。



 一緒に写真とか撮れるし、話しかけても全然関係ないみたい。日本は公正競馬を標榜に掲げる以上、話しかけられても応えてはいけないみたいですけどね。



 チェック柄の勝負服。デザインは相当自由で、とにかく、似たような勝負服というものをほとんど見ることがありません。日本はデザインが決まっておりますが、このへんは欧米をまねて原則自由にしてもおもしろいですよね。



 牧場名がそのままの勝負服も。



 これがステッキ。日本のぶっとくてギザギザでよくしなる鞭とは異なり、オセアニアでは馬体との接地面が大きいムチですね。いい音がします。刺激の少ないムチで、日本と違って一完歩ごとに入れるようなことはしません。日本では凄いタイムがよく出ますけど、いかにムチで無理をさせているかがよく分かります。



 8人に1人くらいは女性ジョッキー。彼女はこのレースで勝鞍をあげていました。腕のいい人みたいです。



 同業者は、世界のどこへ行っても同じ雰囲気が漂っていますなぁ~。


 

 NZのゲートは簡素ですね。上に何もないぶん、馬もすんなり入りそう。でも逆に言えば、違うゲートだと入っていかない馬も出てくるのでは・・・?



 スタートの様子もよく分かります。一回ぐっと沈んで、後脚で前に跳ねる形で一歩目が出るわけです。沈みすぎると出遅れるし、このへんのタイミングも難しいところです。



 トラックコースなんだけど、展開はヨーロッパと同じで団子状。世界でも日本の競馬だけが展開的にバラエティーに富んでることがよく分かります。アメリカと日本とヨーロッパを足して三で割ったようなレース展開といえばいいのでしょうか。

 ただ、NZはどのコースも直線が420メートルくらいある上に平坦コースなので、新潟みたいに、下手に逃げを打つと捕まる確率が高そうです。



 直線でのデットヒート。こちらは日本のジョッキーみたいに頭を下げて背筋をびしっと伸ばして、歯を食いしばって追うようなことはしないみたい。日本の南関競馬よりちょっと安いくらいの賞金ですから(維持費は半分以下)、無理をさせて壊しても仕方ないですからね。もしビシッと仕上げて、ギザギザムチの連打に豪腕追いで攻め立てたら、平均タイムはもっと縮まりそうです。



 観客席の真下なので、レース後の馬とジョッキーの様子もよく分かります。



 口取り式。1着賞金何十万円でこの喜びようですから、この人たちには、本当に賞金なんてあまり関係ないのかも知れません。こちらでは、競馬はスポーツであり、レジャーですから。

 今日感じたことですが、こんなところにも、モンジューやモアザンレディといったシャトル種牡馬の産駒が結構走ってます。モンジューは力のいる馬場向けそうだし、アメリカンは短くて軽いところ向けっぽい。

 ところが、NZは日本とヨーロッパの中間くらいの馬場である上に、豪州と異なって2000メートル以上のレースも結構あるので、もしかしたら両輪駆動かつ中距離向けの日本の種牡馬が一番適正あるんじゃないかとも、ふと思いました。

 馬体も米国豪州産のムキムキマンはおらず、日本の芝馬とさほど変わりません。

 日本ではブライアンズタイム系は孫世代がいまいちパッとしませんが、シャトルでこっち来たら結構走るんじゃないかとも思います。



 おまけ。日本風にいえばフライドポテトですが、こちらではなぜか「チップス」といいます。ポピュラーなおやつで、競馬場では多くの人がつまんでいます。






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NZの馬券販売

2009-11-21 | NZ競馬
 日本の中央競馬は、ほぼ全てがJRAの管轄下にありますが、NZはレースの統括がNZレーシング、主催者が各ジョッキークラブ、馬券の販売がTABという組織になります。ギャロップレースだけではなく、ジャンプ、ハーネス、ドッグと、全てのレースの馬券販売業務を行っています。

 ちなみに、競走馬の販売やシンジケート(共同所有)はブラッドストックというエージェント組織が中心となって行い、日本のように生産者が生産から販売まで全てやらなければ・・・という非効率な形態ではない。

 馬券販売にしても、競走馬の販売・所有にしても、そして厩舎の管理にしても、それぞれ独立した組織が担当する方が、効率はいいのでしょうね、きっと。日本は法律上、JRAが一括して統括する他はないみたいですね。それはそれで仕方がないのかもしれません。

 こちらの控除額がいくらなのかはまだよく分かりませんが、複勝1.1倍なんていうことはほとんどないので、日本のように25%前後の控除率というわけではなさそうです。単勝も低くて2倍台です。馬券の売り上げは何兆円単位ではありませんが、馬券売り場には日本のように何百人という販売員はいないし、自動券売機もないし、とにかく販売規模に比例して、経費はあまりかかっていなさそう。

日本は馬券の売り上げが世界でも群を抜いているそうですが、その分経費も群を抜いているでしょうから、実入りを考えたら、大規模なだけがいいことかといえば、そうでもないようですね。実際、単複の払戻金は多少控除率が低いとはいえ、ちょっと低すぎるような気もしますから。つまり、経費削減できた分だけ、払い戻しに上乗せできないのかな、と。1%でも。

 もっとも、馬券の売り上げは国庫収入に直結するので、配当どうこうよりも国庫収入を最重要視した結果が、今の日本の馬券販売システムなのかも知れませんね。

 TABは日本の馬券販売方式と同じで、場内、場外、電話、プッシュホン、スカイTV、携帯、パソコンとほぼ可能な限りの媒体を使って販売を行っています。といっても、こちらは日本の競馬番組のようにしっかりパドックを映したりはしてくれないので、予想は前5走の成績、レーティング・・・そういったものを手掛かりにしていく他はありません。

 日本はパドックをとにかく長く見せますが、あれは馬券販売戦略上、かなり有利なのではないかとは思います。こちらはパドックで思い思いにクルクル回って、返し馬が終わったらすぐスタートですからね。

 日本には日本のいいところがあるし、海外には海外のいいところがある。馬券売り上げの拡大はどこの国へ行っても共通の課題でしょうから、競馬後進国とはいえ、日本の方式を少し取り入れてみてもいいのかも知れませんね。

 一般客では、まともな位置でパドックさえ見られない競馬場もあります。階級社会が存在するイギリスから、同じような仕組みを持ち込んでしまったみたい。

 TABはオーストラリアと香港のレースの馬券も購入できます。週末になると、シャティンのレースが放映されていますからね。

 とても残念なのは、この国がインターネット後進国であること。ブロードバンドは開通していますが、ダウンロード量の制限があって、月に最大20GBまでです。これでは、世界中のレースがインターネットで放送される時代が来たとしても、好きなだけレースが見られるというわけにも行きませんよね。

 このへんは、残念ながら5年以上かかるのかも知れません。

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NZのオーナーコスト

2009-11-21 | NZ競馬
 こちらのサイトに、NZで競走馬のオーナーになる場合、どれくらいコストがかかるかの一例が記されています。

 ニュージーランドレーシング オーナーシップ

 日本の中央競馬で競走馬を所有する場合、

競走馬の購入        500~1200万円(標準的なケース)
デビューまでに要する費用  300~500万円            
月額維持費         55~70万円
登録料、獣医費等その他実費 XXX万円

というのが標準的なケースだと思います。中央競馬の賞金や各種手当て、見舞金は世界一なのかも知れませんが、一方でいくら富裕層といっても、馬主の経済的負担は相当なものです。しかし、馬具の値段を見ても分かるように、日本では競走馬の維持にかかる費用がすべて高額(飼料や牧草等、輸入せざるを得ないため)なので、仕方ない面もあるのかも知れません。

 おまけに、中央競馬で馬主資格を取得する場合、資格要件がもの凄く厳しいですよね。

 そのため、標準的な所得層の人が競走馬を所有しようとする場合、どうしても最低50人も集まるクラブ法人に加入するという手段が一般的にならざるを得ない。競馬をスポーツとして楽しむ場合、馬券を買うより、競走馬を所有する方が、当事者となるために断然楽しめるでしょうから、できるだけ少ない人数で、関係者として競馬場の中で観戦する方が望ましいことは、誰もが認めることと思います。

 一方で、NZのオーナーコストを見てみましょう。

 こちら(欧米諸国すべて)の競走馬の価格は市場で形成されますが、実際、日本と同じで競走馬の値段はあってないようなものです。といっても、もちろん、日本のセレクトセールのように何千万円が当たり前ではありませんが、やはりピンキリです。といっても、仮に300万円としておきましょう。こちらは種付け料も平均安い上に、いうまでもなく維持管理費がとても安いので、100万円以下での販売であっても、もしかしたら生産牧場側に赤字は出ていないのかもしれません。

 デビューまでに要する費用ですが、1日のトレーニング費用が3000円前後。競走馬になっても1日55ドルといいますから、4000円くらい。預託料だけで考えたら、10万円や13万円前後ということでしょうか。購入からデビューまでに約1年要するとしても、イニシャルコストは多く見積もっても200万円もかからないといったところでしょうか。

 輸送に関してですが、こちらは日本のような豪勢な馬運車なんてありません。ほとんどが日本の生産牧場で使っているようなトラックで、こちらも1輸送何千円とか。移動距離が短いので、それも当たり前かも知れません。

 たとえば4人でシンジケートを組んで共同所有した場合、年間コストは1人あたり5000ドルくらいであると、ニュージーランドレーシングは見積もっています。年間35万円くらい。シンジケートなら、競走馬の購入費から維持費まで含めて、車購入費用でおつりが来る計算になります。もちろん、日本のような厳しい馬主資格要件は存在しません。

 賞金は10%が調教師へ、5%がジョッキーへ。ジョッキーの騎乗手当はオーナー側の負担で、これが一律7000円くらい(命がけの割には安いかも・・・)。レースの1着賞金は、どんなに安くても最低50万円くらいはあります。ただし、最高賞金は2000万円くらいみたいです。

 日本で馬を所有する場合は、超ハイリスクローリターンのケースが多く、NZの場合は、ローリスクローリターンのケースが多いということですね。賞金を稼ぐことより、「馬を走らせて楽しむ」という考え方が一般的だからであると思います。

 日本の競馬が健全な方向で存続していく場合、こういう方になっていくのがベストなのではないかということは、多くの人が感じられていることと思います。

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ケンブリッジハーネスの賞金等について

2009-11-20 | NZ競馬
 ハーネスレースはサラブレッドより一回りくらい大きいスタンダードブレッド種による競走です。この競技はほかの馬競技と異なって左右の脚を同時に動かすので、馬は乗用には乗ることができません。よって、引退後は需要がなく、日本の大多数の競走馬がそうであるように、殺処分されることが多いそうです。

 ハーネスのレースはギャロップ(日本でいう平地競馬)レースに比べて大変賞金が安い。馬券の売り上げも知れているので、仕方ないのかもしれません。オークランドはエラズリー等の大都市の競馬場で行われるレースの方が当然賞金もよく、強い馬も集まるという図式は、日本の中央に強い馬が集まるのと同じですね。

 スタンダードブレッドは種付け料も知れている上に、賞金の高くないところで走るので、馬の値段も大変安いのだそうです。

 では、賞金をみてみましょう。

 この日のメインレースは1700メートルの13頭立て、3歳牝馬限定戦というレース。1着賞金が18000ドルですから、日本円で約120万円といったところ。一方、最低クラスの1着賞金が6000ドル、42万円ですから、こちらもテアワムツ等のギャロップ地方競馬同様、賞金格差があまりない仕組みとなっていますね。

 ともあれ、馬の値段が知れている上に、預託料は15万円くらい、それで最低の1着賞金が40万円以上ですから、日本よりは馬主個々のフトコロ具合にもそれほど波がないと推測されますね。

 こちらは何せ馬具、薬品、飼料代等も日本の半分から3分の2程度ですから、維持費は安上がりですむ。馬主が競走馬を持つ環境が整いやすいということができます。しかも個人所有というものは少なく、多くの人がシンジケートを作って、シェアしています。ローリスクローリターンなやり方です。

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ハーネス競馬 ケンブリッジレースウェイ

2009-11-20 | NZ競馬
 ばんえいはないけど、馬車競走ならあるこちらの競馬。地元のケンブリッジレースウェイでハーネス競馬が開催されるということで、いって参りました。



 コースは1週1000メートルくらいで、ごらんの通りの地面。




 立派なのが馬主や関係者が入るメインスタンド。ゴール前のデットヒートが見られます。1階はレストランになっていて、パーティー等が催されている様子。一方、一般のスタンドはこんな感じ。寂しいですけど、小さなレースウェイなので、どこにいても同じようなものでした。



 ゲートはなく、前の車にナンバーカードをつけた羽があり、その後ろに馬が並ぶことになります。ハンデは斤量ではなく、強い馬が後ろにいくみたいです。



 騎手ではなく、御者。ハミ操作と長鞭で馬を制御します。年齢、性別はあまり関係なさそうで、50歳を超えたような人もたくさんいました。
 


 車が走り出して、メンバーはスタート体制を整えます。このへん、競輪と似ていますね。



 直線のデットヒート。コースが狭いし、間近でみられる分、迫力は十分です。8番の馬の右前後脚とも同時に動いているのがお分かりでしょうか。ハーネスはギャロップ禁止で、馬車馬と同じ動きをしなければなりません。キャンターとギャロップの中間くらいのスピードで走ります。蒙古馬の側帯歩というやつですね。馬にしては一番疲れにくい移動方法とも聞いたことがあります。でも、馬にしたら自然な走り方ではないので、いったいどうやって調教するのでしょうか。



 口取り式もちゃんとあったりします。恰幅のよい人ばかりでした。日本もNZも、馬主層というのはなんだか似てますね。



 グレイハウンドによるドッグレースも開催されています。グレイハウンドは後脚がスラっと長くて、華奢で、サラブレッドを思わせるような体型をしています。動物が速く走るために、体はああいう風に進化していったのでしょう。



 エキシビジョンで行われたポニー&ミニチュアホースによるハーネスレース。



 犬ぞり?



 場内には馬具屋さんがあって、とにかく乗馬や競馬に関わる様々なものがギッシリと陳列されておりました。



 日本では2400円もした手入れ用ブラシが、なんと1000円あまり。



 馬や人間のみならず、腸に良くて、しかも血液をさらさらにして動物の健康にとてもよいとされるオメガ3脂肪酸のえごま油。日本で同じものを買うとリッターあたり万単位ですが、こちらでは3リットルでたったの4200円でした。1頭1日200ccですから、15日分ですね。



 いろんな駆虫薬がありましたが、下は700円から、上は2000円くらいまで。日本だと、下は1300円から上は3200円くらいになるでしょうか。

 とにかく、こちらは馬が多くて、馬具や薬品の需要が多い分、価格がとにかく安いです。同じものが半値以下から3分の2くらいですから、日本の馬作りがいかに金がかかるものかがよくわかります。日本の場合、全然勝てない馬はただの金食い虫になっちゃいますね。ちょっとかわいそうな気もします。



 日本では獣医しか扱えない注射針まで売っていたりして。



 こちらのボロミとボロカギ。敷料はオガクズが基本みたいで、日本式のタイプは使いにくいみたいですね。日本は寝わら上げが大変な重労働でしょうから、こちらには、かえっていろんな余裕が生まれるのでしょうか。堆肥はできませんが、とにかく土地が広いので、いくら堆肥を作っても撒ききれないでしょうね。



 おまけ。本能の赴くままに、美しい芝生の上でゴロゴロする子供たち。



 馬券売り場は人々がたむろするカフェの奥にありましたが、そのそばに飾られていた英雄の写真。まだ白くないので、オグリと走る以前の、若き日の姿でしょうか。こちらでも生きた伝説なんですね。母親としてはオーストラリアでもG1勝ち馬を出している、スーパー名牝です。





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マーケットは世界

2009-11-19 | NZ競馬
 少し前にカラカのブリーズアップセールに行きましたが、この国にいると、競走馬のマーケットは世界中に広がっていることを痛感します。もちろん、アメリカやヨーロッパ、豪州はもっとシビアに世界市場を睨んでいるでしょう。NZの生産規模は4500頭あまり。それでも、隣国の豪州をはじめ、マレーシア、シンガポール、香港、イギリス、南アフリカ、数は少ないけど日本からのバイヤーも来ている。

 日本だけですね、自国であれだけの生産規模を誇っていながら、世界にマーケットを持っていないのは。確かに、ダーレーが参入してきたり、日高でもシンガポールのバイヤーが何頭か馬を買っていましたが、所詮何頭レベル。国際化しているとは全く言い難い。セレクトセールにおいても、香港のバイヤーがズラズラ買い求めているというわけでもありません。

 香港やシンガポールの馬主層が、安い馬ばかり狙って買っているのかといえば、決してそういうことはない。カラカプレミアセール(日本のセレクトセールに相当)における最大のバイヤーは香港だし、このセリでは社台グループもNZ産馬を購買していますよね。社台さんがNZでも馬を買ってくれているので、大いに日本の宣伝にもなります。賞金水準がNZより高い豪州で使っているのかどうかまでは分かりません。去年はJSカンパニーさんがおそらく代理購買で購入されています。

 これから中国の経済がますます肥大化し、逆に日本は縮小していきますが、日高の生産牧場は、中国市場を睨まなくて大丈夫なのでしょうか?香港に強固な地盤を持つ豪州が最も中国市場に強いのでしょうが、続くのがNZかも知れませんし、中国でこの先競馬がどんどん発展して、購買力が日本人以上になれば、欧州・米国マーケットの主要バイヤーに香港人以外の中国人が名前を連ねるなんてことが起きるかも知れない。

 その時、中国の顧客に日本市場が振り向いてもらえるかといえば、多分、社台さんやその他いくつかの有力牧場以外は、そのビジネスの蚊帳の外でしょう。韓国からもバイヤーは来ていますが、日本の生産馬を韓国に売っても金にならないけど、NZで作った馬なら、100万円くらいでもトントンかも知れない。したがって、韓国のバイヤーに売る意味合いが全く異なります。

 外国に出てみると、競馬のマーケットは世界であるということがよく分かります。でも、NZという絶海の孤島にいてさえそう思うのですから、アメリカやアイルランドにいると、マーケットは世界であるということを、もっと痛感するのかも知れませんね。

 ここでいうマーケットというのは、売り買いのマーケットだけではなく、馬が世界中の競馬場で走るということを意味します。現役競走馬が海を越えてトレードされることがさらに一般化してきたら(日本以外では結構ある)、海外にマーケットを持っていない日本は苦しい立場に立たされることは間違いない。

 種牡馬のピックアップにしても馬作りにしても、国際化の潮流をきちんと見極めた上で、個々のホースマンが身の振り方を考えていかなければなりませんね。こちらでは、アメリカのシャトル種牡馬がリーディングに名を連ねるなんてことが良くある話で、NZの誇るザビールという種牡馬は、本国より豪州でよく走っているというのも面白い話です。

 マーケットは世界。その中で自分はどうあるべきかということを、日本のホースマンは考えて行かなくちゃならないですね。世界で最も金のかかるスポーツですけどね。

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変な言葉

2009-11-18 | NZ英語
 食後、日本だと、

 あー、食った食った、腹一杯

なんていうのですが、英語でなんというのか、ホームステイ先のおばちゃんに尋ねてみた。

 アイムフォール、アイムイナフ

というのが一般的だという。

 常々、僕は正しい英語を覚えたいといっていたのを覚えていたのか、

 とてもフォーマルな場合は、

 マイ アパタイト イズ サティスファイド

というのだそうだ。もろ直訳。私の食欲は満たされました。え~、そうなんですか!?

 ワタシノ ショクヨクハ ミタサレマシタ

 日本でも文法的にやたら正しく丁寧な言葉遣いをする外国人がいるのですが、多分、私の言葉遣いも、発音はともかくそのように聞こえているのかもしれません。

 というのも、話し言葉においても、

 アイ スィンク ザット

だとか、今のところは刻み込むように丁寧に話しているからなのであります。こちらの人が何を言っているのか、次第に耳が慣れてきているのですが、多分、かなりのスラングや短縮形というか、見たことも聞いたこともないような言い回しが混じっているに違いありません。会話の要旨が分かりかけてきたという時期。

 日常会話になれ、そこからビジネスレベルに突入・・・というか、その前にIELTでそれなりのスコアを取得しなければなりませんけどね。ビジネスレベルとは簡単に言いますけど、一番難しい数字の聞き取りに間違いがあっては大変なことになるのがビジネスの世界。天竺はまだ遙か彼方といったところですね。
 
 ともあれ、今は流暢さだとか、スピードよりも、一つ一つ丁寧に発音して、正しい言い方を心がけていきたいものであります。

 いきなり会話に入ると、会話になれるのは確かに早いのかも知れませんが、正しい言葉遣いに修正するのが絶対大変だとは思いますが、いかがなものでありましょうか。

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カラカブリーズアップセール

2009-11-17 | NZ競馬
 経済的中心都市であるオークランドから20分ほど南に下ったところにあるカラカは、NZブラッドストックのセリ会場があるところ。1月下旬から2月上旬に、8日間にわたって行われるイヤリングセールが一番賑やかですが、本日は2歳春のブリーズアップセールが開催されました。もちろん、日本でいえば4月から5月にかけて行われるトレーニングセールになります。調教されているから即戦力かといえば・・・。では、見ていきましょう。



 まず、建物内の廊下中、セリ出身馬の写真だらけ。日本以外の国はセリでマーケットが形成されていますから、活躍馬が多くて当たり前なんですけどね。




 こちらがパレードリンク。真ん中に植木があります。こういう清潔感のある美人が馬を引いていると、サラブレッドの中に流れる高貴な血が引き立ちますね。かなり縦長で、小さなスタンドまで設置されておりますが、ブリーズアップセールの場合は調教の動きが重要でしょうから、ここで馬を見る人はあまりおりませんでした。



 香港かシンガポールかどちらかかのバイヤーも注目。



 屋根に書かれてあるのは、オーストラリアのG1を勝ちまくったサートリストラムの名前。サンデーサイレンスがザビールなら、サートリストラムはノーザンテーストといったところでしょうか。日本とNZのコースやレース体系はよく似ているのですが、サンデーサイレンスとサートリストラムという同じロイヤルチャージャー系が成功しているというのも、頷けるような気がします。



 待機馬房は広々としており、このようにおがくずが敷かれております。日本は牧草になるので、後片付けがもの凄く面倒ですよね。後で丸めて再利用するそうですが、おがくずの方が無駄な手間はかからなそうです。色んな馬が入るので、病気大丈夫かな?とも思いますけど。



 セリ会場には必ずあるカフェみたいなところ。こちらは道路以外の地面はすべて芝生が基本ですね。セリ会場だけではなく、町中ほとんどすべて芝で覆われており、頻繁な手入れが施されております。



 調教VTRが延々と放映されているブース。他にパソコンが設置されていて、上場番号を入力すると、その馬の調教の様子が見られるコーナーもありました。ちなみに、こちらのブリーズアップはJRAと同じで、タイムはあまり関係ないみたいです。出してもせいぜい11秒5前後でまとめるといった感じで、多少追うことはあっても、ムチは全く入れておりませんでした。

 頸をめいっぱいに使ってダイナミックに走っていた馬がおりましたが、この馬が最高価格の40万ドル(約2800万円)。香港のオーナーが購入したようで、嬉しそうにテレビのインタビューも受けておりました。



 会場内の画面。上からNZドル、豪州ドル、シンガポールドル、香港ドルになります。つまり、常連の顧客層です。ふと思ったのですが、本格的な生産規模を誇っているにも関わらず、ほとんどが自国内で完結している国って、もしかして日本だけなのでしょうか?もっとも、日本の生産規模はこれからかけ算的に縮小していくだけでしょうけど。



 鑑定人。とにかくエネルギッシュで、だみ声じゃない築地のセリみたいな印象で、ほとんど最後の直線を実況する海外競馬中継のような感じでした。もっと印象的に例えるなら、ベガスでやるボクシング世界戦の試合前のリングアナみたいな感じ。鑑定人の発声が、セリをいかに活気づけるかがよく分かります。早口過ぎてよく分かりませんでしたが、日本の日高のセリのように、ただ値段を連呼するだけじゃなくて、ブラックタイプ等のセールスポイントを名調子で語っているようでした。

 ビットがあがったとき、右のお兄さんの「ハーイ!」というかけ声が元気すぎて、上場馬がたまにビビっておりました。



 上からの写真ですが、なんでこんなカワイイ娘さんがボロ拾い係なんだ!!



 こちらが期待していた唯一のレッドランサム産駒上場馬。母はストームキャットですから、それなりの良血ですね。ちなみに、レッドランサムはもう死んじゃったそうです。馬場を問わない万能種牡馬として、産駒の日本種牡馬入りを期待していたのですが、残念です。焼き印は右肩に生産牧場のブランド印、左肩の数字は、上がその牧場で何番目の産駒か、下の数字は生年を表します。一発で識別できる仕組みです。





 残念ながら売れてませんでした。


 感想ですが、みんな馬体作りすぎ!セリのためにバカみたいに太らせるのは世界共通なのか・・・と思うと、ちょっと悲しくなったのでありました。なぜこういう馬体にするかといえば、素人目に見て馬がよく見えるからで、背景を調教師は苦笑いでも、金を出すオーナーたちの目は真剣なのでしょう。

 レースを控えた本格的なトレーニングに入ってまたギュッと絞られると、デビュー間近の時期だけあって、また立て直すのが大変ですよね、おそらく。ただ、こういう背景を知っている人は知っているし、知っていればそういう馬に手を出さないだけ。馬は高ければいいというわけではないという理由もそういう部分にあるような気がします。

 バイヤーはほとんどオセアニアと香港なのですが、日本人かな?と思う人たちもちらほら。価格は上が3000万円近くから、下は100万円以下ですから、このへんは日本のトレーニングセールと同じで、結局2歳まで残っていたということは、日本もNZも売れ残りか、1歳時に何らかの事情で市場に出せなかったのでしょうね。

 ただし、馬作りにかかる経費は日本と比較してかなり安いので、同じ300万円で売れた赤字馬といっても、赤字度がまるで異なります。そういう意味では、NZの馬産の方が、実情はまだマシといえるのかも知れません。

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テ・アワムツ競馬場

2009-11-15 | NZ競馬
 ワイパジョッキークラブ主催のテ・ワワムツ競馬場は、ケンブリッジから南へ30キロほど下った田舎町。賞金の安い思いっきり地方競馬なのですが、競馬場そのものはとんでもなく立派。



 どうだ、本場は違うだろう!これでも下から数えた方が早い競馬場だぞ!日本の競馬場は、やっぱり日本の競馬場です。

 1周1600メートルですが、コースは中山みたいなトリッキーコースで、3コーナーにはシャンティのようなフォルスストレートがあり、直線は330メートルくらいの右回り。NZは案外、日本のように色んなコース形態があるみたいです。直線に坂があるわけではなさそうですけどね。



 パドックらしいパドックはなく、メインスタンド前に馬が集合して、適当な場所でクルクル引き運動されているだけです。



 で、時間になったらジョッキーがまたがって馬場入り。



 1400メートルの発走地点。日本や他の国で見られるような立派なゲートではなく、本当に門が開くだけのただのゲートですね。どっちがいいのか悪いのかはよく分かりません。



 ジャングルポケットがシャトルで来たときの息子、TOKYO STAR。4歳セン馬で、これまでに約40万円稼いでおります。道営にもいそうな馬ですね。ちなみに、駐車場の向こうに馬房があって、そこで装鞍して、客の横を通ってパドックへとやってきます。珍しく2人引きなので、父親と似てやかましいのでしょう。



 こういう仕草が、現役時代のジャンポケと似ていますよね。



 レース後に鞍を外すところです。鞍を外して、もと来た道を引かれて、馬房へと帰っていきます。



 2000メートル発走地点。ラチも何にもないので、もの凄く広々としたところからのスタートになります。芝が美しいですね。



 目の前の白いラインは、うちラチの広場に車を入れるときの通路です。境目で馬がビビらないのかは知りませんが、適当に乾し草をしいているみたいです。



 直線での叩き合い。青い勝負服が、シーザスターズと同じケープクロス産駒の6歳セン馬。これまでに300万円を稼いでおり、人気薄でしたがレース前の気合い乗り十分。馬券買いもらしでしたが、複勝8倍と大健闘でした。



 父がアイルランド産で、母がオーストラリア産。サンデー以後は内国産中心になってしまった日本競馬界ですが、NZ競馬はこのようにかなり国際色豊かです。馬に限らず、そこで働く人間も国際色豊か。



 ジョッキーベイビーズならぬ、ハーネス(馬車競走)ベイビーズ。引いているのは、ポニーだったりミニチュアホースだったり、ちょこちょこと大変かわいいエキシビジョンでありました。チビなりにもの凄く頑張っていました。乗り役ももちろんガキンチョです。



 友達に声援を送るチビ軍団。



 「体は小さいけど、やることはやるぜ!」



 生まれて初めて買った外国の馬券。複勝が結構ついていたので、狙ってみました。馬の仕上がりは上々でしたが、ジョッキーの追いっぷりがいまいちで、あえなく5着。

 バカヤロー、状態はいいんだから、内に包まれるなんてチョンボこいてんじゃねぇよ!

ってヤジは、世界のどこへ行ってもあることでしょう。

 ちなみに、馬券は日本みたいな磁気ではなく、バーコード式です。NZは大英帝国の一員ですが、競馬方式はブックメーカーではなくパリミューチュアル方式です。



 競馬場には、日本で見る大モニターがありません。その代わり、上段が単勝式、下段が複勝式のオッズ表示板があります。

 本日はなぜかメインレースが第3レースで賞金35万円。昨日のタウランガと比べたらめちゃくちゃ安いですが、地方以前の草競馬みたいなものなので、しょうがないですね。

 といってもレースは本格的で、マイルで1.35秒台が出ていますから、それなりのものということができます。芝はタウランガより若干長め。レーススピードは芝の長さとコースの硬度、そしてコース形態による部分が大きいので、日本競馬がバカみたいなタイムをたたき出すからといって、それがもちろん、強い馬であることを意味しているものではありませんよね。

 まだNZしか知りませんが、外国に来てみるとよく分かります。

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タウランガ競馬の賞金について

2009-11-15 | NZ競馬
 まだハミルトン市のテラパ競馬場と、タウランガ市のタウランガ競馬場にしか行っておりませんが、これらは日本の地方競馬場に相当するみたい。

 地方競馬といっても、高知や道営から大井までありますが、賞金で考えてみると・・・

 11月14日タウランガ競馬場・第1レース(もちろん、最低クラスの馬が出走します)の1着賞金が1万NZドルですから、日本円にすると約70万円。ちなみに、クラス分けがどうなっているのかはまだよく分かりませんが、レーティングが大きな目安となっているみたい。最低レベルは50くらいみたいです。

 準メインレースはレイティング68~78までの馬が参加するレース。1着賞金が140万円ですから、日本の多くの競馬場よりはかなりましな賞金といえるのではないでしょうか。もちろん、開催日数が日本よりは少ないので、割に合うのかどうかはわかりませんし、出走手当等の仕組みについてもまだよく分かりません。

 メインレースはグループⅢ(日本のJPNⅢに相当するのでしょうか)のレース。レイティングが下は70から上は109までですから、バリバリのオープンクラスといったところですね。

 出走メンバーの馬体もさすがに条件馬とは全然違って、でかく見えて強そうなのは、日本の未勝利馬とOP馬が全く違うのと似ています。

 このレースの1着賞金が500万円。ですから、南関の準重賞よりはちょっと足りないくらい。南関の重賞だと、S3が1000万円、S2が2000万円、S1になると3000万円超ですから、日本競馬は1着馬にとってとてもおいしいということができますね。

 つまり、NZ競馬は上下クラスの賞金格差が、日本に比べて少ないということができますね。上のクラスに行くおもしろみにはかけるかも知れませんが、馬主の懐には優しいのかもしれません。


 預託料は15万円くらいというし、こちらは共有馬主が一般的で、個人所有というのは少ないようです。よって、預託料も安いけど、馬主一人あたりの賞金も少ない。賞金で馬の飼養管理費を補填しようという日本の馬主より、自分の馬を走らせて楽しむことを中心としている馬主が多いようです。

 私もいずれ、シェア(共有)という形で、この国で馬を持つことになるんじゃないかとは思います。日本ではなぜ、こういう形で競走馬を所有する人が増えないのか、不思議で不思議でなりません。

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タウランガ競馬場

2009-11-14 | NZ競馬
 本日はケンブリッジ町から時速100キロでひたすら飛ばして1時間のところにあるタウランガ市での競馬。入場料が350円、レーシングプログラムがペン付きで200円くらい。



 奥が一般向け、手前(ゴール前)がオーナーをはじめとした関係者席。西洋人の競馬(本来の競馬)は“興行”というより一つのイベントみたいなもので、関係者スタンド1階にはレストランがあって、関係者が楽しくワイワイやっていました。

 

 イベントなので、日本の競馬場みたいに入場人員のほとんどがおっさんとお兄さんではなく、こういう格好のお姉さんがたくさんいました。目のやり場に困るかと思いきや、みんなこんな感じなので、すぐ慣れます。

  

 こちらが馬券売り場。日本は馬券がメインだけど、欧米はどこもそうみたいですが、馬券はあんまり盛んじゃない。ちなみに、自動発売機はなく、マークシートにあたり目をかいて、売り場のおばちゃんに渡すシステムですね。



 パドックへ行く通路は競馬場によって様々ですが、ここでは観客の目の前を通して、馬がパドックへと向かいます。



 で、これがパドック。日本みたいに番号順に並んでぐるぐる回るわけではなく、本当に適当です。馬なんか全然見られません(涙)。といっても、関係者スタンドからなら、真横から馬を見ることができます。これも競馬場によって異なるシステムを採用しているみたい。



 「アンチャンは日本人かい?」

と尋ねると、

 「オラはマレーシアからはるばるやってきただ」

と愛想よく応えてくれました。華僑の青年ですね。



 日本なら女子大生のアルバイトみたいなお姉さんが、こういう私服にゼッケンを付けて馬を引いていたりします。ヘルメットはなし。日本の厩務員は90%近く野郎だらけですが、こちらは国籍、年齢、性別問わず、本当にオープンだと思います。



 このおっさんは妙に偉そうだったので、おそらく厩務員のいない調教師が自分で引っ張っているのでしょう。ちなみに、2人引きは不思議と見ませんでした。目の前は人がごった返しているスタンドにも関わらず、ジョッキーがまたがるまで入れ込む馬がほとんどいないというのも、日本ではあまり見ない光景です。



 そんでもって、オセアニアではおなじみの女性ジョッキー。厩務員は男女半々ですが、ジョッキーはさすがに女性劣勢のようでした。



 こちらは中国人ジョッキーのヴィンセント・ホーさん。乗鞍が多く、割と信頼されているみたいです。



 日本人ジョッキーのマサ田中さん。今日の乗鞍は本日3鞍でした。まだ追い方が甘いけど(失礼)、頑張れ!

 パドックは15分程度で、返し馬から10分くらいでスタートになります。展開がスピーディーな上に、衛星中継でオーストラリアのレースもやっているので、純粋な馬券師にはなかなかタイトなのでした。



 直線での叩き合い。ニュージーランドでもイギリスのように直線におけるムチの使用回数が制限されており(ラスト2ハロンは4発までだったと思います)、日本みたいに激しい叩き合いというわけではないです。といっても、



この競馬場は上の写真のように芝が短く刈り込まれ、地面も割と固いので、なかなか早いタイムが出ているみたい。1400メートルの条件戦で1.21秒台。直線平坦の1周1600メートル右回りですから、直線400メートルの、阪神と福島を足して2で割ったような競馬場といったところでしょうか。

 競馬場へは、ハミルトン市のテラパ競馬場とこのタウランガとまだ2回しかいっていませんが、レース自体には大逃げを打ったり極端な追い込みを狙ったりするような日本ほどばらついた展開はなく、割と直線ヨーイドン的なレース運び。淡々とした流れで、長い直線での末脚勝負といったところ。

 コースは日本やアメリカと同じトラックですけど、いったいったの前残りは少なく、かといって追い込み馬有利というわけでもない。NZは豪州と違ってスプリント戦ばかりではなく、1000から2400までまんべんなくあります。よって、豪州産馬によくいるゴリマッチョスプリンターというのは少ないみたいです。

 そうです。いうなれば、日本の芝競馬に世界でもっとも似ているのが、ニュージーランド競馬というわけでありました。

 ちなみに、タウランガは日本でいえば地方競馬。最も強い馬の集まる中央競馬はオークランドで行われます。地方競馬の馬でも1400メートル1.21秒台ですので、こちらの中央馬は、日本の中央馬よりつぶぞろいなのかも知れませんね。

 日本みたいに1走1走ギリギリまで作って、直線ムチの回数制限をなくしたら、日本の馬より普通に強いのではないでしょうか。



 ちなみに、向こうの女性カメラマン。スナイパーはスナイプされる瞬間、どうやら察知するようです。

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