Horse Racing Information in NZ

ニュージーランド競馬に関する話題

カラカミリオン

2010-01-31 | NZ競馬
 ニュージーランドは明日から約10日間にわたるカラカセールに突入します。人口400万人の小さな国ですので、競馬業界という一大産業外が外貨を獲得するための、国家的にも重要なイベントになります。

 そのイベントを盛り上げるのが、このカラカセール出身馬だけに出走権のあるカラカミリオンレース。総賞金100万NZドルで、1着賞金が55万ドルといいますから、日本円にして約4000万円といったところでしょうか。400万人という人口規模、そして馬券の総売上150億円程度から考えたら、結構な賞金額です。ちなみに、グループ1,2といった格付けはまだありません。

 ちなみに、勝ち馬の販売者には10000ドルのボーナスが、出走馬の販売者には2000ドルのボーナスが支給されます。ま、日本円にして70万円程度ですけどね。本日はたったの6レースで、第1レースの開始がなんと5時10分。9時前まで明るいので、8時前までに6レース行うことになります。



 さて、第1レースの2100メートル戦。ニュージーランドナンバー2厩舎のジョン・サージャント厩舎から出走のシラニは豪州生まれのガリレオ産駒。この厩務員さんはサージャント厩舎のベテラン遠征担当厩務員さんらしく、レッドルーラーを始め、サージャント厩舎の並み居る重賞馬を全部担当しているみたいです。テラパのワイカトタイムスカップに勝ったモンジュー産駒も、レッドルーラーもこの人が担当でした。



 で、見事勝利。三歳牝馬ですが、日本の牝馬と違ってふっくらとした作りです。



 こちらがサージャント師。怪しさ満点です。



 日本でもおなじみの勝負服ですが、社台さんとは全く関係ありません。



 第3レースは3歳馬限定によるマイル戦。3歳最強のコルト(牡馬)、ジョーマッシーノ登場です。前走はNZの首都・ウエリントンで行われた3歳限定マイルを見事勝利。これが先週でしたから、普通に連闘してくるのがオセアニア競馬の凄いところです。



 鞍上は前走の勝利に引き続いて、女性ジョッキーではナンバーワンのサム・スプラット25歳。かつてのナンバーワンは、日本にも短期免許で来たことのあるリサ・クロップでしたが、去年の春に覚醒剤で逮捕されてしまいました。



 ジョーマッシーノは見事に逃げ切ってのハナ差辛勝。使い詰めているせいか、オセアニア産馬にしては珍しく、アバラが浮いちゃってます。

 以下はメインレースであったカラカミリオン2歳限定戦出走馬たちのレース後の馬体。


 






 どう見ても、日本の同時期の2歳馬よりは体ができています。っていうか、日本の馬が絞り過ぎているのでしょうか。こちらは8月で年齢が繰り上がるので、NZの2歳2月といえば、日本でいうところの2歳の6月。そう考えると、ずいぶんと早い時期から使い込んでるわけですね。

 体はふっくらしていても、体高はまだまだ伸びそうな感じなので、そこはまだまだ少年少女といった印象です。

 勝ち馬のシスターハバナは豪州のサイアーであるジェネラルネディウム産駒の牝馬。4万ドルで購買された馬ですから、日本円にして300万円にも満たない金額ですね。豪州の馬主に購入され、NZに遠征してきたわけです。

 1月1日の1200メートルG1レースも豪州馬にやられましたが、短距離はさすがに豪州調教馬が強いです。2000メートル以上ならNZ調教馬が平均強いみたいですけどね。


 

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現役最強のステイヤー

2010-01-31 | NZ競馬
 ニュージーランドの距離体系は日本とよく似ています。短距離よりも中長距離が重視され、血統構成ももちろんオーストラリア産馬とはかなり異なってきます。豪州は筋肉もりもりデインヒルの系統が強いのですが、NZでは圧倒的に強い系統というものが存在しないようです。

 サートリストラムからのザビールはサンデーサイレンス同様ロイヤルチャージャーの系統ですが、母がヌレエフで、この辺がよく出ると豪州でよく走るみたい。ヌレエフが出るかサートリストラムが出るかで、距離適正が決まってくるみたいですね。

 さて、NZ現役最強のステイヤーといえばレッドルーラー。父バイキングルーラー、母父がレッドランサム。バイキングルーラーはデインヒルの系統になりますが、母父のサートリストラムが強く出ているせいか、後脚の長い、体高のあるステイヤータイプの馬を出す傾向にあるみたい。

 このレッドルーラー、母父が私の好きなレッドランサムというのもいいですね。父系サートリストラムと母系レッドルーラーでターントゥがクロスしているので、その辺がいい影響を与えているのでしょうか。根幹にある闘争本能の強さを引き立てていそうですけどね。

 レッドルーラーのすごいところは、昨年の12月26日から1月29日までの約1ヶ月で4走し、3勝2着1回という成績。負けたのがザビールクラシックというG1レースで、後はG2勝、G31勝という成績。せん馬中心であるせいか、使いべりしないのがオセアニア産馬の特徴ですね。もはや国内に敵なしなので、北半球・春の大一番であるクイーンエリザベス2世ステークスに向かうなんていうプランもあるようです。天皇賞はどうでもいいとして、ドバイシーマクラシックという選択肢があってもよかったんですけど。



 1月1日にエラズリーで行われたG2オークランドカップ2400のレース後。2馬身差の圧勝劇でした。良馬場2.27.22ですから、かなりの好タイムだと思います。ドバイいけ~。ちなみに、こちらはどの馬もこういう馬体の仕上げ。日本みたいに肋がうっすらと浮き上がるなんてことはまずないですね。コンスタントに使い続けてナンボですから。



 ちなみに、こちらがケンブリッジスタッドの社長であるパトリックホーガンさん。両親がアイルランド移民で、30年前にケンブリッジスタッドを創設。サートリストラムという種牡馬が大当たりし、その子のザビールでもフィーバー続き。両種牡馬でメルボルンカップを幾度となく制覇しております。ザビールの子はドバイシーマクラシックにも勝っています。

 日本でも距離適正に融通のあるザビールの肌馬をもっと導入してもいいはずですけどね。ダンサーの入っていないサンデー系種牡馬には間違いなく適合すると思います。

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