Horse Racing Information in NZ

ニュージーランド競馬に関する話題

カラカミリオン

2010-01-31 | NZ競馬
 ニュージーランドは明日から約10日間にわたるカラカセールに突入します。人口400万人の小さな国ですので、競馬業界という一大産業外が外貨を獲得するための、国家的にも重要なイベントになります。

 そのイベントを盛り上げるのが、このカラカセール出身馬だけに出走権のあるカラカミリオンレース。総賞金100万NZドルで、1着賞金が55万ドルといいますから、日本円にして約4000万円といったところでしょうか。400万人という人口規模、そして馬券の総売上150億円程度から考えたら、結構な賞金額です。ちなみに、グループ1,2といった格付けはまだありません。

 ちなみに、勝ち馬の販売者には10000ドルのボーナスが、出走馬の販売者には2000ドルのボーナスが支給されます。ま、日本円にして70万円程度ですけどね。本日はたったの6レースで、第1レースの開始がなんと5時10分。9時前まで明るいので、8時前までに6レース行うことになります。



 さて、第1レースの2100メートル戦。ニュージーランドナンバー2厩舎のジョン・サージャント厩舎から出走のシラニは豪州生まれのガリレオ産駒。この厩務員さんはサージャント厩舎のベテラン遠征担当厩務員さんらしく、レッドルーラーを始め、サージャント厩舎の並み居る重賞馬を全部担当しているみたいです。テラパのワイカトタイムスカップに勝ったモンジュー産駒も、レッドルーラーもこの人が担当でした。



 で、見事勝利。三歳牝馬ですが、日本の牝馬と違ってふっくらとした作りです。



 こちらがサージャント師。怪しさ満点です。



 日本でもおなじみの勝負服ですが、社台さんとは全く関係ありません。



 第3レースは3歳馬限定によるマイル戦。3歳最強のコルト(牡馬)、ジョーマッシーノ登場です。前走はNZの首都・ウエリントンで行われた3歳限定マイルを見事勝利。これが先週でしたから、普通に連闘してくるのがオセアニア競馬の凄いところです。



 鞍上は前走の勝利に引き続いて、女性ジョッキーではナンバーワンのサム・スプラット25歳。かつてのナンバーワンは、日本にも短期免許で来たことのあるリサ・クロップでしたが、去年の春に覚醒剤で逮捕されてしまいました。



 ジョーマッシーノは見事に逃げ切ってのハナ差辛勝。使い詰めているせいか、オセアニア産馬にしては珍しく、アバラが浮いちゃってます。

 以下はメインレースであったカラカミリオン2歳限定戦出走馬たちのレース後の馬体。


 






 どう見ても、日本の同時期の2歳馬よりは体ができています。っていうか、日本の馬が絞り過ぎているのでしょうか。こちらは8月で年齢が繰り上がるので、NZの2歳2月といえば、日本でいうところの2歳の6月。そう考えると、ずいぶんと早い時期から使い込んでるわけですね。

 体はふっくらしていても、体高はまだまだ伸びそうな感じなので、そこはまだまだ少年少女といった印象です。

 勝ち馬のシスターハバナは豪州のサイアーであるジェネラルネディウム産駒の牝馬。4万ドルで購買された馬ですから、日本円にして300万円にも満たない金額ですね。豪州の馬主に購入され、NZに遠征してきたわけです。

 1月1日の1200メートルG1レースも豪州馬にやられましたが、短距離はさすがに豪州調教馬が強いです。2000メートル以上ならNZ調教馬が平均強いみたいですけどね。


 

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現役最強のステイヤー

2010-01-31 | NZ競馬
 ニュージーランドの距離体系は日本とよく似ています。短距離よりも中長距離が重視され、血統構成ももちろんオーストラリア産馬とはかなり異なってきます。豪州は筋肉もりもりデインヒルの系統が強いのですが、NZでは圧倒的に強い系統というものが存在しないようです。

 サートリストラムからのザビールはサンデーサイレンス同様ロイヤルチャージャーの系統ですが、母がヌレエフで、この辺がよく出ると豪州でよく走るみたい。ヌレエフが出るかサートリストラムが出るかで、距離適正が決まってくるみたいですね。

 さて、NZ現役最強のステイヤーといえばレッドルーラー。父バイキングルーラー、母父がレッドランサム。バイキングルーラーはデインヒルの系統になりますが、母父のサートリストラムが強く出ているせいか、後脚の長い、体高のあるステイヤータイプの馬を出す傾向にあるみたい。

 このレッドルーラー、母父が私の好きなレッドランサムというのもいいですね。父系サートリストラムと母系レッドルーラーでターントゥがクロスしているので、その辺がいい影響を与えているのでしょうか。根幹にある闘争本能の強さを引き立てていそうですけどね。

 レッドルーラーのすごいところは、昨年の12月26日から1月29日までの約1ヶ月で4走し、3勝2着1回という成績。負けたのがザビールクラシックというG1レースで、後はG2勝、G31勝という成績。せん馬中心であるせいか、使いべりしないのがオセアニア産馬の特徴ですね。もはや国内に敵なしなので、北半球・春の大一番であるクイーンエリザベス2世ステークスに向かうなんていうプランもあるようです。天皇賞はどうでもいいとして、ドバイシーマクラシックという選択肢があってもよかったんですけど。



 1月1日にエラズリーで行われたG2オークランドカップ2400のレース後。2馬身差の圧勝劇でした。良馬場2.27.22ですから、かなりの好タイムだと思います。ドバイいけ~。ちなみに、こちらはどの馬もこういう馬体の仕上げ。日本みたいに肋がうっすらと浮き上がるなんてことはまずないですね。コンスタントに使い続けてナンボですから。



 ちなみに、こちらがケンブリッジスタッドの社長であるパトリックホーガンさん。両親がアイルランド移民で、30年前にケンブリッジスタッドを創設。サートリストラムという種牡馬が大当たりし、その子のザビールでもフィーバー続き。両種牡馬でメルボルンカップを幾度となく制覇しております。ザビールの子はドバイシーマクラシックにも勝っています。

 日本でも距離適正に融通のあるザビールの肌馬をもっと導入してもいいはずですけどね。ダンサーの入っていないサンデー系種牡馬には間違いなく適合すると思います。

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NZB、シンガポールで番組を持つ

2009-12-28 | NZ競馬
 NZ競走馬生産界の主な顧客は、トップが圧倒的に豪州、2位が香港、3位がシンガポールとなります。これは豪州でも同じ事ですが、NZの生産規模は豪州の3分の1程度なので、影響力は小さいですよね。でも、日本よりは国際G1に勝てる馬を作っていることは間違いない・・・というか、日本と違って世界に向けて輸出しているのですから、それも当たり前なのですけどね。

 ちなみに、生産規模は小さくとも、NZの馬はメルボルンカップで10回以上勝っているし、香港馬としてドバイに遠征し、見事勝利もしています。もちろん、香港のセン馬軍団として、安田記念にも参戦しています。古くはホーリックス、最近では障害でセントスティーヴンスも勝利しております。

 残念なのは、NZから直接海外遠征することが希であること。ただ、これには島国であるが故の超厳しい検疫も大きなハードルとなっているようです。

 日本の軽種馬協会に該当する(・・・といっても、業務内容はもっと多岐にわたる)ニュージーランドブラッドストックが、シンガポールでテレビ番組を持ったという記事が、サラブレッドニュースに掲載されていました。

 要約すると、2週間に1度、シンガポールの“レーシングチャンネル”において、ニュージーランドのレースや競走馬のトレーニング風景、生産界の様子などを放送するというもの。シンガポールのオーナーたちも、カラカセールに行って初めて馬の様子を知るのではなく、テレビから事前にNZの情報を入手できるので、大いに参考になるのだとか。

 12月9日が第1回目のオンエアだそうで、番組は2週間に1度ですが、今後、提供する情報量はさらに増やしていくとのことです。

 香港で同様の番組が放送されているかは分かりませんが、レーシングチャンネルでは、香港、豪州、NZのレース番組が同時に放送されておりますので(つまり、NZにおいて香港、豪州の馬券を購入できる)、香港の競馬関係者は常にNZのレース映像をオンタイムで見ているということになります。

 香港が入るんだから、ここに日本が入っても良さそうですけどね。オセアニア、シンガポール、香港、日本と、将来は環太平洋競馬が実現されるのでしょうか。馬主層やファン層には関係のないことですが、そうなると、日高の生産界にはちょっと厳しいかも知れませんね。


 日本において現役馬の移籍が自由化されたら、NZの非居住馬主(日本人)が、NZのレースを使ってものになりそうな馬をJRAに移籍させるなんて事が現実的になってきます。なんせ、こちらは維持費が半分以下なので、古馬になるまでこちらで使って、それから日本に移籍なんてことも可能になります。

 NZのコースや距離体系は、日本ととてもよく似ています。おまけに、芝よりもやや時計のかかるAWが一般化されたりしたら、NZ馬にはぴったりの環境が日本には整っているといっても過言ではないでしょう。
 

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JRA外国人馬主解禁についての記事

2009-12-27 | NZ競馬
 オーストラリアとNZには、「サラブレッドニュース」というサイトがあります。両国の競馬が密接な関係にある・・・といっても、NZの強い馬が賞金の高い豪州によく遠征する、豪州の馬主がNZ生産界の最大の顧客、という関係・・・わけです。

 その中にインターナショナルサイトもあるのですが、オセアニアは当然市場として日本を有望視しており、日本の動向もよく伝えております。朝日杯でローズキングダムが圧勝したこともちゃんと伝えております。つまり、オセアニアの競馬事情通なら、日本のある程度の事情はある程度把握しているわけです。もちろん、私もその中の一人ですが、日本サイドが海外メディアに向けて発信しているコメントというのは、日本ではあまり伝えられませんよね。

 以下のようなおもしろい記事が掲載されていました。

~~~~~~~~~~~~~~~

サラブレッドニュース スウェッテンハムスタッドのアダム=サングスター、日本に馬主申請中

 ビクトリア州に拠点を置くサングスタースタッドが、日本の馬主□が年明けにもとれそうだと報じている。JRAは11月末、日本の非居住馬主として、シェイク=モハメド氏を最初の外国人馬主として、その後、ハヤ王女、シンガポール在住のオオタニマサツグ氏を馬主として認めた。

 JRA外事班のリーダーであり、アジア競馬評議会の議長でもあるサトウコウジ氏のコメント。

 「日本は2007年に16あるパートワン国の1つとして認められた。その時以来、私たちは日本競馬の国際化に努めてきた。今年から、非居住馬主に対して新しいオーナー制度をスタートする。2010年から日本の重賞レースは全て国際競走とする。私たちは無事に最初の外国人馬主を迎え入れることができて大変嬉しく思う。シェイク=モハメド氏をはじめとして、蒼々たる方々に馬主となっていただき、光栄だ。

我々JRAは、競馬ファンと共に、競馬がスポーツエンターテインメントとして国際レベルに達することを強く望んでいる。これは日本だけではなく、アジア、そして世界競馬の発展の祈念すべき第一歩である」

~~~~~~~~~~~~~~~~

 かなりの違約も含まれていますが、だいたいこういう内容です。

 UAEの王室が馬主になったことは知っていましたが、日本でもよく馬を買っているシンガポールの大谷さんも馬主になったんですね。至極当たり前かも知れません。クールモアは当然として、これから続々と海外馬主が参戦してくるでしょうね。これから10年先は、外国現役馬の移籍自由化が最大の焦点になると思います。

 JRAのコメントですが、国内向けには、社台さんやその他大手牧場を除いてもうどうしようもない生産地保護等の観点から、あまり強い姿勢を取ることはできませんが、これが本音なんだと思います。市場低迷と同時に、日本競馬はこのまま尻すぼみ間違いないので、競馬レベルを高め、スポーツエンターテインメントとして昇華させるには、やはり諸外国同様にならなければなりません。

 5年くらいはそれほどパッとした動きにはならないと思いますが、日高地方の中小牧場に遠慮がいらなくなったとき、その動きには拍車がかかるのではないかと思います。 

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ザビールクラシック

2009-12-26 | NZ競馬
 12月26日はボクシングデー。その昔、貴族が召使いにクリスマス休暇を与えたことがその始まりとのこと。オークランドのエラズリー競馬場において、グループ一レースのザビールクラシックをはじめ、2つのグループ2レースなどなど、その他のレースも高賞金(といっても、南関に毛が生えた程度)で、会場は大変な盛り上がりを見せておりました。

 1万人・・・といっても、日本で1万人といえば、中央ならガラガラ規模ですけど、こちらは客席ゾーンが小さいので、歩けば方がぶつかり合うくらい、ごった返していました。



 プレゼンターのお姉様方。制服的なJRAとは違いますね。



 内ラチも車と人でびっしり。人がオッズをふさいでしまい、オッズが全然見えないのですが、客の都合なんて二の次であるのがNZ競売です。観客の多い日は馬券を買う日じゃないです。



 普段は動きやすい格好をしているカメラマンも、お祭りグループ1レースのある日は、正装?になります。真ん中の年齢不詳っぽいお姉さんは、どんなレースにも来ています。



 誘導馬も4頭体制。こちらの誘導馬は放馬を捕まえたり、入れ込む馬の側についてなだめたり、何をしているのかよく分からないJRAと違って、本当に働き者です。



 さて、メインのザビールクラシック。こちらの夏は9時まで明るいので、メインレースは6時17分スタートになります。中途半端ですが、きっちり6時17分にゲート入りが始まります。 

 こちらはリーディングトレーナーのウォーカー先生と、その弟子のマクドナルド。1つ前の準メイン「ノーザンギニーG2」で見事穴を開けておりました。芝2100メートルの混合戦で、ただ1頭フィリー(3歳牝馬)からの挑戦でした。勝てる見込みがあるからこそ、一見無理と思われるレースにも挑戦してきたんですね。いい勉強になりました。



 馬主さんの娘さんでしょうか。派手な髪飾りを付けてます。日本人が付けていたら、変ですけどね。





 上3枚は勝ち馬となるボウスンロマーニ。父がラーイ系のエレクトリックゾーンに、母父がモーコンというフランスの古ーい系統の種馬。ザビールクラシックは2000メートルなので、そういう血統の馬が中心となります。エレクトリックゾーン産駒は2000メートル以上で強いみたい。やっぱり、ラーイという感じです。

 ニュージーランドは同じオセアニアのオーストラリアと違って、スプリントレースが3分の1くらい。2400メートル戦は数えるほどしかなく、マイルを中心に色んな距離体系で運営されているので、こちらも距離体系の幅広い日本の芝のレース体系と似たような感じです。



 ゲートの瞬間。本日は1、2番人気になる予定だった馬が2頭ともスクラッチ。手薄なメンバー構成で、その分オッズが割れていました。



 勝利ジョッキーのマシュー・キャメロンが、ステージの上で勝利のスピーチ。なんとテン乗りで大穴を開けちゃいました。勝ち馬は前走から着外、1着、着外、着外、10着以下という不安定な内容からの1着です。



 勝ち馬の馬体。






 以上は、こちらのオープンクラス芝2000メートルを走る馬たちのレース直後の馬体。G1だからといって日本みたいにアバラが浮くほどギリギリまで絞らず、かといって地方のダート馬のように、腹袋どっしりというわけでもない。調教の仕方と馬の作り方で、馬体のデキは大きく変わってくるようですね。ましてこちらは牡ではなく、ほとんどがセン馬とメス。馬体からは、ゴチッとしたような、とがったような印象を受けません。

 
 しかし、こちらの観客は、一般庶民の方はレースを見に来ている人と、ただ遊びに来ている人が半々くらい。根っからの馬券オヤジもいれば、お祭りだから着飾って騒ぎに来たなんて若者もたくさんいました。純粋に競馬が見たくて競馬場へ(それも一人で)行く人が多い日本とは、全く異なった雰囲気なのでありました。

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ホーリックスもここから始まった

2009-12-23 | NZ競馬
 ニュージーランドの生産牧場と調教師は、その多くがオークランドに近いワイカト地方の町、ケンブリッジとマタマタに集中しています。今日は私の住むケンブリッジから車で40分ほどにあるマタマタでのレース。

 クリスマス前だけど、田舎競馬のメイドン(未勝利)レース中心の構成であるせいか、会場は全く盛り上がらず、淡々とレースが進むだけでした。ホント、地元で力試しするだけだから、ここは社交場としては全く機能していないみたい。ケンブリッジ開催の時も、おそらく似たような形になるのでしょうか。

 収容人員2000人くらいの小さな競馬場ですが、立地的に人口密集地から遠く離れていますので、やむを得ないでしょう。といっても、施設は比較的立派で、コースはもちろん、日本の競馬場に負けないくらい、きちんと手入れが施された立派なものです。

 ちなみに、ホーリックスもこのマタマタで調教された馬ですので、ここはホーリックスの故郷になります。勢力図においては、生産牧場はケンブリッジ中心、調教師はマタマタ中心といった感じです。



 ゴール前にあるタワー。監視塔、実況アナウンサー、テレビカメラといったところでしょうか。



 厩舎村・・・というか、競走馬たちの装鞍場。ニュージーランドはどこの競馬場も日本みたいにレース場とは隔絶されてはおらずに、近くにあって、関係者が自由に出入りできます。ちなみに、日本と違って外厩制で、何時間前までに競馬場に来ることなんてルールもないので、極端な話、パドックの時間に間に合うまでに来ていればいいみたいです。



 おや?お前さん、違う勝負服で日本にもいなかったかい?



 なぜか近くがヘリポートになっています。



 さすがニュージーランド競馬の総本山。この競馬場は、レース場というより調教施設といった方がいいかも知れませんね。ダートコースの調教施設があります。



 実をいうと、こちらにはボロミというものがなく、おばちゃんがスコップですくってボロをどっかに投げています。生産牧場には馬房がほとんどないし、敷料はおがくずですから、ボロミとボロカギという日本的なものはなくて当たり前かも知れません。



 こちらがNZのリーディング調教師・マーク=ウォーカーさん。思いっきりアイルランド系の顔立ちですが、実際にアイルランド人です。40前くらいでしょうか。マタマタが本拠地で、南島にも厩舎を構えているみたいです。



 ウオーカー大先生んとこの見習いジョッキーであるマクドナルド君。人気通りの騎乗をするのですが、イマイチパンチ力がない感じです。人気薄でもたまに連に突っ込んでくる見習いがおりますけど、彼にはそこまでの腕はないみたい。藤沢先生のところの、若き日の北村宏みたいなものでしょうか。



 この日はメイドン中心のレースであるため、大物ジョッキーはほとんど見ませんでした。若手騎手限定戦みたいなものといえばいいのでしょうか。



 本能の赴くままに、芝生を転げ回るチビ。本当は大人たちもこうしたいのですが、さすがに自制心が働きますよね。



 東京競馬場かと思うくらい広いコースです。たまに逃げを打つ馬もおりますけど、基本的にはゲートを出たなりに一団となり、直線勝負といったところ。狭いところからでもグイッと抜け出てくるジョッキーもいますが、それが女だったりするから凄いわけです。



 直線になるとばらけますが、先行したまま抜け出して勝つ横綱相撲を見せる馬もいれば、大外に持ち出して直線一気を見せる馬もいます。展開どうこう以上に、最後の直線までにどれだけスタミナを温存していくかというレース運びになりそうですね。コースは日本的、レース運びは欧州的といえばいいのでしょうか。





 話変わって、マタマタといえば、ロードオブザリングのホビット庄のロケ現場でありまして、セットがそのまま残されています。羊牧場の中を延々とバスに乗って現場までいくのですが、たった30分のツアーで約4500円って、ちょっと高いでしょう・・・。ガイドさんはクリアな英語じゃないので、ゆっくりはなしてくれても5%も理解できませんでした。

 そうなんですよ。今の僕の語学力では、人によってわかる周波数とそうでないものがあるみたいです。

 例の大木。ビルボの誕生日を祝ったところですね。50メートル以上はあったでしょうか。松の木ですが、日本では見ない種類の松です。昔のNZは至る所にこういう巨木が生えており、それを切り倒して放牧地にしたんでしょうね。



 私が近寄ると、羊が群れをなして逃げていきました。羊毛用の羊ちゃんたちです。無邪気で可愛いものです。



 赤く染まっているので、このサイズで大人なのかどうかは分かりません。赤ちゃんリンゴで、多分農薬とか肥料とかなんにもやらずに実をならしているのでしょうから、例の「奇跡のリンゴ」の人に教えてあげたいです。

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去勢馬

2009-12-21 | NZ競馬
 日本人は欧米人に比べて遙かに馬の扱いがへたくそとは言われていますが、日本人でもうまい人はとてもうまいし、欧米人でもいい加減な人もたくさんいます。といっても、平均的には欧米人の方が上であることは間違いない。

 なにせ、本当に物心つくか否かといったときから馬に接しているので、キャリアが全然違うわけですよ。その絶対数が欧米の方が多いわけで、当然のごとく、それがレベルの差につながっているわけですよね。

 ところで、NZの馬は平均もの凄くおとなしいんです。それはおそらく、競馬場が静かだとか、広々として開放的であるとかという環境的な理由もありますけど、

 セン馬ばっかり

というのも1つの大きな要因なのではないかと思います。人間もそうですけど、性衝動というのは、精神の不安定につながりますよね。パドックで馬っけ出して大変な馬も日本にはおりますが、こちらでそういう光景を見ることはゼロに等しい。

 牡のにおいがしないというのも、牝馬にとってもいいんじゃないかと思います。

 目の前を発情した牝馬が歩いていたとしても、入れ込むことがないので、扱う方としてもとても楽ですよね。もちろん、ジョッキーがまたがるととたんに鶴首になって入れ込み始める馬もおりますが、それは本当にレース直前になってスイッチが入ったときから。オンオフの切り替えがはっきりしているから、無駄な体力を使うことが少ないのでしょう。

 馬の扱いが上手な上に、馬も扱いやすいと来たら、日本の平均的な競馬レベルとは、やっぱり差が付いてしかるべきだとは思うんです。

 日本の場合、地方競馬に行くような馬で種牡馬になれる馬は何千頭に1頭よりまだ低確率なのだから、こっちみたいに全部セン馬にしたらいいとは思います。その方が、確率的には人間にも馬にもいいことなのではないかと思います。

 現代の日本競馬は、種牡馬的価値のある良血馬が、芝のマイル中距離G1を勝たなければ種牡馬になれない時代です。短距離やダートの種牡馬は人気がないし、いつでも廃用の危機に瀕しているといって間違いない。

 いくら好成績を残しても種牡馬になれないような馬は、最初からどんどん去勢するべきです。この点はオセアニア競馬に見習うべきだと思います。

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一方、日本では

2009-12-20 | NZ競馬
 日本ではローズキングダムが中山の直線中段から抜け出す、もの凄く強い勝ち方をしましたね。世界のどこにいてもyou tubeで見られるので、ホント、助かります。

 日本にいた頃は社台の馬が強い勝ち方をしても興ざめしていたけど、今は全然違います。日本でもはや敵なしとなって、そのあと海外挑戦してくるかどうかですよね。本当は日本ダービーじゃなくて、他の国のダービーを目指してほしいところだけど、そういうわけには行きませんよね。

 日本だけでどうこうしていたって所詮種牡馬価値は知れたものなので、シャトルになっても価値のある種牡馬となれるような馬を育てていくことを目標としなければならないはずです。

 といっても、ローズキングダムはクラブの持ち馬。日本で勝てるレースを捨て、海外挑戦しようと思ったら会員を説得する必要が出てくるのでありましょうか。ヴエナビスタ同様、そのへんは大変かも知れませんね。

 しかし、今年の暮れは社台さんの馬が強い強い。昔からそうですが、今年はさらに強いような気がします。いずれ日本の競馬は、社台VS大牧場VS外国資本牧場VS外国産馬のよつどもえになります。

 さぁ、馬をどっから持ってくるか、外国産馬は現役移籍でもOKなのか、となったときに、調教師はどこまで外国に目を向けることでしょうか。日本のお国柄を考えると、セン馬にはあまり関心が行かないかも知れませんね。
 

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レーシングブック

2009-12-20 | NZ競馬
 競馬そのものを勉強しようと思ったら、新聞を片手にレースを見ることが一番ですよね。血統はそんなにしっかり載っていませんが、少なくとも父・母・母父は載っている。ジョッキー、調教師、オーナー情報や戦績がパッと見で分かるので、新聞は不可欠なツールであります。

 こちらには競馬新聞はあることはあるのだけれど、場内で販売されるレーシングブックが一般的。3ドルですから、現在のレートで200円くらいでしょうか。

 枠順がないので、馬番の順番はレーティング順で決まります。たとえば、レーティング100の馬が1番で、80の馬が16番という風に。馬番が1番だけど、ゲートは内側から8番目だったりします。

 内外どちらが有利かといったら、それはもちろん、コーナーまでの距離がどれだけあるかなど、競馬場によってはかなり有利不利があるみたいです。

 一頃の日本では、同じレースに同じ種馬産駒が何頭も出走していて、レースへの興味を失わせておりましたが、こちらは日本の地方競馬のごとく、同じレースに同じ種馬産駒が、多くても2頭程度しか出走してないというメンバー構成。

 例えば、12月19日にテラパ競馬場で行われたロッジカントリー2100というレースのサイアー構成といえば、

Istidaad USA
Montjeu IRE
Electronic Zone USA
Keeper AUS
Fusaichi Pegasus USA
Black Tuxedo JPN(ブラックタキシードです!)
Centaine AUS
Montjeu IRE
Dagger Drawn USA
Traditionally USA

 まだ何頭か出ているのですが、アメリカから輸入されたか、もしくはシャトル種牡馬が多いですね。NZの出走馬はほとんどが去勢馬か牝なので、自国産種牡馬はあまりいないのであります。そういう事情もあって、種牡馬構成はバラエティーに富まざるを得ないのでありましょうか。

 ともあれ、特に日本の中央競馬は種牡馬構成が本当に貧弱。在厩頭数は凄いのに、商業主義に傾くあまり、多様性を失ってしまいました。

 

 オセアニアにおいても、競走馬の8割以上は自らのトレーニングコストを稼ぐことができず、何割かの馬が1円も稼げないまま引退していくとのこと。日本でももちろんそうですけど、競走馬のほとんどが赤字であるからこそ、維持費を日本と比較してとんでもなく安く仕上げ、馬を持ってみんなで楽しむことに重点をおいているのでしょうね。

 日本の場合、賞金が高いといっても、一体どれだけの馬主が馬を持つことを楽しんでいるのでしょうか。お金のことばかり心配している人が多いように思えてならないのは、とても残念なことです。庶民は所詮1口だし。

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人馬に危険な日本の競馬場

2009-12-16 | NZ競馬
 こちらに来てからもう7回ほど競馬場へ行きましたが、日本競馬の中央競馬との違いを少々。

 JRAの開催では、必ずといっていいほど落馬事故が見られますが、こちらではまだ1度も見たことがありません。日本の地方競馬でも落馬事故は希ですが、なぜ日本の中央競馬だけに、あれほどまでに落馬事故が多いのか、不思議でなりません。

 日本の地方競馬もオセアニアのジョッキーも、一流クラスでもおそらく日本のアンチャンほども稼げないとは思いますが、中央ジョッキーの腕が悪いわけでは、もちろんないはずです。

 どうしてでしょうか。競馬場が馬に何らかの影響を与えているのか、頭数が多くて密集状態になるせいなのか。これはジョッキーに聞いてみないと分からないことかも知れません。中央の馬って、ホントに真っ直ぐ走れない馬が多いのは気のせいでしょうか。馬はもともと真っ直ぐ走るものではないとしても、どうして?といつも考えてしまいます。

 あと、日本の中央競馬は極端に斜行が多いようです。中央のジョッキーは器用にムチを左右に持ち替え、強制するのに大変そうな馬もいますよね。こっちのジョッキーで日本のジョッキーほど直線で持ち替えているのはあまりみないし、実際、見た目にはっきり分かるような斜行というのもお目にかかったことがありません。

 日本の中央競馬だけに、なぜあれほどまでに審議が多発するのか。そのへん、人馬の安全を最優先として、もっとよく考えなければならないでしょうね。ちなみに、落馬事故は障害でよくあるそうです。馬がこけるから障害なのですが。

 あと、これも日本の中央競馬とNZを比較してですが、レース中の故障発生率は日本がダントツでしょうね。それだけ硬いが馬場が馬の脚元に与える影響というのは大きいのでありましょうか。

 NZは、同じ芝でも確かに1,2秒ほど日本よりは遅い。ただ、それは脚元への安全性も考慮に入れたものであるそうです。馬場というのは柔らかすぎても危険なようで、雨が続いて馬場状態が悪かったりすると、多くの馬がスクラッチしたりします。そのへんが認められているので、怪我が少ないのかも知れません。

 といっても、何せ賞金が安いので、怪我さられたどうしようもありませんからね。

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カンパニー、NZへ来て下さい

2009-12-13 | NZ競馬
 ニュージーの馬場はちょい重め。タイムも日本より1,2秒遅めといったところ。直線平坦なので、凹凸が激しいらしい欧州よりはタイムが出やすいみたい。

 タイムから考えたら、香港のシャティンと似たようなものなのでしょうか。

 でも、最近、香港では日本馬が全然ダメですね。アドマイヤムーンがいかに立派だったかがよく分かりますが、先行して直線失速しているようなレースッぷりを見てみると、ちょい重めの芝が苦手になってきているような気がしますよね。

 日本の軽い芝に合う形で、スピードの出やすい気性を持ったサンデー系が台頭しましたけど、孫の代になってその影響力も薄れてしまい、外国の芝を走るだけのスタミナに乏しくなってきたと見るべきなのでしょうか。

 ジャガーメイルが僅差の4着と健闘したように、ステイヤーは強いんでしょうけどね。そう考えると、ダービー馬のロジユニヴァースなんてのは、ジャパンカップよりも香港ヴァースの方が勝ち目があったのかも知れません。素人考えですけど。

 自国の勝ちに拘るあまり、世界の潮流から取り残されてしまった日本馬の血統。ただ、これもAWが導入されれば、また変わってくるのでしょうか。

 ちなみに、オセアニアはシャトル種牡馬が来るというメリットがありますので、アメリカや欧州の種牡馬産駒が結構走ってますね。ワイカトタイムスゴールドカップの覇者もモンジュー産駒だったし、ピヴォタル、ケープクロスなんてのもいれば、モアザンレディー、ジャイアンツコーズウェイ、フサイチペガサス、ロックオブジブラルタルなんてアメリカの種牡馬産駒もたくさん走っています。

 一昔前の欧州やアメリカ、そして日本のように、特定の種牡馬産駒ばかりがクラシックレースに出てくる、なんてことはないようです。これはオセアニア競馬の大きなのメリットですね。

 ちなみに、こちらの競馬場は直線の長い平坦コースが主流。となると、ジャングルポケット産駒がニュージーランドオークスに勝ったのもうなずけます。日本ではサンデー肌に付けてこそ真価を発揮するようですが、東京競馬場に強いトニービン系はニュージーランド競馬にあうのかも知れませんね。となると、カンパニーがシャトルで来ても面白いかも知れません。

 カンパニーがもし香港で勝っていれば、宣伝効果も大きかったのですけどね。うう~ん、香港マイルに行って欲しかった。シャトルで来るなら、現役時代に国際レースで勝てたかどうかがもの凄く大きいとは思います。

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ワイカトタイムスゴールドカップ

2009-12-13 | NZ競馬
 12月12日のテラパ競馬場は2重賞2準重賞というクリスマスタイムの大盤振る舞い。この日のレースは全体的に賞金が高く(といっても、メインのワイカトタイムスゴールドカップでも1着500万円なのですが)、大変盛り上がっておりました。



 普段は見られない特設映像も登場。といっても、競馬場の規模の割に小さいので、どの馬がどこを走っているのかはさっぱり分かりません。こちらで競馬観戦するときは、双眼鏡必携です。



 酒の入ったファンが飛び出さないようにするためか、ターフ上にガードマンまでいます。



 誘導馬もクリスマスモード突入。



 パドックと観客が近っ!



 こちらのグリーンチャンネルにあたるトラックサイドのカメラもパドック内に入っております。



 本命は連勝中でロングディスタンスに強いモンジュー産駒パスチェンダエル♀4歳。長い距離ですが、モンジュー産駒が強いと言うことは、やはりこちらの芝はちょい重めということですね。オーナーブリーダーの所有です。



 こちらが私が馬券を買ったバックアップ。前走53.5キロを背負って2200メートル戦で勝利しております。今回も同斤量ですが、果たしてどうでるでしょうか。



 まるで絵画をみているようですな。ちなみに、外国産馬は豪州産ザビール産駒のマンカークワイムと、ドイツ産オアシスドリーム産駒のフェアフィールドフレイムの2頭。



 たかがグループ2のレースですが、レース前に国歌斉唱という熱の入りようです。



 レースは見事にモンジュー産駒の勝利でした。ラスト200メートルで集団から抜け出す力強い競馬。この勢いでメルボルンカップに遠征してほしいですね。



 ジョッキーインタビューが会場を盛り上げます。



 あれれ、馬が主役ではないんですか?でも、賞金500万円でこの喜びようです。

 




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ワイカトタイムス レーシング部門

2009-12-06 | NZ競馬
 ワイカトタイムスはワイカト地方の人ならみんなとっている地元紙で、日本でいえば中日新聞や北海道新聞あたりになるのでしょうか。この地方はNZでもっとも農業が盛んな地域。といっても、日本で農業といえば米ですが、こちらは羊、牛、鳥、そして馬といった家畜系農業になります。

 したがって、新聞にも農業関連の内容が多数含まれ、もちろん、ワイカト地方は競走馬産地としても名高いので、きちんと競馬に関することまでページを割いて伝えているのであります。同じ地方紙でも、北海道新聞などよりは全然クオリティーが高い。

 こちらはインターネットが遅れているし、テレビもチャンネルが少ないとあって、広告はもっぱら新聞によるところが大きいのではないかと思います。よって、ワイカトタイムスもページ数が増えるし、広告もそれに比例して多い。日曜日は休刊ですが、土曜日発行の週末版は、広告と各種記事でとんでもなく分厚くなります。

 前置きはさておき、そのレーシング部門において、

「ドバイのシェイクモハメド、そんなに湯水のように投資しているけど大丈夫?(Big spendeing doubt)」

なんて記事が掲載されておりました。世界のトップバイヤーなので、オセアニアでも関心が高いのでしょうか。といっても、ゴドルフィンの影響は金にならない?NZでは薄く、クールモアも豪州止まりだったりします。もっとも、NZ競馬は豪州競馬と同じ地域と考えてもよく(各国とも遠征馬多数)、いちいち賞金の安いNZに拠点を構える必要もないのかもしれません。

 ドバイの動向ですが、日本でもすでに伝えられていますよね。ドバイ金融危機により、借金の返済が6ヶ月もの間遅れているのだそうです。600億ドルといいますから、日本円にしたら5兆何千億円という天文学的数字になりますね。・・・利息とかどうなっているのでしょうか。といっても、日本の借金はすでにその何百倍を凌駕していますけど。

 世界の競馬王こと、シェイク・ムハマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム氏はいうまでもなくUAEの首相ですが、競馬に対する投資はあくまでも個人的な趣味によるもの。競走馬事業への投資は、

 「芋を買うようなもの」

なのだそうです。何兆円の中の何百億円ですから、確かにそうなのかもしれません。国家財政と個人のポケットマネーは関係ないということですね。

 最後に、シェイクモハメド氏が日本においても競走馬事業を拡大していると伝えておりました。これまではレベルの低い地方競馬においてしか競走馬を所有できなかったが(しかも居住者という条件付きで)、彼は日本の中央競馬において最初の外国人馬主となった。今後は東京優駿やその他のクラシックレースに対しても、彼の勝負服で出走させることができる、とあります。

 これは条件付きですね。1年目は15頭で、外国産馬はうち何頭かでしたか。馬主になってもいいけど、内国産馬中心に所有しなければならず、外国からの移籍はもちろんダメということですね。

 ただ、これはいきなり全部開放すると、日本市場における反発が強いでしょうから、様子を見て段階的に自由化されていくのでしょうか。

 なお、レーシングタイムスにおいては、ウオッカがジャパンカップに勝ったこと。豪州のウイリアムス騎手が日本のWSJSで騎乗すること。香港のジョッキーシリーズにおいても、岩田康誠らとともに騎乗することなど、この週は日本関連の記事が掲載されておりました。

 もうすぐ2009年も終わりますが、2010年代は、日本競馬が本格的に国際化する年代。日本から海外へ、海外から日本へという動きは、活発化してくるに違いありません。日本が障壁を設けず、また、日本人が自国にとどまろうという選択をしなければの話ですが、活発な交流が競馬というスポーツをおもしろくすることは間違いありません。

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エイボンデール競馬場

2009-12-05 | NZ競馬
 本日はエイボンデール競馬場。オークランドではエラズリーとエイボンデールが中心的な競馬場ですが、ここは建物の老朽化が著しく、エイボンデールジョッキークラブに金がないのか、清掃も行き届いていない感じで、ちょっと残念でした。

 もちろん、コースは直線450メートル右回りの大変立派なものです。



 人の入りが少ない日は、観客席まで駐車場にしてしまうという思い切りの良さです。



 レースの合間には、地元のおじさんたちがずっと音楽を奏でていました。軽快なカントリー調で、これが結構聴けるんです。



 こちらが装鞍場。パドックのすぐ横で、出入りは割と自由です。NZは馬主等関係者がかなり自由に出入りできるのですが、こうなると日本がなぜあそこまで厳重に警戒するのか、不思議に思えてきます。薬物どうこうはあまり厳しくなさそうですが、とにかく関係者と持ち馬の距離がものすごく近い。

 ちなみに、NZ北東はここ1週間ほど雨続きで、馬場状態がものすごく重くなっていました。そのため、出走回避馬が続出。平場は8頭回避の6頭立てなんてレースもありました。日本と違って、出走確定後回避ができる仕組み。こちらは日本の地方競馬の競走馬同様、出走回数が多いので、負担のかかる重馬場で無理をさせたくないという感じですね。

 さて、本日のメインは、HS DYKE AVONDALE GUINEAS 3歳限定グループ2、1着賞金約400万円のレース。



 1番人気はJOEY MASSINO。このレースに限らず、出走馬のほとんどはセン馬と牝馬なのですが、この馬だけは牡。母系の血統がピカイチなのか、種牡馬としても期待されているようです。パドックでは金持ちそうな香港人と思われる人も熱心に見ていました。勝利を条件に、香港にスカウトするのでしょうか。

 いずれ、日本の競馬界も、このようにオセアニアから現役競走馬をスカウトしていったらいいと思います。こちらの競走馬が2000万円稼ぐのはとても大変なことですが、日本の1000万円下レベルの馬はたくさんいると思います。何より、コース形態、距離体系、やや重めといえど、タイムまで日本とよく似ていますからね。



 ん?このお姉さんは、先月のカラカトレーニングセールでも2歳馬を引いていましたね。育成場のスタッドハンドでしょうか。



 馬主風NZのやしきたかじん。



 残り100メートルで先頭に立つと、そのまま押し切って見事に優勝。



 鞍上は、腕っぷしの強そうなこのおじさん。珍しくマオリ系ですが、NZのアンカツってところでしょうか。



 レース直後で汗だくですが、口取りのためにすぐラグを着せられるのも、ちょっとかわいそうな気がしないでもないです。やっぱり、洗ってすっきりしてからがいいよねぇ。




 ちなみに、こちらのジョッキーは日本のジョッキーみたいに、背筋をビシッとのばしてビュンビュン追う人は少ないみたい。姿勢はやや高めで、だいたいがこんな感じだったと思います。といっても、全身を使ってダイナミックにしごく人もいるし、やっぱり乗り方は様々。




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ジョッキーマネジメント

2009-11-29 | NZ競馬
 将来やってみたいことの一つに、ジョッキーのマネジメントがある。

 例えば、こちらのジョッキーは多国籍である上に性別も問わないとあって、いろんなジョッキーがいます。おまけに、当局がワーキングビザを発給する上で

 不足している職業リスト

にこのジョッキーも入っているので、この国では技術さえ持っていればジョッキーになることができます。日本からは、名古屋の山本茜騎手が来ていましたよね。でも、言葉の壁が克服できなくて、だいぶ苦労したみたいです。

 日本でクスぶっているジョッキーは大勢いるとは思うのですが、オセアニアというか、コース形態のよく似たこの国にどんどん修行に来たらいいんです。賞金の5%がジョッキーの手取りで、騎乗手当が7000円くらい支払われます。日本の地方のジョッキー同様、どんどん乗らなきゃ生活は厳しいかも知れませんけどね。

 乗り方は深い砂とは全然違って、前に突っ込むアメリカや、後ろに体重を乗せてトモにムチを入れる欧州とも違う。さかんに屈伸する南関でもないし、そこはやっぱり馬場に適したオセアニア風。それほどばらけた展開にもならないし、馬なりで行かせて、あとは直線でどういうコースに持っていくかの勝負になるといったところです。

 言葉に不自由するかも知れませんので、日本のジョッキーでもしこちらで修行したいという人がいたら、ぜひ通訳も兼ねたマネジメントというのをやってみたい。でも、そうなったらお前はどうやって食っていくんだって話になりますが、こちらはあくまでもボランティア的なものになってしまうのかも知れません。

 逆に、NZのジョッキーが日本に行く時もそう。短期免許で行くジョッキーはヨーロッパの大物しかおりませんが、こちらがシーズンオフの期間中に、ぜひ日本で乗ってもらいたい。いずれにせよ、10年先にはもっとオープンな時代が来ているはずですよね。

 人と物が活発に動けば情報と金は自然に付いてくるので、当局側の政策としても、盛んな人材交流をぜひとも優先させて欲しいところなんです。NZはその点、アジア人に対する差別というか、障壁が本当に少ない国なので、日本ともっと交流を活発化させて然るべきであると思います。

 こちらにおける香港人はかなり地位のある存在です。なぜなら、NZの馬社会にとって、香港人が最大の顧客だからです。それに、アジア人に対する差別意識が全くないというのも、香港人が一目おかれている理由の一つにもなるでしょう。

 
 といっても、私個人としては、何にしたって、こちらの厩舎関係者と関係を築いて行かなくちゃなりません。言葉に不自由しているようでは、話になりませんが。

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