CAFE PACIS

ユルゲンが「カフェで政治が行なわれているんだ」って言う。じゃあ、カフェで平和やるか。

シーモア・ハーシュ:「私たちは、カルト集団に乗っ取られた」

2005-01-28 14:00:05 | ニュース@海外
ピューリッツアー賞受賞ジャーナリスト、シーモア・ハーシュが、ニューヨークで行った講演から。拷問スキャンダル、イラク戦争の実態、ネオコン・ブッシュ政権の正体、今後の展望などを語っています。かなり重い――ですが、最低4年はブッシュに付き合う者として知るべき話が満載。A4五枚ぐらいの量ですが、必読。

**************

 ハーシュは、2004年4月「ニューヨーカー」誌に、アブグレイブ拷問事件をすっぱ抜いた記者。近著に”Chair of Command: The Road from 9/11 to Abu Graib(指揮系統:9・11からアブグレイブへの道)”がある。この講演は、Democracy Now!が1月26日に報道したもの。http://www.democracynow.org/article.pl?sid=05/01/26/1450204

Seymour Hersh: "We've Been Taken Over by a Cult"
Democracy Now! Wednesday, January 26th, 2005

シーモア・ハーシュ
 「大統領のやっていることについてですが、この3年間の状勢について、おおよそですがオルタナティブな歴史を「ニューヨーカー」に書いているものとして感じるのは、ジョージ・ブッシュは、自分のやっていることを高潔だと感じているということです。ブッシュは身を捧げきっています。ブッシュが自分は神の意思を実行していると思っているのか、父親が遣り残したことをしていると思っているのか、どっちかは分かりませんが、いずれにせよ、私には本当に分からないのですが、ブッシュは正しいことをしていると思っています。彼は、イラクでやってきたことを今後も続けるし、可能なら広げていきます。アメリカに戻ってくる遺体の数が増えてもブッシュには何の意味もない。遺体袋が殺到していますが、ブッシュの考えをなんら変えるものではない。それは、死者が増えようと、ブッシュはそれを、自分の信念が命ずる状況にアメリカを置くことに対し支払わなくてはならない代償だ、と判断するからです。ですから、私のような人間や、政治家――彼らのほとんどはあまりにも腰が引けているのですが――から見ると、ブッシュは非常に異様な形で麻痺させられています。みなが日々感じている不安は――ブッシュが5800万票とったとしても多くの人は戦争継続のために投票したのではないのですが――この不安はこれからも続くと思います。

 将来の予測は難しいですし、予測などは一種ばかげているのかもしれませんが、問題は、どうやってブッシュに対峙するか、どうやって彼を批判するかです。高潔で完全に正しいと思っている道から、ブッシュを降ろすためにはどうしたらいいのか。今自分たちが置かれている状況の恐ろしさは、強調してもしすぎることはありません。なぜなら、ほとんどの人が分かっていないし、報道がまともな仕事をしていないからです。上院の諜報特別委員会は、9/11調査委員会の審議結果を受けた形で、新しい法案を採択したばかりですが、この法案はちょっとした〔対外向けにポーズをとっている〕歌舞伎みたいなもんです。つまり、この法案の真の目的は、ペンタゴンに恐ろしいほどの権力集中を可能にすること、権力集中が合法になった、ということです。これでラムズフェルドは、待ちに待っていたことを恐ろしいほど実行できる権限を手にしました。これは基本的には、ピーターが言ったように、殺られる前に追跡し殺る、ということです。「あいつらもやったんだから、おれらもやるぜ」といった態度が、いま私たちの政府のトップが持っているメンタリティなのです。考えると気がおかしくなりそうなことを2、3話します。それ以上は耐えられませんので。

 この状況から抜け出す方法はあると思います。おそらく。ひとつ言いますと、「反乱・暴動(insurgency)」という言葉はもう完全に忘れましょう。これは、最悪の誤解を招く言葉のひとつです。反乱という言葉が想定させるのは、アメリカがイラクに行って、戦争に勝って、そしたら不満たらたらの一派が歯向かって来て、だからアメリカが対抗しなくてはならなかった、という状況です。私たちは、自分たちが戦争を仕掛けた国民と戦っているのです。バース党に加えてナショナリストの勢力と戦っているのです。自分たちが戦争を仕掛けた国民そのものと戦争しているのです。彼らが選んでいるのは、アメリカの意思に反して、自分たちの時間枠で、自分たちの場所で戦いを進めることをだけです。バグダッドは簡単に落ちました。それはアメリカが勝ったからではありません。彼らが撤退し、わざと獲らせ、事前に計画していた通りに戦うと決めていたからです。そのとおり、彼らはまさに敏活に戦っていますよ。この点でぞっとするのは、アメリカに諜報がないことです。彼らの行動をつかむ情報がないことです。1年半前、米軍はひとつの部隊が2、3人からなる勢力とぶつかっていました。対抗を作戦している支部は、たかだか2、3人だろうと推測していましたが、それでも正体を見破れませんでした。それでは今はどうかというと、いまだに次が予測できない状態です。いまイラクでは、一部隊の規模は10~15人になっており、優れた通信手段も備えています。これは、政府のある関係者から聞いた話です。ちょっと話はずれますが、私のような人間に情報を流してくれる関係者の数は増えています。

 アメリカの軍部、諜報部の内部にはかなりの不安がうずまいています。彼らの多くは、ここにいる人と同じように、憲法や権利章典や個人の自由を尊重している人たちですが、その中で、とてつもない恐怖感が生じています。権力を握っているのが懲罰的行為に出る人間だから。ひとつ言えること、当惑するのは、アメリカが基本的にカルト集団に乗っ取られたということです。たった8、9人のネオコンがどうやってか政府を横取りしたのです。一体、なぜ、どうやって、そこまでうまくやってのけたのかは、後の歴史家と現在あるものよりしっかりした文書の裏づけを待たなくてはならないでしょうが、彼らは、官僚・議会・報道をこれ以上ないほど易々と征服するのに成功したのです。これは、自分たちの民主主義のもろさを雄弁に語っていると思います。ペンタゴンやホワイトハウスにいる一握りの人間が思い通りにことを進めているとなると、民主主義とは一体なんなのか、疑問に思わざるを得ません。彼らがやったのは、CIAを骨抜きにすることですが、その理由、〔新長官の〕ゴスの本当の目的は、作戦部門の人間ではなく、分析を担当している人たちを攻撃することでした。CIA内部には、ホワイトハウス、チェイニー――ホワイトハウスといったとき根本的にはチェイニーのことですが――、ラムズフェルドと多くの問題で意見が違うまじめなベテランのアナリストたちがいました。誰かが言っていたのですが、先月からCIAで進められていることの目的は、真の信者から異教徒をえり分ることです。本当の標的は、「情報局をおとしめる」こと。この問題はいま書いていることなので、この辺にしておきますが、いま政府では大変貌がおこっています。権力の集中です。

 一方で、いくつか事実があります。まず、アメリカはこの戦争には勝てません。ブッシュが、いましていることをすることは可能です。イラクを石器時代になるまでに爆撃することは可能です。が、あまり芳しくない、もう一つの鮮烈な事実があります。サダムの秘密警察ムカバラの一員であった――のち批判的立場に転じた――アラウィを傀儡政権に据えたので、根本的にこれはサダム時代の化石なのですが、アメリカがアラウィを首相にしたのは6月28日で、そのあと、7月、8月、9月、10月、11月と毎月あることが起こっています。一機による出撃回数と、投下される爆弾の量が乗数的に増えているのです。つまり、われわれは、あの国を体系的に爆撃しているということです。拠点となっていると思われるドーハ空軍基地には、従軍記者が一人もいません。空母ハリー・トルーマンにも従軍記者はいません。これが攻撃作戦のおおくを担っている空母だと思います。イラクに防空体制は皆無ですから、攻撃は朝飯前です。アメリカはやってきて落としたいところに爆弾を落としていくわけです。私たちは何も分かっていません。質問もしません。知らされてもいません。爆撃の規模について何も知らないのです。ですから、イラクで選挙が実施され、うまく終わるとするなら、爆撃がカギなのです。どういうことかというと、ファルージャ――実質的にはイラク――で起こったこと、ベトナムを覚えている方もいると思いますが、いまイラクは私たちの目の前で「自由爆撃地帯」と化しているということです。すべて撃ち、すべて殺せ、ということ。空軍大佐の友人がいて、都市爆撃計画という一大任務を担当していた人ですが、都市爆撃計画というのは、爆撃の障害を可能な限り取り除く仕事です。たしか、ファルージャー攻撃のあと、三週間まえの日曜日に彼の自宅に電話をしました。私は人の職場には電話しないのですが、彼の自宅の電話には、呼び出し側を確認する機能がついていて、電話を受けたとき彼は「スターリングラード〔第二次世界大戦の激戦地〕にようこそ」といいました。私たちは自分たちが何をやっているか分かっているのです。これは意図的なのです。もうなされているのことなのです。彼らは私たちに知らせていません。彼らも話題にしません。

 いま大統領、国務長官の座についているのはどんな人物かというと、装備が足りないと兵士に質問されたとき、しばらく答えに困ってから「そうですね、きちんとした装備をすべきだし、ちゃんと準備しますよ」と、まるで、戦争準備に無関係だった人のようなもの言いをするタイプの人間です。ジョージ・ブッシュにとって言葉は何の意味も持ちません。ただ音を発しているだけ。意味はありません。ブッシュは、「えー、拷問はしません」と何度でも言えますが、現実は明らかに違うでしょう。アブグレイブも明るみにでて、逸話みたいに使われています。国際赤十字(ICRC)と米国自由人権協会(ACLU)がこの数週間出している文書から、どこか深いところで私たち全員が理解しています。ガキども7人がやったこと、おぞましい写真、リンディー・イングランド、といった個別バラバラの出来事ではない、と。彼らは堕落した人間で、もちろん間違った行為です。ですが、子どもを戦争におくりだしたときから、上官が現地の親になります。これは、軍の上官はこの子どもたちを守る任務を負っているということです。鉄砲玉にあたったり爆破されないようにするためだけでなく、20そこらの若者が鉄砲もって戦地にいったとき、馬鹿な真似をさせないようにすることも任務です。彼ら自身の行為から守ってやらなくてはならないのです。毎晩毎晩異様な行為を三ヵ月半も続けていたのに、兵士内部からの告発があってはじめて明るみに出てやっと止められたのです。どれだけの上官が知っていたか。年表にしてみると分かりますが、アブグレイブが報告されたのは2004年1月です。5月に私とCBSがかなり大々的に報道しました。この1月から5月までのあいだ、政府はなにもしませんでした。後にラムズフェルドは、1月半ばに報告を受け、大統領に知らせていたことを認めましたが。事件が公になる3ヶ月半のあいだ、7人の「腐ったリンゴ」下士官兵、ウェスト・バージニアの憲兵隊に所属していた予備兵を起訴するほか、体系的な措置は一切とられませんでした。彼らは基本的には、交通規則の訓練を受けだけの若者で、イラクに送られ、刑務所の担当につけられた、というのが問題の答えです。まったくの無知。だからといって愚かな行為は許されはしません。しかし、もうひとつ別の体制が存在していて、私たちは、それを見ていないのです。この体制にいる人間は逃げおおせています。

 というわけで、これがこの最悪の事件の良い面――良い面などあればの話ですが。奇妙・間接に良い面について話しましょう。今週ワシントンポスト紙に載った記事です。メリーランド出身の25歳の海兵隊員が死に、ポスト紙がワシントンでおこなわれた葬式を取材しました。死んだ海兵隊員の名前はホダックで、父親の話が引用されています。父親はバージニア南部の地方紙に投書し、息子の死についてこう書いています。「今日はすべてが奇妙だった。洗濯をして、犬を散歩に連れて行き、朝食をとった。自分はどういうわけか息をしている、心臓も動いている。なのに息子は棺桶に入って、あちらの世界に行こうとしている。」〔ベトナム戦争の〕ミライの事件を取材したときのことで、もう35年も前のことですが、ご記憶のことと思いますが、あの虐殺行為をしたのは基本的には米兵の一部隊であったことを確認しました。あまりにも今日の話と似ていますね。しかし、今日、米兵は戦場で敵を直接目にしません。兵士たちは地雷を踏んでしまったり、狙撃兵に突然撃たれます。常に敵は隠れているのです。目に見えない怒り、憤りが渦巻いていて、そうなるとイラク人を人間とみなくなります。この点についてイラクで私たちはものすごい成功をおさめていますよ。彼らはただの「ターバン野郎」で、人間以下の存在です。犠牲者の数はスーダンと同じで、ものすごい数を殺しています。いずれにせよ、ミライ事件に戻りますと、1968年ある部隊が村に入っていきました。そこには敵がいると思っていたのに、いたのは550人の女、子ども、老人だけ。なのに兵士は村民を処刑しました。まる一日かかって。その途中で休憩し昼食を食べています。そのうち一人の若い兵士が相当の殺しをやっています。90人ほどからなる部隊のうち黒人とヒスパニック系の兵士は40人ほどでしたが、彼らは、銃撃の際、宙に向かって撃っています。〔村民がいる〕溝をめがけては撃ちませんでした。部隊は、3つの溝に村民を集めて、何もいわず撃ち始めたのです。虐殺をやったのはほとんどが中流下層出身の白人で、いまでいうなら、ほんの少し余計に稼ぐために陸軍の予備兵や国家警備隊に入るような若者です。ミライで、ポール・メドロウという、かなりの殺しをやった兵士がいました。次の日、その場にいた兵士全員が覚えていることなのですが、溝の底にいた母親の一人が2歳ぐらいの男の子を自分のお腹の下で守っていたので、その子が生き残っていたことが分かりました。兵士らが配給食K――いまはMREと呼ばれていますが――を食べていたとき、その子がどうやってか溝から這い上がってきて、大声で泣き始めたのです。かの有名なカリー中尉がメドロウ――現代のリンディー・イングランドにあたりますが――に、殺せと命じました。「Plug him(お見舞いしてやれ)」と。メドロウは、これまでおそらく200発は撃っていたのに、それはできなかった。そこでカリー自身が皆が凝視するなかカービン銃をもって走っていきました。上官は兵士より軽い火器を持っているのですが、彼はこのライフルで子どもの頭の後ろを撃ちました。次の日、メドロウは地雷を踏み、片足を吹き飛ばされました。彼は救護後送され、そこで、大いに罵っていたのですが、みなが記憶しているゾッとするようなことを言っています。「俺は神の裁きを受けた。あんたらも裁かれるよ」と。

 その1年半後、私はこの事件の話を書きました。メドロウのことを知った後、彼の母親に電話をし――メドロウはインディアナ州のニューゴーシェンに住んでいた――訪問したい旨を伝えました。そのとき確か私はワシントン州にいたと思いますが、確かインディアナポリスへ飛んで、そこからテレホートへ飛び、そこからインディアナ南部までレンタカーで小さな農村へ着きました。ノーマン・ロックウェルの絵に出てくるような光景で、養鶏が生業のうちだったのですが、母親は50歳なのに80ぐらいに見える、筋張った老人でした。もがきながら生きている生活で、ずっとふけて見える。周囲に住民はいないような場所でした。息子さんに会いに来たと告げると、彼は家にいる、あなたが来るのを知っている、と言うと、母親はこう言いました――「優しい子を差し出したのに、殺人者にして返してよこしたよ」と。

 あのときから35年たって、いま、「ニューヨーカー」にアブグレイブの話を書いているわけです。3週間で3本書いたと思います。「ニューヨーカー」の事情を知っている人が聞けば、これは信じられないことです。いずれにせよ、この仕事の真っ只中に電話が一本かかってきました。東海岸、北東部に住む労働者階級、中流下層で、非常に信心深いカトリック一家の人からです。かけてきたこの母親は、話さなくてはならないことがある、というので、飛行機や車を乗り継いで会いに行きました。彼女の話はこうです。彼女の娘はアブグレイブにいた憲兵隊に所属していて、部隊全員が2004年3月に帰国した。2003年の秋に〔アブグレイブの〕任務に就き、あの娯楽行為は2004年1月に〔ラムズフェルドなどに〕報告されています。2004年3月に彼女は帰ってきましたが、そのときまだスキャンダルは発覚していません。が、娘は別人になって帰ってきた。イラクに行く前は結婚していた。若い娘だった。予備兵になったのは、陸軍の予備兵がちょっとしたお金稼ぎになるからで、大学進学のためでありません。ウェスト・バージニアのピザ屋のレジで夜中に働いているような人たちですから、あまり教養があるタイプの人たちではありません。彼女は帰国すると結婚したばかりだったが、夫を置いて去った。家を出て、街も離れ、別の街にアパートを借り、別の仕事に就いた。これまでの関係を全部断ち切ったのです。春が過ぎたころ、母親は毎週娘に会いにいった。が、娘は毎週末刺青の店に行き、体中に黒い刺青を彫っていた。腕、足――。母親は狂乱しました。一体どうしたのか――と思っていたところにアブグレイブのニュースが公になります。母親は記事を読み、ことの意味を理解したのです。彼女は娘に「あなたあそこにいたの」と聞いたそうです。母親がアパートに会いに行ってもドアをバタンと閉めて入れてくれない。母親は娘がイラクに行く前、彼女にパソコンを与えていました。DVDが見れるタイプのもので、海外にいったとき映画か何か見れるだろう、と考えたわけで、いいアイディアでしょうね。どうやら、そうしている兵士はたくさんいるようですが。娘は帰国後他のものと一緒にこのパソコンも母親に返しました。母親はパソコンを見てみました。彼女はうつ病のことも、フロイトも知らないのですが――母親は私に、パソコンを自分が使える状態に整理しようと思っただけなのよと説明し、なぜアブグレイブの件が明るみに出た後にはじめて見ようとしたのかは言わないのですが、彼女がファイルを開けてみると、当然「イラク」と書いたファイルが存在するわけです。開けてみると、100ほど写真が出てきました。母親や娘がみるべき種類のものではありません。アラブの男性が裸で鉄条に寄りかかり、2匹のシェパードが、男性の両脇にいるのです。「ニューヨーカー」はかなり大きく写真を載せました。が、雑誌に載せなかったそのあとに続く写真で、この男性は犬に噛み付かれています。かなり深く噛まれかなりの量を出血しています。というわけで、母親はこの写真を見て私に連絡してきたのです。

 私にとってはたくさんある話しのひとつですが、ここに問題の核心があります。私たちすべてが、米国政府の「マクロ」に対応しています。このマクロについては望みはゼロです。勝ち目はありません。報道もぜんぜんなってません。議会も。軍も。私が知っている軍の大将全員が、「俺たちがホントは裸だってことを誰が知らせるんだろうね」と言っていますよ。誰も知らせていませんよ。ラムズフェルドに意見するのをみな恐れています。それが現状です。これは恐怖の上に成り立っている体制なのです。誠実さが欠けているといった種類の問題ではないのであって、もっと深いものです。なぜなら、個人レベルで見れば誠実さは存在しています。そうではなく、体制が完全に乗っ取られたのです――カルト集団に。いずれにせよ、今後の展開としては、死傷者が増え、こうした話が報道され、兵士が帰国するにつれ親たちが犠牲の重みを理解していくでしょう。負傷兵も戻ってきますが、絶対耳にすることのない病棟というものがあります。重傷を負った兵士がいる病棟については知っていると思いますが、ここで言っている病棟とは、植物状態になった負傷者のことです。植物状態の負傷者が入れられている病棟が五万とあって、それは脳が壊滅的傷害を受けたからです。読まれたかもしれませんが、先週でた医学雑誌の調査によると、〔これまでの戦争に比べ〕重傷者の数が増えていて、それは、治療技術と武装の発達のためだ、ということでした。ということで、重傷の度合いが極限までひどくなっています。この手の話はこれからもっと出てくると思いますが、これから明らかになってくるのは、…なるべく楽観的に見ようとしているんですが。今後、内部からの底からわきあがるような動きが出てくるでしょう。すでに兆候は出ています。兵士に質問をするなかで、もっと出てくるかもしれません。私は、一斉蜂起が起こるといっているのではありません。が、不満の声がもっともっと外に出てくるようになる、ということです。それが情勢打開の糸口になるかもしれません。もうひとつの救世主は経済的なところかしれません。かなり悪い話をしますよ。今持っている株を売ってイタリアに土地を買っていない人は、早く手を打ったほうがいいです。みっつ目は欧州。欧州諸国がアメリカをこれ以上我慢しないでしょう。あそこでの怒りはものすごいものがあります。昔からの連合国のことです。そこで何か、アメリカに対する集団的行動といったものが起こる可能性があります。当然ながら、ドルの価値が下落し続け、米国債を誰も買わなくなり、信用貸しもしなくなるなか、アメリカ経済の墓場の上で、勝利のお祭りが開かれるようになります。アメリカはいま、毎日20億ドルの赤字公債を発行しているんですよ。そのうち、日本もロシアも、みんなドルでなくユーロ建てで商売をするようになります。パニックがおこるでしょう。が、ブッシュはこれも乗り切るかもしれません。そうなるにはあと一年かかるので、それまでの間ブッシュの悪行がもたらす影響は計り知れないでしょう。これからの展望はかなり暗いものです。」

 あい

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kouhei)
2005-01-29 22:48:49
アメリカに戻ってくる遺体の数が増えてもブッシュには何の意味もない。遺体袋が殺到していますが、ブッシュの考えをなんら変えるものではない。それは、死者が増えようと、ブッシュはそれを、自分の信念が命ずる状況にアメリカを置くことに対し支払わなくてはならない代償だ、と判断するからです。、、、、、



●アメリカは恐ろしきことになってるんですね。
返信する