CAFE PACIS

ユルゲンが「カフェで政治が行なわれているんだ」って言う。じゃあ、カフェで平和やるか。

ケリーが勝った、、、

2004-11-05 13:13:27 | ニュース@海外
 2000年選挙のブッシュ勝利は、不正手段によるものでした。またしてもそうなること、選挙略奪のために不正な手段が講じられていることは、選挙前からかなり報道されていました。以下の記事は、2000年フロリダでの汚い手を最初に暴いたグレッグ・プラスト記者によるもの。
 
 彼が言うように、できれば「聞きたくない」話ですが、ウソが大きければ大きいほど人はそれを信じる、と言った独裁者がかつていたことを想起すると、今後のブッシュ政権4年が世界にもたらす恐ろしい影響を考えると、そういうわけにもいかないか。 

  あい


ケリーが勝った、、、
グレッグ・パラスト
2004年11月4日


 聞きたくないのは十分承知している。また、あのパンチ式投票用紙(で抜いた穴から外れる紙片)問題を正視する気力など残っていないであろう。でも、私にはそれしか選択しがない。アメリカ民主主義と呼ばれる汚いソーセージの調査を使命とするジャーナリストとして、大統領選挙のカギを握る州で、どちらの候補が多数票を得たかを報道することは、私の仕事なのである。火曜日、オハイオとニューメキシコを獲ったのは、ジョン・ケリーであった。

 オハイオの投票者のほとんどは、自分がケリーに投票していると思った。水曜朝1時5分、CNNの出口調査では、オハイオ女性投票者のあいだでは、ブッシュ47%に対しケリーが53%で勝っているとの結果であると報道された。〔出口調査が公式結果と合うように歪曲されたことについての記事はこちら(リンクは原文で。以下同様。)〕この出口調査は、のち集計された結果と合わされ、ということは合わされたことで汚染され、最終的には、見たところ実際であるような投票結果を反映したものとなった。ケリーは、オハイオの男性投票者についても、ブッシュの49%に対し51%でリードしていた。オハイオで女性・男性以外に第三の性が投票していなければ、オハイオはケリーが勝ったのである。

 一体どうなっているのか。答え。出口調査は正確である。調査員は「どの候補に投票しましたか」と訊く。残念ながら、調査員は決定的に重要な質問をしなかった。「あなたの票は集計されていますか。」そんなこと投票者は知るすべもない。

 なぜ知るすべもないのか。それは、出口調査の結果によればオハイオではほとんどの投票者が、ケリー候補の場所に穴を開けたのだが、このうち何千もの票が単に記録されなかったからである。これは予測可能だった問題であり、現に予測されていた〔これについては、11月1日の”An Election Spoiled Rotten”参照。〕

 またしても、オハイオの未集計票ゲームの主役となったのは、きちんと穴が開けられたかどうか分からないパンチ式投票用紙のパンチ紙片と、重大な結果をはらむパンチ紙くず、今回はそれに加えて、従来、新規両方の卑怯な手段であった。

 オハイオの選挙結果をしたのは投票者ではなく、「書き損じ」といわれるものであった。概して米国では約3%の票が無効となる。破棄され、記録されない票である。ニュースを見て、首振り人形アナウンサーが、オハイオであれどこであれ、どこそこの州が51%対49%でこっちの候補が獲りましたと言うのを聞いても絶対信じてはいけない。かつて米国でそんなことが起こったことはないのである。なぜなら合計が100%になることなど決してないからだ。テレビが言う合計は、無効票を無視した数値である。

破棄されたのは誰の票か?
 大事なのは、すべての票が平等に無効になるわけではないということである。どの公式発表も、破棄された票のほとんどがアフリカ系アメリカ人と少数派の人たちの選挙区で投じられたものだと、している。〔詳細〕

 これは2000年のフロリダ州で経験している。あの時、出口調査の結果では、ゴアが最低でも5万票差でリードしていた。しかし、この数字は、公式の集計とはマッチしなかったのである。それは、フロリダ州の州務長官キャサリン・ハリスが、17万9855の書き損じ票を除外したからである。今回のオハイオ同様、このときのフロリダで失われた票のほとんどがパンチ方式でなされたものであり、パンチされた穴が完全に抜けきっていなかったものである。「紙片がぶら下がった状態」だったり、二度パンチされていたり、という票である。では破棄されたのは誰の票か。政府の委託で書き損じ票を調査した専門家らは、ゴミ箱行きとなった破棄票の54%が黒人が投じた票であると計算している。〔この報告は、米国市民権委員会のもの〕

 問題のカギは、フロリダのケースが恐ろしいほどの典型であることである。最終的に、捨てられることになる票の多数(火曜の大統領選挙では、2万票近くが捨てられることになる)が、アフリカ系アメリカ人をはじめ少数派市民が投じた票となる。

 ということで、また同じことの繰り返し。それとも繰り返しではないかもしれない。というのも、前回と違い、民主党がオハイオの不明確パンチ投票(選挙用語で”undervoter(民主党から見て「未投票者」)”)の集計さえ要求していないからである。民主党が、支持候補者が前もって識別されていた可能性がある”overvotes”(共和党にとっての「余分、いらない票」)の問題の調査さえ要求していないからである。

 投票し損じが生ずるようなパンチ式カード機械を使っている州は、オハイオを含め数州しか残っていない。オハイオの州務長官J・ケネス・ブラックウェルは、選挙の前にこう明記している。「オハイオの予備選でつかったパンチ式投票機械を使えば、大統領選の開票結果が僅差になる可能性があり、そうなるとフロリダのような災難が起こる。」

 しかし今週、共和党としての党派性を日増しに強めているブラックウェルは、民主党票を飲み込む癖がある投票機器で選挙を実施する準備を着々と進めたのである。キャサリン・ハリスの二の舞になることを懸念していないか、との質問に、ブラックウェルは、ミス・調整ハリスはあの努力が実って連邦議会の議員に当選した、と応えた。

 では、今回いったい何票が書き損じとして捨てられたのであろう。注目すべき点だが、ブラックウェル事務所はこの点については発言しないであろう。法により報告が義務付けられているにもかかわらずである。なるほど。しかし、前回の選挙では、オハイオで破棄された票が全部で、民主主義が当然要求するだけの数値1.96%にも及んでいたことが分かっている。あの機械は、このよく起こる損失を11万票に生み出し、しかも、その圧倒的多数が民主党票だった。

異議申し立ての影響
 第一に、ケリー票の問題として、不確定パンチ投票用紙があった。しかし、問題はパンチ式投票だけではない。もうひとつ「異議申し立て」があった。これは、オハイオの共和党による、クー・クラックス・クランの古い手法を上品に言った表現で、つまり、有色人種の投票を投票所で阻止する行為のことだ。オハイオ、ウィスコンシン、フロリダで共和党は、ほとんど使われてこなかった不可解な法を引き合いにして市民に奇襲攻撃をかける計画を練り、共和党の投票監視員が個々の投票者を呼びとめ、その人の投票権を拒否することを可能としたのである。オハイオの裁判所はこの計画に愕然としたし、連邦法は、異議申し立ての要因を人種として、特定の有権者を標的とすることを禁じている。しかしながら、最高裁では、共和党選挙監視員の投票所でのこうした活動を容認させる準備がととのっていたのである。

 こうして、乱発こそはされなかったが、異議申し立てはおこなわれた。その結果、おおくの投票者が、あの嫌な臭いのする「仮」投票(気休めの投票のようなもの)をさせられることになり、これらの票は、数えられるかもしれないし、捨てられるかもしれない。ブラックウェルの推定では、仮投票は17万5千。民主党は25万としている。どっちを選んでもいいだろう。問題は、この異議申し立てが少数派を標的にしたものであり、またしても、この少数派が圧倒的に民主党支持であることは周知の事実なのである。仮投票を集計し、穴あけ損じパンチ投票用紙も集計(肉眼で再集計すれば簡単な作業)するなら、本当の合計は、出口調査の結果と肩を並べはじめるだろう。そうなると、おーっと、別の大統領が当選することになる。オハイオでブッシュとケリーの差は、13万6483票だったのをお忘れなく。

魔法にかけられた州の魔法にかけられた票
 さて、ニューメキシコ州に移ろう。ここでは、票が全部数えられたなら、ケリーの得票差がもっとはっきりと出ていた場所である。選挙前、私はこのTomPaine.comでこう書いた。「ニューメキシコでは、ジョン・ケリーが数千票差で負けている。まだ一票も数えられていないのにである。」

 なんでこんな事態になったのか。そろそろ分かってきただろう。ここでも、書き損じ票、仮投票ですよ。

 CNNによれば、ジョージ・ブッシュは1万1620票差でニューメキシコを獲得。ここでもCNNの集計結果は、奇跡的にも、存在し得ない「100%」となっていた。

 前回選挙でニューメキシコの報告では、書き損じ票は2.68%であり、そのほとんどがヒスパニック、先住民、貧民階層の選挙区の住民が投じた票であった。民主党の縄張りである。今回の大統領選挙で、おなじ割合で損失が生じていたとすれば、1万8千票がゴミ箱行きになったと推定できる。

 ニューメキシコでは、書き損じ票がかなりの割合で民主党票である傾向がある。この魔法にかけられた州(Enchanted State。ニューメキシコ州の愛称)では、ヒスパニック系が2人に1人以上の割合でケリーに投票したが、彼らの票は、白人者に比べ、5倍の確率で無効にされる可能性が高い。この未集計票を数えたなら、ブッシュの「リード」は簡単に覆されたはずである。

 すでに、書き損じ票の選挙歪曲効果が、選挙統計に表れ始めている。まさに予想したとおり、共和党の選挙委員の支配下にあるヒスパニック系地域でである。ニューメキシコの「リトル・テキサス」と呼ばれるシャベス郡は、44%がヒスパニック系、それにくわえてアフリカ系アメリカ人、先住民からなる地域である。なのに、ジョージ・ブッシュは、(ケリー)31%に対し68%で「勝利した」。

 選挙前、シャベス郡の共和党選挙事務所のメンバーと話しをした。彼は、ヒスパニック系で書き損じ票が大量にでるのは、あの人たちがどちらの大統領候補に入れたらいいか決められないことを示唆しているに過ぎない、と言っていた。奇妙なことに、この褐色の肌の人たちは、わざわざ決断力の無さを示すために、砂漠の中を遠いところはるばる投票所まで車を運転してくるのである。

 さて、ニューメキシコの仮投票が全体にどう影響してくるのであろうか。

 仮投票用紙について、アルバカーキーのジャーナリスト、レネイ・ブレイクは「彼らは、仮投票用紙をお菓子のように配って歩いていた」と報道していた。配られた仮投票用紙は2万。だれの手に渡ったのか。

 ニューメキシコで、カトリック大司教区の「誠実な市民行動(“Faithful Citizenship”)」プログラムを運営するサンチアゴ・フアレスが話してくれたことによれば、「彼の(地域の)」有権者は、貧しいヒスパニックで、サンチアゴは彼らを強固なケリー支持者と見ているが、この疑わしい仮投票用紙を渡されたのはこうした人たちであった。ヒスパニックは、集計される種類の用紙の代わりに、もはや有権者の身分証明など必要とされない投票所で「ほとんど宗教的に」仮投票用紙を渡されたのである。サンチアゴによれば、なかには、投票自体を拒否された人もいた。

独自でケリー勝利パーティの企画を
 ということで、オハイオとニューメキシコはケリーが獲得と宣言できるのである。票を全部数えればの話だが。

 しかし、それはないであろう。自身の宣言に反し、党指導部はまたしても人種差別的公民権剥奪に屈したのである。なぜか。民主党は、書き損じ票・仮投票をすべて集計するには、オハイオのブラックウェル州務長官の協力が要ることを痛いほど知っているからである。どの票を数えるかを最終的に決めるのはブラックウェルなのである。キャサリン・ハリス並みの政治的心臓にあこがれているブラックウェルが、全面集計になりそうな集計を許可する見込みは薄い。また、民主党指導部は、全面集計を要求しようものなら、マスコミの懲罰を受けることも痛いほど知っているのである。

 こうなった今どうすればいいのか。実際はケリーが勝利したのだから、独自の勝利パーティを開いてはどうか。ただし、部屋のカーテンはしっかり引いておくこと。第3愛国法のもとでは、全面集計の要求は不法行為となる可能性があるからである。

 かつて私は、ロンドンのガーディアン紙でコラムを書いていた。この間、何人かの友人から、また米国を離れるのかと訊かれている。すべての票を数えないという、二度にもわたる、失敗に照らすなら、私が国を離れる必要はないであろう。なぜって離れていったのは国のほうだったから。

原文:http://www.tompaine.com/articles/kerry_won_.php

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