5月24日(金)
参加者―たかし、喜哉、ジロー、還水、烈、鈴鹿、白水、さとこ、Kさん、Yさん
鈴鹿先生は月に一度くらい、カルチャーセンターの聴講生をあつめてワインパーティーを開いてくれるのですが、
この日もその流れで3時過ぎより飲み会となりました。
ワインの買い出しやらつまみを作るのにバタバタしているうちに6時前に まるでジェットコースターに乗ってるみたいに句会に突入しました。
飲み会の流れでKさんとYさんが句会に参加してくださることになり、なかなかテンションの高い句会になったようです。
互選句
桐の花真っ盛りなり雲流る (たかし)
やはらかき光を透す若楓 (たかし)
乾杯のビールの上の俺の空 (喜哉)
五月ゆく赤いリボンの落し物 (喜哉)
初夏がすき公園のこのベンチ (喜哉)
種のある手品に種のない西瓜 (喜哉)
さみだれや「し」の字に眠る栞紐 (ジロー)
麦酒のむこの人生の桟敷席 (ジロー)
人の世をまばたきもせぬ鰹かな (還水)
魚屋が湯に行くそぶり夏の夕 (環水)
一生を棒に振っても麦酒かな (環水)
我が薔薇プリセツカヤの如く散る (環水)
炎帝にかくれてそばを食ふ暗がり (環水)
緑陰の道辿り来る配達夫 (烈)
鳥賊焼くやその匂ひもて夏立ちぬ (烈)
切り落とす枝の若葉や地はみどり (烈)
夏足袋のほかは捨てたし衣がえ (鈴鹿)
辻堂の地蔵にも手向くカーネーション (鈴鹿)
夕風がビールの泡とたわむれて (鈴鹿)
友送るうの花垣の別れ道 (鈴鹿)
レテの川蛇の聲のみ残りけり (白水)
筍煮いつも目指すは祖母の味 (さとこ)
お宮入きらった刑事が宮参り (Kさん)
日ごろ見ぬ風を感じる夏の宵 (Yさん)
「人の世をまばたきもせぬ鰹かな」 (還水)
ジロー―特選 たかし、喜哉、烈、鈴鹿、白水、さとこ―並選
還水さんはこのところ好調で句にはずれがない。
(このブログではメンバーを少々誉めすぎのきらいがありますが、これも句座を盛り上げるためのことで ご勘弁を)
彼は多芸で語ィも豊富なのだが、そういうひとにありがちな頭のなかで句を作るいやらしさがない。自解を聞いてみるとほとんどが実景から起こされた句である。以前高得点を取った大根の句もそうだが、身近にある食材から詠まれた句が多い。この句もしかり。
印象的な見開かれた鰹の眼から、より広い観念的な世界が現前しているようだ。
ただ具体的な鰹の眼があるばかりなのだが、さも意味があるかのような投げ出され方をしている。
切り口があざやか。
俳句は余技である、とは久保田万太郎の弁だが、還水さんには余技という言葉が似合う。
余技といっても、本筋ではない手すさびというような意味ではなく、実景を重んずる俳句の基本を押さえつつ、その軽さを身に纏うといったような意味である。それは文学的野心のない芸事にちかいのかもしれない。
名人になる日は近い。
「緑陰の道辿り来る配達夫」 (烈)
喜哉、ジロー、還水、鈴鹿、白水、さとこ―並選
一気に詠み下した素直な句。
視点としては配達される家からのもので、遠くから配達夫が見えるということは都会ではなく田舎の風景だろう。
便りを心待ちにしている心情がうかがえるようだ。
どんな便りなのだろう? あるいは通販で何か買ったのだろうか 奥様に内緒で、だから奥様が帰宅しないうちに
でも、炎天ではなく緑陰だからいかがわしいものではないだろう・・
参加者―たかし、喜哉、ジロー、還水、烈、鈴鹿、白水、さとこ、Kさん、Yさん
鈴鹿先生は月に一度くらい、カルチャーセンターの聴講生をあつめてワインパーティーを開いてくれるのですが、
この日もその流れで3時過ぎより飲み会となりました。
ワインの買い出しやらつまみを作るのにバタバタしているうちに6時前に まるでジェットコースターに乗ってるみたいに句会に突入しました。
飲み会の流れでKさんとYさんが句会に参加してくださることになり、なかなかテンションの高い句会になったようです。
互選句
桐の花真っ盛りなり雲流る (たかし)
やはらかき光を透す若楓 (たかし)
乾杯のビールの上の俺の空 (喜哉)
五月ゆく赤いリボンの落し物 (喜哉)
初夏がすき公園のこのベンチ (喜哉)
種のある手品に種のない西瓜 (喜哉)
さみだれや「し」の字に眠る栞紐 (ジロー)
麦酒のむこの人生の桟敷席 (ジロー)
人の世をまばたきもせぬ鰹かな (還水)
魚屋が湯に行くそぶり夏の夕 (環水)
一生を棒に振っても麦酒かな (環水)
我が薔薇プリセツカヤの如く散る (環水)
炎帝にかくれてそばを食ふ暗がり (環水)
緑陰の道辿り来る配達夫 (烈)
鳥賊焼くやその匂ひもて夏立ちぬ (烈)
切り落とす枝の若葉や地はみどり (烈)
夏足袋のほかは捨てたし衣がえ (鈴鹿)
辻堂の地蔵にも手向くカーネーション (鈴鹿)
夕風がビールの泡とたわむれて (鈴鹿)
友送るうの花垣の別れ道 (鈴鹿)
レテの川蛇の聲のみ残りけり (白水)
筍煮いつも目指すは祖母の味 (さとこ)
お宮入きらった刑事が宮参り (Kさん)
日ごろ見ぬ風を感じる夏の宵 (Yさん)
「人の世をまばたきもせぬ鰹かな」 (還水)
ジロー―特選 たかし、喜哉、烈、鈴鹿、白水、さとこ―並選
還水さんはこのところ好調で句にはずれがない。
(このブログではメンバーを少々誉めすぎのきらいがありますが、これも句座を盛り上げるためのことで ご勘弁を)
彼は多芸で語ィも豊富なのだが、そういうひとにありがちな頭のなかで句を作るいやらしさがない。自解を聞いてみるとほとんどが実景から起こされた句である。以前高得点を取った大根の句もそうだが、身近にある食材から詠まれた句が多い。この句もしかり。
印象的な見開かれた鰹の眼から、より広い観念的な世界が現前しているようだ。
ただ具体的な鰹の眼があるばかりなのだが、さも意味があるかのような投げ出され方をしている。
切り口があざやか。
俳句は余技である、とは久保田万太郎の弁だが、還水さんには余技という言葉が似合う。
余技といっても、本筋ではない手すさびというような意味ではなく、実景を重んずる俳句の基本を押さえつつ、その軽さを身に纏うといったような意味である。それは文学的野心のない芸事にちかいのかもしれない。
名人になる日は近い。
「緑陰の道辿り来る配達夫」 (烈)
喜哉、ジロー、還水、鈴鹿、白水、さとこ―並選
一気に詠み下した素直な句。
視点としては配達される家からのもので、遠くから配達夫が見えるということは都会ではなく田舎の風景だろう。
便りを心待ちにしている心情がうかがえるようだ。
どんな便りなのだろう? あるいは通販で何か買ったのだろうか 奥様に内緒で、だから奥様が帰宅しないうちに
でも、炎天ではなく緑陰だからいかがわしいものではないだろう・・